能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2017年9月5日火曜日

Perfume:「If You Wanna」の映像解禁



イメージの勝利



Perfume - If You Wanna (2017)
 
If You Wanna - Single
Released:  Aug 30, 2017                     
℗ 2017 Wrasse Records Limited
under exclusive license from Universal Music, LLC
 

この曲を「Music」のカテゴリーでとり上げるのはやめた(結局とりあげた)。曲は展開が無さすぎ。短すぎ。歌詞も「If you wanna love me…kiss me」しか言っていない。曲と言うには単純すぎて印象に残らない。

しかしこの映像はいい。この映像で音も綺麗に聴こえ始めた。音がキラキラしてる。SF的なイメージがいい。Perfumeにはこういう世界がよく似合う。


過去の名曲「エレクトロ・ワールドのリリースは2006。「Twinkle Snow Powdery Snow2007年だそうだ。このMVカメラの回り方や角度、衣装があの2曲のMVどこか似てますね。(そんな言葉が存在するのかどうかわからないけれど)これはセルフ・オマージュというべきか?

この映像を見て、(私は2006年当時の彼女達を知らないのだけれど)Perfumeが若い頃、関さんの作ったバーチャルな空間で踊っていた頃を考えてしまった。あの二つのMVが作られてからほぼ10年経った。あの可愛かった少女達は大人になって今本当に綺麗だ。

懐かしいのかなんなのか…ちょっとしんみりとしてしまった。


今のPerfumeに違和感がないわけではない。

中田さんの近年のPerfumeの曲は音の質感は相変わらずかっこいいのに、メロディが単調だったり甘過ぎたりウェット過ぎたり踊れなかったり。この曲は短すぎ。構成がシンプル過ぎ。ここまで歌詞が無いとどう受け取っていいのかもわからない。ダンス用に特化しているのかと思っても必ずしも踊り易い曲でもない。そもそも短すぎてイントロ程度にしか聴こえない。もう少し展開して全体に4分ぐらいの曲だったら名曲になったかもしれないのに、もったいないと思う。単純すぎる曲と言えばちょっと前の「Display」もイントロだけで終わっちゃったような曲。なんだか近年の中田さんの曲には、昔のようにぐっとくるものがない。

実はMIKIKOさんのダンスにも昔ほど惹かれない。曲が単調だからなのか、それともPerfumeダンスに特化し過ぎてしまったのか…、近年のダンスはどうも複雑すぎ、動きがうるさすぎて曲の良さを殺しているようにさえ見えてしまう。この曲もそう。Aメロからサビに至るまでの展開が、スタジオでのダンスでは動き過ぎ。せわしなく踏むステップや∞の形に動く速い手の振りが、曲の繊細な美しさを殺している。サビの振りは流石に上手いなと思うけれど。
…同じことは「Flash」でも感じた。動きすぎて気が散る。近年で最後にダンスが気持ちいいと思ったのはHold Your Handのサビ(絶対割れないキミのガラスの心を伝う涙色の振動に…)のダンスだったかもしれない。最近のPerfumeのダンスは忙しすぎる。おっとEveryday」のサビの振りはいい感じですね。
…もちろん個人的な好みなんだけれど、昔のPerfumeダンスの面白さは、3人が同じ方向を向いて同じ動きをしてピタッと揃うことではなかったのかと思う。曲がよりよく聴こえるようなダンス…無理をしない自然なダンス。昔のPerfumeのダンスには流れるような魅力があったように思う。ダンスが複雑になればなるほどグルーヴが無くなってきているのではないか。


それでも彼女達の魅力は変わらない。今も彼女達は変わらず美しい。

このMVの彼女達はとても綺麗だ。こちらがPerfumeに期待するイメージどおりの映像。ダンスをしていない部分のSF的なイメージがいい。「エレクトロ・ワールド」のあの少女達は本当に綺麗な大人になった。

久しぶりに生身じゃないPerfumeが見れて嬉しい。ちょっと哀しそうで儚いのがいい。機械の身体は電気がなければ動かなくなる。だから儚い。こちらの勝手なイメージなんですけどね。バーチャルな空間で遊んでいた未来から来た子供達が、美しい大人のアンドロイドになって帰ってきた。ちょっと泣ける。…いや彼女達は冷凍されて惑星間を旅する宇宙人なのかもなぁ。

Perfume - Spinning World (2022)
Perfume - Polygon Wave (2021) 
Perfume - 無限未来 (2018)
Perfume - If You Wanna (2017)
Perfume - Pick Me Up (2015)
Perfume - 1 mm (2013)
Perfume - Magic of Love (2013)
Perfume - Spring Of Life (2012)
Perfume - Glitter (2011)
Perfume – 575(2010)
Perfume - Baby Cruising Love (2008)
Perfume - Twinkle Snow Powdery Snow (2007)


映画『シング/SING』(2016):笑のツボ…とてもいい映画です







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SING2016年)/米/カラー
108分/監督:Garth Jennings,  Christophe Lourdelet
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劇場で見るのを逃してしまったもの。Netflixに出ていたのでうちで一人で見ることにした。

大笑い。

笑のツボにハマって、全体で4回ほど大笑い。階下で一人で見て大声でゲラゲラ笑っていたら、2階から旦那Aが降りてきたので「これすごく面白いよ」と報告。週末に二人でもう1回みてまた大笑い。面白かったです。
 
前知識はゼロ。動物が口パクで歌ってそれだけの映画だろうと思っていたら、ちゃんとストーリーもありました。
 
コアラの劇場支配人バスター・ムーンが潰れかけた劇場を再興させるというもの。オーディションで選ばれた才能のあるシンガー達が劇場の再興の為にショーをやるお話。
 
いい話です。話の展開がとても早くて全く飽きさせない。キャラクター達も魅力的。どんどん引き込まれます。ストーリーがしっかりしている。全く期待していなかったのにとても面白かった。
 
音楽が好きな人には楽しめる映画だと思います。何も考えずに見れて、音楽を楽しんで、時々大笑いさせられて、最後はちょっといい話だな…と思ったり。すごくいい映画なんじゃないかなぁ…これ。
 
動物達は可愛くて、旧『ジャングル・ブック』のリアル感とは違って、いかにも「人間」なんですけど、顔の表情が素晴らしいです。こういうCGでの感情の表現も徐々に進歩しているんだろうなと思う。内気な象の女の子とか、コアラ支配人のガッカリした表情とか、ヤマアラシ・ガールの葛藤、ゴリラパパの「わしの息子だ」のウルウル目とか…表情でおっと思う場面がいくつかあった。
 
しかし一番面白かったのは、全編に溢れるユーモア。かなり笑った。
 
 
 
★ネタバレ注意
まだ見ていない方は読まないほうがいいと思います。

ユーモアに乱暴さがあまりないんですよ。安心して見られるのがとてもいい。ゴリラ一家はギャングだし、ねずみは悪いいかさまなんだけど、悪役にもそれほど悪い印象はない。実はこの映画の前に見た『ペット』は乱暴過ぎてまだ全部見ていないんですよ…だって荒っぽいんだもの。この『シング』は全体に可愛くていい。
 
細々と色んな場面がおかしいんだけれど(カタツムリのクリストファー・クロスとか)、まず大笑いした場面をリストアップしておこう。

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★主役のコアラがマシュー・マコノヒー
 
この俳優さんは存在そのものがおかしいので、彼が主役コアラのムーンさんの役をやっているだけで笑える。

★コアラと羊のカー・ウォッシュ。

どうしようかと思うくらい腹を抱えて爆笑。腹がよじれる。映画でこんなに笑ったのは久しぶり。結構哀しい場面なんですよね。それなのに笑いが止まらない。わかっているのよ、悲しい場面なんだ…でもコアラが泳いじゃうし、平泳ぎしちゃうし。羊君は協力してくれてるのね。二人で黙々と仕事をする…なんだか思い出すだけでも笑いがこみ上げる。何度も見直して大笑い。

★物干しマシンに吊り下げられた子豚たち。

一瞬で笑う。瞬間芸ですね。これも笑いました。
 
★ジャパニーズ・レッサーパンダ・アイドル・グループ
 「キューティーズ」



これも大爆笑。この5人のアイドル・キャラはよく出来てるなと感心したの。日本のアイドル文化の寄せ集め的なものだと思うんだけれど、制作者は日本の文化をよく見てますよね。感心。それにとてもかわいい。5人で色の違うコスチュームだから「ももクロ」とかああいうグループでしょ。歌はきゃりーぱみゅぱみゅを3曲。英語が全く話せなくて、時々話す日本語「ワレワレハー…」はたぶん初音ミクの声に近い。
 
可愛い彼女達は日本からはるばるやってきてアメリカでチャンスを摑もうとしている日本のアイドルグループの設定なんでしょうね。ところが英語が全く話せない。だから所構わず音楽をかけてキャッキャッと歌って踊る。「LUCK」ならぬ「F*CK」と聞こえる歌詞にあわせて踊るのが、なんとも得体が知れなくておかしい(笑)。それをみてマコノヒーコアラが唖然とするのもまたおかしい。オーディションに落ちて「帰れ」と言われても勝手に練習をして次のチャンスを狙ってるんですよ…英語がわからないだけなんですけどね。健気じゃないですか。可愛いわ。
 
途中、出演メンバー不足による再オファーで、マコノヒーコアラが彼女達となんとかコミュニケーションを試みる。まず英語で話しかけると、女の子達はそれぞれ顔を見合わせて怪訝な顔をする「このおじさん何言ってるの?」…表情がリアルでおかしい。それからコアラが日本語の会話本を取り上げて読み上げるんだけれど、明らかに内容が間違っているわけです。大変失礼な内容。そこでまた爆笑ギャハハハ。英語圏ではあのコアラのムーンさんの読み上げる日本語には字幕が付かないんですよ。だから英語圏の観客には何を言っているのかわからない。日本人は密かにクスクス笑えるわけです。私は家で爆笑しましたけど。
 
まぁとにかく可愛い。最後にヤマアラシガールが歌い終わった後でキャーキャー言いながらステージに集まってくるのもまた可愛い。このパンダちゃん達のことはすごく気に入って何度も見直しました。動画サイトにもレッサーパンダだけを集めた映像があがってますね(→検索「SING Red Pandas Moments」)。かわいいぞ。
 
ところで、あの日本人アイドルキャラを見て「あんなものに日本人を代表させるなどけしからん」などと思うべからず。誰もあの可愛いアイドル・グループを見て日本人が皆あんな風だとは思わないですから。あくまでも日本のアイドルを面白いキャラとして取り上げただけ。それに若い日本人の女の子が海外に出れば、最初は皆あんなものですあははははは。
 
ワタクシも英国に移り住んだばかりの頃は英語の会話についていけなくて、いつもおとなしくニコニコ笑ってごまかしてました。ある日旦那Aとその友人達と飲んでいたら皆でゲラゲラ笑い始めたので(内容はわからなかったけれど)とりあえず一緒にゲラゲラ笑ったんですよ。そしたらお姉さんに「あなた内容がわかって笑ってるの?」と聴かれたので「NO」と言ってまたゲラゲラ笑ってごまかしましたとさ。そんなもんですって…笑笑笑。だからちょっと嬉しハズカシ・レッサー・パンダちゃんがとても可愛いのです。がんばれよぉ。かわいいな。

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●おまけ・英語版では英語のアクセントでキャラ設定

いくつかのキャラは喋る英語のアクセントでキャラ設定をやってます。これも面白いなと思ったので書いておこう。他にもあるかもしれません。

・象の家族:アフリカ系のアクセント。温かい大家族。歌の上手いミーナちゃんは内気。お爺ちゃんがちょっと怖い頑固爺。でも優しいのね。
 
・ゴリラのギャング:英国ロンドンの下町のアクセント。下町のギャング風ですね。お父さんが怖い。

・豚のグンター:変なドイツ人の設定(笑)。こういう変なドイツ人キャラってアメリカに昔からあるステレオタイプだそうです。グンター君はいい人なんですよね。

・羊のディーバ・ナナ様:英国アクセント。高貴なちょっと怖いスーパースター。

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というわけで面白いポイントだけを書いておこう。予想以上に楽しめました。音楽と舞台…ライブが好きならきっと楽しめます。CGのアニメーションなのに、ゴリラ君や象のミーナちゃんが歌って盛り上がるところはちょっと感動しましたもん。ライブはいいよね。やっぱりライブは楽しいよねとしみじみ思う。
 
マコノヒーさんはやっぱりおかしいですね。続編が出来るのかしら?楽しみだわ。


 

2017年9月4日月曜日

お猫様H:棚の上の姫


 
初めて机の上の棚に上った。
人を見下ろして得意満面である。
 
 
皆の者…、
 私がお姫様である。
そちも…、
その者も勉学によく励むよう…
そなた…もっと近う寄れ
 顎の下をモフってもよいぞ。


2017年8月29日火曜日

Queen - The March of The Black Queen (1974)



まず最後まで聴くべし



Queen - The March of The Black Queen (1974)

Album:  QUEEN II
Released:  Mar 8, 1974
℗ 2014 Hollywood Records, Inc.



先日はQUEENをとり上げたので、1曲置いておこう。

この曲は彼らの2枚目のアルバムQUEEN IIから。初期のQUEENを語るならこのアルバムは外せない。海亀はQueenの作品の中ではこのアルバムが一番好きだ。

一番好きだ。

 
QUEENには出会ったのは中学生の頃…JAZZLive Killers1979年頃。まずその2枚を購入。そこから遡ってアルバム1枚目から順番に購入して聴いていった。
 
1枚目QUEENもいい。
 
2枚目QUEEN IIA面(White Side)最初から格調高く英国の香り。厳かでとてもいい。A面を聴いてからレコードを引っくり返し、B面(Black Side)に針を落として最初の咆哮「ぁあぁ­­­­­­­­­­­­―ぅ」を聴いてぶっとんだ。なんだっこれはっ。
 
BBlack Sideはフレディ先生が全曲を作曲。天才です。このサイドは6曲全てで1曲に聞こえます。曲と曲も繋がって途切れることなく曲が進む。
 
 
だから1曲だけとりだすのは躊躇する。そもそもこのQUEEN IIは好き過ぎてブログなんかにとり上げるのも気が引ける。どれにしようかと思ったけれど、BBlack Sideの中心の曲はこのThe March Of The Black Queenだろうと思うのでこれにしよう。

複雑な曲です。パーツをそれぞれ別の曲から持って来て、全部つなぎ合わせて辻褄を合わせたような曲。終わったかと思ってもなかなか終わらない。おそらく「ボヘミアン…」のように完成されているとは言えないのだろうと思うけれど、この荒々しさがいい。この曲を書いたフレディ先生は26歳。
 
 
初期のQueenのアルバムは、アルバム1枚に捨て曲が1曲も無いのが当たり前。全曲が名曲。ほんとにすごいバンドです。
 
このアルバムは、当時アルバム全曲を通して鼻歌で歌えるようになるまで何度も何度も聴いた。
 
なんだかこの辺りの初期のQueenの曲は、最後の隠し玉的な思いもあったんだけれど、とある日本の「洋楽アルバム・レビュー投稿サイト」を見てみたら、この曲は『QUEEN II』の中でも一番の人気曲。びっくりした。いやそもそもそのサイトではQUEEN II』が他のQUEENのアルバムを抑えて一番人気。やっぱり日本のQueenファンは熱い。そうだよなぁ…皆このアルバムのことは語りたいのよね。皆同じ気持ちなのねきっと。
 
QueenWe Are the ChampionsRadio Ga GaBohemian Rhapsodyばかりのバンドじゃないんだよ。もっと凄い事もやっていたんだよ」と世間に言いたい。しかし言いたくない気もする。愛とはそういうものでしょう 😌