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2026年3月2日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第7話まとめ:Points of Emphasis




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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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今回もまた難しかった。2回も繰り返して一人で見てやっぱり理解できず、週末に旦那Aと3回目を見て説明を聞いてやっと理解できた。トホホ

この回は本筋から離れて「保守派が労働党政府を引き摺り下ろす話」。そこにヤスミンが大きく関わってくる。…しかし最初は「いったいこの話は何の話だろう?」と、この回の意味そのものがよく理解できなかった。それで内容を理解するのにも時間がかかってしまった。

前回第6回で、
ハーパーのSternTao社がTender社の詐欺のひとつを暴き
● Tender社の株価も下がり
● ヘンリーがホイットニーのおかかえ監査人をクビにして
● ホイットニーがヘンリーに「Dear Henry...」と罪を認めたことから
私はこの回はまずホイットニーが逃亡して、Tender社の株価がどんどん下がってハーパーが大喜び…の内容を期待していた。

ところがそうではなかった。Tender社の勢いはまだ衰えていない。急に政治家が絡んでくる話が出てきて…????

というわけで今回は、私が理解した内容の解説的なものを記録しておこう。



ちなみにこのシーズンの最終回・第8回はすでに3月1日の日曜日に放送されたのだけれど、私はまだ見ていない。この文章をブログにあげてから最終回を見る予定。





★あらすじ/全てネタバレ注意





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この回はヤスミンの回

まずこの第7回は…ヤスミンにスポットライトを当てるための回。そういえばヤスミンはこのドラマのメインの人物であるにも関わらず、このシーズンでは第6話までずっと脇役だった。そこで脚本はこの第7話を「ヤスミン主役の回」にしたのだろうと思った。むしろ政治家の話を初回から盛り込んだのは、ヤスミンに活躍の場を与えるためのものだったのかもしれない。

この回はヤスミンが全ての可能な限りのコネを使い、嘘の情報を流して物事を自分の思い通りに動かしていく回。その犠牲者は、Tender社と労働党政府の大臣リサ・ディーン、そして夫のヘンリー。

まず冒頭の、ホイットニーから手紙「Dear Henry...」を受け取ったすぐ後のヘンリーとヤスミンのシーン。この場面でどうやらヤスミンはヘンリーを見捨てたのだろうと思った。

ヘンリーは、お坊ちゃん過ぎてお人好し過ぎてだらしがなくて、ちょっと残念な頭で…ホイットニーに丸め込まれてしまった。そしてまたヘンリーは愚かなことに財産をTender社の株につぎ込んだと言う。財産を失う危機なのに、それでもヘンリーが心配するのは自分の名誉や評判だけ。ヤスミンが怒鳴れば「だって僕はもっと良い人でいたいから…」と大声を上げる。ヘンリーには現実が全く見えていない…大切な財産よりも自分の名声を気にするような男だった…。

それでヤスミンはヘンリーを見限ったのだと思われる。これがこの回のヤスミンの行動のきっかけ。



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しかしそれでも納得がいかぬ…プロットの穴

そんなわけで、確かにこの回がヤスミンのスポットライト回だというのは理解した。しかしそれでもこの回はプロット的に無理がある。というわけでまずここで少し文句も書いておこう。

なぜSternTao社は決定的な証拠の写真を発表しないのか?

前回の終わりに、ホイットニーがヘンリーに種明かしの手紙を渡したのでもうTender社も終わりかと思ったら、その後また何事もなかったようにTender社の株が持ち直しているとか、その上にPierpoint社の買収の話が出てくるとか…表面的にはあまり状況は変わっていない模様。

いったい前回のハーパーの、Alphaコンファレンスでの「Tender社の詐欺」の暴露の影響はどうなったのか?

何よりもハーパー及びSternTao社は、なぜスイートピーがアクラで撮った空のオフィスの写真を「Tender社の詐欺の証拠として発表しなかったのか?そしてさっさとFinDigest誌、または他のメディアにその写真を流さなかったのか?あの写真を出せば…動かぬ証拠としてTender社への当局の捜査が始まるだろうし、もちろん株価も下がる。SternTao社はなぜ証拠写真を出さなかったのか?


なぜノートン卿はヘンリーを救わないのか?

ヘンリーは甘やかされた役立たずの残念なボンボンかもしれないが、伯父のノートン卿が彼を見捨てるのはおかしい。

保守派の彼が自分のメディアで労働党を貶めたいのはわかる。しかしそれと、甥を見捨てるのは別の話だろう。メディア王のノートン卿、貴族のノートン卿が英国内で最高レベルの弁護士を雇うのは簡単なことだろう。Tender社の問題は全てホイットニーの詐欺行為。CEOになってからまだ日が浅いヘンリーは実質イノセント。「Dear Henry」の手紙はホイットニーの罪の証拠としても使えるだろう。ノートン卿が国内最高の弁護士を雇えばヘンリーを救うことはできるのではないか?


そのようなことを考えてこの第7話のプロットには少し穴があるのではないかと思った。そのような疑問がある前提で個々の人物達のストーリーを書く。



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まずは全体のあらすじ(英語のものをGoogle翻訳)

ヘンリーとヤスミンはホイットニーの手紙を読んでパニックになるが、ヘンリーは当局に行くことを拒否する。Tender社に対する規制当局の調査を複雑にするためホイットニーは密かに株式を取得していたとしてPierpoint社の買収を提案する。彼とヘンリーはニューヨークに行き、Pierpoint社の年次総会で買収提案を行う。ホイットニーは逃亡しようとするが、ロシア人の取り巻きが彼を阻止し、ジム・ダイカーを殺害したことを暴露して脅迫、Pierpoint社の買収を進めるよう強要する。年次総会で、ホイットニーは主に変動の激しいTender社の株で構成された株式を帳簿価格の1.9倍で買収を提案する。一方、ヤスミンはハーパーを説得し、ディーンがTender社に関する懸念を表明したメモを隠蔽したという疑惑を広めさせる。ハーパーはこの主張をFinDigest誌の編集長バージェスに持ち込み、バージェスはそれを公表する。ノートンのタブロイド紙「The Patriot」もこれを大きく報道したため、内務大臣リサ・ディーンは辞任に追い込まれ、Tender社は重大詐欺局の調査と新たな監査を受けることになる。その後Pierpoint社のウィルヘルミナはヘンリーに対し、ホイットニーがPierpoint社の株式を実際には購入しておらず、自身は彼の買収提案を別の買収提案に利用しただけだと告白する。困惑したヘンリーはホイットニーに電話をかけようとするが、彼の電話は机の上に置き忘れられている。ハーパーとヤスミンはバーで出会い、互いの嫉妬と恨みを打ち明け、クラブで一緒に踊る


この回を人物ごとにまとめると…

①ヤスミン
ヘンリーを見限り、嘘をばらまいてTender社と労働党の政府を陥れ、自分はTender社から逃げようとする

②ホイットニー
Tender社から逃げようとしている。しかしロシアのスパイに抑えられた。Al-Mi'raj Pierpoint社を買収しようとするが、結局できなかった

③ヘンリー
気弱で現実を見ることが出来ず、ホイットニーに脅されてTender社から逃れられなくなっている。彼が気にしているのは名誉を失うこと

④ノートン卿
労働党政府を陥れるために甥ヘンリーの会社Tender社を見捨てる。自らの持つメディアで労働党政府を批判

⑤通商産業大臣リサ・ディーン
Tender社と政府との親密な繋がりを(理不尽にも)責任を負わされて辞任

⑥産業担当国務大臣のジェニファー・べヴァン
元々Tender社と政府を繋げたのは彼女だったが、保身のためにリサを救うことができなかった。

⑦ハーパー・スターン
ヤスミンの話に乗って嘘をFinDigest誌に伝える。

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【人物達】


①ヤスミン
ヘンリーを見限り、嘘をばらまいてTender社と労働党の政府を陥れ、自分はTender社から逃げようとする


まず「元々Tender社のホイットニーとヘンリー、大臣のジェニファーを結びつけたのはヤスミンだった」


さてヤスミンは今回の主役。彼女はまずヘンリーを見捨てることに決めた。彼女はTender社とヘンリーを見捨てて、自分がTender社の危機から抜け出す方法を探っている。

一番の目標はTender社を潰すこと。そのためにヘンリーの伯父のメディア王ノートン卿を誘いこむ。

ノートン卿にヘンリーとの結婚を聞かれて問題を打ち明けるヤスミン…ヘンリーのお酒と薬…特にヘンリーの薬問題は少し盛って伝えている?(たぶん嘘その1。ヘンリーはヘロインはやっていなかったのではないか?)


Tender社には労働党の政府が関わり過ぎていた。労働党は首相の前向きの意向によりTender社の銀行ライセンスの取得を急がせた過去もある。現在Tender社の株価は下降し、労働党の政府は保守党に責められて焦っている。

Tender社を積極的に推していた産業担当国務大臣のジェニファー・べヴァンがヤスミンに電話をしてくる。彼女はノートン卿の持つタブロイド紙と話をしたいと言う。(←なぜ?)


保守党のノートン卿の持つタブロイド紙「The Patriot」の編集長ケビンと、ジェニファーとのミーティングが行われる。ケビンは労働党の政府と通商産業大臣のリサ・ディーンを引き摺り下ろすための記事の証拠が欲しいとジェニファーに問う。ジェニファーはそれを拒否する。


次にヤスミンはSternTao社のハーパーを訪ねて、通商産業大臣リサ・ディーンを貶めるための「嘘」を伝える

リサがTender社を推していたこと(嘘その2 リサは元々Tender社に反対していた )…リサがWebHorizo​​nでのスピーチでヘンリーを紹介したこともその証拠とされる。
● リサがTender社の銀行ライセンスの獲得を早めるため(事前調査で言われていた)Tender社に関する懸念を記したメモを隠蔽したこと(嘘その3)。

そしてハーパーにこれらの情報をFinDigest誌に伝えるよう仕向ける。


ヤスミンはハーパーに「Tender社のことは私一人だけが反対していたの(嘘その4)」と言うが、ハーパーに「でもそうじゃなかったよね」と返されて「そんなのどうでもいいの、この話をどこかのメディアに伝えてよ、そうしたら株価も下がるから」などとヤスミンは開き直る。


その後ハーパーがFinDigest誌の編集長エドワード・バージェスにその情報…大臣のリサ・ディーンがTender社の事前調査での問題を隠蔽したこと(嘘その3)を伝える。


それが FinDigest 誌の記事になる。FinDigest誌の疑問記事を受けて今度はノートン卿のタブロイド紙 The Patriot 紙、そして保守派の新聞(名前はわからない)が「リサとTender社の親密さ」を記事にした。労働党の首相官邸が狼狽える。

リサ・ディーンが辞任。

そしてTender社は重大詐欺局/The Serious Fraud Office (SFO) の調査と新たな監査を受けることになった。


これらのことは、夫のヘンリーがニューヨークに出張中の出来事。ヤスミンは各メディアを嘘で操りTender社を貶めている。

そしてノートン卿には「ヘンリーは人生を通して何の責任も負わずに生きてきた。これは彼への愛。私たちは彼のためにできる限りのことをしてきた。」と泣く。

そしてヘンリーがロンドンに帰ってきた時にはヤスミンはすでにTender社を退社していた。


後でヤスミンは、ジェニファーから「The Patriot紙の記事のきっかけとなった FinDigest 誌へのリークは... あなたなの?」と聞かれてまたヤスミンは「あなたの望み通りになったでしょう」と開き直る。

最後にハーパーを誘って夜遊び。朝まで踊り飲んで酔っぱらっている…。さてどうなる?


ヤスミンは今回様々なものをズタズタに引き裂いている。ヘンリーを見捨てることを決め、ヘンリーの出張中に伯父のノートン卿のメディア、そしてハーパーを通してFinDigest誌を使い、Tender社と労働党の政府の親密さの嘘の記事を流した。結果嵌められた大臣のリサ・ディーンは辞任。Tender社の株価も落ちることになる。

● さて最後にヤスミンはハーパーを誘って夜遊びをしていたけれど、これも彼女のアイデアによる意図的なものだろうか?…まず、Tender社の社員だったヤスミンが、SternTao社のハーパーと夜遊びをしているところを写真に撮られたら、ハーパーのTender社の投資がインサイダー取引きだと疑われる可能性もある。また二人で夜通し朝まで飲んで遊んでいたら、翌朝予定していたTender株の買い戻しがきちんとできるのかも不安になるが大丈夫だろうか?


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ホイットニー
Tender社から逃げようとしている。しかしロシアのスパイに捉えられる。Al-Mi'raj Pierpoint社を買収しようとするが結局できなかった


Tender社の全ての詐欺行為はこの人の罪。


詐欺に詐欺を重ねて問題を大きくする詐欺行為をポンジ・スキーム(Ponzi scheme)という。Tender社も数値の上だけで買収を重ね、社の事業が成功しているように見せかけ、投資家からの出資を誘い、その嘘の好成績の評判で株価が上がっていく。
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● Ponzi scheme
ポンジ・スキームとは、実際には資産運用をしていないにもかかわらず、「高配当」を謳って投資家から資金を集め、新規の出資者から得たお金を以前からの投資家への配当として支払う詐欺的な手法。いわゆる自転車操業であり、新規の投資が滞ると破綻する。…特徴は「必ず儲かる」「短期間で高配当」などの甘い言葉で誘う。その方法は、新規投資家から集めたお金で、古い投資家に配当(または元本)を支払う。…等々、詐欺を積み重ねていく。
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ホイットニーの人生も嘘に嘘を重ねた人生だった。


今回ホイットニーはTender社からの逃亡を試みている。逃げるにあたって、責任を押し付けるのは社のCEOヘンリー。前回ヘンリーに手紙「Dear Henry...」でおおまかな罪の内容を伝えた。ヘンリーが当局に出向いて社の詐欺の事情を明らかにすると言えば「君も罪を逃れられない」と言って脅す。気弱なヘンリーは(名声を失うなどの恐れから)ホイットニーの言いなりになってしまう。

そしてホイットニーはまた詐欺を重ねる。取締役会義でTender社がAl-Mi'raj Pierpoint社を買収すると発表。そのアイデアを(ロシアに繋がる)フェルディナンドも推している。

ホイットニーとヘンリーはニューヨークに飛び、Al-Mi'raj Pierpoint社の年次株主総会(AGM/Annual General Meeting)へ出席。ホイットニーは事前にAl-Mi'raj Pierpoint社のウィルヘルミナに電話をし「 Al-Mi'rajがPierpointを手離したがっていることを告げ、Al-Mi'rajの持ち株を買い取りたいから自分に会場で話をさせろ、そうでなければ社の悪い評判をマスコミに流すこともできると脅す。ウィルヘルミナが合意。


ニューヨークでの夜、ホイットニーは逃亡を試みる。逃亡先は日本の埼玉県!ところが(ロシアと繋がっている)フェルディナンドと部下が彼を捉える。彼らはホイットニーを見張っていて空港のWIFIからホイットニーの交信データを受信し彼の逃亡計画を掴んだらしい。フェルディナンドは(ロシアは)Pierpointの買収を望んでいる…それでPierpoint社の顧客情報を手に入れたいと言う。

またフェルディナンドはFinDigest誌のジムの死にも関わっていた。車の中でホイットニーの隣に座ったフェルディナンドの部下は、第4話の最後で…ジムとリシにパブで絡んできた(ロンドン下町アクセントを喋る)見知らぬ男だった(唖然)。


翌日、ホイットニーは Al-Mi'raj Pierpoint社の年次株主総会の会場で買収を発表する。言葉巧みにTender社の株で Al-Mi'rajの持ち株を買うと言う。


帰りの飛行機の中で、ヘンリーがホイットニーに「なぜAl-Mi'rajの幹部は君の意見を支持したのか?」と聞けば、ホイットニーは「たぶんヘイリーとデートしたからかな」と言う。

帰国後ヘンリーがPierpoint社のウィルヘルミナからの電話を受ける。ホイットニーが買収しようとした Al-Mi'raj の持ち株分はすでに Temasek 社へ売れたと言う。Temasek社との話は実は以前から進んでいたのだが、ホイットニーが会場で買収の意志を話したことから予定していたよりも高く売れたらしい。

その後ホイットニーが行方不明/AWOL(absent without official leave)になる。彼が片時も手放さなかったスマホは机の中で鳴っていた。逃亡?それとも消されたか?


余談だが前回第6回で私は「ホイットニーがリトアニア人の移民の子供で米国で苦労をした」などと考察を書いていたが、今回それを証明する内容は無し。ホイットニーのリトアニアのパスポートは逃亡のために新しく作った偽パスポートの可能性も。


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ヘンリー
気弱で現実を見ることが出来ず、ホイットニーに脅されてTender社から逃れられなくなっている。彼が気にしているのは名誉を失うこと


貴族のボンボン、世間知らずで気弱なため、ヘンリーは一般の会社の経営には向いていなかった。ホイットニーはヘンリーのもたらす上流社会でのコネを求めて彼に近づいた。ヘンリーの世間知らずで気弱な性格は、詐欺師のホイットニーには好都合だった。

前回の「Dear Henry」=ホイットニーの手紙でヘンリーは詐欺のあらましを知った。それはヘンリーに罪を自覚させ、彼に罪を押し付けるのが目的。ヤスミンはあの手紙を「脅し」だと気付く。しかしヘンリーは、家名に傷をつけること、そして自分の名誉を失うことを恐れて当局に出頭することが出来ない。

ホイットニーはヘンリーに「君は罪から逃れられない、君も刑務所行きは免れない」と脅す。そしてヘンリーはまたホイットニーの繰り返す「Tender社は回復するから大丈夫」の言葉に言いくるめられてしまう。


…もしここでヘンリーが事の重大さを理解し、ノートン卿を頼るなりして優秀な弁護士を雇いTender社から自分を切り離せば自らの罪を最小限に抑えることも可能だったと思う。しかしヘンリーはそれも思いつけない。当局に出頭して全てを話す勇気もない。ヘンリーはホイットニーの言うまま、ホイットニーの更なる詐欺行為(Pierpoint社の買収)を傍観、サポートするだけ。そしてヤスミンにも見限られる。

ヘンリーが台詞で何度も「ヤスミンに連絡しなくちゃ、ヤスミンはどこ?」などと言い…彼がヤスミンを母親のように頼っているのが伺える。その様子をホイットニーから「ママのオッパイから離れられないの?」と馬鹿にされている。


ニューヨークからロンドンに帰ってきたら、ホイットニーが消えていた。


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ヘンリーの伯父メディア王アレクサンダー・ノートン卿
甥ヘンリーの会社Tender社を見捨てる。自らの持つメディアで労働党政府とTender社を批判


ノートン卿は保守派のメディア王。彼は大手新聞社(名前はわからない)とタブロイドThe Patriot紙のオーナー。彼は保守党(Tory/The UK Conservative Party)党員であり、自らのメディアを使って労働党(The UK Labour Party)を貶める記事を常に出している。今回のTender社と労働党政府の親密な結びつきは彼にとって、労働党を貶めるための格好の材料であった。

まずヤスミンからの相談を受けてノートン卿は、Tender社と政府の閣僚を結びつけ労働党を貶めようと画策する。

労働党閣僚のジェニファーが自らの保身のためにヤスミンに相談してきた時、彼女をタブロイドThe Patriot紙に紹介して(反労働党的な)情報を得ようとする。しかしジェニファーはそれを拒否する。


ヤスミンが目的のために「情報をでっちあげる」と仄めかした時も、ノートン卿は彼女をたしなめるが止めることはなく、その後ヤスミンはFinDigest誌に嘘の情報を流す。その記事を受けて、The Patriot紙も保守派大手新聞社(名前は不明)も反労働党的な記事を出した。

結果、通商産業大臣リサ・ディーンは辞任。

ノートン卿はヤスミンと組んで政府とTender社を貶めることには成功したが、前述の「ノートン卿はヘンリーの伯父なのに、なぜ彼を助けないのか?」の疑問は残る。


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ヤスミンに貶められる政治家達

通商産業大臣リサ・ディーン
Tender社と政府との親密な繋がりの責任を(理不尽にも)負わされて辞任


政府が推していたTender社の株価が下がったことで労働党政府は保守党から責められている。政治のポッドキャストに出演したリサが右派の論客に責められる。右派政党 Reform UKのセバスチャン/Sebastian Stefanowicz は「Tender社の上級管理職とリサが密接な関係にあり、Tender社の銀行ライセンスや承認を早めていたという噂がある」と非難する。
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● Emory Andrew Tate III is an American and British social media personality, businessman, and former professional kickboxer who gained notoriety for promoting various highly controversial positions in the manosphere
● Reform UK
イギリスの政党。反グローバリズムを掲げる右派政党で、厳格な移民政策などを掲げる。
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ポッドキャストを聞いていた首席補佐官リッキー・マーティンがリサに詰め寄る。それを受けてリサはリッキーに「元々Tender社の件を推していたのは首相とリッキー」だと反論する。


過去の回で…、
● まずTender社に近づいたのは産業担当国務大臣のジェニファー・べヴァン。ジェニファーはヤスミンに誘われてヘンリーの誕生会パーティーにも呼ばれている。
● それから政府内でTender社の銀行ライセンス獲得を推したのは首相の意向を受けた首席補佐官リッキー・マーティンであった。


ヤスミンが(労働党とTender社を貶めるため)ハーパーを使って FinDigest 誌にいくつかの嘘を伝えた。それを記事にしたFinDigest誌をきっかけに、The Patriot 紙と保守派大手新聞(名前は不明)が

● 通商産業大臣リサ・ディーンがTender社を10回ほど訪問したこと
● リサがTender社のCEOのヘンリーをWebHorizo​​nで紹介したこと
● 英国でのTender社の展開に関する内部リスク評価の警告が報告されていた
● リサが省庁に対しそのブリーフィングメモを隠蔽するよう指示した

などの記事を掲載する。内容のほとんどはリサを貶めるための記事であった。


結果リサは辞任する。


リサは今回の犠牲者。彼女が全ての非難を受けることになったが、リサは元々Tender社と政府の関係を一番反対していた人物。ところが、ジェニファーもリッキーもリサを庇うことなく、保守派のメディアがリサを追い詰めて辞任に追い込んだ。


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産業担当国務大臣のジェニファー・べヴァン
元々Tender社と政府を繋げたのは彼女だったが、保身のためにリサを救うことができなかった


彼女はヤスミンに誘われて過去にマック家の社交パーティーにも参加しホイットニーにも紹介されている(第1話)。またヘンリーの誕生会パーティにも出席している(第2話)。ヘンリーからも直接「Tender社が英国のFintecを率いるから推してほしい」と打診されている(第3話)。

その後、通商産業大臣のリサ・ディーンと英国PRA(健全性規制機構)の面々との会談でも、ジェニファーはTender社を推している。また会議に途中から加わった首相首席補佐官リッキーは、規制当局に取引承認を迫っている(第3話)。

今回Tender社との親密さを保守派に指摘され焦っている内閣で、ジェニファーは良心の呵責を感じながらも保身に回り、リサを庇いきることなく辞任に追い込んだ。

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SternTao社ハーパー
ヤスミンの話に乗って嘘をFinDigest誌に伝える



今回のハーパーは、ヤスミンの嘘をFinDigest誌に伝えただけ。ハーパーはヤスミンの言葉が嘘だと気付いているが、結局SternTao社のショート投資の儲けになるからとヤスミンの指示に従っている。最後にヤスミンに誘われて二人で夜遊びをしているが、元Tender社CEOの妻ヤスミンと一緒にいるところを写真に撮られたら、インサイダー取引の証拠にされる可能性もある。


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さて最終回はどうなるか?????



Season 4
Season 3
Season 2
Season 1



2026年2月23日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第6話まとめ:Dear Henry



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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ぅわあああ…なんか…すごいな…。密なドラマ。濃厚。まーあきれるほど深いドラマ。とにかくレイヤーにレイヤーを重ねて状況がますます重くなる。この第6話から急展開になりました。

エリック!…😭😭😭😭


ストーリーの展開も凄いが、キャラクターの人物設定がまた面白い。それにドラマ内での様々な文化的リファレンス、また近年の政治的事象へのリファレンスも多いのに驚く。制作・脚本の方々はどれだけ大量の情報を脚本に盛り込んでいるのか…恐ろしいほど。当然1回見ただけでは分からない。いやだいたいの流れは1回でも分かる。しかし台詞の意味をひとつひとつ調べていくと、ま~~~~すごいね。面白い。難しいから。

というわけでまたまた色々と調べたものを記録。とんでもなく長いです。



日本語での金融の専門用語をよく知らないので訳で使用する言葉がおかしいかもしれません。






★あらすじ/全てネタバレ注意





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まず大まかなあらすじ
今回は展開が多いので時間の流れに沿っての出来事をまずリストにし、後から内容を深堀りする。

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①ハーパーはヤスミンに、テンダーは詐欺師だと警告する。
②ヤスミンがヘンリーにその疑いを伝える。
③Tender社は調子がいい。米国への事業の展開の話も出ている。
④ホイットニーとTender社監査人ジェイコブ、ヘンリーでの夕食会。
 ヘンリーがホイットニーを疑い始める。
⑤ホイットニーがヘンリーをゲイクラブに連れていき彼の心配は有耶無耶になる。
⑥SternTao社ハーパーがALPHAコンファレンスでTender社に関する調査結果を発表。
⑦Tender社の株価が急降下…28%下落する。
⑧喜ぶSternTao社の社員達。
⑨Tender社 ホイットニーの部下ヘイリーの反撃
⑩寂しいホイットニーがハーパーに電話して身の上話
⑪ホイットニーとフェルディナンド…フェルディナンドの正体
⑫ホイットニーの正体とは
⑬ホイットニーがトニーに忠誠心を保つよう説得
⑭スイートピーとFinDigest誌編集長とトニーのミーティング
⑮エリックの受け取ったメール…ホイットニーによる脅し
⑯CNNによるホイットニーとエリックの討論+トニーの参加
⑰ヘイリーによるヤスミンへの打ち明け話
⑱エリックによるSternTao社でのパートナーシップ解消。
⑲ヘンリーがTender社監査人ジェイコブを解雇
⑳ホイットニーがヘンリーに手紙を渡す
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内容が濃い。ハーパーによるTender社の収支の疑惑発表でTender社の株価が落ちるのに並行して、Tender社の内部の危機が明らかにされる…ホイットニーの詐欺行為以外の上に、(ホイットニーが知らなかった)外部からの影響、ヘイリーの告白…等々。そのゴタゴタの上にホイットニーの嘘で固めた人生が少しずつ浮かび上がる。劇中で使われる音楽もそれぞれに意味がありそうだ(全てはチェックしていないが)。とにかく濃いドラマ。上のあらすじリストの番号に沿って内容を掘り下げる。



①ハーパーはヤスミンに、テンダーは詐欺師だと警告する
ハーパー(Myha'la)が(元友人+同僚)のヤスミン(Marisa Abela)にTender社の詐欺行為、ホイットニー(Max Minghella)が犯罪者だと警告する。


②ヤスミンがヘンリー(Kit Harington)にその疑いを伝える


③Tender社は調子がいい。米国への事業の展開の話も出ている
米国にも事業を展開しようとしている。米国の代表を交えてのミーティングには英国の議員も参加。話が大きくなっている。


④ホイットニーとTender社監査人ジェイコブ、ヘンリーでの夕食会。
監査人のジェイコブを招いて夕食会。ジェイコブが「米国に関しては米国専門の監査人を雇った方がいい」と告げるが、ホイットニーが米国の件もジェイコブにカバーして欲しいと頼む。
ヘンリーがホイットニーを疑い始めている
ヘンリーが監査の内容を尋ねるが、ジェイコブは「Tenderのような規模の企業のバランスシートに疑問符が付くのは、よくあることで不正行為によるものではない」と言う。
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● IFRS standards(International Financial Reporting Standards )
国際会計基準審議会(IASB)による国際的な会計基準。140以上の法域における財務諸表の透明性、説明責任、比較可能性を確保するために策定した、財務報告のためのスタンダードを設定し、国際的な投資家が企業を効率的に分析することを可能にする。
● GAAP standards(Generally Accepted Accounting Principles)
米国での財務諸表の作成と報告に使用されている規則、基準、手順の方法。会計基準コード化(ASC)を通じて主に財務会計基準審議会(FASB)によって管理されており、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務データが、あらゆる業界の投資家、債権者、規制当局にとって一貫性があり、透明性が高く、比較可能であることを保証している。
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⑤ホイットニーがヘンリーをゲイクラブに連れていき彼の疑念は有耶無耶になる。


⑥SternTao社ハーパーがALPHAコンファレンスでTender社に関する調査結果を発表。
ハーパー「Tender の収益の大部分は完全に架空のものである可能性。消費者からの預金獲得は、過去の財務不正をさらに複雑な会計の網の中に隠蔽しようとする試み。Tender社の遡及決算と、決済処理業者としての同社の中核事業を検証すべきだ。我々のDCF分析では、20億~30億ポンドの企業価値中核事業である合法事業に当てはめると仮定した場合、ベースの目標株価は1株あたり12ポンド。またアフリカとアジア太平洋全域での買収による価値はゼロ。私達は情報源に直接アクセスした。説明のつかない現金/負債、虚偽の第三者買収、収益を現実に合わせて調整した場合の維持できない評価、差し迫った規制と監査…を合わせれば(株価は)最大の下振れになるだろう。現在のレベルから 100% 下落する。衰退は急速に進むだろう」
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● DCF(Discounted cash flow) analysis
財務分析における割引キャッシュフロー (DCF) 分析は、金銭の時間的価値を組み込んで証券、プロジェクト、会社、または資産を評価するために使用される方法
● Enron fraud
かつてアメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに存在した総合エネルギー取引とITビジネスを行っていた企業。巨額の不正経理・不正取引による粉飾決算が明るみに出て、2001年12月に破綻。
● Valeant Pharmaceuticals fraud (now Bausch Health)
2014年から2016年にかけて、大幅な薬価引き上げ、専門薬局フィリドールとの非公開関係、不適切な収益認識など、広範囲にわたる不正行為を行ってた。米国で最大規模の12億ドルの証券集団訴訟の和解となった。
● Luckin Coffee fraud
2017年に設立された中国のコーヒーチェーンが、2019年の売上高を3億ドル(22億人民元)以上も捏造していたことが発覚。かつてスターバックスの有力なライバルと目されていた同社は、市場の期待に応えるため、複雑で捏造された関連当事者間の取引を利用して売上高とコストを水増ししていた。
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⑦Tender社の株価が急降下…28%下落する。焦るTender社。
Tender社の株価は28%下落する。焦るTender社が取締役会議
Tender社を救うために…既存の融資条件の再交渉、何らかのつなぎ融資、経費削減や人員削減、アフリカや他の地域での買収など、中核事業以外の資産の売却も行う。Basel IIIの流動性カバレッジと社のコア Tier 1 とTier 2ポジションの状況を再確認。また支払い延期、顧客データの販売…(顧客のデータ販売にフェルディナンドが強く反対する→後述㊟4
(これ以上価格がこれ以上下がった場合)PierPoint社は10億ドルの債券に償還条項を設けている(第4話の…COCO債でのPierPoint社からの貸付の回収)
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● Basel III
2007年から2009年にかけての金融危機を受けて、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定した包括的な国際銀行改革案。規制、監督、リスク管理の強化を目的としている。銀行の資本増強、レバレッジの削減、流動性の向上に重点を置いている。
● Tier 1
銀行の中核となる最高品質の規制資本。主に普通株と内部留保から構成される。
● Tier 2
補足資本。銀行が破綻した場合に損失を吸収し、預金者と上位債権者を保護する二次準備金として機能する。
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⑧喜ぶSternTao社の社員達
Tender社の株価の暴落で皆喜んでいる(エリックのNYメッツの例え笑)。現在28%も株価が下がっているが、今のところ儲けは3 millionだけ。理由は今までTender社の株の価格が上がっていたため…これから下がればもっと利益が出る。
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● PnL…The profit and loss (P&L)
損益計算書(P&L)は、特定の期間における収益、費用、そして純利益を示す。貸借対照表は、資産、負債、所有者資本を示すことで、事業価値を示す。
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またこの場面では、シーズン3の人物ジェシー/Jesse Bloom の会社 Crotona Park Capital の部下 Preston Carnahan(CIO/Chief Investment Officer)が、 ALPHA コンファレンスの会場にいたことに触れている。


⑨Tender社 ホイットニーの部下ヘイリーの反撃
ホイットニーの部下ヘイリー(Kiernan Shipka)がホイットニーに噛みつく。そこで明かされる事実… ヘイリーを始め、ホイットニーの前の部下「クローン病になった女」、それに若いDolly Hotel girlも皆同じエスコート・エージェンシーから雇われた売春婦だった。ヘイリーの最後の捨て台詞にワタクシは痺れました。


⑩寂しいホイットニーがハーパーに電話して身の上話
大学の時に「好きなクラシック音楽を聞かれて答えられなかった」スタンフォード大での思い出を語る。それからずっとホイットニーは嘘をつき続けているらしい。社会の上に上れば上るほど階級でジャッジされる英国に来たのは間違いだったと告白する。後述㊟2
寂しいホイットニーは元同僚のジョナ(Kal Penn)に電話する。もちろんジョナはホイットニーを恨んでいる。
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● Solomon Asch (1907–1996)
ポーランド系アメリカ人の社会心理学の先駆者。集団からの圧力がいかにして個人を自身の認識を捨て去り、誤った多数派の意見を受け入れるよう駆り立てるかを実証した。人の心理への社会的な影響、同調圧力、そして集団力学を理解する上で、今もなお礎となっている。
● Solomon Asch Milgram experiment
アッシュとスタンレー・ミルグラムによる心理に関する実験。1951年のアッシュの実験は同調性を実証し、個人がしばしば自身の正しい判断を無視して全員一致の集団に同調することを示した。
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⑪ホイットニーとフェルディナンドの会話…フェルディナンドの正体
フェルディナンド(Nico Rogner)が彼の身元を話し始める。彼はロシアの外国情報機関 SVRとFSBの技術部門 Cozy Bearに雇われた。彼は(Tender社が買収した)オーストリアの銀行IBN Bauer社の上部に食い込み、IBNの顧客基盤、名前、ネットワーク、支出習慣の全体像を把握した。情報はロシアに流れた。
ロシアの外国情報機関はTender社の経営権を握っていた。後述㊟3
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● Cozy Bear
コージーベアとは、西側からロシアの外国諜報機関と関係があると考えられている高度な持続的脅威(Advanced persistent threat)ハッカーグループ
● SVR
The SVR (Sluzhba Vneshney Razvedki) is Russia's primary civilian foreign intelligence agency,
● FSB
Federal'naya Sluzhba Bezopasnosti Rossiyskoy Federatsii/The Federal Security Service of the Russian Federation[a] (FSB) is the principal security agency of Russia and the main successor agency to the Soviet Union's KGB
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⑫ホイットニーの正体とは?後述㊟2


⑬ホイットニーがトニーに忠誠心を保つよう説得
スイートピー(Miriam Petche)とFinDigest誌編集長エドワード・バージェス(David Wilmot)とトニー(Stephen Campbell Moore)のミーティングの前にホイットニーが現れて、トニーにTender 社への忠誠を保つよう説得する。「私は今まで君を救ってやった。彼らは君の将来の世話はしてくれない」


⑭スイートピーとFinDigest誌編集長とトニーのミーティング


⑮エリックへのメール…ホイットニーによる脅し
エリック(Ken Leung)へ送られてきたメール…(前回)売春婦のドリーと一緒にいる自分が盗撮されたビデオと、2011年生まれ(15歳)と記載された彼女のパスポートの写真…を受け取る。未成年との関係は犯罪。


⑯CNNによるホイットニーとエリックの討論+トニーの参戦
エリックは自分がホイットニーと対決したいと告げてCNNに向かった。インタビューの前に彼はホイットニーに『孫子』兵法書からの言葉を囁く

「Do not press a desperate foe too hard. When you surround an army, leave an outlet free. What if the outlet I use is through? Through you.
必死の敵にあまり圧力をかけすぎないように。軍を包囲する際は、出口を開けておくように。もし私が使う出口が、お前を貫通していたらどうする?」
▶ 意味:包囲した敵軍には逃げ道を開けておけ…の意味。追い詰めすぎると死に物狂いで反撃してくるから。窮鼠猫を噛むですね。

討論でのエリックの必死の攻防。彼は前日のメールでの脅しを受け自らが戦うと決めたらしい。
途中でトニー・デイによる映像でのサプライズ参加「アフリカでの収支への疑いは欧州による偏見だ。西洋メディアでは反アフリカ論争を隠蔽し親アフリカ的な弁明をするのをよく見かける」と訴える。そこにホイットニーが乗る「あなた(エリック)は嘘を流して利益を得ようとしている」
エリックの反論「私はただ資産運用者なだけ。私自身には問題もある。しかしTender社の不正と私の問題は別。関係ない。二言…新たな監査を要求する。


⑰ヘイリーによるヤスミンへの打ち明け話 後述㊟5
ヘイリーはエスコート・エージェンシーからホイットニーに雇われた。彼の他のアシスタントたちも同じ。ホイットニーは彼女達を彼が近づきたい人々(金融関係、投資家など)に送り出し、関係を持たせ、その様子を盗撮する…その映像が後で取引に使われる。一度はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに飛んで銀行の取締役Al-Mi'raj とも関係を持った 
⇒(Al-Mi'raj PierPoint社とTender社の繋がり)。
前回、エリックの買ったDollyもホイットニーに雇われていた。


⑱エリックによるSternTao社でのパートナーシップ解消
エリックが会社を辞めること告げる。ハーパーにその理由は言わない。会社を辞めるのは(Dollyの件での)トラブルを避けるため。エリックはまた退職時に自らの投資以外の…すべての権利、ボーナス、延払金、および株式持分を放棄するという。
エリックはハーパーに「以前は自分以外の誰かに誇りを感じることなどできなかった。君が私が間違っていたことを証明してくれて本当に嬉しい」と告げる。


⑲ヘンリーがTender社おかかえの監査人ジェイコブを解雇
CNNの討論のおかげでTender社の株価の下降は落ち着いた。Pierpoint社からのCOCO債の資金回収も免れた。しかしヘンリーが独自に社の監査人ジェイコブを解雇。新しい監査人を雇ったと言う。


⑳ホイットニーがヘンリーに手紙を渡す
ホイットニーはヘンリーに手紙を渡して立ち去る。エレベーターでは日本の会社に電話をしてコードナンバーを告げている。
ホイットニーの手紙には…「共に強くあらねばならない。批判者たちを遅らせ、敵が私たちの目標に近づくのを困難にさせるつもりだ。人々は私を、私達を犯罪者として非難するだろう。特に君に対して。ヘンリー、私のバケツには穴が開いているんだ 後述㊟①


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★内容をますます深堀り


㊟1 ● Dear Henry, there's a hole in my bucket.
全篇に詩のように繰り返されるホイットニーの「Dear, Henry...」。それに続く「there's a hole in my bucket」のフレーズ。これは中部ヨーロッパの民謡「There's a Hole in My Bucket/バケツの穴」からのフレーズ。内容は…バケツに穴が開いているから直そうとするが、結局「バケツに穴があるから水が汲めない」と元に戻ってしまう。延々とループする内容となる。


㊟2 ● 寂しいホイットニー、嘘つきのホイットニーの正体
【考察】
これがこの回の一番のサブプロット。彼がハーパーに電話をして打ち明け話をするところから彼の…嘘で塗り固めた人生が明らかになっていく。

ハーパーと話ながら彼がデスクから取り出したパスポートの名前は「Vytautas Andriulevičius」。これが彼の本当の名前とIDなのだろうか。

(彼の過去に関する私の想像)おそらく彼はリトアニア移民の子供。貧しい家庭で米国で育った。彼は優秀で(おそらくは奨学金で)スタンフォード大で学んだが、ある時「好きなクラシック音楽を聞かれて答えられなかった」事で恥をかいた。彼はプライドが高かったのだろう。それからずっとホイットニーは嘘をつき続けているらしい。

新天地を求めて英国に渡りジョナと会社を起こすが、社会で成功し上に上れば上るほど英国の階級社会のルールを思い知ることになる。

一方(彼と同じく下流育ちの)ハーパーは自らの育ちを隠してはいない。彼女はPierpointの入社時にも大学の経歴をごまかしていた。しかし彼女はその後実力で金融界で成功し成りあがった(それはエリックも同じ)。

ホイットニーはそんなハーパーにだけ心を開く(会社の敵なのに)。彼は生まれでジャッジされる英国に来たのは間違いだったと告白する。

そんなホイットニーがヘンリーをTender社に引き入れたのは、会社を大きくするにあたってヘンリーの貴族のタイトルが階級社会の英国で役に立つと思ったから。そして都合のいいことに、ヘンリーはイノセントで人を疑わないボンボンのお坊ちゃん。彼は貴族で自分を取り繕う必要が無い…常にいいかげんでのんびりしている。ヘンリーはTender社のことも十分に調べずにCEOだといい気になってTenderに取り込まれてしまった。

ホイットニーが歌うホイットニー・ヒューストンの
「I Wanna Dance with Somebody (Who Loves Me)」…ホイットニーの偽名の元はこれなのではないか。

そんな風にホイットニーは人生のすべてを嘘で塗り固めてきた。それを「Dear Henry, there's a hole in my bucket.」=「終わりがない嘘」だと独白している。㊟1

彼は(ジョナによると)お酒も飲まない、酔っぱらわない、女遊びもしない。嘘で固めた仮面を保つために彼は決して他人に隙を見せない。自分の嘘に追い詰められてギリギリの状態で生きているのではないか。この俳優Max Minghellaさんは、表情が硬くて…私は彼は大根かと思ったのけれど、この嘘をつき続ける複雑なキャラの「仮面」を演じていたことによるものなのだろう。

彼はこれからリトアニアのパスポートで国外脱出するのだろうか?


●  ホイットニーはなぜ「Dear Henry...」なのか?
【考察】
ところでホイットニーはなぜヘンリーが好きなのか? ゲイかどうかはとりあえず置いといて、ホイットニーはヘンリーを密かに思慕している。なぜか? 
「ホイットニーはヘンリーの無邪気さに憧れている」
…ホイットニーは前述のようにいつも不安で嘘をつき続けてきた。彼は人に隙を見せることができなかった。最初は事業に便利だからと…貴族のヘンリーを Tender 社に引き込んだのだが、次第にヘンリーのイノセントな無邪気さに惹かれ始める。
ヘンリーは階級社会ではピラミッドの頂点に近い場所にいる貴族。生まれながらに上にいる者は人と人、人と自分を比べてジャッジする必要がない。圧倒的に上の階級にいるから、ヘンリーには(上から目線だが)どのような人も受け入れられる余裕があるのだろう。ヘンリーはホイットニーをジャッジしない。そして彼は元々子供のようにイノセントなお坊ちゃんでお人好し。それでホイットニーはヘンリーの側なら安心できる…ヘンリーの余裕と無邪気さに憧れる…そして心の中でヘンリーに話しかけるほど惹かれていった(片思い)ということだろう。


㊟3 ● ロシアが関わってきた
第3話でTender社が買収したオーストリアのIBN Bauer銀行。そのCFOのフェルディナンド/Ferdinand Schwarzwald…彼はロシアの外国情報機関SVRとFSBの技術部門Cozy Bearにスカウトされ、IBN Bauer銀行に送り込まれた。そこで銀行の顧客情報をロシアに流した過去がある。

彼はTenderへの関りで。Tender社及びAl-Mi'raj PierPoint社の顧客情報も手に入れようとしている。彼がTender社の株価が急降下したときに、(対策として)顧客情報を売るアイデアを強く拒否しているのはそのためだろう →㊟4

彼は以前からTender社に関り、ジョナを解雇し、銀行業務へと事業を転換するホイットニーの意志を支持、IBN Bauer銀行の買収にも協力。フェルディナンドは現在Tender社の取締役の一人。

SternTao社に…Tender社のアフリカにおける不正事業が公に暴露される中、トニーの内部告発を懸念し、ロシアは「メッセージから外れた」者の暗殺も厭わないと示唆する。


● ホイットニーが板挟み
嘘を重ねたホイットニーのアフリカでの詐欺事業。そのことをフェルディナンドはまだ知らないと思われる。ロシアが欲しがっているのはTender社とAl-Mi'raj PierPoint社の顧客情報らしいが、もしホイットニーのアフリカ事業での嘘がフェルディナンドに知られたら…Tender社に新しい監査がはいり、Tender社のアフリカでの買収事業に中身が無いこと、Tender社の資産そのものにも実体がないことをフェルディナンドが知ったらどうなるのか?恐ろしい結末が見える。


㊟5 ● ホイットニーの悪事・女性
ホイットニーが売春婦を雇って、金融関係、投資家などに送り出し盗撮をし…相手の弱みを握り…それを交渉/脅迫に使っていたこと…その中で、ホイットニーの雇った若い娘=エリックの買ったDollyが未成年だったことから、まるで今の米国で大きな問題になっているエ〇ス〇タ〇ン事件のようだと思った。


● エリックはどうなる?
おそらく彼がこのドラマ・シリーズに戻ってくることはないのだろうと思う。エリックは英国を去って米国のどこかの郊外に落ち着いてリタイアするのだろう。果たしてホイットニーが盗撮ビデオを警察に渡し、英国で犯罪者となった場合、それが米国の彼の逮捕に繋がるのか…?私にはわからない。
エリックは一番好きなキャラクターだったのに残念。ただ私が好きだったのはシーズン1のエリックだったと今なら言える。S1での彼は会社では成り上がりのボス猿的なセールスのトップで部下を怒鳴り散らしていたが(かっこよかった)、家庭では奥さんと友人のような関係、双子の娘さんには優しいお父さん…だった印象。シーズン2でのニューヨーク出張での浮気(許される範囲だろう)。そんな彼の印象が、シーズン3から変わってしまった。S3では離婚して独り者のミッドライフ・クライシス男。ヤスミンにみっともなくセクハラで迫り、S4では売春婦を買う。彼は女難で身を滅ぼした。
これでおとなしくリタイアか。~残念だな~。


● ハーパーが綺麗になった
余談だが、このシーズンのハーパーがすごく綺麗になっていた。表情も豊かだし、女の顔になった…どうしたのかと思ったら、なんと女優のMyha'laさんは去年ご結婚なさっていた。やっぱり女性は幸せでお顔が変わるんだなと思った。おめでとうございます。


● 最後にホイットニーの「Dear Henry...」
ホイットニーの「Dear Henry...」の独白で、彼の心の変化が伺える。それをまとめておこう。

Dear Henry1: You have to be the person who makes the other feel safe in the fullest expression of who they really are.
君は他人に安心感を与える存在でなければならない。彼等がありのままの状態でも。

Dear Henry2:What if I don't contain multitudes?s
もし私が多くの人格を抱えていないとしたらどう思う?(私が正直だったら?)

Dear Henry3:To he who has everything, more will be given. But whoever does not have, even what they do have, will be taken away.
全てを持つ者にはさらに与えられる。しかし持たない者は持っているものさえも取り上げられる。

Dear Henry4:I'm a pathological optimist. Dear Henry, we're too close now to lose faith. Dear Henry, we are hardwired to live.
私は病的な楽観主義者なんだ。ヘンリー、私たちはあまりにも近づきすぎたから離れられない。ヘンリー、私たちには生きることが組み込まれている。

Dear Henry5:How are we supposed to remain virtuous when the temptation is so great?
誘惑がとてつもなく大きい時、私たちはどうやって徳を保ち続けられるだろう?

Dear Henry6:Is it really any surprise we seek control when we are always at the mercy of forces much larger than ourselves?
私たちは常に自分よりもはるかに大きな力に翻弄されている時、コントロールを求めるのはそんなに不思議なことだろうか?

Dear Henry7Wealth is the greatest disguise from our truest, most probable states.
富とは、私達の一番真実に近く、可能性のある状態を、偽装するものだ。

Dear Henry8: (手紙)I think maybe the time for poetry and ornament has passed. Practically, it's very important that you understand everything.
詩やお飾りを話す時期は過ぎたと思う。現実に君が全てを理解することが大切だ…



Season 4
Season 3
Season 2
Season 1




2026年2月18日水曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第5話まとめ:Eyes Without a Face



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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面白くなってきました。

ロンドンの Tender 社が勢いを増し株価が上がっている。そして SternTao 社は Tender 株の巨額のショート(空売り)投資をしたために焦っている。彼らは必死になって株価が下がる確証を探している。今回のストーリーは、SternTao 社の社員スイートピーとクワベナがアフリカ・ガーナのアクラに行き、Tender 社アフリカ支社の怪しい収支の実体を探りに行く話。二人はついに Tender 社の株価が下がるためのその確証を突き止めた。

謎が解けてきました。面白くなってきた。4話までは Tender 社の表向きの成長と、後ろに見え隠れする不穏な動き…そして SternTao 社の巨額のショート投資でストーリーを構築、後半に入った 5話から謎解きをする。すごく面白くなってきた。

エリックやハーパー、スイートピーのサイドストーリーも少し。それは後から。まず SternTao 社の今の状況、そしてクワベナとスイートピーのアフリカ謎解きの旅の流れを記録。


日本語での金融の専門用語をよく知らないので訳で使用する言葉がおかしいかもしれません。




★セグメント毎のあらすじ/全てネタバレ注意





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SternTao社

Tender 社の株価は上がり続けている。モルガン・スタンレー社による「Tender 社の新アプリのユーザー獲得率データについての強気の見通し」で Tender 株は現在7%の上昇。

ドイツ銀行のブローカー、ケニー(Conor MacNeill)は「入札ポジションにはもっとリスク・マージンが必要、もっと担保が…さもなくば他のポジションを清算すること(SternTao 社は他にもロングやヘッジで投資をしている)。48時間以内、最長72時間以内に担保を追加で差し入れろ、そうでなければ Tender 株を売却することになる」と警告。= SternTao 社は追証請求(Margin Call)の危機に瀕している。

大型投資家のひとり、フランスの Pierre がハーパー(Myha'la)に ALPHA のコンファレンスでの講演を依頼してきた。

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● Reinhard Heydrich/ラインハルト・ハイドリヒ
ナチス・ドイツの高官。…ケニーがドイツ銀行のマージン係の催促の厳しさを例えて話している。
● CIO (Chief Investment Officer) /最高投資責任者
資産運用会社、銀行、年金基金などで投資・運用部門のトップを指す。市場分析に基づき、資産配分(アセットアロケーション)や投資戦略の策定、ポートフォリオの運用・監視、リスク管理を統括し、収益の最大化に責任を持つ役職
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前回の4話の最後、FinDigest 誌の記者ジム・ダイカー(Charlie Heaton )が薬のオーバードーズで死亡していた。ジムはリシ(Sagar Radia)から薬を買っていた。リシは現在、過失致死罪で起訴されている。ダークウェブで手に入れたコカインにはフェンタニルが入っていたという話も。

Tender 社でのアフリカでの動きを探るため、スイートピー(Miriam Petche)とクワベナ(Toheeb Jimoh)がガーナのアクラに飛ぶことになった。クワベナはアクラに親戚がいる。子供の頃は年に4回11年間もアクラに行っていたと言う。

その夜、ハーパーとエリック(Ken Leung)の会話。ハーパーはエリックを臆病だとなじる。ここのハーパーがキツイキツイ。

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● Hail Mary
アメ・フットボールで試合終盤に必死に得点を狙って投げられる、通常は失敗する長いパス=絶体絶命の状況での一発逆転狙いの最後の手段(神頼み)
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翌朝。ハーパーとエリックはどのように Tender 株のショート投資をどう救うかを話している。しかしエリックは全てが終わったと思っている…入札ポジションを清算し、この件全体を最も楽に解決する方法を見つけるつもりだと言う。

その後、スイートピーとクワベナがアフリカから Tender 社のアクラでの買収事業の実態を暴いたと知らせてくる。


ハーパーは Pierre の ALPHA コンファレンスのスピーチでそのことを話すことを決めた。



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ガーナ・アクラ:スイートピー&クワベナ

スイートピーは事前に現地の Tender 社のトニー・デイ(Max Minghella)に Zoom でコンタクトしている。彼には「他の経営会議でアクラに行く予定なので訪問でのミーティングに変更して欲しい」と伝えた。

まず最初にスイートピーは Tender 社が買収した地元の決済代行会社 SwiftGC 社を訪ねる。しかし SwiftGC の登録住所は私書箱メイル・ボックスのみ。電話番号はまたダブリンの Tender 社のコールセンターに繋がっていた…それは過去に調べた「Tender 社が買収した他の数社」の連絡先と同じコールセンター。

午前11時にトニー・デイをTender社支社に訪ねる。スイートピーは自らを Mostyn Asset Management 社の社員と偽り「テンダーへの投資案件に加え、この地域における他の株式投資のための現地調査している」また「Tender 社が決済代行業者の顧客獲得から新アプリへユーザーを移行する計画について、特に現地での買収について詳しく教えて欲しい(Tender 社は既にアフリカでの買収をいくつか行っている)」と伝える。短いミーティングの後、スイートピーはトニーに連絡番号を渡す。

次にスイートピーは Tender 社の SwiftGC 社買収の写真画像を逆検索。Tender からの買収の時に SwiftGC 社が依頼した弁護士を訪ねる。スイートピーは Tender 社が SwiftGC 社を5000万ドルで買収したその大きな金額に疑問を抱いている。買収に関わった弁護士に SwiftGC の評価額がどのようになされたのかを質問する。弁護士は「SwiftGC は急成長企業。ガーナ銀行が規制環境を緩和して以来、モバイル決済セクターは急成長を遂げている」と言う。それ以上の情報を得ることはできなかった。

トニーがスイートピーに電話してくる。トニーは FCA register で彼女の名前を調べ、前職の上司にも連絡して彼女が嘘をついていることを知っていた。スイートピーはトニーに「テンダーの株価は幻想だとする情報が出ていることを知っているか?」と問う。トニーは FinDigest 誌のジムから連絡を受けていたが、ジムが他界したことは知らなかった。

その後スイートピーはバーのトイレで殴られる…彼女はトニーが仕向けたものではないかと疑う。

翌朝。クワベナが調べた内容…SwiftGC 社は元はアクラの GoldSalt Media 社の持つ小さな会社だった。Tender 社はその SwiftGC 社を GoldSalt Media 社から買収した。その会長が最近亡くなり、家族内で遺産相続で揉めているという。クワベナが昔から知る女性が、GoldSalt Media 社会長の娘のメンサ夫人を知っていた。二人とも同じ寄宿制学校の生徒だった。

早速内情を聞き出そうと二人はメンサ夫人に会いに行く。メンサ夫人は8人の兄弟姉妹で父親の遺産を争っていると言う。しかし遺産のほとんどは不動産だと言う。Tender 社の SwiftGC 社の 5000 万ドルでの買収の支払いはなかった。買収そのものがなかったと言う。

(メンサ夫人から聞いて)スイートピーとクワベナは SwiftGC 社のビルを訪ねる。そこは空のビルに電話番が雇われているだけ。SwiftGC 社は存在していなかった!


スイートピーは SternTao 社のハーパーとエリックに電話
▶その内容
Tender 社が急成長を遂げ、高い収益を生み出す企業だと主張しているものには実体がない。Tender 社の多くの買収事業には中身がない。

Tender 社は買収する会社の価値について虚偽の情報を流している…価値を誇張することで積極的な成長を装っている。

SwiftGC 社の件も…空の部屋に 5000 万ドルも支払ったと宣伝しているが、現実には支払っていなかった。SwiftGC 社にはユーザーも収益もない。5000 万ドルも支払われていない。

しかし Tender 社には、SwiftGC 社の買収に5000万ドルが支払われた記録が残った。また現地の人々に賄賂を渡して証拠の写真撮影などを行い、買収が行われたことの見せかけの情報を流していた。

つまり Tender 社はアフリカでマネーロンダリングをしていたのではなく、買収費用を水増しして利益を捏造し(さらにガーナ当局に賄賂を渡して宣伝し)、偽の収益を循環させて成功を装っていた。

そして同じように他の様々な(嘘の)買収も、不透明な構造、複雑な子会社網、賄賂の効くアフリカで連続して行い続け、Tender 社は全く中身のない買収の数字だけで、社の急成長を謳っていた。

FinDigest 誌の記者ジムが仮定していた…Tender 社がアフリカから違法なポルノやギャンブルの支払いを資金洗浄している事実はなかった。そのためアメリカの賭博法が施行されても彼らの利益は一度も損なわれず、ホイットニーは損益を一切考えずに Siren 社を解雇できた

Tender 社は決済代行サービスとしてさえ成功したことがない…という事実を隠すために銀行になった。


ハーパーは Pierre の ALPHA コンファレンスのスピーチでこのことを話すことを決めた。




またスイートピーは FinDigest 誌の編集長エドワード・バージェスに連絡する。そして彼女がアクラの Tender 支社のトニー・デイとのコンタクトを取り持つこと、そしてトニーの命の安全を保証するよう要求する。トニーに Tender 社の内部告発者になってもらう可能性を話すが、エドワードは難しいだろうと言う。


その後スイートピーとクワベナは Tender 社支社のトニーに突撃。全てをぶちまける…トニーが Tender 社の嘘の買収を知っていながらその責任者の振りをするために雇われているのかと詰め寄る。ホイットニーはトニーを脅しているのか?ホイットニー以外に誰が後ろにいるのか…?

トニーの心が動く「内部告発をする前に、自らの責任を最小限に抑える方法を正確に知りたい」と言う。

スイートピーはトニーに告げる
「ロンドンへの飛行機チケットをあなたに渡す。FinDigest 社の編集長エドワード・バージェスに紹介するので FinDigest 誌を通してトニーの安全保証を確かなものにする。取締役会、政府、監査役、投資家、調査アナリストは、あなたの言うことを信じないだろう。彼らはあなたが(SternTao社から)金をもらっていると言うだろう。しかしこれはあなたが免責されるチャンスだ。あなたは加害者ではなく被害者だ。」

トニーは「考えておく」と告げる

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● FCA register
イギリスの金融行為規制機構(FCA)が管理する、規制対象の金融サービスを行う企業や個人を載せた公式の公開リスト
● Ouroboros/ウロボロス
自らの尾を噛んで環となったヘビまたは竜を描いた、古代から伝わるシンボルです。始まりも終わりもないことから「無限」「永遠」「不滅」を象徴
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その他

米国のハーパーの母親が急死。ハーパーは母親に虐待された記憶しかないと言う…彼女の衝動性と攻撃性はそのせいなのか。母親の死に彼女はどのように反応していいのかわからず戸惑っている。またエリックは娘のリリーがキャットフィッシュ行為による友人への酷い虐めを行ったことで退学になったと話す。父親として失敗したと悔やんでいる。二人は友人として慰め合う。


 今の SternTao 社のオフィスはエリックの住まいでもある。家賃は月10万ポンド(£100,000)? 

とある夜、元妻と娘がエリックのオフィス兼住まいを訪ねている。元妻と娘が眠りについた後、エリックは売春婦 Dolly hotel girl に会いに行く。
↑ このシーンの意味が私には全く理解できなかった。忙しすぎて娘に寄り添うことができなかったと…罪悪感を感じている父親が、娘と元妻が自宅で眠っているのを見て自宅から抜け出し、若い売春婦を買う。そして「俺に自分を大きく思わせてくれ」と言う。売春婦は「Yes, daddy」などと答える。最悪に気持ち悪い。そのシーンそのものも不快なのだが、なによりもこのシーンのエリックの心理と行動が私には全く理解できなかった。男性には理解できるのだろうか?

そこで旦那Aに尋ねてみた…なぜエリックはあのようなことをしたのか?

A が言うには「エリックはものすごいストレスに苛まれていた。Tender 社の株は上昇中…SternTao 社の投資は失敗、巨額を失うのは明らか。自らが投資した10臆ドルも失うことになる…娘へ用意していたお金も消えた。そして娘は友人を虐めて学校から退学になった。父親として失敗した…そのことを反省した。家族にもっと寄り添おうと思った。しかし元妻に「後悔を愛と勘違いしないで」と言われた…もう一度いい父親になろうとする意志を拒絶された。それでとうとう心が折れてしまった

エリックは今までの人生を α (Alpha) Male(ボス猿的な男)として生きてきた(生きようとしてきた)。しかし今の彼には何も残っていない。もう多数の部下を率いる大企業のセールス部門のボスでもない。SternTao は失敗。エリックは全てを失った。年も取った。自信も揺らいでいる。

腹が立った。もうどうでもいい。女を買って「俺を大きいと思わせてくれ」と告げる。エリックは寂しかった。人肌も恋しい。あまりに大きなストレスで潰れて自暴自棄になって間違いを犯してしまったのだろう」と分析していた。なるほど…。女の私には一生わからないと思った。説明されればなるほどと思うが…こんなにも男の心理とはわからないものかと思った 難しい


スイートピーは19歳の時に SNS で裸を晒している。そのことを広めたのはリシだと思っている。

最後に、私はなによりもスイートピーが最高にかっこいいと思った。彼女は頭がいい。そして勇気と実行力が素晴らしい。かっこいい女だ。見知らぬ土地で怖い目に遭いながらも感情を殺して必死で証拠を掴み取った。最後に泣いていたけれどよほど怖かったのだろう。いいキャラクターだ。強い女性にはいつも惹かれる。

毎回音楽もいい。ビリー・アイドルも懐かしい。いい曲だった。


Season 4
Season 3
Season 2
Season 1


2026年2月11日水曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第4話まとめ:1000 Yoots, 1 Marilyn



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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内容を詳しく追うのが結構重荷になってきた。自分のためにやっているのだけれど。このドラマはスピードが早いし、編集のせいで場面がどんどん入れ替わるし、脚本の言葉も情報も多くてついていくだけで大変。金融の専門用語も満載。それに今回は、ジムと編集長の会話に英語のイディオムが山盛り入っていて、何を話しているのかさっぱりわからない笑。ひとつひとつ書きぬいた。学生に戻って勉強しているようだ。

ともかく次のストーリーに進むのに迷わないように記録しておこう。

日本語での金融の専門用語をよく知らないので訳で使用する言葉がおかしいかもしれません。




★セグメント毎のあらすじ/全てネタバレ注意





※SternTao 社の投資金額が間違ってたみたいなので修正しました


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FinDigest誌 ジム・ダイカ―

FinDigest(経済紙)の記者ジム(Charlie Heaton)は(第3話の)ハーパーからの情報「サンダーランドの件」を含む「Tender社の裏情報」を探っている。(前回第3話でリリースされた)ジムのオンライン記事は Tender 社の株価にはほとんど影響を与えなかった。次に予定されている記事ではハーパー達の突き止めた「サンダーランドの件」と共に「Tender 社のアフリカでの怪しい収支」について…ジムがガーナのアクラに向かい取材する予定(編集長からも GO サインが出た)。

しかし編集長はジムに、ハーパーの会社(ショート投資専門の)SternTao 社との関係は「市場操作」を疑われる危険があるので関係を断つように告げる。ジムはそれをハーパーに伝える。

一方 Tender 社は、最初の記事が出てから FinDigest 誌へ異常なほどの圧力をかけてきている…随分神経質になっていることが伺える。編集長は早朝から電話で起こされ…(株価にほとんど影響のなかった)ジムの記事にさえ Tender 社が神経質になっている(差し止め命令、脅迫、名誉毀損)ことから、ジムの取材している内容には実体があるのではないかと編集長は予測している。

Tender 社の WebHorizo​​n での新しいアプリの発表の後、ジムはホイットニーに直接「サンダーランドのオフィスの件」を詰め寄るが、ホイットニーはそれを否定。

その後、(ノートン卿の)保守派の王手新聞紙が「The men who hates Britain/英国を嫌う男たち」のタイトルで記事をリリース。その記事には FinDigest 誌のジムと編集長、SternTao 社のエリックなどが写真入りで中傷されていた。

ジムは薬物の使用、そして(第1話の冒頭で)酔った勢いで一夜を過ごした Tender 社のヘイリーから性的暴行の疑いをかけられ(ヘイリーは告訴を検討中)FinDigest 誌から解雇される。

その夜、ジムはドラッグのオーバードーズで意識を失う。


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始まって直ぐのジムと編集長の電話の会話が、英語のイディオム満載で意味が全く分からなかった。英国人の喋りだと思うが、このような話し方をする米国人を私は知らない。イディオムを書きぬいた。

● Shot in the dark
= an act whose outcome cannot be foreseen; a mere guess.
当てずっぽう、ヤマ勘、確証のない推測

● Their response to the "Tender, investigated" piece, it's as subtle as a Slade song in truth. Injunction, threat, defamation.
これはイディオムではないが、70年代の騒がしいグラムロックバンドの「Sladeぐらい微かな」…つまり意味は全く微かではない…穏やかではない

● A dog's dinner
=British idiom describing a situation, project, or, occasionally, an appearance that is a complete mess, chaotic, or poorly organized
(英国英語)ひどい混乱、めちゃくちゃな状態、台無し

● clean the slate
=to make a fresh start by ignoring past mistakes, failures, or debts, effectively resetting a situation
stern and curt rebuke
白紙に戻す、過去を精算する、心機一転やり直す

● Far more meat on the bone
=something has significantly more substance, depth, detail, or value than previously presented
もっと実体、価値、意味がある

● glass jaw
=A fighting vulnerability where one is easily knocked out via a single hard blow to the chin or jaw
弱い顎、弱点、弱さ

● I'll get legal to word a stern and curt rebuke.
=severe, sharp, and direct expression of disapproval delivered with very few words
厳しく鋭い直接的な非難

● Air gapped computer
=a computer or network is physically isolated from unsecured networks
オフライン、Wi-Fiでもネットと繋がっていない状態。ハッキングされることはない

● displays of brute force in a velvet glove?
=An iron fist in a velvet glove
outwardly gentle, polite, or courteous, but inwardly firm, resolute, or ruthless when necessary
表面上は穏やかだが、内面では必要に応じて毅然とした態度、断固とした態度、冷酷な態度をとる



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SternTao社

(第3話)で SternTao 社は Tender 社の株を大量に ショート投資をしている。ジムの書く次の記事で Tender 社の株価が下がることを期待している。

しかし Tender 社の評判は新しいオンラインバンキング・アプリの発表で上がっている。株価も上がっている。

ジムの最初の記事が株価に影響しなかったことから、彼の次の記事が株価に影響する確証もない。他の出版社に「サンダーランドの件」を話すか、それともオンラインで Tender 社自らが情報を流すか…Hindenburg や GlassHouse のように…などなどの考えを巡らしている。しかし Tender 社の中傷記事をSternTao 社が流すことは、ひとつ間違えれば Tender 社に訴えられる危険性もある。

SternTao 社は焦っている。

投資は
  10 million エリック(Ken Leung)
  100 million 仏投資家 Pierre
  140 million 他の投資家から集めた
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計 250 million をマージン
(マージン=取引の担保として証券会社に預ける証拠金)
  250 million 以上~のショート投資

㊟ SternTao is 100 percent leveraged on $250 million they have raised to short Tender. 
どれだけの額の Tender 株を空売りをしているかは言っていなかった。例えばマージンが 50%なら$500 million の可能性も。脚本がはっきりと言っていないらしい。巨額のショート投資なのは確か。


またスイートピー(Miriam Petche)は(Tender 社の元 CEO)ジョナ(Kal Penn)に連絡を取った。ジョナは彼女に Tender 社内のメールを送ることを約束する。ジョナは現在ホィットニーを不当な解雇で訴えている。

そして Tender 社のアフリカCFOであるトニー・デイ(Stephen Campbell Moore)を特定する。

トニーはロンドンで金融業界に関わった後、2011年にガーナの首都アクラへ移住。2度事業に失敗したが、突然 Tender 社のアフリカ支社のCFOに抜擢された。Tender 社の名でローカルの決済処理会社 SwiftGF を 50 million ドルで買収…疑わしい地域買収を監督していたことを知る。 ハーパー(Myha'la Herrold)はスウィートピーに、デイの拠点の(ホイットニーも頻繁に訪れる)アクラに行きさらなる調査を促した。


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Hindenburg Research LLC
U.S. investment research firm with a focus on activist short-selling founded by Nathan Anderson in 2017. Shut Down 2025.

GlassHouse Research
​GlassHouse Research is comprised of forensic accountants and analysts who have worked for prominent Wall Street hedge funds and boutique forensic accounting firms.


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Tender社

Tender 社はオンラインバンキング・アプリのリリース準備を進めている。ヘンリー(Kit Harington)は積極的にアプリの開発に関わっている。今のところ Tender 社には国からの銀行ライセンスが下りていない(らしい)。それで古い銀行の Al-Miraj Pierpoint 社と組んでアプリをリリースしようとしている。

新旧の両者が組む利点は…PierPoint 社には Tender 社のもたらす新しいテクノロジー(Tender 社の始まりはオンライン決済処理会社でそのノウハウがある)を、また Tender 社には PierPoint 社との共同アプリ発表で信頼と新規銀行事業への本格的参加を試みている… Tender 社はこれから銀行ライセンスを取得する予定なのだろう。

今の Al-Miraj PierPoint 社の顧客は中東の富裕層が多いと思われる。Tender 社の将来の顧客は英国一般市民。おそらく顧客を奪い合うこともないのだろう。新規の共同事業は両方に利益をもたらす見込みで、また Tender 社のアプリ事業は政府から、特に首相からもサポートを得ている。

その自信から Tender 社は PierPoint 社に10億(1 billion)ドルの投資を打診。結果 CoCo 債(Contingent convertible bond 後述)でPierPoint 社からの10億ドルの投資を確保する。


ホイットニー(Max Minghella)はハーパーがジムと会っている写真を入手し、SternTao 社が Tender 社株を空売りしていると推測。そのことをヤスミン(Marisa Abela)に知らせる。

ヤスミンはヘンリーの伯父 ノートン卿(Andrew Havill)に 彼の持つ保守派の王手新聞紙面で、SternTao 社と FinDigest 誌が共謀しているとし…彼らを「英国の進歩と発展を妨げる敵」として両社の中傷記事を書くように依頼。ホイットニーの持つハーパーとジムの写真も記事に使われることになる。


またヤスミンは、ホイットニーの部下ヘイリー(Kiernan Shipka)が(第1話で)ジムと関係を持ったことでナーバスになっているのを見て「あなたは彼に暴行を受けた」と囁く→その入れ知恵でヘイリーはジムを訴えることを思いつく。→ジムは FinDigest 誌から解雇される。


ヤスミンはヘンリーが WebHorizo​​n の技術コンファレンスの舞台上でアプリを発表するように手配する。

ヘンリーは Tender 社での自分の存在に自信を持てずにいる。Tender 社内のことも全てが明らかにされていないと感じているし、またホイットニーがよくアフリカに出かける理由も知らされていない。不安を募らせるヘンリーをヤスミンが励ます(彼女自身の野心のために)。

疑念を抱きながらもヘンリーは WebHorizo​​n で力強いスピーチを行う。 Tender 社の「誠実さ」を押し出しスピーチは成功する。

WebHorizo​​n のスピーチの後で、FinDigest 誌のジムはホイットニーに「サンダーランドのオフィスの件」で詰め寄るが、ホイットニーはそれを否定。

ホイットニーはヤスミンを広報部長に任命する。ヤスミンはヘイリーを昇進させる。


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Contingent convertible bond(CoCo債・ココ債)(Putable CoCo bonds?)
銀行などの金融機関が自己資本を強化・増強する目的で、経営悪化時に元本削減や強制的な株式転換を伴う高いリスク(かつ高利回り)の社債を販売する。

どうやらこのストーリーでは PierPoint 社が Tender 社に 1 billion ドルの投資だけをするのではなく、Tender 社の発行する CoCo 債を PierPoint 社が買い取って結果的に 1 billion を Tender 社に渡すということらしい。Tender 社が危機に陥った時(株価が下がった時)に、PierPoint 社は CoCo 債での投資を回収する。それで Tender 社はますます大きな危機に陥ることになる。おそらくそうなるのだろう。


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Rishi

リシ(Sagar Radia)は、義母に息子ヒューゴの姓をスミスに変更させ、面会を継続する条件を飲んだ。(社を解雇されたジムは)後半にリシと出会い共にコカインを摂取。過剰摂取で意識不明に。警察が到着し、リシはバルコニーから飛び降りて逃走を図るが、両足首を骨折して逮捕される。


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以上ストーリーの流れを記録。

今のところ Tender 社の評判はいい。株価も上がっている。しかし後ろに様々な裏取引があるらしく、それが明るみに出れば株価は下がる。それで SternTao 社がショートの儲けを出すという話だろう。また PierPoint 社の CoCo 債での 1 billion ドルの投資も回収され Tender 社は破産かな。予想。

ヘンリーはお坊ちゃんらしくイノセント…すぐ落ち込む弱さ。そんな彼をヤスミンがステージママのように操っている。ヤスミンは他の様々な事柄も操っている。ホイットニーは隠れゲイ(バイ)でヘンリーを気に入っているらしい。ヤスミンがそれに気付いている。また最後に第3話でのことでヘイリーがヤスミンを脅し始めた。

最後の15分のドラッグ漬けのシーンは見ていられなくて退屈したのだが、もしかしたら脚本の意図は…同じ街に 5億ドルの投資をしている者達がいて、また酔っぱらって薬物に溺れる者達もいる…そのような社会の歪みを描いたのかもしれぬとも思った。


Season 4
Season 3
Season 2
Season 1




2026年2月2日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第3話まとめ:Habseligkeiten



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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1月25日・日曜日に放送の『Industry』Season 4 の第3話。1週間遅れで筋を記録しておきます。このドラマは私には難しい。まず冒頭の3分間、ハーパーが記者ジムと電話で話している言葉で撃沈。彼らが何を言っているのかほとんどわからない笑。視聴者をわざと怖がらせているのか? とりあえず通しで見てなんとなく筋を掴んだ上で、1週間遅れでA氏に解説をしてもらった。その内容をここに記す。今回も濃い。

日本語での金融の専門用語をよく知らないので訳で使用する言葉がおかしいかもしれません。




★セグメント毎のあらすじ/全てネタバレ注意




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SternTao 社…エリック/ハーパー

第1話からの流れでハーパー(Myha'la)とエリック(Ken Leung)は新しい彼らの会社『SternTao』社を起こした。現在はまだオフィスも決まっておらず、ホテルの1室を借りてオフィスとし顧客の新規開拓に忙しい。

SternTao社はショート・ポジション(空売り)専門のファンド。ハーパーは FinDigest(経済紙)の記者ジム(Charlie Heaton )との会話で「Tender」社の動きが怪しい(アフリカから違法なポルノやギャンブルの支払いを資金洗浄している)との情報を掴みTenderに目を付けた。

朝食会で投資家達との関係を築こうとするが、皆懐疑的で話に乗ってこない。ほどんどの投資家は、ショートのみの投資は危険すぎると見ている。フランス人の投資家 Pierreからの質問を受けて、ハーパーはまだ成功の確証もないTender社株のショート・プランを公表してしまう。

朝食会の後でエリックはハーパーに Tender 社株のショートのアイデアの理由を問う。ハーパーが記者ジムからの裏情報を告げれば、エリックは「大きな会社は FinDigest の記事くらいでは影響を受けないだろう。現在 Tender 社にはオーストリアの銀行との合併の話が出ている。空売りをするのなら Tender 社の問題の「確証」が必要」だと言う。

…その一例としてエリックが「Herbalife」の有名なストーリーを話し始める(後述)。エリックはショートのみの投資なら「確証」がない限り失敗するとハーパーを諭す。

その「確証」を得るためハーパーは Tender 社の情報を集め始める。元 Pierpoint & Co、そして元 Mostyn Asset Management の同僚 スイートピー(Miriam Petche)が Tender 社の年次報告書を調べてきた。
以前の Tender 社は怪しい業界との業務で利益を得ていたが、社の新規株式公開(IPO/An Initial Public Offering)以降はEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域での会社の買収が彼らの成長の主要な原動力となっている…しかし戦略が不安定で変化しているはずであるにもかかわらずそれが数字に全く反映されていない…大きなリスクが株価に織り込まれていない。つまり Tender 社は今でも違法な事業(ポルノやギャンブル)の支払い処理サービスをし続けていてそれを隠蔽している可能性がある。
しかし現在 Tender 社は、Fintec(後述)分野での金融アナリストからの評判も高く、特にSir. ヘンリー・マック(Kit Harington )のCEO 就任も高評価となっている。市場では Tender の株は買いが推奨されている。

ハーパーの元 Pierpoint & Co の同僚リシ(Sagar Radia)もハーパーに Tender 社の資料を持ってきた(おそらくは彼が裏社会から手に入れた Tender 社の内部決算書が外部に漏れたもの)。
その資料を調べ続けるハーパーとエリック。資料の中から Tender 社の EMEA 地域での買収先の住所は全て同じ場所=アイルランドのダブリン。そしてまた資料の中に度々現れる Tender 社の登記上の「支店」の住所は英国の東北地方サンダーランドの住宅であることを発見。その家は Google Map の Street View で見ても時価総額 90億(9 billion)ドルの企業の支社には見えない。

ハーパーがスイートピーと共にその住所を訪ねる。そこで個人の請負業者が Tender 社のアフリカでの取引内容を手作業でコード化してスプレッドシートに入力し、そのサービス内容(違法のポルノやギャンブルサイトでの決済サービス)を隠蔽している現場を発見した。おそらく彼のような請負業者が他にもいて、大量のTender社の裏取引をコード化している…Tender 社が今も違法の取引や裏社会との関りから収入を得ていてそれを隠蔽していることを突き止めた。

ハーパーがスイートピーに SternTao 社への入社を求め、スイートピーはそのオファーを受ける。

ハーパー、エリック、スイートピー、(ハーパーの元部下で恋人)クワベナ(Toheeb Jimoh)が、ドイツ銀行で働く(元 Pierpoint & Co の同僚)ケニー(Conor MacNeill)を訊ねる。SternTao 社はドイツ銀行のブローカー、ケニーに Tender 社のショートを実行したいと告げる。

またエリックは仏投資家の Pierre から条件付きの投資を打診されそれを受けていた。SternTao社が自社で10 millionドルの投資をした場合に限り、Pierre も90 millionドルの投資をする。ただし空売り投資が最初の10 millionドルを失った時点でPierre は投資を解消する。10 millionドルの損失は SternTao 社がカバーすること。エリックは家族の投資会社を清算して10 millionドルを投資に回すことを決める。


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Herbalife-Ackman Story
実話:2012年、ファンドマネジャーの Bill Ackmanが、健康補助食品の専門メーカー「Herbalife」に対し1 billionドルのショート・キャンペーンを仕掛けた事件…Ackman はHerbalife が違法のねずみ講式にビジネスを展開していると提示。それに反対した投資家 Carl Icahn が反対の立場で巨大投資を展開。話題となった事件。FTC/Federal Trade Commission(連邦取引委員会)の調査により Herbalife のねずみ講の件は否定され…Ackmanは2018年に空売りポジションを解消、巨額を失うことになった。

Fintec(Financial technology)フィンテック
決済、銀行業務、投資といった金融サービスにテクノロジーを統合し、プロセスを改善、自動化、効率化すること。

FTX
実話:FTXは2022年11月に破綻した大手グローバル暗号資産取引所(global cryptocurrency exchange)。サム・バンクマン=フリードによって2019年に設立。2022年、liquidity crisis による資金不足、大規模な経営のミスマネジメント、そして数十億ドルに及ぶ顧客資金のアラメダ・リサーチへの不正流用により破綻した。
このドラマでは記者のジムが過去に FTX で資産を失った話が冒頭のハーパーとの電話での会話で出ていた。

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Tender社…ホイットニー/ヘンリー/ヤスミン

Sir. ヘンリー・マックはホイットニー(Max Minghella)の率いる Tender 社の CEO に就任する。彼は貴族ならではのコネクションで英国の上流社会に顔が利く…Tender社と政治家との関わりにも役に立つ。早速ヘンリーはMPのジェニー(Amy James-Kelly)に Tender 社が欧州の銀行の買収のためのライセンスを取れるよう打診…Tender 社が成功すれば(今まで規則が多いために滞っていた)フィンテックの分野で、 Tender 社が英国の金融界を率いて活性化することができると告げる。

Tender 社はオーストリアの家族経営の銀行「IBN Bauer 社」との合併を進めようとしている。そのためにはまず英国の Prudential Regulation Authority/健全性規制機構(PRA)の承認が必要。

現在 IBN Bauer 社側の取締役会は2社の合併にほぼ賛同しているが、同社の後継者である Moritz-Hunter Bauer 氏と彼の母親は、顧客のデータ・プライバシー管理の変化に不安を感じていて合併に前向きではないと言う。ヘンリーの妻ヤスミン(Marisa Abela)の提案で Tender 側からオーストリアに出向いて話し合いをすることになる。

その頃、FinDigest 誌のジミーが Tender 社に質問状をデータで送ってくる。裏取引のことを質問する内容に対し「どこかの空売りの投資家が煽っているのだろうが、何の心配もいらない」とホイットニー(ヘンリーは裏取引のことを知らされていない)。また記事が出る前に Tender 社から FinDigest 誌に圧力をかけることもできると言う。

Tender 社のメンバーが Bauer 家の城をオーストリアに尋ねる。
夕食会で2社の合併に関する合意をBauer 氏から 得ようとするが話はうまく進まない。Bauer 氏は資本主義や民主主義に否定的でファシズムの信奉者。それを隠すこともしない…そしておそらく彼は反ユダヤ主義者(ちなみにホイットニーの姓 Halberstam はユダヤ姓)。
一晩を過ごしてヘンリーたちは帰国。残ったヤスミンが Bauer 氏の母親との会話で、Bauer 氏が英国の保守派の王手新聞(名前は不明)紙面に寄稿することを提案。 その保守派の新聞はヘンリーの伯父 Alex Norton 卿(Andrew Havill)がオーナー。

ヤスミンが勝手に Bauer 氏を伯父の新聞社に紹介したことを後から知ったヘンリーは喜ばない。

帰国したヘンリーとホイットニーは、MPのジェニー、ビジネス担当大臣のリサ・ディーン、そして英国PRA/The Prudential Regulation Authority(健全性規制機構)の面々と会談。後から加わった首相首席補佐官は、規制当局に取引承認を迫る。

Tender 社とIBN Bauer 社の合併が決定。
Tender の株はFTSE 100に入る。


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GDPR(European Union's General Data Protection Regulation)
2018年5月25日に施行された一般データ保護規則(GDPR)は、欧州連合(EU)の包括的なデータプライバシー法であり、個人データの収集および処理に関して厳格な要件を課している。この規則は、EU/EEA 域内の個人を対象とする、または監視する組織に世界的に適用され、違反した場合には数千万ユーロに及ぶ罰金が科される可能性がある

GDPR issues
欧州連合の一般データ保護規則(2018年施行)への遵守における法的、技術的、または運用上の不備を指す。この規則はEU居住者の個人データの厳格な保護を義務付けている。一般的な問題として、違法なデータ処理、同意の欠如、データ漏洩、削除権などのユーザーの権利の侵害などが挙げられる。

FTSE(Financial Times Stock Exchange)
ロンドン証券取引所(LSE)に上場している大手企業の株価動向を追跡する株価指数群を指す。FTSE 100とはそのトップ100企業…時価総額上位100銘柄で構成されるイギリスの代表的な株価指数。

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FinDigest 誌の記者ジミー

Tender 社の裏取引に以前から探りを入れていた FinDigest 誌の記者ジミーの記事は…記事が出る前に(Tender 社から圧力がかかったのだろう)多くの重要なデータが黒塗りされて潰され、結果穏やかな内容に書き換えてオンラインで出版されることになった。ジミーは Tender 社の支社のあるアフリカ・ガーナの首都アクラへ取材に行くと言う。

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興味があったので台詞に出てくる情報を洗い出した。大変だった。

ハーパーがジムから聞いた情報を元に Tender 社株のショートを決め、Tender 社の内情を探る流れは面白い…Tender 社が裏で違法の業務内容で利益を得ている証拠を掴んだ。一方 Tender 社は(表向きは)IBN Bauer 社との合併も決まりそのニュースを受けて社の株は FTSE 100 に躍り出る。面白い。さてこれからどうなるか。

タイトルの「Habseligkeiten」はドイツ語…劇中では「possessions closest to your soul/魂に一番近い持ち物」とBauer氏の母親が説明していた。この言葉は2004年に一番美しいドイツ語として選ばれたそうだ。

ハーパーが待ち合わせする日本食レストランで坂本九さんの「上を向いて歩こう/Sukiyaki」が流れていた 😎



Season 4
Season 3
Season 2
Season 1

2026年1月19日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第2話まとめ:The Commander and the Grey Lady



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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1月18日・日曜日に放送の『Industry』Season 4 の第2話。昨日早速録画を見た。第2話はスピンオフ的サイドストーリーのみ。金融の話は無し。解説はいらなかったので簡単に要点だけ記録しておこう。




★簡単な要点/あらすじ/全てネタバレ注意




ハーパーの同僚 ヤスミン/Yasmin Kara-Hanani(Marisa Abela)は貴族のヘンリー/Sir Henry Muck(Kit Harington)に嫁ぎ地方の広大な領地のカントリーハウスで生活している。

ヘンリーはMP/Member of Parliament/国会議員になろうとしたが選挙で敗北し鬱になった。ヤスミンにより城ではヘンリーの40歳を祝う盛大なバースデー・パーティーが開かれる。父親の40歳の誕生日に関するトラウマを乗り越えてヘンリーは鬱を脱する。

ヤスミンによるアレンジでパーティーに招かれた『Tender』のCEOホイットニー/Whitney Halberstram(Max Minghella)はヘンリーに『Tender』のCEOの席をオファーする。


カントリーハウス/マナーハウスとは英国の農村において貴族およびジェントリの住居として建設された邸宅。貴族の末裔がすむ城のようなもの。城の周りには広大な領地が広がり農民や市民たちが生活を営んでいる。日本の藩と大名のようなもの。ヘンリーは殿様の子孫ということですね。

殿様の末裔ヘンリーが町に出ていってパブで飲むと、町の人々が彼のことを知っていて話しかけてくるのが面白いと思った。殿様と話してるようなものなのだろうか。英国にはまだ階級社会が残ってる。

昔は殿様の土地で起こったことは領地内で処理されていたのだろうけれど、今の時代はそうはいかないだろう。ヘンリーの暴力シーンはいずれストーリーに絡んでくるはず。


Season 4
Season 3
Season 2
Season 1


2026年1月18日日曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第1話まとめ:Paypal of Bukkake





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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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英国の金融業界を描いた米HBOのドラマ『Industry』のシーズン 4が今年1月11日から始まりました。相変わらず下品な言葉が多いのですでに食傷気味ですが、このドラマは密度が濃くて面白いのでこのシーズンではストーリーのあらすじをエピソード毎に書いていこうと思う。

スラング満載、金融のジャーゴン満載、隠語満載で1度見ただけではさっぱりわからない笑。しかし内容がわかればかなり面白いドラマ。私には言葉も内容も難しいので、今回も毎週日曜に放送されるドラマを、火曜か水曜あたりにまず私が一人で見てストーリーの流れを掴んだ上で、週末に旦那Aと一緒に見て意味を説明してもらうことにした。そこでわかった内容をここにメモしておこうと思う。ストーリーのまとめというよりも、大まかな内容の構成を分けて記しておこう。



★ほぼあらすじです/全てネタバレ注意




★ ハーパー・スターン/Harper Stern(Myha'la Herrold)

主人公の女性。前シーズンからの繋がりで、現在のハーパーは投資家/貴族院のメンバーのオットー/Otto Mostyn(Roger Barclay)から見込まれ、彼の投資会社『Mostyn Asset Management』の一部署「Short Opportunities Fund」のファンドマネージャーを務めている…この部署は「空売り/Short ㊟後述を専門とする。
2024年の労働党の勝利にともなう世相の動きを、昔の同僚リーシ/Rishi Ramdaniに探らせ、ハーパーはこれから価格が下落すると予想されている『Siren』の株を空売りしようとしている。
『Siren』はロンドンに拠点を置くインターネット・コンテンツの有料購読サービス…ポルノ制作者の間で人気が高いことで知られている。新政権が包括的な「オンライン安全法案」を提案していることにより、『Siren』のようなサービスは危機に陥る可能性がある。
折から『Mostyn Asset Management』内のハーパーの部署の成績は好ましくなく、今回の『Siren』の空売りも不評。
すでに引退している昔のボス、エリック/Eric Tao(Ken Leung)のファミリー投資会社がハーパーの会社から投資を引き上げたことから、焦ったハーパーは全てのクライアントのファンドを閉鎖(gating)してしまう(投資家が資金を引き出せないように閉じてしまう)。彼女の衝動的な行動にオットーが激怒「私の爵位を傷つけるな、君を雇ったのはただDEIに寄せた振りをしただけだ」とハーパーに告げる。オットーに失望したハーパーはエリックに連絡、新しい会社を二人共同で設立することになった。

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 「空売り/Short」とは
空売り(からうり)とは、手元にない株式を証券会社から借りてきて、高い値段で「売り」、その後株価が値下がりしたところで「買い戻して」差額を利益にする信用取引の一種。売った株が後に値下がりすればするほど買い戻した時に儲けが出る。
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『テンダー/Tender』

ロンドンの比較的新しい決済処理スタートアップ企業…『Tender』は特に賭博やアダルト業界などの怪しげな企業に(Paypalのような)決済処理のサービスを提供することで大手に成長した。この会社の共同経営者は…CEO/最高経営責任者/chief executive officer の ジョナ/Jonah Atterbury(Kal Penn)、そしてCFO/最高財務責任者/chief financial officer のホイットニー/Whitney Halberstram(Max Minghella)の二人。
ホイットニーは『Tender』の怪しげなイメージを刷新するため、今までのメインのクライアント…アダルトやギャンブル関連の顧客との契約を打ち切り、まっとうな銀行への事業転換を図ろうとする。
CEOのジョナは『Tender』の業界での最大の強みは、(誰も関わりたがらない)怪しい顧客にサービスを提供することだと言い、銀行への事業転換は危険だと反対する。
ホイットニーは『Tender』の取締役会と共に ジョナを突然解雇し、『Tender』のCEOに就任する。

その他のサイド・ストーリーと分析

● 2024年の選挙での勝利により労働党は…『Siren』などの怪しいサイトの取り締まりを厳しくする「オンライン安全法案」を成立させようとしている。

● 労働党の「オンライン安全法案」に保守党は反対している。その保守党の貴族院のメンバーのオットーは、ハーパーに委ねた(「Mostyn Asset Management」の中の)「空売り専門部署」が、労働党の「オンライン安全法案」(=『Siren』株の下落)により成績を上げることを良しとしない。彼が保守党内で顔を失うことによる。

● 金融を専門とするジャーナリスト、ジム/Jim Dycker(Charlie Heaton)は『Tender』の(まだ明らかにならない)不正行為を暴こうと嗅ぎまわっている。その不正行為で『Tender』の株価が落ちる可能性があることが示される。ジムはハーパーに連絡をし「空売りをするのなら『Tender』の方がいい」と告げる。

● 『Tender』のホイットニーが自ら関わっているアフリカでのプロジェクト…それが何かはまだはっきりとわからない。

● ホイットニーの台詞に出てくる「HGH」の言葉…HGH は Human Growth Hormone の略だろうか。ホイットニーが秘密裡に関わっているアフリカでのプロジェクトに「HGH」が関係しているらしい。

● そこで思い出すのがシーズン3までのメインキャスト、ロバート/Robert Spearing(Harry Lawtey)。彼はシーズン3で、カリフォルニアのベンチャーキャピタルにリトル・ラボ社の事業計画を売り込み、成功を収めていたはず。今はカリフォルニア在住だろうか。ホイットニーのプロジェクトに今後ロバートが関わってくる可能性があると海亀は見た。

● もう一人のメインキャスト、ヤスミン/Yasmin Kara-Hanani(Marisa Abela)…彼女はシーズン3で貴族のヘンリー/Sir Henry Muck(Kit Harington)に嫁いだ。現在はマナーハウスに住み、上流の社交界で生きる。盛大なパーティーを催し、ビジネスのトップや政治家、貴族等の社会の上層部の人々に出会いの場を提供している。今回のパーティーでは『Tender』のホイットニーと労働党のMP ジェニファー/Jennifer Bevan(Amy James-Kelly)を結びつけた。また同パーティでハーパーとホイットニーが親しくなった。


第1話での情報はこれくらいだろうか。今後のドラマを理解しやすいように記録する。



それにしてもこのドラマは耳をふさぐほど、目を覆うほど下品なのに参る笑。これは制作と脚本の方々が、このような下の話題とロンドンのシティを結びつければ「Cool」だとか「Edgy」だとか思っているからだろう。(視聴者の求める)London City の金融業界のイメージによるものだろうか。主人公が女性なのにあいかわらず愛の無いセックスが多い。制作が男目線で創作しているからだろう。かなりシャープでキレのいい面白い話なのに下の話が多いのは、視聴者が堅い話に飽きないようにスパイスで味付けをしているのだろう。いいのか悪いのか私にはよくわからないけれど困るわけではないからまぁいいか。

エリックが帰ってきたのが私はとても嬉しい。シーズン3でのエリックの扱いがとにかく酷かったので、彼はもうこのシリーズから消えるのかと思っていた。彼はまたメインのキャラになりますね。

エリックは今度はハーパーと会社を共同経営するらしい。それにしてもエリックの女性の好みがこの第1話でほんの少し示されたように思うが、頼むからエリックとハーパーは寝ないで欲しい。たのみます。お願いします。もしそうなったら私はとてもがっかりする。幻滅する。エリックは厳しいお父さんキャラだからいいのよ。

Ken Leungさんは好きな俳優さん。小柄なのにカリスマがあって、このシリーズでは何を考えているのかわからないのが少し怖くていい。彼は目が全く笑っていなくて常に怒っているのかと心配する。今回も注目です。シーズン3のようなかっこわるい姿はあまりなければいいな。

ハーパーはとにかくすぐに爆発する爆弾のような娘で、彼女を見ているとハラハラするから面白い。今回も何をやらかしてくれるのか楽しみ。


これから暫くはストーリーのみをまとめて記録することにしよう。


Season 4
Season 3
Season 2
Season 1


2025年8月25日月曜日

米ドラマHBO 『The Gilded Age』(2025) Season 3・全8話:欧州貴族との関り・バーサの執念





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『The Gilded Age』 (2025) Season 3
TV Series/米/カラー
/約1hr・全8話/
原案:Julian Fellowes』
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HBOのドラマ 『The Gilded Age』のシーズン3。オリジナルの放送は2025年6月22日~8月10日。全8話。

今年6月からのTV放送を録画していたのにすぐに見なかった。8月に放送が終ってから録画を見始めて先日やっと見終わった。


製作・脚本は、英国 ITV のヒット作 『ダウントン・アビー/Downton Abbey』 のジュリアン・フェロウズ/Julian Fellowes氏。彼がアメリカ・ニューヨーク市の1880年代からの物語を手がける。

時代の背景などの情報はシーズン1の感想で書いたので省略。1890年頃の米国ニューヨークの上流階級を描いたドラマ。登場人物はほぼ同じ。主役は新興成金のラッセル家の夫婦。通りの向かいにはオランダ系旧家のヴァン・ライン家の人々。彼らを中心に当時のニューヨークのハイ・ソサエティーの様子を描く。



★シーズン2のまとめ

さて今回、まず以前書いたシーズン2の感想を読み直してみたのだけれど、私はほとんどシーズン2の内容を書いていなかった。

…上流階級は相変わらず閉じた社会で、その内部では旧家と新興成金のマダム達が格付けをし合っている。旧家のお嬢さんマリアンが女性の自立を手探りすれば、アフリカ系のペギーちゃんはジャーナリストとして米国南部まで出かけることで話にスパイスを加える…などと書いていた。

しかし実際にはもう少し史実に沿った設定もあったのですね。それを全く書いていなかったのでまとめておこう

シーズン2の主軸
① ジョージと労働者との対立
大富豪=新興成金(ニュー・マネー)・鉄道王ラッセル家のジョージは、鉄鋼業の労働者のストライキと向かいあっている状況.
② バーサが新オペラハウスで旧家に対抗する
ジョージの奥さんバーサ・ラッセル夫人は、相変わらず旧家(オールド・マネー)のアスター家などから「新興成金」だと言われ同格に見られていない。当時のニューヨークの旧家が集うオペラハウス「Academy of Music」でも、いいボックス席は全て旧家に押さえられていてラッセル家にはまわってこない。そこでバーサは新しく建てられた「Metropolitan Opera」をお金の力でサポート。またバーサは英国の貴族バッキンガム公爵をゲストとして招いて箔付けをする。旧家のアスター夫人との「どちらが上か」の戦い。

さて、この①の鉄道王と労働者のストライキの話はよく調べていないのだけれど、②のオペラハウスの話は今回歴史を少し調べてみた。

(上記の二つのオペラハウスの名前を見れば明らかなのだけれど)現在ニューヨークに残っているオペラハウスの名前「Metropolitan Opera」。このドラマのシーズン2に描かれたオペラハウスを巡る旧家と新興成金の戦いは史実だったそうだ。


現在リンカーンセンター内の「Metropolitan Opera」は1966年にオープンした新しい建物。元々の「Old Metropolitan Opera House」は39ストリートに1883年に建てられた。前述の排他的な旧家が集るオペラハウス「Academy of Music」では新興成金はいい席を確保できない。そこで旧家から排除された新興成金達が集い新しくオペラハウスを建てることになった。そのスポンサーは鉄道王のVanderbilts 家、銀行家のJP Morgan、James Alfred Roosevelt(第26代大統領の伯父)を始めとする70人の大富豪達。彼らが投資して「Old Metropolitan Opera House」を建設した。

シーズン2の話の軸は、史実の「オペラハウスを巡る旧家と新興成金の戦い」だったのですね。シーズン2の内容だけれどここに記録しておきます。


それからシーズン2の内容で直接シーズン3に関わってくる話もここにメモしておこう。

★シーズン2のネタバレ注意

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マリアンの婚約は上手くいかなかったが、その後マリアンはラッセル家の息子ラリーと惹かれ合うようになる。ヴァン・ライン家のアグネス伯母の息子オスカーが詐欺に遭い一家の財産を騙し取られる。そして伯母のエイダが牧師と結婚するもののすぐに夫を亡くしたが、夫の遺産が多くそれが一家を救うことになる。…等々
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★シーズン3

さてそんなわけで始まったシーズン3。シーズン2でのオペラハウスの戦いでの勝利で勢いに乗ったバーサ・ラッセル。今度は(お金の力で)ラッセル家の名前に箔をつけようと試みる。バーサによる…娘のグラディスを英国の貴族バッキンガム公爵に嫁がせる計画。それから夫の鉄道王ジョージ・ラッセルは…鉄道を今の東海岸から西海岸に繋げようと各企業の買収のための交渉を試みている。その二つがシーズン3の軸。

今シーズンは(新旧の戦いに勝利した)ラッセル家がますますその力を確実なものにする様子を描いている。英国貴族との繋がりや、鉄道王がますます事業を大きく拡大する様子…時代が変わっていく様子が描かれていて面白かった。



★ネタバレ注意



シーズン3ではラッセル家の一人娘グラディスの婚姻とその後の様子が描かれている。シーズン1では印象の薄かったグラディスが、このシーズンではとてもいい女優さんで素晴らしかった。そしてこのストーリーは、娘を英国の貴族に嫁がせる母親バーサのストーリーでもある。彼女は欧州に嫁いだ娘を励ましに海を渡り、娘の夫にしっかりしろと檄を飛ばし、別れの馬車の中では一人涙ぐむ。いいですねぇ。この女優さんCarrie Coonさんは本当にいい女優さん。彼女の魅力無くしてこのドラマはありえない。

米国の大富豪が婚姻によって(落ちぶれた欧州貴族)に富をもたらす話は、まさに原案/脚本のジュリアンフェローズ氏の『ダウントン・アビー/Downton Abbey』の話そのまま。私は『ダウントン・アビー』は2、3話ぐらいしか見ていないのだけれど、あのマナーハウスのグランサム伯爵の妻コーラは大富豪の米国人の設定。英国と米国の話が繋がりました。面白い。

この『The Gilded Age』でもバッキンガム公爵と彼の姉が、ラッセル家の娘との婚姻に関して「ヤンキー heiress で家を救う」などと言っている…いかにもそのような状況。(ヤンキーとは米国北東部の白人に対する俗称または蔑称、海外からは米国人全体を指すことも)


さてこのドラマのラッセル家とは、史実の米国の鉄道王で実業家…大富豪のヴァンダービルト/Vanderbilt家の人々をモデルにしていると言われているが、史実でも同じような話が出てきた…『The Gilded Age』の時代に生きたコーネリアス・ヴァンダービルト2世の娘のグラディスがハンガリーのLászló Széchenyi伯爵に嫁いでいるし、また彼の姪(弟ウィリアムの娘)コンスエロは英国貴族マールバラ公チャールズ・スペンサー=チャーチルに嫁いでいる。このような米国の大富豪と欧州貴族の婚姻は当時多くあったらしく、欧州の貴族に嫁いだアメリカ合衆国籍の富裕層の女性をダラー・プリンセス/Dollar princesses などと呼んだそうだ。


それから今シーズンでは、夫のジョージが鉄道を東と西海岸で繋げるためにアリゾナ州まで行って様々な買収を行っている様子が描かれているのだが、これはヴァンダービルト家の史実ではないらしい。ヴァンダービルト家が各鉄道会社の買収により東海岸から西に鉄道を伸ばしたのは中西部のシカゴまで。実際に西海岸と東海岸が鉄道で繋がったのは1869年でヴァンダービルト家は直接関わっていない。



ラッセル家の娘グラディスの婚姻と、ラッセル家の鉄道事業の拡大がシーズン3の主軸。そしてそこに登場人物達の個人的なストーリーが乗ってくる構成。シーズン3まで見てくれば、それぞれの人物達にも親しみがわいて単純にドラマとして彼らがどうなっていくのかを見るのも楽しい。

ヴァンライン家の召使いジャックの発明のその後の成り行きにドキドキし、ペギーとカークランド医師の出会い、マリアンとラッセル家のラリーの関係にニヤニヤする。シーズン1とシーズン2で私は結構文句を書いていたと思うけれど、このシーズン3はドラマとしても十分楽しんだ。


YouTubeの動画を探したら『The Gilded Age』が史実とどう違うのかの検証動画がでてきた。

ペギーの話は(シーズン2のエピソードも含めて)かなり史実に近いらしいことに驚いた。ニューヨークのアフリカ系の裕福なミドルクラスも当時実在していて、彼らもまた白人の上流社会のように格付けをし合っている(カークランド医師の母親の言葉)ことも興味深い。
しかしながら19世紀末の時代に(いかに優秀な人物であっても)アフリカ系の女性がNYの旧家/名家の家に秘書として迎えられることは無かっただろうとのこと。その部分はあくまでもフィクション。

白人の上流社会は相変わらず狭い世界で、今回は夫から一方的に離婚を告げられるオーロラ・フェインが社交界で立場を失う様子も描かれた。

さてバーサ・ラッセルはとうとうこのシーズンで社交界のトップに上がったのだろう。一方で今まで権威を誇っていたアスター家の夫人は娘のスキャンダルとともに力を失っていく。窮屈な上流階級の古いしきたりを破りながらバーサ・ラッセルは最後に盛大な舞踏会を開き大勢のゲストを呼んで社交界での力を誇る。

バーサ・ラッセルが娘のグラディスの肖像画のために雇った画家はジョン・シンガー・サージェント/John Singer Sargent。彼は上流社交界の人々を描いた優雅な肖像画で知られる実在のアメリカ人の画家。主にロンドンとパリで活動した。ちなみに彼によるコーネリアス・ヴァンダービルト2世の娘グラディスの肖像画 (1906)も現存している。

興味深かったのは、実在の人物マカリスター氏(Ward McAllister)のエピソード。以前はアスター夫人と共に上流社交界の名家400家のリストなどを作り権力を誇っていたにもかかわらず、彼は1890年に社交界の暴露本『Society as I Have Found It』を出版。上流階級のゴシップを書いて本にしたことから彼はニューヨーク社交界での居場所を無くしてしまう。

このマカリスター氏の話は、後のトルーマン・カポーティによるニューヨーク社交界の暴露小説『La Côte Basque 1965 (1975)』のエピソードを思い起こさせる。カポーティもその暴露小説のせいで社交界の多くの友人を敵に回した。これら二つのエピソードがあまりに似ているので最初はこのドラマがフィクションなのかと思ったが、マカリスター氏の話は史実らしい。カポーティはこのマカリスター氏の暴露本の話を知っていたのだろうかと思った。


このドラマでニューヨークの歴史に興味が持てたのもよかった。YouTubeで検索すると、現代に残る The Gilded Ageの豪邸を紹介する動画が出てくる。ドラマでは豪邸のスケールがわかりにくかったのだが、今も米国に実在する豪邸の写真をいくつか見るとこのThe Gilded Age当時の米国の大富豪の富がいかにものすごかったのかがよくわかって面白い。

例えばこれ、

とにかく Gilded Age=金箔の時代と言われるほど、どの豪邸もギラギラと派手で贅沢。いやあれは間違いなく「米国の宮殿」なのだろう。そのような米国の金箔の時代の建物の凄さを見て「…欧州の王族との差はなんだろう」とさえ一瞬考えてしまった。とにかくものすごいのだ。その疑問には…なんとか自分なりに答えを見つけたつもりだが…「米国はやっぱり商売人の国」。 …それにしても数々の米国の宮殿の写真を見ながら色々と考えさせられた。唸った。いつか見に行きたいものだ。


すっかりドラマに馴染んで楽しめたので、これからのシーズンも楽しめると思います。ペギーちゃんとマリアンちゃんはよかった。嬉しかった。

そうそう、なんとマリアンちゃんの女優さんはメリル・ストリープの娘さんだそうだ。

さてこれからのラッセル家の夫婦の関係はどうなる?そしてよろよろしているオスカーはだいじょうぶなのか?(最後のその女はやめたほうがいい)。

 …これからのシーズンも楽しみに待ちましょう。