能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2024年4月1日月曜日

イースターはプロヴァンス風ビーフ・シチュー+赤ワイン学び始め



いや…違うのだ。イースターだからこれを作ったわけではない。
イースターだから週末の休みが長い…というわけで旦那Aも休みでのんびりできるし、じゃあ冷凍庫にシチュー用の牛肉があったから週末はそれで何か作ろうかと思った。

調べたらイースターとは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」だそうで今年は3月31日の日曜日。イースター/復活祭で大切な日は「キリストが復活した日曜日」
それで復活祭に関する習俗として(今どきは厳しくはないらしいが)西方教会と東方教会では、伝統的に四旬節および大斎の期間中禁じられていた肉、乳製品、卵(東方教会では魚肉も)が復活祭の日の日曜日に初めて解禁になるのだそうだ。と言うことは…本当は日曜日までは肉を食べてはいけなかったのかな???😊

というわけでイースター前にお肉を食べてしまったけれど…宗教にあまり関係のないお休みの日ののんびりごはんというわけで今回もまたまたビーフシチューをつくる。



まずは復習。

 ブルゴーニュ風
前回ビーフシチューを作ったのは去年のクリスマス…ブルゴーニュ風ビーフ・シチュー/ブフ・ボギニョン/Boeuf Bourguignon。


ボギニョンは基本的には、ベーコンを炒めて牛肉に焼き目をつけ、炒めた粗みじんの玉ねぎ、人参、にんにくに小麦粉を加えて炒め、赤ワインにトマトペーストとハーブを入れて3時間煮る。後に炒めたマッシュルーム、小玉ねぎを加えて30分煮る。一旦ワインを入れたら煮るだけでできる料理。 …しかしあのクリスマスの日は長時間煮こんだつもりが、ストーブの火が消えていて翌日食べることになったのだけれど笑。


 ブルゴーニュ・ワイン
しかしそれでも収穫もあった。あのシチューを作るのに使ったワインはAlbert Bichot社のBourgogne Vieilles Vignes de Pinot Noir, 2020。旦那Aがラベルのブルゴーニュの名前を見て何も考えずにスーパーで買ってきたお手頃ワイン22ドル。半分以上をシチューに使い残りを飲んでみたけれど「すごく軽い」。十分おいしいけれどこんなに軽いもの?…と無知なワタクシは「安いから軽いのかな?」などととんちんかんな文句を言っていた。


興味を持ったので調べてみた。Albert Bichot/アルベール・ビショーさんというのは1831年に創立したブルゴーニュの銘家なのだそう。私はフランスのワインが長い距離をハワイまでわざわざやってきてくれただけでありがたいと思ったのだけれど、なんと名門のワインだったの?え、22ドルなのに?ちょっと嬉しくなったぞ。

というわけで興味を持ったのでブルゴーニュ・ワインについても少し調べた。ブルゴーニュの赤ワインはこの土地原産のピノ・ノワール種のぶどうを100%を使ったワイン。ブルゴーニュのワインボトルはなで肩(ボトルを交互に向かい合わせて保存すると場所をとらないことからこの形になったらしい)。そしてピノ・ノワールは石灰岩と粘土の土地の丘に育ち、果実の皮が薄く繊細で、そのため赤ワインも比較的タンニン(渋み)が穏やかで豊か、かつマイルドな酸味と香りの高さなのが特徴なのだそう。なるほど、もしかして私が「軽い」と思ったのはそういうことか。

英国にいた頃からワインは何も知らずにつき合いやいただきものを飲んでいたけれど今まで全く無知。どこのどれがどういう味なのかもほとんど知らなかった。わかりもせずにとりあえず飲んでいたのはシャルドネぐらいだ。そんなわけで時に飲みづらいくらい「濃い、重い赤ワイン」にぶつかって…それはどういうものかと疑問に思っていた。例えばある時は、家にあったいただきものの赤ワインでチキンの赤ワイン煮を作ったらチキンが青みがかった紫色になったことがある 笑。たぶんイタリアのワインを間違って使ったのだろうと思う。ワインによって味も色も質感も違うのはどういうことだろうと思っていた。今まで全く知らなかった。

ところが今はネットで調べればいろいろと情報が出てくるのね。面白い。とりあえず今回ブルゴーニュ産のピノ・ノワールはそれほど「重くない」んだね…というのがわかってよかった。

少しアルベール・ビショーさんの赤ワインをシャルドネと一緒に買い足してストックした。


プロヴァンス風
さて今回はプロヴァンス風ビーフ・シチュー/Daube de boeuf à la provençaleを作る。これも赤ワインを入れるシチュー。この南仏風のシチューはブルゴーニュ風とは何が違うのか?

基本的にはベーコンを焼き、固めの牛肉に焼き色をつけ、赤ワインを被るほど入れて煮立たせ、そこに人参と玉ねぎの粗みじん、生のトマトのざく切りとトマトペースト、にんにく、ハーブに胡椒の粒、それからクローブを刺した玉ねぎを入れて3時間。最後にパセリとオレンジの皮、絞ったオレンジジュースを入れて仕上げる。私は黒オリーブを入れないのだが本来は黒オリーブを入れることも多いらしい。美味しいのはオレンジの皮とジュース。爽やかです。


プロヴァンスと言えば南仏だけれど…じゃあワインはどうする。今回色々と調べたら、プロヴァンス産のワインもあるのですね。それを使った方がいいのだろうけれど知らなかった。

● ボルドー・ワイン
というわけで今回使ったのはボルドー産の赤ワイン…Chateau La Freynelle Cabernet Sauvignon, 2020、15ドル。スーパーでオススメされていたので15ドルならお手頃だと買ったワイン。今回もシチュー鍋に半分は消えるのでこれでよし。

ボルドー産のカベルネ・ソーヴィニヨンをブルゴーニュ産のピノ・ノアールと比べようと思った。
 

このワインもはるばるフランスからやってきてくれたワイン。Chateau La Freynelle/シャトー・ラ・フレイネル社についても調べてみた。この会社は1789年にナポレオン指揮下の将軍ジャン・バルト氏が、当時シャトー・ラ・フレネルと呼ばれていた場所に定住して最初のブドウの木を植えたのが始まりだそう。そこから7世代バルト家に代々受け継がれたそうで、現在は1992年より(フランス革命の頃から初めて一家に生まれた娘さんの)Veroniqueさんがオーナーだそう。彼女が大改革をして社のワインの質を上げたのだそう。 女性オーナーさんなのですね。かっこいいな。

ヨーロッパのワインは浪漫だ。太平洋の真ん中にいる今だからこそ遠い距離を旅してきてくれた欧州のワインはありがたいなと思う。欧州の文化を少しもらっている気がする。ボトルを開けた時に「この空気はフランスの空気だね」と旦那Aと笑う。


ボルドー・ワインのボトルは丸いいかり肩。このワインに使われたぶどうはカベルネ・ソーヴィニヨン 100%。ボルドー地方原産の代表的赤ワイン用ぶどう。このぶどうは小粒で果物の皮が厚く、種が大きく果肉の割合が少ないので、ワインは色が濃く渋みも強くなるそうだ。出来立てのワインは「ガシッ」とタンニンが豊富で刺激が強いけれど長期熟成が可能で熟成により複雑で魅力的な香りを得ることができるとのこと。

さっそく飲んでみた。ピノ・ノアールに比べて濃い。重い。濃いフルーツの味がする。酸味。 いかにも赤ワイン味。なるほど、そうか…これがカベルネ・ソーヴィニヨンか。同じ赤ワインなのにずいぶん違うのが面白い。ちょっと硬い感じがしたので乱暴に空気を通したら少し柔らかくなった気がした。ちょっと重いせいかすぐ酔っぱらう。


シチューもおいしくできた。今回は食べる日の前日に1時間ほど煮込んで火を止めそのまま冷まし、食べる日の午後にまた1時間半ほど煮込んで冷まし…食べる時にまた温めて食べた。2日をかけてゆっくりと煮込んだので肉も柔らかくおいしかった。冷めている時間もゆっくりと煮込むことになるのでおそらく3時間以上煮込んだことになると思う。煮込みを2日かけたこのやり方の方が楽なのでこれからもこうしようと思った。

これから煮る クローブを刺した玉ねぎは省略
食べる前にオレンジの皮とジュースを
完成です
デザート

今までうちでは長年マッシュポテトと食べていたけれど、このプロヴァンス風シチューはパスタやお米にあわせることも多いことを今回知った。


以前に少し書いたフランス料理の本はこれ。絶対に失敗しないフランス料理の本…Carole Clements氏とElizabeth Wolf - Cohen氏の『The French Recipe Cookbook』(1995)。アメリカの本。


しかし最近はネット上で本格的なレシピも手に入る。このプロヴァンス風シチューもGoogleの検索で言語をフランス語にしたら本場のレシピが出てきた。後はGoogleで翻訳すればなんとかなる。便利な世の中になったものだと思う。