能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2025年3月30日日曜日

BBC『HARDTALK』が終わってしまった…BBCは何を考えているのだ?



ここ数年で私が一番よく見ているTV番組は、BBCのインタビュー番組『HARDTALK』だった。この数年間、毎日番組を録画して(出来るだけ)見ようとしていた。この番組は今の私が物事を考える上での大きな判断基準であった。この番組が私の正気を保ってくれていた。

そのBBC『HARDTALK』が3月いっぱいで終わってしまう。番組の打ち切りである。

私は2週間前ぐらいにそのことを知ってとにかく残念で残念で残念で…。3月いっぱいで終わりだと言うので「なにごとか」といくつか情報を見てみたのだけれど、私には納得がいかない。インタビュアーのStephen Sackur氏も納得していない模様。出てきたインタビューをここに貼っておこう。


The G2 interview/ガーディアン誌
‘I feel really, really cross at incredibly dumb decisions’: Stephen Sackur on the end of HARDtalk – and leaving the BBC


★ Stephen Sackur: How the BBC killed HARDtalk
https://www.youtube.com/watch?v=cpxRYYGwk0Y
 

Stephen Sackur氏はBBCから一方的にクビ/解雇を言い渡され『HARDTALK』も終了。BBC側の理由は、予算削減と、この番組の視聴率が低いことからだという。

ところが Sackur氏によると、その判断は決してフェアなものではない。『HARDTALK』の予算はBBC内で削減されるべき予算の5%しか使われておらず比較的少額で、また判断の基準になった視聴率は英国内のみの数字。そして番組の英国での放送は真夜中0時過ぎと午前4時からの2回のみ…(誰もテレビを見ない)放送時間での視聴率での判断らしい。

現実には、この番組は世界的な人気番組で、海外の視聴者(ラジオも含む)は1週間で1億7千万人。その質の高さから世界中の人々に愛され信頼され称賛され、BBCにとっても「信頼できるジャーナリズム」の番組として実績のある看板番組であった。それにもかかわらず、BBCはこの番組を打ち切りとした。Sackur氏によると、BBCの上部のマネジメント側はこの番組の世界的な評判と価値を理解していないのだろうとのこと。


本当に残念です。まずSackur氏がクビ/解雇になったというのが信じられない。私はてっきり彼が61歳であることから、御本人がそろそろリタイアしたいと思ったのかと思っていた。いやいや彼はまだ続けたかったらしい。40年間もBBCと共に、現在局を代表するスター・ジャーナリストであるにも関わらずSackur氏がクビになるとは…。信じられない。


この『HARDTALK』のなにが面白かったのか。

Sackur氏御本人が仰っているように、このインタビュー番組はできるだけ政治的なバイアスを入れないようフェアであることを信条としていた。インタビューの前には内容に踏み込むためにリサーチを怠らず、実際のインタビューでは、相手の人物に対して直接的な(時には厳しい)質問をしてそれぞれの正直な意見を導き出す。…言葉巧みな政治家の裏と嘘を暴き、戦争が起これば両方の陣営に意見の場を提供する。そしてそのインタビューへの判断は視聴者に任せ、決してBBC側が視聴者に意見を押し付けることはない。


例えば…
ロシアがウクライナに侵攻すれば、数か月おきにロシア側とウクライナ側両方へのインタビューを試みる。そしてロシアの周辺国の政治家へのインタビューも度々行われた。ロシア側の代表の言葉、それからウクライナ側の代表の実際の言葉は大変貴重。ロシアの周辺国、また欧州の政治家の言葉は現地の人々がどのような状況にいるのかの実際の様子を知るのにも貴重な情報だった。

イスラエルでの紛争ではイスラエル側(追記・元首相 Naftali Bennett氏と Netanyahu首相の元首席報道官 Mark Regev氏と他の数名)とパレスチナ側の代表(駐英国パレスチナ代表団長 Husam Zomlot氏)へそれぞれインタビューを行い、またガザでの苦しい状況がニュースにになれば、 UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の長官(Philippe Lazzarini氏)にインタビューを試みて現地での様子を聞く。

これらがなぜ(私が物事を判断するために)貴重な情報なのか…

例えば…
今どきの米国の右寄りの情報/噂には「UNRWAの全てはハマス寄りである」との意見がある。しかしそれらの情報/噂を広める人々が、UNRWAの長官によるガザの現場のリポートを実際に聞いているとは思えない。(信頼性のないSNSの偽情報も含めて)右寄りのメディア情報を鵜呑みにして満足し、 UNRWAのガザでの実質的な救済活動の全てを拒絶してしまう態度に公平さはあるのか。

そしてまた同時にイスラエル側の主張、戦争の理由、戦争はどこへ向かっているのか、その意図や目的も知りたいと思う。両方の意見を聞きたいと思う。


イスラエル側であれパレスチナ側であれ、またロシアとウクライナの状況であれ、知りたいのは世界で何が起こっているのかの事実。事実を把握するために様々な立場の人々の主張を彼らの言葉で聞きたいと私は思う。

なぜなら人物のインタビューの映像は、その人物の言葉以上に大きな情報を明らかにするからだ。私達は「言葉を発する人物」の表情やボディーランゲージで言葉以上の様々な情報を読み取ることができる。質の高いインタビューでは、視聴者が言葉巧みな政治家の嘘を見透かすことも可能。インタビュー映像は、編集された活字の記事以上にその「言葉を発する人物」の本質が見えることも多いのである。

『HARDTALK』は様々な要人への貴重なインタビューを放送してくれることによって視聴者が自分で判断する機会を与えてくれていた。主題に踏み込んだリサーチをベースに、あくまでも対象に対しフェアであることを信条にした「HARD/厳しい」インタビューは、他では見られない貴重なものであった。この番組は今の(様々なことが動いている)世の中で私の正気を保ってくれる数少ない番組の一つであったと思う。本当に惜しい。


これから Sackur氏は本を書かれるそうだ。そして彼がこれからどこに行くのかは「まだ話せない」とのことだが、またどこかでメディアに出てこられるのだと思う。それにしても彼がBBCと切れたのは惜しい。彼のインタビューもBBCの看板があるからこそ出来たものも多かったはず。Sackur氏にとってもBBCにとってもいい番組だったのになぜ終わらせてしまったのか理解できない。これからSackur氏がどこに出てくるのか、注目していこうと思う。  


昨日は様々なことを思いついてうだうだと書いていたけれど主題から外れるので削除した。この『HARDTALK』の終了で私はかなり upsetであることは間違いない。


2025年3月27日木曜日

ト氏の政策・輸入ワインと車



EU産酒類に関税200%で3倍の値段?

なんだかすごいことになってしまいそうだ。ここのところこのブログではのんびりと「ワインで巡るフランスの旅」などとやっていたのですが出来なくなるな~。だってね、200%の関税に色々と加わって、その結果欧州のワイン等が3倍の値段になるそうな。え、今の20ドルのワインが60ドルになるの?そんなの飲むわけがない。アホか。そんな高いもの飲まないよ。今のうちに欧州ワインを少し買っておこうか。それを1年に5本ぐらいのペースでのんびり飲んで感想文を書くかな。とにかく3倍の値段になったら飲まない。

これ、アメリカ国内のワインの輸入業者もホテルもレストランもワインバーも…様々な業界がものすごいダメージを受けるのでは。Kermit Lynch 社大丈夫か。結局アメリカの消費者だけでなく、アメリカの様々な会社を苦しめることになりそう。心配ですね。

…で、それならカリフォルニアのワインを飲むのか?飲まねーよ。だってお酒を飲むために飲んでるんじゃないもんね。欧州ワインは欧州への浪漫を飲んでいるんだもの。ワインを飲みながらフランスやイタリアやドイツの地方や文化や歴史のことを学ぼうとしている。カリフォルニアワインなんて飲まない飲まない。歴史がないもの。アメワインは浪漫がない。カリフォルニアの三人婚ワインとデコピンワインは飲んでもいいけど。デコピンワインはまだ飲んだことがないわ。

ただト氏は様々なことを思いつきで言ってるみたいなので、これもひっくり返る可能性はありますね。まだわからない。


そして輸入車には25%の関税?

これはもう決定したのかな。アメリカが外国から輸入する全ての車に25%の関税をかけると。要するに輸入車と外国製の部品を使った車もその分は25%の値段アップだそうだ。うへ~。うち古い車に乗っていてそろそろ買い替えるつもりだったのだけれどたぶん25%増しの値段を払うことになりますね。酷いものだな~。これ、EUや日本製の車だけではなく、アメリカのフォードやGMがメキシコで作っている車にも関税が25%かかるのだそうだ…アメ車も結局25%値段が高くなるのですよね。これなんのための関税なの?国民が前よりも高い車を買わされるだけじゃん。アホか。

なんだか色々とありますけどね。言ってることも毎日コロコロ変わっているし。開いた口がふさがらない。一回落ちるところまで落ちるのか猫の国。今は投票した人達が何が起こっているのか全然理解していないのだろう。いつ気付くのかな?

これ贅沢品の欧州ワインや高級外車はともかく、中国製の日用品の値段が上がったら国民はみんな怒ると思います。  Macy's や Target の一般的な日用品…食器や洋服や家具から建築材料まで、今ありとあらゆるものが中国製でしょ。全てに関税がかかって値段が上がったら国民は皆怒ると思うぞ。



MLB★開幕でござる



今日から開幕だそうですぜ。
さて今年からうちのTVのケーブル会社が変わりまして、そうしたら見られるチームがいくつか出来たのかな。

まずパドレスはガチ。パドレスの公式のチャンネルがある 👍👍👍


それから今日気付いたのはたぶんエンゼルスも見れる。よし。
元々うちは(大谷さんがいる時の)エンゼルスだけが見れたのだけれど、去年1年間はエンゼルスが見れなくなっていた。それで今年ケーブル会社が変わったのだけれど…見れないかと思っていたら今日やっていた。これ毎日見れるのかな?菊池さんが投げていたぞ。

この元エンゼルスのTVは FOX系の「Bally Sports West」のチャンネルだったのだけれど、どうやらなくなったらしい。そして今は「FanDuel Sports Network」に変わったそうだ。…それで効率化なのか、今日の放送ではグービーさんとエリカちゃんが解説をしていて、ティムサーモン先生とかパトリックオニールさんとかガレットアンダーソンさん、ボビーバレンタインさんがいない。でもグービーさんとエリカちゃんがいてよかったわ。



たぶん。さて肝心のドジャースはたぶん毎日は見れないかな~(追記↓)。でも今日は初日だからなのか ESPN のチャンネルでやってた。最初だけちょっと見てこれを書いてる。エドマン君がホームランを打ったのを見た。


大谷さん1本目
ムーキーちゃん元気になったのね よかった


※追記
おっと~もしかしてドジャースのテレビも見れるのかも。Spectrum SportsNet LA があるのだけど、これドジャースTVなの???ヒャ~!!  ドジャースのテレビもあるぞ。すごい~。初戦はESPNで放送してたから専用チャンネルで放送してなかっただけらしい。

うちのテレビ、パドレスとエンゼルスとドジャースが見れるの???
すごい~😀😀😀



そして今日は開幕戦なので MLB ネットワークが一度に色んなゲームを見せてくれていて面白かった。この4画面で、たぶんホームランを3本ぐらい見た。ハーパーがHR打ってた。初日からすごいね。フィリーズの対戦相手のナショナルズのピッチャーのゴアさんが5回目ぐらいまでで13回も三振をとっててすごい。対するフィリーズはウィーラー。スターだな。そしてちらっとガーディアンズのクワンちゃんも見れた。

トゥーベがいますよ。頑張れ

さて今年のMLBはそんなわけでエンゼルスとパドレスをちらちら見ながら、ドジャースは見れる時だけ見て、あとは日本のメディアで日本の選手をチェックしたい。デコピンニュースが見たい。かわいい。

あ、そうだ。先日の日本での試合も見ようと思ったけれど真夜中0時からだったので全部は見れなかった。初戦でヤマモロさんとイマナガさんが投げるのと大谷さんが打ったのは見た。ローキ君を見逃してしまった。

そして今年のMLBは…
なんとヤンキースにベリンジャーが入ったのよ。ギャー!!!  そしてマックスフリード様もヤンキース入り。ぇえええええええ?見たいやん。見たいわ。ベリンちゃんにフリード様なんて…ぜいたく。いいなぁ東海岸の人。


あ、今ドジャースのスコアを見たら、大谷さんとテオスカもホームランを打ったそうよ。すごいじゃ~ん。調子いいな。


2025年3月18日火曜日

危ない方向に向かっていないか?



以前から私はここに書いている「トランプさんは高齢だから私はあまり心配していない。しかし彼の後ろにいる極右の白人至上主義者は恐ろしい。彼らが力を持たないことを祈る」。

今日ニュースを見ていて気になったことがあった。かなり驚いた。恐ろしくなった。そのことを記録する。今日はアイロンがけをするつもりだったのに今日もまた文を書く。年寄りは文が長い。



先ほどTVニュースを見ていたら出てきた話、内容は…

ネイティブアメリカンの暗号話者に関する記事が軍事ウェブサイトから削除

内容を詳しく確認するためにネット記事を検索。いくつかの記事が出てきた。その中の一つはガーディアン/The Guardian誌のもの。

https://www.theguardian.com/us-news/2025/mar/18/native-american-code-talkers-dei-military

「世界大戦で米国のメッセージ送信に協力したアメリカ先住民に関するページが国防総省の「DEI」粛清で削除」されたというもの。

内容を読むと、どうやら削除されたのはアメリカ先住民の方だけではない。米国の国防総省の公式ページからDEI(diversity, equity and inclusion/多様性、公平性、包括性)に関する記事を全て削除する動きが進んでいるという。



この「アメリカ先住民に関するページ」と書かれているのは、1945年に硫黄島で星条旗を掲げた海兵隊員の一人、アイラ・ヘイズ/Ira Hayes氏を讃えるページだそうだ。

この記事は、本日の日本のYahooのニュースにも
「硫黄島星条旗の写真を削除 米国防総省、DEI認定か」

のタイトルで先ほどから出ているようだ。


このアイラ・ヘイズ氏、そしてアメリカ先住民の方々の世界大戦中のストーリーというのは…

(解読が非常に難しいことから)アメリカ先住民の言語が大戦中の米軍の通信に使用されたというもの。第1次世界大戦ではChoctaw/チョクトー語、第二次世界大戦ではNavajo/ナバホ語が使用された。共に対ドイツ、そして対日本の戦争での通信に使われたのだという。特にナバホ語は世界で最も学ぶのが難しい言語とされている。



ここ数週間、国防総省は「DEI」とみなしたウェブページを静かに削除し続けている。その対象になっているのは、白人以外のマイノリティーや女性で勲章を授与された軍人の方々。

その動きの元は、トランプ大統領の大統領令
「連邦政府内のすべての DEI 取り組みを禁止する」
というもの。

これらの歴史データの削除は、私達が知らない間に国防省内で静かに行われている。



私が最も驚いたのは、同じく第二次世界大戦中の

第442連隊戦闘団/442nd Regimental Combat Teamを讃えるページ

このページも3月の始めに一度は削除されていたという。

第442 部隊とは、
第 100 歩兵大隊と合わせて、その規模と勤務期間の点で史上最も多くの勲章を受章した戦闘部隊。第二次世界大戦の部隊は主に日系アメリカ人二世で構成されていた。

…多くの日系人が家を追われ家財を没収されて強制収容所に入れられていた戦時中、勇敢な日系二世の若者達が志願して米国軍人となり、ヨーロッパ戦線で多くの犠牲者を出しながらも米国のため、日系人の誇りを胸に戦った。彼らは今も偉大な英雄達として讃えられている。

(日本が敵国であったことから)米国で日系人の人権が奪われていた戦時中、「自分達日系人も米国の国民である」との強い意志の元、命をかけて戦った勇敢な若者達。この442連隊に向け、戦後トルーマン大統領は「諸君は敵だけではなく、偏見とも戦い、そして勝ったのだ/You fought not only the enemy, you fought prejudice, and you won.」と讃えたそうだ。

彼らの中で一番有名なお方がハワイの上院議員だった故ダニエル・イノウエ氏。彼はこの第442連隊の英雄。右腕を失いながらも生還し、後に日系人初の上下両院議員に選ばれたお方。今ホノルル空港が「ダニエル・K・イノウエ国際空港」と名前を変えて彼を讃えている。(このお方のWikipediaの日本語ページを読むと私は泣く)



の第442 部隊の記事の削除の事を知り、あまりのことに普段は驚かない私も怒りとショックで内臓が縮むような気がした。

酷い。あまりにも酷い。これがトランプ氏の言うところの効率化だろうか、DEIを取り除くことによる公平さなのだろうか?あまりにも酷い。悔しくて泣いた。

その後、この第 442 部隊のページの撤去は、部隊のメンバーの親族や日系アメリカ人市民同盟、また(ハワイ州民主党)エド・ケース下院議員と、(大叔父が第442部隊の退役軍人だった)カリフォルニア州のマーク・タカノ氏を含む多くの人々からの大きな抗議を引き起こし、その結果3月15日に再度掲載されることになったという。

このことについて、国防総省の陸軍報道官は
「第 442 連隊戦闘チームは陸軍の歴史の中で名誉ある地位を占めており、我々は「ゴー・フォー・ブローク」旅団で活躍した勇敢な兵士たちに焦点を当てた記事を再掲載できることを嬉しく思います」としゃあしゃあと述べたと言う。謝れよ。



同じような動き…ページの削除の後に抗議を受けて再公開する動きは、ベトナム戦争での黒人名誉勲章受章者、チャールズ・カルビン・ロジャース少将/Maj Gen Charles Calvin Rogersのページ、それからMLBの選手で野球殿堂入りを果たし、公民権運動の先駆者でもあったジャッキー・ロビンソン/Jackie Robinson氏の陸軍での任務に関する記事も同様の扱いを受けていた。

白人でない人々の記事がことごとく削除の対象になっている



今回削除が行われた(ローゼンタール氏による)「硫黄島旗掲揚」の写真はピューリッツァー賞を受賞し、バージニア州アーリントンにある海兵隊戦争記念碑の像のモデルにもなった。

その写真を、今の国防省は「DEIに関する情報を全て削除する」お題の元に、アメリカ先住民の名前があるからという理由で公式のページから削除した。(おそらく元に戻されると私は思う 再掲載されたそうです


今トランプ政権でのこれらの動きは「DEI purge」と呼ばれている。「purge」とは「浄化する」「取り除く」「追放する」「消去する」の意味。IT分野では不要なデータやファイルを削除する際に使われる。

今回の削除は自動的に行われたものだとの証言もある。おそらくはDEIのタグのついている全てのページに対し機械処理をしたものと思われる。しかし国のために命を捧げた人々のデータを削除するのはあまりにも酷い。本当に酷い。



そしてこの悪行は…もう一度言う…
国民が気付かぬ間に静かに行われているのだ。
その数は千件、何千件にも及ぶという。(国民の抗議活動により)再掲載されることになった記事は有名人やよく知られた事柄。しかし比較的目立たない内容の項目は削除されたままなのではないか。
 

PBSによるもう一つの記事へのリンク
https://www.pbs.org/newshour/politics/pentagon-restores-some-webpages-honoring-minority-service-members-but-defends-dei-purge




恐ろしい時代になっているのではないかと心配している。

先日トランプ氏は司法省/Department of Justiceでのスピーチを行った際、政敵への攻撃的、復讐を思わせる言葉を使った。また戦時中でもないのに1798年制定の(度々合憲性、正当性が論議されている)「敵性外国人法/The Alien Enemies Act 」を発動し(現在国による侵略行為がないことからその正当性に曖昧さがありながらも)不法移民を国外追放。そして裁判もせずにエルサルバドルの刑務所に監禁。また外国生まれの大学生や教員を拘束し国外追放しようとした。一方、今年1月には(2021年1月6日の)米国連邦議会襲撃の暴徒=犯罪人のほぼ全員に恩赦を与えて解放した。経済政策では無謀にも世界中のありとあらゆる国々の輸入品に対し関税をかけると言い続け、さらなるインフレと経済の停滞を引き起こすことはほぼ間違いないだろう。外交に関しては(日本、EUを含む)同盟国、NATOとの関係を危ぶむ声もある。
また(米国に愛国心などみじんも無いだろう南アフリカ出身の)マスク氏は政府効率化省/DOGE(Department of Government Efficiency)を率い、効率化と言いながらこの確定申告/Tax Returnの忙しい時期に恐ろしいほどの数の職員を解雇し、またティーンのハッカー達を使って国と国民のデータを切り裂いている。

「敵性外国人法/The Alien Enemies Act」
戦時中に敵国の出身者や市民を裁判所での手続きを経ることなく拘束したり国外退去にしたりする。この法律が過去に適用されたのは3回のみ。第2次世界大戦中には日本系、ドイツ系、イタリア系の市民と合法移民を拘束するために使われた。



トランプ氏に投票した人々、今でもトランプ氏を信じる人々は、今この国で起こっているこれらのことを見て何も思わないのだろうか?なにもおかしいと思わないのか?

そして今はまだトランプ氏が大統領になってから2カ月しか経っていない。  これから4年間どうなるのか予測もできない。


私もこの国では移民で有色人種のアジア人で外国人なのである。もしこの国に排他的な白人至上主義者の独裁者が生まれて最高裁、司法省でさえまともに機能しなくなったとしたら…。ここにこのような記事を書くだけで敵とみなされ国外追放になるのではないか。


これからのことを考えながらこの国がどうなるのか様子を見ている。


2025年3月17日月曜日

眼がダメになってきた…亀の年寄り日記



年寄りは己の身体のことをよく語る。そして年寄りは文章が長い。そのような本日の海亀の文章、できれば短くまとめて記録したい。


人間は己の身体のことを考えない時の方が幸せだと私は思う。思春期には皆「私は人並みなのだろうか?これでいいのだろうか?どのように飾れば少しでも良く見えるのか?」などと悩んだりもするものだが、時間が過ぎて色々なことが落ち着いて中年期にもなれば、人はあまり自分の身体のことを考えなくなる。それは楽だ。

ところがしばらく時間が過ぎると(女性の場合は)まず更年期がくる。そして老年期にさしかかると己の身体のことがますます気になるようになってくる。前と違う。なぜだ。なにかがおかしい。調子が悪い…。悩みが多くなる。

日本のように医療システムがしっかりとしているのならいい。しかし米国はどうもいけない。日本ならあたりまえのこと(病院に予約をすること)さえ難しかったりする。見てもらえないのかな?どうすればいい?不安だ。ますます悩みが増えて困る。


私の左目がおかしくなったのは去年の5月。ストレスによる皮膚病を発症しても、かかりつけの医が2週間も予約待ちなので、別の医師にビデオ診察をお願いしたらステロイド錠の「プレドニゾン」というものを処方された。

夜に1錠飲んで翌朝目を覚ましたら左目の外側に白い光が走る。そして黒いワカメのようなものが大量に泳いでいる。これはいけない。調べたらどうやら症状が緑内障/Glaucomaに似ている。恐ろしくなった。すぐにステロイド錠を摂ることをやめ、漢方の医師に会いに行ったことはここにも書いた。

謎の発疹④…医師との電話+ステロイド錠剤 ---2024/5/23


あれから9カ月が過ぎた。去年は例のバスルームの改装が年末まであってその間は落ち着かず他のことが考えられなかった。

その後、左目の端の走る白い光も黒いワカメもずいぶん落ち着いたと思った。しかし完治したわけではない。去年の年末に車の免許の更新に行ったら、視力が落ちていてギリギリで合格だったのに驚いた。「こんなに見えなかったっけ?」どうやら左目の視界がぼやけていてよく見えていないようだ。まるで汚れた眼鏡をかけているように左目の全体がボーっとぼやけている。ちょっと心配になった。


医者に予約を入れなきゃと思いながら、それでも今まで延ばし延ばしになっていた。しかしここ2週間ほど特に状態が酷くなってきたと思った。左目が曇っていて常によく見えないのはもちろんのこと、パソコンを見ていると非常に疲れる。ある夜はパソコンの画面を見るだけで開けていられないほど目が痛かった。目の表面も痛い。目の奥も鈍く痛いような気がする。これはいけない。

もし緑内障(高い眼圧により視神経が傷む状態)や白内障/Cataract(眼球内のレンズが濁る状態)になっていたらどうしよう。長い間放っておいたから状態が進行していたら?もう取り返しのつかない状況になっていたら。もしかしたら失明だろうか。また手術だろうか。どんな手術だろう。もし緑内障なら失った視界は戻せないらしい。もし白内障ならレンズを取り換える?どうしようどうしようどうしよう。きっと私の左目はダメになるのに違いない…


ネットで病院の予約ページを開いてもかかりつけの医師の予定はまた詰まっている。どうせまた2、3週間は予約が取れない。別のアプローチで、眼科医に視力検査で予約して病状を訴えてみるか?いやそれもまた時間がかかる。かかり過ぎる。

というわけで病院の予約センターに直接電話をしてみた。病状をオペレーターに話すと、なんと近場の眼科医のオフィスに繋いでくれると言う(びっくり!)。そして10分後、眼科医の看護師に繋がったのでまた病状を伝えた。そうしたらなんと2日後に医師が見てくれると言う。ぉおおおおおおお~♬ なんと電話をした日からたった2日後に眼科医に直接会えることになった!!!

よほど緊急を要する危ない症状に聞こえたのだろう。

家で事前にネットで医師情報を調べた。そのF医師はなんと緑内障のスペシャリストだった。…ああ、やっぱり。


診察までの2日間、痛む目に煩わされながら私の心は心配のマックス。
「私はきっと重度の緑内障を患っているに違いない…。」



当日、病院ではまず看護師さんが視力と眼圧を測って下さった。瞳孔を開く目薬を射されて、しばらく待って医師に見てもらうことになった。

目の状態をF先生に説明する。早速検査が始まる。瞳孔が開いた状態で眼底を検査…白い光を当てて先生が目の中を検査。この明るい光が眩しくて眩しくて辛い。目を無意識に何度も瞬きをする。必死で我慢して目を開け続ける。そのような検査が2、3種類はあっただろうか。検査そのものにはそれほど時間はかからなかったと思う。

結果は「問題なし」

目の中も健康で何の問題もないそうだ。網膜が剥離しているわけでもない。眼圧も視力もノーマル。「え、じゃあこの影のように現れるゴミのようなもの(日本では飛蚊症と呼ばれる)は何ですか?」と聞けば、「加齢ですね」とF先生。

左目の端に走る光も、視界に漂うゴミも加齢によるものだそうだ。その仕組みを説明して下さったのだけれど私はあまり理解できなかった。しかしともかく目そのものに問題はないらしい。ほっとする。


ただもう一つの検査で、眼球の表面に傷が多くついていることがわかった。

その理由は「ドライアイ」。

これも加齢が原因。私の更年期はとっくに終わっているし、すでに老年にも足を踏み入れている。この年齢でドライアイがあるのは珍しいことではないそうだ。ましてや、まるで中毒のようにパソコンやiPadを1日中見つめる日々の習慣が私の目にいいわけはない。そのドライアイのせいで目の表面に傷が沢山ついているらしい。緑に染色した目の表面の写真も見せてもらった。沢山の緑色のドットが見えた…それが目の表面の傷。

ドライアイが酷すぎて目の表面に傷が入りそれが目の不快感となっている。

視力が落ちているように感じたのがそのせいかどうかは聞き忘れた。ともかく問題はドライアイ。処方薬は必要なく、市販のいくつかのドライアイ用の目薬をアドバイスされた。


話の中で「人によってはFlaxseed oilがいいという人もいるね」と仰っていたが特に勧められたわけではない。後で調べたら「Flaxseed oilとは亜麻仁油」「omega-3 fatty acids/オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれているそうだ。

あれですね、日本でもよく言われる…亜麻仁油、それにエゴマ油、クルミ、そしてサバ、イワシ、サケ…などのオメガ3脂肪酸をよく摂れということだ。このオメガ3脂肪酸が健康にいいことはよく話に聞く。もう20年以上も「身体にいい身体にいい」と聞いている。心臓にいい、脳にもいい、関節にもいい、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧も下げる。そして(まだ研究中だそうだが)目にもいいとは知らなかった。

そして「水をよく飲むように」とも言われた。これも健康には大切なこと。

というわけで、薬局でドライアイ用の目薬を2種類買い、念のため女性用の亜麻仁油入りビタミン・サプリのグミと、念のためフィッシュ・オイルのカプセルを買って帰った。そして日々沢山の水を飲むべし。

サプリは摂りすぎに注意。
飲む時は量を少なめに飲んでます
目薬はいいのかどうかまだわからない


しかしなによりも必要なのは

「パソコンとiPadを捨てよビーチへ出よう」

ということなのだろうね。難しいな。

やっぱり文が長くなった。


2025年3月13日木曜日

バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑩全体の印象とこれから



全体の印象とこれから


さてこれからどうなるか…シャワー室の床の目地の色 、汚れ具合…などなどは今も実験中。これから白い目地が汚れてくるなら対処しなければならない。しかし2か月以上毎日使用しても今のところほぼ満足である。何の問題も出ていない。

全てのデザインと素材を、掃除しやすいように考えて選んだので掃除も楽。全て白で汚れが目立ちやすいので気付いたら掃除するようにしている。シャワールームを見まわしておかしなところはないかと常にチェックしている。デザインが好き過ぎて、実はシャワーを浴びた後はシャワー室全体の拭き掃除をしている。ガラスのドアはもちろん、シャワーのハンドルや壁、排水口の辺りも全て水分を拭き取っている。それほど大きなスペースではないのでかかる時間は5分ほどだろうか。大好きなバスルームを綺麗に保つためだと思えば苦にならない。そのせいかシャワーエリアは今も綺麗に保たれている。旦那Aもシャワーの後の拭き掃除を協力してくれている。

洗面用シンクとトイレのあるドライな空間も白の空間が気持ちいい。このドライなエリアは髪の毛やほこりが落ちればすぐに気付くので掃除ができる。白は汚れが目立つからこそ綺麗に保とうとするようになる。それは新しい発見でもあった。


なによりも全てが美しい。全てセラミックのタイルなのに、シャワー室はタイルの素材がテラコッタのせいかクリームにピンクに青のトーンがあって、全部を合わせるとどこか大理石に近いような雰囲気がある。テクスチャ―のある手焼き風のタイルが特にそのような印象。そしてそれに真鍮が合わさるとタイムレスな魅力で、シンプルなデザインながらも地中海や中近東の大理石のバスルームのようなクラシックな印象になった。本当に気に入っている。毎日踏み込むたびに嬉しくなる。この改装は大成功だった。大切に使っていこうと思う。




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑨決めてよかったこと



その他決めてよかったこと


①シンクのDeltaのフォーセットのデザイン

これはいいデザイン。このフォーセットは水が静かに流れる。水の跳ね返りが少ない。それからシンクから高い位置から水が出るせいか顔を洗うのも余裕。最初は繊細だと思った細いハンドルは、人差し指1本で水を出し止めることが出来るので蛇口が水で濡れることも少ない。指先1本で操れるのがいい。そしてこの蛇口はPull-Downで先を外すことが出来る。掃除に便利。
 


フォーセットの水が穏やかなため水が飛び散らないこと、そして(カウンターの奥行きが深いから)シンクからバックスプラッシュとミラーまでの距離が長いこと、またバックスプラッシュの高さが6インチで高いことから、今まで2か月も使用しているのにシンクの上の鏡を拭く必要がほとんどない。ほぼミラーの掃除をする必要が無い。これは本当に嬉しい。様々なことが素晴らしくうまくいった。


②バスタブをシャワーの床から24インチに設置

天窓のあるシャワールーム。部屋の壁の高さが高くて縦長なので、バスタブを低く設置すると壁の高さばかりが強調されることを心配した。バスタブの基本の高さは22インチだったのだが、2インチ高く床を上げてもらい高く設置…シャワーエリアの床から24インチの高さにバスタブを設置した。部屋の壁とのバランスがとれたと思う。いい感じの高さになった。
 

③新しいトイレ
一番シンプルなTOTOのトイレにした。シンプルなデザインだがおそらく水の流れは時代と共に改善されているのだろうと実感した。水を流すだけでボウルがほとんど汚れない。水のフローがボウル全体を洗い流すように設計が改良されているのだろうと思う。新しい製品はいいものだと実感している。




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑧迷ったシンク上の鏡



迷いに迷ったシンク上のミラー

すでに書いたように、シンク上の小さな額縁入りのミラーは今のトレンドなのだろうと思う。どのインテリアの情報を見ても今どきのシンク上のミラーは、絵画のようにフレームで囲ったものを個々のシンクの上にひとつひとつ置くデザインが多い。

それで最初は額入りの小さなミラー2枚を調べることにした。ハワイのショールームにはいいデザインのミラーがない。それで既製品をネットで注文することになる。

シンク上用のミラーはいくつかの規定のサイズが決まっている。それらは(すでに注文していた)ヴァニティ―の2つのシンクの位置に合わせようとすると、妙なサイズでバランスよく収めることができない。大き過ぎたり小さ過ぎたり長過ぎたり…。それでまず躓いた。


それで次に大きな1枚の額付きのミラーを検討した。もちろん地元のショールームには大きなミラーはない。ネット上ではアマゾンが品数は一番多いが、実物を見ることが出来ないので製品の質がいいかどうかの確認ができない。またハワイは輸送に手間がかかるためミラーが絶対に割れないとは言えないだろう。割れたら返品が面倒だ。アマゾン以外にもWayfairなどのオンラインのショップはあったが、大量のミラーのデザインを見ることに疲れ果てて断念した


さてどうしよう。地元のガラス専門店(ドアやミラーを注文制作する会社)を訪ねると、大きなミラーに取り付けるための金属の1cmほどのフレーム/枠があると言う。ゴールド/真鍮の色のフレームがあるかと探してもらったが結局時間をかけても見つからなかった。それでフレームのアイデアも却下。

結局シンクのヴァニティ上の大きな鏡は、昔ながらの大きな鏡を直接とりつけることになった。

そんなわけで結局以前と同じように大きな鏡になった。枠が無いのでミラーの中に「もう一つの空間」が出現し、部屋全体が大きくなったような気がする。縁取りのない粗いミラー・デザインではあるが慣れたらあまり気にならなくなった。なによりも部屋が大きく見えるのが一番。元々最初に希望していたのはこのようなシンプルなミラーであった。紆余曲折で迷いに迷ったが、結果には満足している。




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑦予期せぬ出来事Sink Countertop



予期せぬ出来事

ヴァニティのカウンターの奥行を広げることになった


ヴァニティ(シンク周りのキャビネット家具)のカウンタートップは、最初は既成の大きさでいくつもりだった。ところが工事の途中で、以前のカスタムメイドのヴァニティに合わせていた壁の中の古い水道管の位置が新しいヴァニティに合わないことが後でわかった…古い水道管の位置が、新しいヴァニティの真ん中の引き出しの後ろになる。新しいヴァニティに合わせて水道管の位置を変えることになったのだが、あいにく壁に柱が通っていて柱を切ることが出来ない。皆で青くなった。

職人さんの提案で、ヴァニティの設置位置を壁から3インチ離して前に出し、壁とヴァニティの間にスペースを作る。そしてそのスペースで水道管を壁の前に出して配管工事を行い、水道管の向きを変えて新しいヴァニティのシンクの位置に合わせる。ヴァニティを前に出すためにできる横の隙間は3インチの既成の板で閉じる(ほぼ気にならない)。そしてトップのカウンターは奥行きを3インチ伸ばすことにする。大きなカウンタートップにすることが可能だったのは、(特注のバックスプラッシュのために)運よく大きな石板を注文していたため。皆で心の底からほっとした。

石工の職人さんが来て石板をカットしてくださったのだが、現場でヴァニティを目の前に見ながらバックスプラッシュの高さを6インチに決めた。その場で私が決めてそのまま石のカットの作業に入った「もの作りを一緒にやっている」と実感できて嬉しかった。


結果、うちのバスルームのカウンタートップは奥行きが深い。一般的なアメリカのバスルームのカウンターの奥行は20~23インチ。しかし上のようなことがあってうちのバスルームのカウンターは26インチ強の奥行になった。キッチンのカウンターより少し大きい。

壁から26インチ強

結果、カウンタートップにゆとりがあってこれが最高に贅沢…ゴージャスなシンク周りになった。物を置いてもスペースに余裕があるのがいい。フォーセットの後ろも大きく開いているので掃除をするのも楽。まさに怪我の功名。水道管を前に出すアイデアを思いついた職人さんには心から感謝している。これが最高に嬉しい結果になった「予期せぬ出来事」。

トップは25インチ
フォーセットの後ろにゆとり




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑥欲しかったもの 2 Dry Area



最初から欲しかったもの2
機能とデザイン上の要望


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ドライな洗面エリア

①白い人工の石のカウンタートップ
②シンク向こうの石の壁バック・スプラッシュ(back splash)は特注
③顔が洗える大きなシンク
④Deltaのフォーセットもゴールド
⑤モダンなシステム・ヴァニティ(組み合わせ可)白
⑥ヴァニティに取り付けるハンドルとバーも真鍮で色を合わせる
⑦タオルバー、フック、WCペーパーフォルダーも全て色を揃える
⑧床の白いタイル(店で現物を見て選んだ)

⑨家中の全てのドアを取り換える
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一番の要望は、シンクで水を出して顔や手を洗う時に水飛沫が跳ねるのを最小限におさえたかったこと。水が跳ねればカウンタートップが汚れる。フォーセットの後ろのミラーにも水飛沫が飛んで汚れる。ついうっかりとそのままにしていれば水垢になって痕が残る。掃除がしやすい素材を選び、水はねの少ないカウンタートップのデザインを求めた。



①白い人工の石のカウンタートップ
デザイナーさんにアイデアを伝えてお任せ。ただしフォーセット後ろのバックスプラッシュの高さを特注で高くしたかったので、カウンター全体の石の素材を大きなサイズで注文することになった。

②シンク向こうの石の壁バック・スプラッシュ(back splash)は特注
これは最初から決めていた。以前から水が鏡に跳ねて汚れることにうんざりしていたので、フォーセット(蛇口)の後ろの石の壁/バック・スプラッシュは一般よりも高さを高くリクエストした。普通は4インチにカットされた石の既製品を使うことが多い。しかし私は特注で6インチ以上(最初は8~12インチにするつもりだった)にしたいと思った。それでカウンタートップの人工の石の板をワンサイズ大きく注文した。これが後でシンクエリアのデザイン調整の大きなプラスとなった(後述)。


③顔が洗える大きなシンク
これも大切。シンクで顔を洗うのに出来るだけ水が周りにこぼれないようお店で一番大きなものを選んだ。


④Deltaのフォーセットもゴールド
製品の質を信頼してDeltaと決めていた。シャワー・ルームのパーツを先に選んだので、それらに合わせてゴールドの色のパーツを選ぶことにした。素材は残念ながら亜鉛/Zincだということを今知った。DeltaとBrizoは同じ会社なのでゴールド系の色を問題なく揃えることが出来た。

⑤白くモダンなシステム・ヴァニティ(組み合わせ可)
バニティも白、掃除がしやすいことを伝えてデザイナーさんに選んでもらった。システム式で既成のキャビネットを組み合わせてセットをつくる。シンクを設置する両扉の箱を両脇に二つ。その真ん中には引き出しの箱。そして全体の長さを合わせるために右端に3インチの板。それらを組み合わせて2つのシンク用のヴァニティを作った。機能的でいい。扉のデザインはシンプルなシェーカー・スタイルをリクエスト。

⑥ヴァニティに取り付けるハンドルも真鍮で色を合わせる

ヴァニティのドアにリズムをつけるため、ノブとバーを組み合わせることにした。ネット上を探したら運よくDelta製品とのカラーマッチの表が出てきたのでそれで注文したらほぼ問題なく色が揃った。

⑦タオル・バー、フック、WCペーパーフォルダー
も全て色を揃える
その他、洗面エリアとトイレは全てDeltaの製品にしたので色が揃えることができた。

⑧床の白いタイル(店で現物を見て選んだ)
ウェットルームのタイルと同じ会社製の床専用のタイルは形が大きな(12 x 12インチ)正方形のスペイン製。床用にすべらないように少し質感が凸凹しているが、その上にサテンのグレーズをかけているのですべすべで温かい感じがする。ドライ・エリアもこの地中海風の床タイルがなによりも大きなデザインの要となった。粘土はテラコッタではなくベージュだが質感が素晴らしい。裸足で踏み込むたびにいい質感だと思う。



タイルの質感はその場の居心地の良さに関わってくる。手で触って心地よいもの、裸足で踏んで気持ちのいいものが日々の心地よさにつながる。感覚的なものだと思うが、バスルームのように人が無防備になる場所は素材の質感が大切だと学んだ。


⑨家中の全てのドアを取り換える
バスルームと同時に実行したかったのが家中の8枚のドアを全て取り換えること。この家に元からあったドアは安いべニア製のもの。木枠をべニア板で挟んで中が空洞のドアは軽く音も遮らない。全てのドアをしっかりとした木のドアに取り換えようと思った。
▶追記:この注文したつもりだった木のドア、実際には木をベースにした人工的なドアの素材でした。どおりで安いと思った。十分にいい重さで問題なし。
デザインは(バスルームのヴァニティと同じく)シェーカースタイルのシンプルなもの。色は白。ドアハンドルはネットで探し、家中の窓枠の色に合わせて色を黒くした真鍮製/forged brassを選んだ。手触りがずっしりと重いのがとてもいい。





2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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2025年3月12日水曜日

バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ⑤欲しかったもの 1 Wet Room



最初から欲しかったもの1
機能とデザイン上の要望


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シャワー+バス室/ウェットルーム

白いタイル(店で現物を見て自ら選んだ)でデザインする
②アクリルまたは琺瑯のスタンダードなバスタブ
③ゴールド=真鍮/ブラスのパーツ(オンライン)
④シャワーエリアはの入口を拡大
⑤入口のガラスドアとゴールドのハンドル
天井のライトを調光スイッチ付きの新しいものに変える
⑦シャワーと排水口の位置を変更。
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シャワー+バス室/ウェットルーム


① 白いタイル(店で直接選んだ)でデザインする

デザイナーと店に見に行って勧められた壁用のタイルは硬い質感(ガラスのようにつるつる)の磁器でいかにも冷たい感じがした。それから床用のタイルは滑り止めのため質感がサンドペーパーのようにざらざらしていた。直感で肌に心地が悪いと思った。ザラザラのサンドペーパーは足の裏に不快。ガラスのように冷たい壁のタイルも凍えそうだ。それで却下。

それで別の店を自ら訪ねて探すことにした。ちょうどいい質感のタイルがすぐに見つかった。壁用の長方形の大きなタイル(12 x 24インチ)はサテン・マットの質感で温かい印象。表面が滑らかですべすべしている。 それから地中海風の手焼きの凸凹したタイル(6インチ四方)は現物を見てすぐに恋に落ちた。旦那Aもこれがいいと言うので、バスタブの奥の壁に一面だけに使ってアクセントにすることにした。床は滑り止め用と施工のしやすさ、排水のシンプルさで小さめのモザイク・タイルを選ぶことにした。

後から知ったのだが、大きな壁用のサテンの質感のタイルと、凸凹の手焼き風タイルは共にスペイン製。素材は赤い土のテラコッタで上に白いグレーズがかかったもの。素材がテラコッタのためか色合いが温かい感じがする。大きな壁のタイルは白だがクリームがかった色合い。そしてアクセントの手焼き風の凸凹したタイルはグレーズが一つ一つ微妙に違っていてピンクのトーン。組み合わせると面白い質感になる。そして床のモザイクはアメリカのデザインでタイ製。粘土がグレーのために青みがかって見える。これらの3種のタイルの質感がこのバスルームのデザインの要となった。


② アクリルまたは琺瑯のスタンダードなバスタブ
(ジャクージを付けない)

以前のバスルームにはタイルで固めた巨大な(日本風)お風呂があった。ただこのお風呂はとにかく大きすぎてお湯が溜まるのに何時間もかかる代物。15年間この家に住んで結局お風呂に入ったのは3回ぐらい。そしてそのお風呂にはジャクージ機能も付いていたが、まずお湯が溜まらなければ使えない。なんとかお湯を溜めてスイッチを入れても音がうるさくて全くリラックスなど出来ない。これは完全にデザイン上のミスだと思った。普通のシンプルなバスタブは夢であった。悲しくなるくらい長い間、15年間もお湯につかりたいと夢を見た。悲願のバスタブである。

色々とデザインなどで迷いに迷ったがバスルーム専門のお店に行って質のいいバスタブを注文した。お店の方にはとてもお世話になりました。とても感謝してます。

アメリカのバスタブは長さ60インチがスタンダード。しかしうちのウェットルームの幅はぎりぎりの62インチ。バスタブの設置方式はアンダーマウント型とドロップイン型がある。


● アンダー・マウント/Under Mount方式
…とはタブを下で支えてタブの上にタイルや石の枠を乗せる方法。しかしアンダー・マウントはタブと上のカウンターの間のシリコンのコーキングにカビが生える可能性があると思った(私の思い込みの可能性あり)。

● ドロップ・イン/Drop In方式…
…とはバスタブの縁を枠の上に乗せ、また下からも支える方法。タブの縁がカウンターの上に露出しているので掃除がしやすい(意見は個人差あり)。


私は掃除が簡単だからとどうしてもドロップイン式で設置したかった。

うちのタブ設置スペースは小さい。しかしバスタブを小さいものにするとタブのデザインが選べない。それでぎりぎりに両脇を1インチずつだけ残してドロップイン型で設置することにした。かなりギリギリの設置だが掃除もしやすくほぼカビの心配がないのでそれでよかったと思う。


③ ゴールド=真鍮/ブラスのパーツ

長いトラックの上下移動式シャワー
すでに他のバスルームで使っていたDelta社の製品の質がよかったのでまずはDelta社の製品で探し始めた。最初はクロームやニッケルなどの一般的なシルバーの色を考えていたが、ふと思いついて真鍮=ゴールドはどうだろうと思い始めた。特にタイルを全て白にするので、シルバー系の金属は冷たい印象になるかもしれない。

早速ゴールドでパーツを探し始めたらデザインが多く出ていることに気付いた。少しデザイン的な実験になるが「ゴージャスなゴールドがいい」と思った。白い地中海風タイルなら映えるはずだ。真鍮ならタイムレスでクラシックな印象も作ることが出来る。Delta社の製品で探し、そのうちDeltaのハイエンドのブランドBrizoにたどり着いた。そこで縦に長いトラックで上下移動可能なシャワー・ヘッドを見つけた。それを一番最初にオンラインで購入。そこから全てが始まった。ゴールドの色調を調べて全てのパーツをDeltaかBrizoのゴールドのパーツで揃えることにした。その他のパーツも同じ色で探した。


④ シャワーエリアは入口を拡大
元々あった入口は小さかったので大きく広げるようにリクエストしたら可能だとのことで(屋根を支えない)柱を1本切って間口を広げることになった。


⑤入口のガラスドアとゴールドのハンドル

今どきのシンプルでモダンな1枚ガラスのドアにゴールドのハンドルをリクエスト。全ての工事が終わってから注文したので後から取り付けられた。ガラスのパネルとハンドルのみのシンプルなデザイン。ドアは内側と外側に90度ずつ両方向に開けることが可能で全180度開く。


⑥天井のライトを調光スイッチ付きの新しいものに変える
建物が建てられた時からそのままだったシンクのエリアの天井のライトを全てLEDの新しいものに取り換える。デザインは天井にはめ込むシンプルなもの。スイッチで調光ができるようにすれば夜中に目が覚めたときに眩しくなくていい。ウェットルーム内は(戸外用の壁用ライトを)二つに増やす。これもスイッチで調光できるようにした。


⑦シャワーの位置と排水口の位置を変更
以前のシャワーの位置が部屋の斜めの壁の位置にあったのでタブの隣に変更。それと共に排水口の位置も部屋の真ん中に移動した。斜めの壁はシャンプー用の棚を取り付けた。





2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ④選択しなかったもの 2



メディアで見たが選択しなかったもの


勧められたり雑誌などで見ていいと思ったが却下したアイデア
数えきれないほどのデザインの素材の中から自分に合うものを見つける作業…そのために多くのモノを却下する作業が必要になってくる。そのために「誰かが後悔しているデザイン上の失敗」にも注目した。それらの「Don’ts」の情報はネット上に溢れている。YouTubeにも情報があったので参考にした。それに私が個人的に却下したものも加えた。


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①カウンターの上にボウルが乗っているデザインのシンク
②複雑なデザインのトイレ
③ダークな色のタイル
④シャワールームでの自然石のタイルやパネル
⑤シンク上のミラーについて
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① カウンターの上にボウルが乗っているデザインのシンク Vessel Sinks
今どきの流行り。しかしこれは掃除が大変。水が回りに飛び散る。ボールの外に水が伝わって落ちてカウンターとボウルの下に入り込む。完全に綺麗にすることは難しだろう。昔ながらのデザイン…シンクが石のカウンターの穴の下に収まっている(Under mount)が掃除がしやすいと思った。

② 複雑なデザインのトイレ
タンクとボウルが一体になったものがいい。特にタンクとトイレのボウルが分かれているものは間の掃除がしづらい。近年の高機能トイレ…ウォシュレットや電動式の機能型トイレも、掃除がしずらいこと、いつか壊れるだろうことを考えて、一番シンプルなものにした。タンクとボウルの一体型。蓋もシンプル。蓋が壊れた場合に取り換えやすいデザイン。一番シンプルな飾りのないトイレを選んだ。

③ ダークな色のパーツ
石灰質の水垢が付いた場合に目立ちやすいそうだ。

④ シャワールームでの自然石のタイルやパネル
これはメインテナンスの難しさのため。英国にいたときにシャワーの壁が大理石のタイルだったが、自然石は時間と共に色が変わることが多く状態を同じに保つことが難しいと思った。例えば大理石は石灰質の水垢が付いたら酸での掃除が出来ない。大理石も水垢と同じ石灰質なので掃除のための酸が使えない…ということを硬水の英国で学んだ。掃除用に酸、また化学洗剤が使える方がいいとなると丈夫なセラミックや磁器のタイルが無難。

⑤ シンク上のミラーについて
今は壁一面の大きなミラーは流行らないのだと言う。コントラクターが「もう誰もそのような大きなミラーはつけませんよ」と言う。なるほど大きなミラーはフレームが無ければ端から黒く錆びることもある。ミラーのガラスのカットしたエッジが生で見えるのもデザイン上粗い感じはする。今どき大きなミラーを取り付けたいのであれば、額をつけるか、またはタイルや木のパネルに埋め込む方法がある。しかしそれは設置が大変だったり、デザインが複雑になることから却下。それで暫く迷うことになった。(後述)




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ③選択しなかったもの 1



薦められたが選択しなかったもの


掃除のしやすさが一番の優先順位。
その基本の考えを元に…


薦められたが選択しなかったもの
いきなりネガティブな言葉だがこれがデザイン上の重要な作業。数えきれないほどのデザインの素材の中から自分に合うものを見つける作業…そのために多くのモノを却下する作業が必要になってくる。実はこれがデザイン・プロセスの要でもあった。

コントラクター/デザイナーに薦められたが却下したもののリスト
コントラクターにとってのプロジェクトは、新しいデザインやスタイルを試みる場でもある。綺麗に出来上がったプロジェクトは彼らにとって新しいポートフォリオとなり会社の宣伝にもなる。また市場にはありとあらゆる「魅力的なもの」「かっこいいもの」が溢れている。そのためデザイナーは最新のデザインのものを薦めてくる事も多い(もちろんそれが素晴らしいアイデアの場合もあるだろう)。しかしそれらの最新のデザインは必ずしも使いやすい物ではないかもしれない。ライフスタイルに合わないかもしれない。そこでこちらが意志をもって却下しなければならない場合もある。


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● シャワー+バス室/ウェットルーム
①床に据え置き型の丸いバスタブ
②頭上のレインシャワー
③切り替えの多いシャワーシステムや他の機能
④バスタブ専用のシャワー・システム
⑤シャワー室の床の長い排水
⑥シャワー室内のLEDライトの追加
⑦同レベルのウェット・ルームの床とドライな洗面エリアの床

● ドライな洗面エリア
①シンク上…流行りの額入りの小さなミラー二つ
②洗面所のヴァニティの下に空間をつくらない
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● シャワー+バス室/ウェットルーム

① 床に据え置き型の丸いバスタブ Freestanding Tub
広い部屋ならかっこいい据え置き型の丸いバスタブ。しかしうちのバスタブのスペースは小さい。シャワー・エリアの部屋の横幅は62インチしかない。置けないことはないが、タブを置いたら後ろのスペースの掃除が難しい。だから却下。

② 頭上のレインシャワー Rain Shower
かっこいい頭上の大きなレインシャワー。しかしこれもいずれ掃除が必要になる。英国で住んだ家のバスルームに付いていたが頭上のレインシャワーに石灰質がゴワゴワについて詰まっていたのでクルクルと回して取り外して酢に漬けて溶かす…などなど掃除が大変だった。だから却下。

③ 切り替えの多いシャワーシステムや他の機能
それ以外にも(今の時代は)壁から噴き出すスプレーやデザインの凝ったシャワーヘッドなどなど…お洒落な凝ったデザインものはいくらでもあるが、少しでも掃除が大変そうなモノは全て却下。また水の切り替えが多いということは、壁の後ろの仕組みが複雑で不具合が出るケースも増えるということだ。同じ理由で、タブから直接飛び出すハンドシャワーも、タブの下、または壁の向こうで水漏れしたら大変なので却下。

④バスタブ専用のハンド・シャワー
Tub Faucet with Handheld Shower

バスタブ専用のシャワーが最初は欲しかった。しかし狭い空間に複雑なデザインのシャワーヘッドがあると掃除が大変。それで却下。バスタブの中で髪を染める時や、バスタブの掃除にはハンド・シャワーがあった方がいいので、タブの隣のメインのシャワーのホースを長いものにした。バスタブの中でもメインのシャワーを伸ばせば使えるようにしたので、タブにはシャワーがなくてもOKとした。デザイン上もシンプルでいい。

⑤ シャワー室の床の長い排水…Linear Drains
今どきの流行りだそうだ…床のタイルを大きなサイズにして敷き詰め、床を一方向に傾斜させ、床の端の一番低い場所に長い雨どいのようなものを床に埋めて水を受ける。それにメッシュの蓋をする。その雨どいの中央に排水口があって水が流れる仕組み。一旦水を雨どいに集めて流すような仕組みだが、この蓋の下を掃除するのが大変だろうと思い却下。このリネア・ドレインのメッシュ蓋の下はおそらくカビが生えやすい。毎日蓋を開けて蓋の裏と水受けの雨どいを掃除するのも大変だと思った。排水口は水が直接排水口に流れる丸か四角の蓋の簡単なものがいい。

⑥ シャワー室内のモダンな埋め込み型LEDライトの追加
ケーブルを新しく天井に入れる話も出たが却下。今あるライトを二つに増やせば十分明るいはず。

⑦同レベルのウェット・ルームの床とドライな洗面エリアの床
A Barrier-free wet room/Curbless shower

今どきの流行りなのだろうか。ウェットとドライなエリアを同レベルにすることを薦められたが却下。シャワー室の床は掃除のため端から水を流せるようにしておきたいのでドライなエリアからはしっかりと区別したい。そこでシャワー室の床とドライな洗面エリアの間にはシャワー室の床から3インチほどのバリア(少し高くなった敷居)を作った。




● ドライな洗面エリア

① 洗面所のシンクの上の額入りの小さなミラー
今のトレンドなのだろうと思う。どのインテリアの情報を見ても今どきのシンク上のミラーは、絵画のようにフレームで囲ったミラーをシンクの上にひとつひとつ置くデザインが多い。しかしデザイン上いいものが見つからなかった。そのことは後で詳しく書く。

② 洗面所のヴァニティ(洗面台家具)の下に空間をつくらない
床掃除が大変なのでヴァニティは床に隙間を作らず直接設置。




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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バスルーム改装のアイデアと実行の記録 ②基本の考え



基本の考え

まずこのバスルーム改装で目指したもの
最も優先したこと=Priority



掃除がしやすい。掃除が楽
これが一番。なによりも一番大事。全てのデザインはまずこれが前提。基本的に掃除は面倒なのでできるだけ簡単に掃除ができるように全てをシンプルに。掃除がしやすいことを考えて素材も選択した。

● 全ては白をテーマに
これは最初から決めていた。バスルームに色はいらない。白は清潔。白は部屋を明るくする。白は汚れがわかりやすいのもいい。すぐに汚れに気付いて掃除ができる。清潔なら気持ちよく使える。色で汚れをごまかさない(このことは現在、これからいつまでこのバスルームが綺麗に保てるのかの実験中でもある)。特にシンクのある部屋は北向きで窓が小さいので、部屋を明るくするために最初からテーマは白にしようと思っていた。

● シンプルな部屋のデザイン
改装にあたってレイアウトはほぼ変えない。変えるのはシャワーと排水溝の位置のみ。凝ったデザインのものを導入しない。様々な意味でデザインを優先しない…掃除がしやすいことを最優先にする。

● 機能を考えて素材、部品を選ぶ
まず掃除のしやすいセラミック・タイル。それから錆びない、剝がれない、カビにくい、傷みにくい質のいいパーツを選ぶ。掃除が大変そうな家具は導入しない…例えばミラー付きのメディスン・キャビネットは掃除が大変だからと却下。ほこりが溜まりがちな棚も壁に作らない。どうしても棚が必要なら後から追加すればいい。まずは余計なものが何もないところから始める。タオル掛けやフックも同様。最初は最低限必要なものだけを取り付けることにした。


バスルームの一番の大きな問題は「水を使う場所/湿気の多い場所」であること。水を使うからモノが傷む、汚れがつく、汚れが増える、ひび割れる、カビが生える。水があるから…湿気が多い場所だからいつか綺麗ではなくなってしまう。長い間綺麗に保つためには、水や湿気、掃除に強い素材を選ぶこと。シンプルなデザインで掃除が楽であることが大切。まずは掃除のしやすさが一番の優先順位。




2024年 Primary Bathroom 改装
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2025/3/12, 13
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