能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2023年1月13日金曜日

★「鎌倉殿の13人」仲良きことは美しき哉



まだまだいくぞ鎌倉殿。いやこれが最後です。実は総集編を録画していたのに、前半(2時間)を見ないまま間違って削除してしまった。後半2時間しか録画がない。涙涙涙涙。

というわけで名残惜しい鎌倉殿。

このドラマは鎌倉の御家人達の中で頂点に登り詰めた北条家の話。武将達の闘争の物語ですから沢山の血が流れる。血なまぐさいドラマなのですが、そんな時代の中でも愛は生まれる。厳しい時代だからこそ愛の場面が印象に残ります。そんな場面を記録していたものを集めた。

主役の北条義時と八重さん、比奈さんの場面は描いていなかったですね。それから源頼朝と政子さんのほのぼの場面も描いていなかった。時政とりくさんの場面はあるのだけれど、どうもりくさんが時政さんの方向を向いていないような感じなので却下 笑。

というわけで鎌倉殿のほのぼのシーンを。


八重+江間次郎
わかってる。確かに愛し合った夫婦ではない。お姫様と家臣の立場は最後まで変わらなかった。しかしこのシーン、江間さんが最後に八重さんを逃がそうとした場面で、八重さんが彼に「一緒に行こう」と言う。それを聞いた江間さんは嬉しかったと思う。録画がないので確認できないのだけれど、一瞬二人の心が通い合った場面だったと印象に残ってます。


実衣+阿野全成
この二人は微笑ましかった。二人は途中で少し心が離れていたのかな。実衣さんが他の男性に惹かれたりしてましたね。しかし最後、全成が謀反の疑いで遠方へ配流される前に、二人が別れを惜しんだ場面は印象に残ってます。全成が「誰も恨んではいけないよ」と話せば、実衣が子供のように全成を見上げてうん、うんうんと小刻みに頷く。目には涙。その場面の実衣さんは本当にかわいかった。全成さんは本当に優しい人だった。


大姫+木曽義高
かわいい二人。大姫が義高にあってすぐに一目ぼれ。小さな女の子が綺麗な若者に心をときめかせている様子が本当にかわいかった。あのまま一緒に成長してほしかった。


千世+源実朝
初めて実朝が千世に本当のことを打ち明ける。実朝は本当のことが千世に話せずに彼女を避けていた。ある夜、千世が実朝になぜ避けているのかと尋ねる。そこで実朝が打ち明ける「…あなたのせいではない」。そして千世「ずっとお一人で悩んでいらっしゃったのですね、話してくださり、うれしゅうございました」。彼女はなんと優しい人だろう。実朝の涙と千世さんの涙。二人がわかりあえた美しい場面に泣いた。(新イラスト追加)


初+北条泰時
若い夫婦。ほのぼのカップルというよりも、初さんがしっかり者で泰時はいつも叱られてばかり。それでも泰時は初さんが好きなのね。時々彼女にほめられたと喜ぶ。お姉さんと弟のような夫婦。結局仲がいい。ほほえましかった。


巴+和田義盛

二人は男女として惹かれあいながらお互いを認め信頼し合っている。現代的な夫婦でしょうか。義盛も喧嘩が強いが巴さんはもっと強いのかも。彼女はいざとなったら槍を持って戦士として男と互角に戦える人。義盛が彼女に惚れたのは、巴さんがウサギのようにおとなしい女性ではなかったから。そして義盛に愛されて彼女は綺麗な女性になった。幸せになったのね。いい夫婦。



これで鎌倉殿の感想文もおしまい。鎌倉殿面白かった。名残惜しい。



2023年1月11日水曜日

★「鎌倉殿の13人」好きだった人々4

三浦義村 和田義盛 巴御前 
畠山重忠 上総広常 梶原景時
後鳥羽上皇 安達盛長 三善康信 運慶 善児


三浦義村
頭が良く計算高く要領もいいが、たぶんどこかが抜けている。彼が義時の上に立てなかったのにはきっと何か理由がある。御本人は真面目にやっているのになぜかユーモラスで笑いを誘うキャラ。突然脱いで筋肉を見せたがる笑。 最後の頃に度々義時を裏切るが、その理由は義時の成功に嫉妬していたことによるものだった。最後に本音が出た。急に親しみがわいた。義時のライバルとして最初から最後までいた重要人物。


和田義盛
豪快。脳筋。単細胞。でも心はゴールド。いい人。裏表がない。暖かい。こういう人がいいですよ。すごく好き。繊細な実朝が悩んでいれば自宅に招いて鍋パーティー。占い師の元にも連れていく。面倒見がよく思いやりのある人。子だくさん。その上に喧嘩も強い。最高ですね。最初はユーモラスなキャラで面白がってましたが、最後の頃にはファンになっていた。


巴御前
このドラマで一番かっこいい女性。現代的。自立していて御本人がとにかく強い。男以上に強いから皆に一目置かれる。そんな彼女が、和田義盛の優しさに触れて女性らしさを取り戻す。眉を剃り髪を整えて綺麗な女性に生まれ変わる。和田さんの前では女の子のような可憐な笑顔。すごくかわいかった。


畠山重忠
かっこいい武将。華やかな武将。素敵でしたね。中川さんはお若いのにベテランの俳優さん達と肩を並べて堂々とこの有名な怪力の武将を演じていらした。義時と殴りあったときは、そのまま義時をやっちまえと思った笑。


上総広常
豪快な人。彼もかっこよかったな。佐藤さん御本人は寡黙で知的な印象のお方なのだけれど、この上総介は大軍を率いて男気溢れる豪儀なお方。北の佐竹義政に「お前老けたなぁ」と言われて一瞬でバッサリと斬ってしまう笑。気が短いのね。すごくいい人だったのにパラノイアの頼朝に誅殺されてしまう。酷い酷い酷い。


梶原景時
苦悩の人。義経の天才的な戦略を間近に見て圧倒され、自分と比べて苦悩していた。最初に頼朝を見逃した時も理屈で判断していたようで、彼は常に直感よりも理屈で物事を考える優等生だったのだろう。努力する秀才か。お堅くて真面目過ぎるせいか肉体派の御家人たちにあまり人気がなく、皆から景時糾弾の連判状が作成され鎌倉を追われ討ち取られる。


後鳥羽上皇
やんごとなきお方。ただそこにいるだけでユーモラス。似顔絵がうまい。


安達盛長
安達さんはおだやかな頼朝の忠臣。いつも頼朝の突飛な行動に驚かされて目を丸くして困っていた。それがコミカル。このお方の最後は穏やかでよかったです。


三善康信
三善さんもいい人。控え目で欲がなく真面目でおだやかな人。いい人。このお方もNOを言えないお方かな。最後までチャーミングでした。


運慶
本物の天才。世界に誇れる天才。13世紀の大昔にあれだけパワフルでリアルな彫刻をなさったお方。特殊能力。このドラマの運慶さんは、権力者に媚びないかっこいい芸術家。芸術家はこうあるべし。かっこよかったなぁ。最後の義時の像はトラウマになるほど怖いが、あれは弟子に彫らせたのだろう。


善児
彼を忘れられるはずがない。怖い怖い怖すぎる善児。彼の名前が出るたびに皆恐怖に震える。強烈な印象。とにかく強い人。




…三谷さんのドラマはとにかくキャラひとりひとりが皆スポットライトを浴びるので、印象に残っている人…と思えばまだまだいくらでも出てくるのです。
北条長男言い出しっぺ宗時、伊東のじさま伊東祐親、マツケン平清盛、ホーオー様後白河法皇、男臭くかっこいい木曽義仲、綺麗な若者義高、戦は強いがおだやかな土肥実平、いつも笑顔の仁田忠常、いい人過ぎる江間次郎、奥さんと仲がいい/北条に騙された比企能員、一番の悪人大江広元、湯気出る筋肉土木課八田知家、京いけず源仲章、早口言葉慈円、神出鬼没文覚、中二病がんばれ北条朝時、頑張り屋さんの鶴丸/平盛綱、息子がよにん佐々木秀義爺、そして沢山の女性達。ひとりひとりキャッチフレーズが皆書けるほど。このドラマの俳優さん達は、たった1話限りの出演でも皆記憶に残ってます。
皆さまおつかれさまでした。

★「鎌倉殿の13人」好きだった人々3

源義経 源範頼 北条泰時 北条時房 源頼家 源実朝 千世 公暁


源義経
戦の天才。走り出したら止まらない。一番効果的な戦略をぱっと思いついてすぐに実行する。誰も思いつかないやり方で最短で結果を出す。だから天才。しかし行動が型破り過ぎるせいで人望がない。そして心は脆い。子供のように無邪気。政子さんに母を求めて甘えていましたね。その後、頼朝に拒絶されてどうすればいいのかわからずに子供のように迷い悲しむ。惜しい人。もったいない人。この義経はかわいかった。魅力的だった。


源範頼
上品な優等生。このお方も人が良すぎて人間不信な兄・頼朝に逆らうことができなかった。謀反を疑われて弁明もせず引き下がるのが悲しい。そして暗殺された。迫田さんが素敵。


北条泰時
彼が北条家の希望。真面目。純粋だが理性的。最初は頼家に仕え、その後実朝に仕える。少しずつ父・義時の元で政治に関わるようになり成長する。父の影のサイドを見て反発する。史実でもこのお方は優等生なのだそうです。それが色白で綺麗な坂口さんのイメージに合っていた。また坂口さんで泰時のその後のドラマをやってほしい。


北条時房
童顔のかわいい若者のイメージかと思ったら、冷静で落ち着いている人物だった。複雑な政治的状況でも敵を作らず誰に対しても穏やかな笑顔。バランス感覚の優れた知的な人物だと見た。


源頼家
頼朝が亡くなってすぐ将軍になった頼家。子供だからとバカにされないようにイキり過ぎたせいで御家人達からの信頼を失う。すぐに有力御家人達13人による合議制が決められ、頼家はますます隅に追いやられ拗ねて反抗する。本人もちょっと問題児だったけれど、北条と比企の間で板挟み、結局北条の野心に消されてしまう。かわいそうだった。必死で突っ張ってたのにね。義時との夜の会話で流した大粒の涙が忘れられない。


源実朝
繊細な人。若くて将軍になったのでそのことで悩んでいるのかと思ったら本当の悩みは別のところにあった。泰時に恋をして想いはかなわず。その繊細な表情がうまい。歌を詠む歌人。芸術を理解する人。悲しみの表情が多かった実朝。将軍になどにならずに引退して歌を詠む人生を送れば幸せだっただろう。せめて船が海に浮かべば喜んだだろうに。最後に公暁の顔を見つめて頷いた実朝は何を思ったか。


千世
かわいかった。普通の結婚ではなかったのに文句も言わず彼女は常に微笑んでいた。実朝と一緒の時はいつも嬉しそうだった。彼女の嬉しそうな笑顔が見れてよかった。幸せになってほしかった。


公暁
彼を忘れてはいけない。幼い頃、比企尼に「北条を許すな」と吹き込まれる。京で修行をして鎌倉に帰ってきた頃、叔父実朝は「もう争いごとは沢山だ」と(御家人たちが争わないように)京・朝廷から新しく鎌倉殿を迎えようとしていた。蔑ろにされたと傷つく公暁。乳母夫の三浦義村からは父・頼家の最後を知らされる。北条に恨みを募らせる公暁。しかし彼の計画は甘かった。計画が失敗したと知ってその場で狼狽える様子がリアル。鎌倉幕府初代征夷大将軍の孫に生まれながら「私に武士の名はありませんでした。私の名を知らしめたかった」と泣くのがかわいそうだった。






★「鎌倉殿の13人」好きだった人々2

北条政子 源頼朝 北条時政 りく 実衣 阿野全成 


北条政子 
最初に頼朝に会ったばかりの頃は元気いっぱいでユーモラスなかわいい女性。それなのに頼朝が亡くなった後、息子や娘たちが命を落とす頃から、彼女はあまり感情を表さなくなってしまった。大姫が病で命を落とし、頼家、一幡がいなくなり(彼女は彼らが弟・義時に討たれたことを知らなかった)、次男の実朝も孫の公暁に討たれる。そして公暁も討たれる。子や孫を亡くした母親として耐えられないほどの悲しみと苦しみだろうに、彼女は全てを静かに受け入れているように見えた。泣き叫ぶことも、憤ることも、病むこともなく、彼女は尼御台の座に座って全てを見守っていた。もしかしたら、あまりの悲しみに感情が麻痺してしまったのではないかと思うほど。心を閉じてしまったのかもしれませんね。三谷さんの描く新しい政子さんは静かな女性。静かにしていてもものすごいカリスマなのに印象は穏やか。ちょっと不思議なキャラだった。


源頼朝 
前半の主役。女好きで(たぶん)人たらし。ひょうきんでユーモアに溢れているのに、権力の階段を上りつめたとたんに人間不信になって全方向を警戒し始める。そして自分に一番近い存在の弟二人を殺害。ひょうきんさとユーモア、威厳とカリスマ、しかし心は空虚で人を信じられずにいる。自ら弟・義経を拒絶し殺害しておきながら、討ち取った後には首桶を抱えて泣きくずれる。一人の中に様々な相反する感情が存在する複雑な人物。しかし大泉さんの多面的な演技でその全てが信じられた。


北条時政 
陽気な下町のお父ちゃん。喧嘩が強い。短気。表裏のないわかりやすい人。実は子煩悩の家族思いの優しいお父さん。憎めない人。しかし途中から美人妻のりくさんの言いなりになって周りの御家人たちを攻撃し始め、それが北条家の進む方向を決めた。後に息子・義時が苦しむのも元はと言えば時政とりくの野心のせい。最後はのんびりとリタイアできてよかったですね。お父さんキャラは好きでした。


りく 
宮沢りえさんの力技。魅力的な悪女。生々しく野心に溢れる悪い女なのに憎めない。りくさんは悪くなればなるほど艶々イキイキと光輝く。色香で夫を操り…出会う全ての男を惑わせ自分の思い通りに操ろうとする。悪い女なのに見ていると楽しくなってくる。そんなりくさんが好きでした。宮沢さんの華がキラキラ艶々して輝いていて楽しかった。うまい女優さん。


実衣 
実衣さんはムーミンのミイだそうだ。最初の頃は何か情報を仕入れるとそれを人に言わずにはいられない。「黙っていろ」と言われたら必ず誰かに話して物事を大きくする。コミカルなキャラクターだった。夫・阿野全成の前では小さな女の子のよう。かわいかった。ところが全成が討たれる。その泣きの演技の力技に思わずもらい泣き。あの場面は「鎌倉殿」全体の中でも記憶に残る名演技だと思う。その後は仏を信じられないと出家せず、実朝を育てたことから政治にも野心を持ち始める。次第にエゴと政子への嫉妬が顔を出す。徐々に性格が変わっていく様子が見事。
 

阿野全成 
ちょっといいかげんで頼りにならないが、とことん優しい人。実衣さんには優しい旦那様。優しい表情に優しい声。こういう人と結婚したらきっと幸せ。人が良すぎて頼まれればNOを言えず、それが自らの命を縮める理由となった。彼が討たれて悲しかった。



2023年1月10日火曜日

★「鎌倉殿の13人」好きだった人々1

北条義時 今どきの悪人の描き方


今回はとにかくドラマが濃いので、ただトップ10を並べるだけでは物足らない。もう少し踏み込んで書きたい。特に義時についてはいろいろと考えた。分析した。


北条義時/小栗旬

複雑なキャラでした。純粋な若者が恐ろしい独裁者に変わっていく。そして鎌倉に北条家の独裁国家を作る。このドラマはそれが主題。史実の北条義時は間違いなく傲慢な野心家で悪人…身内も仲間も殺しつくして権力を手に入れた人物。しかしそんな人物がドラマの主役になったらどうする? これが一番の難問。

最初の頃の義時はかわいかった。なんの違和感もなく見れた。小栗さんの演技も自然。小栗さんはうまいお方。純粋な若者だから応援したくなる愛される主役。…ところがこの人物が途中から変わり始める。


…ドラマが面白いからこそ真剣に見る。だから普段なら気にならないことも気になってくる。つまりはドラマにのめりこんでいるからこそ色々と考え始める。多少重箱の隅をつつくようだが、何度も考えたことなのでメモしておこうと思う。
 


ドラマの最後の頃の感想で私は何度も「義時が煮え切らない、いつまでも迷っている」と書いた。

この人物は、親しい友人を最悪の方法で殺しているのに、いちいち泣いたり悲しんだり苦しんだり反省して、殺した相手に向かって「ごめんね」と言っているように振舞う。しかし私はそれにリアリティがあるとは思えなかった。というのも、己の欲のために人を殺し続けるような人物はどこかで普通の常識や感情を切り捨てるだろうと思うから。人を何十人何百人と殺している人がいちいち罪悪感を感じていたら自分がメンタルをやられる。人は何度も罪を重ねれば、いつか「俺は間違っていない」「俺は正しい」と開き直る。いやむしろ目的に向かって前しか見ていないから、人を何人殺そうと自分が正義だと言い切るだろう。独裁者とはそのようなものではないか。


しかし義時は人を殺しながら毎回反省して苦しむ。彼はいつまでも「いい人」であろうとする。最後に悪行を反省しなくなった頃でも「泰時のために、北条家のために」と自分自身には野心がないかのように言い訳をしている。まるで人(視聴者)から「いい人」に見られたいと思っているかのように。本当は善人の義時…しかし権力のために人を殺し続ける義時…にリアリティはあるのかと私は首を捻り続けた。


それにしても今どきの大河ドラマは主人公を100%悪人には描けないのですよね。主人公がとことん悪人になれば視聴者がひく。視聴者が主人公にそっぽを向いたらドラマそのものの人気が落ちる。だから主人公を悪人に描くのは大変危険。

主人公はどんなに悪事を重ねても善人でなければならぬ。



この義時は難しい役だったのではないかと思います。義時はあくまでも主役。どんなに悪行を重ねても、どこかで必ず視聴者に愛され受け入れられなければならない。そんな人物を(おそらく御本人がいい人の)小栗さんが見事に演じられた。複雑な義時。大河ドラマを1年間背負って極悪人になり切れなかった北条義時。最後までかっこよかった義時。すごく見ごたえがあったし色々な意味で考えさせられ、惹きつけられました。


ドラマの最後、義時は罰を受けることで許されましたね。そこまでしなければ今どきの視聴者は彼を許さないのかもしれない。今どきのドラマは真の悪人を描くのが難しいのだろうと思う。三谷さんの脚本は特にそうかもしれません。時政も最後は善人でした。

似顔絵を何枚か描いているのですが、似顔絵でもお顔がどんどん変わっています。最初の頃の義時は無邪気で可愛かった。最後のパワハラおやじとは別人。小栗さん素晴らしかったです。



2023年1月8日日曜日

★「鎌倉殿の13人」を褒めつくす



恒例「好きだった人物達」のことを書く前に、まずドラマのことを書こうと思う。このドラマは本当に面白かった。記録されている史実(とされるもの)をひとつひとつ細かに拾い上げて大きな流れを描いた歴史ドラマ。傑作かもしれませんよ。近年でこんなに面白かった大河ドラマはない。素晴らしかった。皆様に感謝感謝でございます。


ドラマ+脚本

最後まで中だるみせず
面白かった。こんなに夢中になった大河ドラマは初めて。今まで見てきた近年の大河ドラマは、最初は面白くても途中から勢いがなくなるものが多かったように思うが(それが当たり前だと思っていた)、このドラマは最初から最後までみっちり面白かった。最終話まで勢いが失われなかったのは本当に凄いと思う。

歴史の学び
(私が鎌倉時代の歴史をよく知らないことから)このドラマは毎回鎌倉の歴史を新しく学ぶレッスンのようだった。そして事実はフィクションより奇なり。三谷さんの創作だろうと思った内容も、後で調べたら歴史の記録に残るものだったりする。そういう話ばかりで驚いた。史実/記録とフィクションがスムースに繋ぎ合わされて自然な物語になっている。本当にすごいと思う。毎回毎回唸りました。

登場人物が異様に多い
人物たちの似顔絵を描いていたら、回が進んでもいつまでも新しい人物達が登場し続ける。最初からドラマに出てくる人物達の似顔絵はできるだけ沢山描きたいと思っていたのだけれど、途中から「このドラマは普通ではないのだな」と覚悟を決めた。 今までの他の大河では、1話ごとに1人や2人の似顔絵を描いていたのだけれど、このドラマでは最低でも4人5人は描かなければ追いつけない(しかし描かなきゃ話がわからなくなる)。しかし一旦覚悟を決めたら、それらの登場人物たち…歴史のサイドストーリーの実在の人物たちを知ることがとても楽しくなった。例えば、初期には以仁王と源頼政が一瞬だけ出てくる。木曽義仲の回では今井兼平。木曽義高の側近・海野幸氏。そして義高を討った藤内光澄。奥州藤原氏では秀衡だけではなく息子の国衡、泰衡、頼衡まで描かれる。畠山重忠の息子・重保。三浦義村の弟の胤義。頼家の室・せつとつつじ(←フィクションだけど)。全成の息子の阿野時元。和田義盛の息子達三人…。いちいちWikipediaを開いてその人物を調べる。それぞれの人物にそれぞれの人生。ドラマがますます面白くなる。私が「鎌倉殿の13人」にとことんはまったのは、これら大勢のサイドキャラクター達の存在も大きいと思う。皆様お疲れさまでした。

ちなみにこの「鎌倉殿の13人」で描いた似顔絵+シーン絵は全部で228点(たぶん)似顔絵に描いた登場人物は全部で104人(たぶん)。そして228点も描いても(次も出るだろうと思っていたら出なかったなど)描いてない人も何人もいる。この数がいかに多いのか…比べてみれば、三谷さんの前回の大河「真田丸」で描いた絵は全部で86点。「麒麟がくる」が113点。 とにかく「鎌倉殿」は登場人物の数がすごかった。絵を描いていて毎回へとへとになった。面白かった。

死を描く
決しておだやかではない時代のドラマ。今回の三谷さんの歴史ドラマは、苦しみや荒々しさから逃げていない。死をしっかりと描いている。暗く厳しい場面がきちんと描かれている。ぎりぎりグロくならない絶妙な演出は見事。不快になることなく時代の厳しさと恐ろしさをしっかりと描く。何度も息を呑む場面があった。それらの死の場面で善児はドラマの影のスターになった。 上総広常、 阿野全成、 和田義盛、 源仲章、源実朝、公暁は死の場面をドラマの華として正面から描き、源義経、源義高、梶原景時、畠山重忠の死は首桶でその死をあらわす。そしてその後にそれぞれの人々の死が意味するところを描いているから、悲しく恐ろしく、苦しく哀れであり…、過去に実際に起こった歴史上の事実に心を揺さぶられてますますドラマにはまり込む。

人物描写に深み
三谷さんが死を正面から描く。そしてそんな風に「死が日常」の時代に生きる人物たちのそれぞれの人となりも細やかに描かれる。人物達一人一人にそれぞれの人生があるのだと気付かされる。…軽薄な問題児のように描かれた北条朝時は実は「周りから期待されないこと」に悩んでいた。義時の成功を密かに妬み、ことあるごとに義時を裏切ろうとする三浦義村。成功の階段を上った頼朝が人間不信に陥る様子。梶原景時の天才になれない苦悩。目的を達成して燃え尽き症候群になる源義経。「大人はわかってくれない」症候群の頼家。最後まで揺れ続ける義時。…それぞれの苦悩が描かれて人物たちがぐっと身近になる。だからますます面白くなる。


俳優さん達が素晴らしい
脚本がいい。台詞が素晴らしいから俳優さん達が輝く。最初から最後までドラマのペースが落ちない。だから初回から最終回まで俳優さんたちの芝居が輝いていた。このようなドラマはなかなかない。48回ほぼ全部の回でいい演技が見られる。経験豊かな俳優さん達も若い方々も皆いい。芝居がいい。上手い人、自然な演技の人、繊細な演技、豪快な演技、皆個性はそれぞれだが、その全てはストーリーを効果的に語るため。脚本でキャラクターの人となりが作られて、俳優さんのうまい芝居で人物像が出来上がる。いい脚本が俳優さん達のいい芝居を引き出している。

配役も素晴らしい
これ最高。配役が素晴らしかった。どの役もいい。主要人物からたった1回だけの出演の俳優さんまで全員が素晴らしい。脚本がいいから俳優さん達が輝く。配役に違和感のある人がいないのは不思議なほど。脚本がいいから全員が輝いていたのか、それとも配役がいいから台詞と芝居が輝くのか…どちらが先なのかがわからなくなるほど。俳優の皆さんが素晴らしかった。

演出が素晴らしい
俳優さん達を輝かせる演出もいい。それぞれの場面の画面の絵の構成が巧み。カメラのアングル、画面の中の人物の大きさ、俳優の顔に迫るカメラ、光の演出、全てしっかりと考えられて効果的に演出されていると思った。ほんの一瞬だけ映る場面にも全てに意味がある。俳優の顔に迫るカメラと引くカメラ。絵そのものがドラマを語る。何度も何度もうまいと思いながら画面を見入った。そして効果的な音の演出。 全体に奇を衒うことなく、演出が饒舌過ぎて邪魔になることもなく、全てがストーリーに自然に馴染んでおさまっている。演出は全て「脚本に描かれたストーリーを語るため」にあるのだとあらためて思わされた。素晴らしかった。


このドラマへの愛は語っても語っても語りつくせない。もうはまりましたよ。大好きだわ。素晴らしいと思ったことをここに集めましたが、たぶんもっとあると思います。三谷さんの脚本も、効果的な演出も、俳優さん達の巧みな演技も、様々なシーンの全てが素晴らしかったです。皆様に大きな拍手。拍手喝采。皆さまお疲れさまでした。

1年間最高に楽しみました。感謝しております。面白かったです!



2022年12月29日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第48回「報いの時」12月18日放送



とうとう「鎌倉殿の13人」が終わってしまった。

ドラマは北条義時の死で終了。彼の死を見守る政子のすすり泣きと暗転でドラマは終わる。


エンディングの感想を書こう。
これは…なかなか考えがまとまらなかった。いいエンディングのような、物足りないような…。この最終回を今まで3回見たが、1回目は「あれ、これで終わり?」と正直思った。

私が予想していたのは、今までの鎌倉の歴史を振り返りながら泰時の時代の未来を想像できる余韻を残すような終わり方。義時の死後、この人はこうなって、これはこうなって…というようなものが描かれるのかと思っていた。それを期待していた。

(義時の死でドラマが終わってしまったことで)1年間続いたドラマの締めとしては少しテーマが小さくなったとも感じた。このドラマは源頼朝が立ったことで起こった鎌倉幕府が、長い時間をかけて京の朝廷を押さえつけるほど強力な武家政権に成りあがる話。締めのエンディングとしてもそれらしいものを期待していた。だからこの唐突なエンディングに少しびっくりして最初はうまく飲み込めなかった。もちろん良い悪いではなくて、私の個人的な好き嫌い。…だって鎌倉は義時だけのものだけではなかろう。

1年続くドラマの最後のシーンを、このように政子と義時の二人だけのシーンにするのなら、ドラマの初めの頃の回で、例えば政子と義時の幼い頃…お姉ちゃんと弟が無邪気に遊ぶ様子なんかを描いていれば、幼かった二人がいかに遠い道のりを旅して来たか…と感慨に浸って泣いたかもしれぬ(クサいけれど年寄はそういうもので泣く)。最初からそういうテーマなら納得する。

(色々と文句を言ってますが)…というのもこの姉と弟は今までそんなに仲が良さそうには見えなかったのですよ。だから最後だけ姉と弟の話になって全体の締めとするのは多少唐突な感じもした。


巷では最終回が絶賛されている。ちょっと予想外だがスタイリッシュでかっこよく、なによりもインパクトがある。どうしようか、どう受け取ろうかと考えさせられる。見て心地よく納得するというよりも、びっくりしてうまく考えがまとまらない…そんな予想を裏切るエンディングはたぶんいいことなのなのだろうとも思う。


最後の締め方には文句を言っていますが、このシーンの小栗旬さんと小池栄子さんは大変素晴らしかった。ショッキングな終わり方も良い演技があってこそ。頼家の名前を口にする政子さんの表情が凍りつく。あ…そうか、政子さんて頼家の最後を知らなかったんだっけ?…とまたびっくりする。そうかそうなるのか…とドキドキしながら二人を見守った。

最後の義時と政子の様子は、政子と頼朝の最後の場面と同じですね。倒れた頼朝と政子、倒れた義時と政子の様子が対になる。前半の頼朝の時代が終わり、これで義時の時代も終わったということだろう。

しかし政子さんの人生も辛いな。彼女の人生は本当に辛い。あまりにも辛いことが起こり過ぎる。


それにしても今まで、他の有力御家人達…並みいる強面の武将達を粛清し続けて最高の権力を手に入れた男が、最後は二人の女性に殺されてしまうという。う~ん…考えさせられますね。女性は怖いのか。


『吾妻鏡』をはじめとする過去の記録では、義時は病死/自然死とされているそうだ。しかし妻の伊賀の方が毒殺したという説もあるらしい。


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承久の乱
承久3年(1221年)

5月19日 京から義時追悼の令が出ている。軍議により鎌倉の出撃が決まる。
しかし御家人たちは皆戦いたくない。
北条泰時(坂口健太郎)が総大将になって出発。義時(小栗旬)は鎌倉に残る。
三浦義村(山本耕史)と長沼宗政(清水伸)も参戦するが、どちらにつこうかと周りの様子を伺っている。

5月22日 泰時が率いる鎌倉軍が出発。
泰時の軍には各地で御家人達が加わり19万人に膨れ上がる。
まず木曽川で官軍を打ち破り京へ進軍。
6月13日 宇治川を筏で渡ってまた進軍。

働き者 平盛綱(きづき) キューン💕としました 助かってよかった

焦る京方。藤原秀康(星智也)、三浦胤義(岸田タツヤ)が御所に駆けつけるが、後鳥羽上皇は門を固く閉じて彼らを追い返してしまう。

6月15日 後鳥羽上皇(尾上松也)は義時の追討の院宣を取り消し、藤原秀康、三浦胤義らの逮捕を命じる院宣を下す。後鳥羽上皇に見捨てられた三浦胤義は東寺に立て篭もって抵抗し、兄の三浦義村の軍勢に決戦を挑んで奮戦し自害した。藤原秀康は逃亡し、10月に河内国において幕府軍の捕虜となった。

乱後、北条時房(瀬戸康史)が京御所に入る。泰時と共に京の六波羅に滞在。朝廷の監視や西国武士の統率を行う。

承久の乱後、朝廷は幕府に完全に従属した。幕府は朝廷を監視して皇位継承も管理するようになり、朝廷は幕府をはばかって細大漏らさず幕府に伺いを立てるようになる。承久の乱には鎌倉と京都の二元政治を終わらせて武家政権を確立する意義があった。

7月13日の期限で、後鳥羽上皇は出家して隠岐島へ送られることになる(7月9日)。罪人の扱いであった。

共に隠岐へ 文覚と後鳥羽上皇

時房と泰時は京でりく(宮沢りえ)に会った。やっぱり宮沢りえさんは綺麗。この場面も短いのに輝いている。艶々のいい女。いきいきとした表情。それに艶のある声がいい。時政の死を聞いて、一瞬顔を曇らせる。やっぱりうまい。


その後の鎌倉

北条政子(小池栄子)がトウ(山本千尋)を呼び、孤児たちに武芸を教えるように指示。トウは子供たちのお姉さんになった。よかったですね。

鎌倉御所の会議
義時 泰時 時房 大江広元(栗原英雄)
京では廃位された先帝(後鳥羽上皇の孫)を復権させようという動きがある。それを許せば上皇も復権するだろう。
義時と大江は災いの芽を摘む考え。
泰時はそれに反対する。武家の決まり事を作るという。

雨の中に座る運慶 強い

運慶(相島一之) 義時
義時の命で作成した像は歪な面相。
運慶さん勇気がありますね。権力者に屈しない芸術家。かっこいいです。雨の中縛られて庭に座らされて、画面上で小さく見えていても運慶は強い。とても印象に残った場面。

義時が怒る…倒れる。

病床の義時。医者は「アサの毒」が原因だと言う。

薬だと言って義時に毒を盛っていたのは妻ののえ(菊地凛子)だった。のえを問い詰める義時。あっさりと白状するのえ「私のことを少しも見ていなかったから。だからこんなのことになった」と言う。毒の手配をしたのは三浦義村だと告げてのえは去る。のえさんは寂しかったのか。

三浦義村 義時
三浦を問い詰める義時。義時が「俺が死んで執権になろうとしたか?」と問えば「そんなところだ」と答える。
「お前にできたことが俺にできないわけがない。俺は全てにおいてお前に勝ってるんだ。子供のころから。頭もキレる。見栄えもいい。剣の腕前も俺の方が上だ。お前は何をやっても不器用だ。のろまで。そんなお前が今じゃ天下の執権。俺はと言えば、結局一介の御家人に過ぎぬ。世の中不公平だ。いつかお前を超えてやる…」
←なるほどな~義村さんの度重なる北条裏切りの理由はそこなんだ。確かに。義時は煮え切らなく見えますもんね。よくわかるわ。こういう義村のような人、沢山いると思います。リアル。
結局三浦義村は北条義時と和解「これから先も北条は三浦が支える」

泰時
泰時「もはや朝廷を頼る世ではない。これから武士を中心とした政の形を長く続くようにする。その中心にいるのが北条」「御家人たちの中には学のない者もいる。彼らにも読めるような優しい言葉で武士が守るべき定めを書き記した」
やがて泰時は江戸時代まで影響を及ぼす方を制定する。御成敗式目を制定(貞永元年(1232年)8月)。これにより泰時が政治を行う間は鎌倉で御家人の粛清は一切起こらない。


元仁元年(1224年)6月13日

政子 義時
「私たちは頼朝様から鎌倉を受け継ぎ次へ繋いだ」
頼朝様が亡くなってから何人が死んでいったか。
梶原景時 全成 比企能員 仁田忠常 源頼家 畠山重忠 平賀朝雅 
和田義盛 源仲章 源実朝 公暁 阿野時元
これだけで13人!…鎌倉の13人って、これのことだったのですか?

おやすみ 義時

そして政子が、なぜその13人に頼家の名前が入っているのか問う。なんと政子さんは頼家の暗殺を知らなかったらしい。義時「頼家様は上皇様と手を結び鎌倉を攻め滅ぼすおつもりだった。私が善児に命じて討ち取りました」

義時「この世の怒りと呪いを全て抱えて私は地獄へ持っていく。太郎のためです。私の名が汚れる分だけ、北条泰時の名前が輝く」←やっぱりこれは私利私欲だ。

苦しみ始める義時。政子に薬をとってくれと頼むが、政子はそれを床へこぼす。
←この場面の政子さんは、義時を苦しみから解放しようとしてますね。もうあなたは休んでいいから、太郎がうまくやってくれるから…と義時の命を救わない…が、これは救済でしょう。もう苦しまなくていいよと言っている。それも愛。

義時を見送る政子。




本当に面白い大河だった。はまった。
毎回1エピソードを2回も3回も見て何度も楽しんだ。
毎回しっかり見た。
人物たちが皆素晴らしかった
また別に感想を書こうと思う。
皆さまお疲れさまでした。大きな拍手。感涙。
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