能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2022年1月9日日曜日

映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ/The Power of the Dog』(2021): 怒りの鎧を纏う男





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『The Power of the Dog (2021)/英・加・豪・新/カラー
/2h 6min/監督:Jane Campion』
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既に巷で話題になっている映画。先週Netflixで鑑賞。
原作の小説は読んでいない。


冬の賞取りシーズンで目立つところに出てくるであろう作品。様々な賞にノミネートされ、おそらく主演のカンバーバッチ氏は何かの賞を受け取ることになるのだろうと予想される。…と思ったら、今日ゴールデン・グローブ賞で作品賞を取ったらしい。

アメリカのインディーズ作品かと思ったら、ニュージーランドの女性監督Jane Campion氏の作品。ああ、それでアメリカ西部の話の主人公を英国人のカンバーバッチ氏が演じているのかと思う。それならアメリカ風味とは少し趣が違うのだろう。

ほぼ前知識の無い状態で見る。あらかじめ目にしたタグはLGBTQモノ?の印象。カンバーバッチが西部劇?…そんな程度の情報。ただ名作らしいと聞いたので見ようと思った。


★1925年のモンタナ州の大牧場。経営者はフィルジョージのバーバンク兄弟。フィルは荒野の荒くれ者カウボーイ。弟のジョージは穏やか。ジョージが食事処の女将ローズと結婚。ローズには医者を目指す繊細な息子ピーターがいる。



★ネタバレ注意

すぐにネタバレの話をするので、映画をまだ見ていない方は読まないほうがいいと思います。



ズバリ見所は…、
…「これはこういう話ですよ」…と最初に提示された情報が、映画の最後に向かって反対の方向に変わっていくことだろうか。メインの二人のキャラクターの立ち位置の変化を見て唸る映画。

荒野の荒くれ者フィルと、彼の弟ジョージと結婚したローズの連れ子・繊細なピーターの二人の関係が話の主軸。この(一見)正反対の二人の関わりを描くストーリー。


映画を見終わって少し読んだレビューで、この映画の題名「The Power of the Dog/犬の力」の解説…最後にピーターが開く聖書のページの一節=Psalm 22:20:

Deliver my soul from the sword; my darling from the power of the dog./私の魂を剣から、私の最愛の人を犬の力から救い出してください(←ネット上で拾った訳)

に触れ、ピーターが「犬=邪悪なもの=荒くれ者フィル」から「最愛の人/母ローズ」を守った話…だというのをいくつか読んだのだけれど、しかし私はそれが主題の映画ではないと思う。たぶん。結末の説明だけで全てを納得できるとという映画でもないだろう。


最後にショッキングな結末を持って来たことで、そればかりが印象に残るのかもしれないが、この2時間の映画の主旨は、カンバーバッチ演じる主人公・荒野の荒くれ者のフィルの内面を知る過程…彼の内面の苦悩を知る事だろうと思う。

フィルは苦悩の人。これ以上ないほど孤独な人物。しかし誰も彼の苦悩の本質を知ることはない。なぜなら彼は己を恥じ、彼自身の本質を誰にも知られないように自分の周りに巧妙に壁を築き、そこへ誰も踏み込ませない人生を送っているから。彼の荒野の荒くれ者のキャラは、彼の本質を隠すための鎧

その彼の本質とは
彼が同性愛者であること。
男性を愛することを指向する男性であること。
そして彼はそのことを誰にも言えない。


1925年のアメリカで…ましてやモンタナ州の荒野+田舎町で、男性が同性愛者であることは大変な問題。口にも出来ないほどのご法度。(この事柄については私も全てを理解しているわけではないのだが)アメリカの本質…神の国、正義の国、正しい国、キリスト教の教えの元に新しく築かれた国のルールとして、同性愛は大変なご法度だったらしい。とある説では(聖書の解釈次第によって)同性愛とは神に反する背徳行為である…罰せられて当然の行いである…そう思う人々もいる。迫害されることも少なくなかった。

今から100年も前の20世紀初頭のアメリカは同性愛者には大変生きづらい国だった。

その同性愛が「大変なタブー」だという感覚は、日本人には理解することも難しい。というのも日本なら歴史のわき道の話をほんの少しでも読めば、信玄や信長や前田利家あたりの衆道の話を目にするし、近代なら三島由紀夫氏が有名…。だから日本人はそのような話を聞いても「神に逆らった罰当たり。罰せられて当然の背徳者である」などと思う者はあまりいないだろう。同性愛者に対して日本人が(アメリカの人々が感じるような)根本的なタブーを感じることはあまりないのではないか。

しかしアメリカには同性愛者にとことん厳しい歴史があった。フィルの苦悩を理解するためにはまずそれを知る必要がある。


フィルのように、19世紀の終わり頃にアメリカで同性愛者として生まれた男性の苦悩は想像も出来ないほど。彼は裕福な牧場経営の家庭に生まれ、優秀で大学にも進学した。大学を出たら街でホワイトカラーの職に就くこともできたはず。牧場は弟に任せるか、または誰かを雇って経営さえすればいい。

その彼がなぜモンタナ州の荒野で自ら荒くれ者のカウボーイをやっているのか?

おそらく彼は大学で欧州の文学やギリシャの歴史などに触れ、自分の性的指向に気付いたのだろう。しかし時代は20世紀初頭。同性愛者への世間の目は厳しい。そして彼自身もまたそんな時代の厳格な環境/考え方の中で育った。だから彼は自分を許せない。己の性的指向が許せない。しかしどうすることもできない。苦しむ。その苦悩を隠すために荒野に出て荒々しく振舞う。いかにも荒くれ者で過剰に男らしく、男の中の男のように。彼は「荒野の荒くれ者」の鎧を纏い自分の本質を隠して長い間暮らしてきた。

その彼の苦悩が玉葱の皮を剥くように次第に明らかになっていく。それがこの映画の主題だろう。この映画はそれだけでOK。それ以外はおまけでもいい。

フィルは孤独。孤独は彼の人生に常に付き纏う。だから弟のジョージが結婚することにも腹を立てる。ジョージは女と幸せになった。ジョージは女に取られてしまった。ジョージの嫁ローズが憎い…。 

己の本質に正直に生きれば社会から迫害されることがわかっている男フィル。彼は常に心に不満と怒りを抱えている。そして彼の怒りは、自分よりも弱い者=女性と繊細な若者へと向けられる。


ストーリーは進む…

そんな鎧を被った荒くれ者のフィルの前に、ローズの息子・繊細なピーターが登場。そのピーターをフィルは苛める。紙で造花を作るピーターを女みたいな奴だと笑う。フィルは自分を抑えてきた苦悩から、ピーターの男らしくない繊細さにイライラさせられるのだろう。

しかしピーターはただの繊細な男の子ではなかった。


この映画のレビューをいくつか読むと、ピーターも同性愛者ではないかというものが多い。旦那Aもそうだろうと言う。しかし私は、彼が同性愛者である必要はないと思った。確かにピーターは一見繊細。しかし繊細なヘテロの男性は存在する。それに一見繊細そうに見えても、ピーターは優しい思いやりのある人物には見えない。いやピーターは恐ろしいほど冷酷。

一見女性的でヤワな青年に見えるものの、ピーターはそのような人物ではない。もしかしたら予測不可能な恐ろしいタイプ。実はサイコパスではないか。彼は常に無表情で心が読めない。小動物を顔色一つ変えずに殺せる…のはそれだけでかなりヤバくないか?

ピーターの性的指向がどのようなものかはストーリーにはあまり関係ないだろう。そのように描いているわけでもない(と思う)。

しかしフィルは思い違いをした。ピーターの繊細そうな外見や物腰から、フィルはピーターを彼の性的指向への理解者=同じ同性愛者だと思い、うっかりピーターに心を開いてしまう。

フィルは、彼がなぜ伝説の「ブロンコ・ヘンリー」を崇拝しているのかの理由もピーターに話して聞かせる。ブロンコ・ヘンリーとの思い出はフィルの大切な宝物。

フィルはピーターに隙を見せた。


そしてピーターの計画的行動。フィルの死。そしてその後、劇中の最後に聖書の一節「私の魂を剣から、私の最愛の人を犬の力から救い出してください」が出たことから、ピーターの本音がわからなくなってしまったようにも見えるが、彼の本質はただただ冷酷なサイコパス。彼の意図は「邪魔者は消せ」。 それにもしピーターに同性愛の指向が無いのだとしたら、ピーターはむしろフィルの事を「神へ逆らった背徳者は罰せられるべし」と思ったとも考えられる。

ピーターの心は読めない。冷酷で心が無いようさえ見える。もしかしたら彼は母ローズへの愛が異常に強すぎて、過去には自分の父親も殺したのかもしれない。そして将来もしかしたらジョージも…背筋が寒くなる。ピーターはまともな人間ではないのかも。


そんなわけでこの映画は対照的な二人の人物の立ち位置の逆転

フィル
「迫害する者・荒くれ者」から「苦悩を抱える孤独な男 時代の犠牲者」へ
ピーター
「迫害される者・繊細で物静かな青年」から「冷酷なサイコパス 殺人鬼」へ

…彼らの変化を見て唸る映画です。


カンバーバッチ氏が苦悩の男を熱演。しかし彼は目の色が薄いせいか表情が読み辛い。意図的な配役なのかも。彼は何か賞をとるかも。

そしてピーターのKodi Smit-McPhee氏はこれまた読めない。怖い。ウサギの場面あたりから何かやらかすんじゃないかとヒヤヒヤした。


音楽はRadioheadのJonny Greenwood氏。神経を張り詰めたような雰囲気が2時間。キリキリと緊迫した空気のせいか尺が長過ぎるとも感じなかった。引き込まれた。ロケはニュージーランドだと思うが、広大な荒野が美しい。



2022年1月4日火曜日

Perfume - Polygon Wave (2021)



なんとMVができていたぞ!



Perfume - Polygon Wave (2021)
Polygon Wave EP
Perfume
Released: September 22, 2021
A UNIVERSAL J / Perfume Records release; 
℗ 2021 UNIVERSAL MUSIC LLC



なんと「Polygon Wave」のMVが公開されていた。
知らなかったです。ぉおおおおおお不覚。

昨日、年末の紅白歌合戦の直前のプロモ番組の録画を見ていたら、今回の紅白の出演者の紹介ビデオでPerfumeのこのビデオをが一瞬流れた。「Polygon Wave」のMV? えっ、出てたの?

さっそく拝見。
いいっす
いいっすいいっすいいっす素晴らしいっす。かっこいいね。よしよし。Perfumeはいいね。やっぱりいいね。綺麗。今回の紅白のPerfumeもよかったですよ。

私にとってのPerfumeはやっぱり踊ってなんぼ。曲も踊れてなんぼ。この「Polygon Wave」はいい。彼女達のダンスも曲も気持ちいい。

この曲は去年の9月にEPも出ていたのですね。リミックスや新曲も2曲。な~んと…聴きましょう聴きましょう。


Perfumeも大人になった。このブログを始めたのもPerfumeがきっかけでございました。去年の12月で、このブログも開始から10年が経ちました。 2011年の終わり頃にPerfumeに関して書きたいことがあって初めてブログなどというものを始めたのですけれど、な~んとあれから10年も経ってしまった。今は感想文ブログですが、日々趣味として楽しんでます。Perfumeに出会わなければ、このブログも始めていなかった。感謝してます。

今もPerfumeは美しい。楽しい
彼女達が元気に踊ってくれるのがとても嬉しい。応援してます。






お猫様H:年末の猫さんである



あけましておめでとうございます

クリスマスから冬休み中。旦那Aがホリデー中なので一緒にだらだらしてます。猫さんもだらだらしてます。映画も見た。紅白も見た。音楽も聴いた。そろそろまた感想文を始めなければ。





2021年12月30日木曜日

TBS 金曜ドラマ『最愛』 全10話・感想



年末ホリデーをエンジョイ中でブログを休んでますが、ちょっと忘れないうちにドラマの感想を書いておこう。


TBS 金曜ドラマ『最愛』。日本での放送は10月15日から12月17日まで。

このドラマの脚本とスタッフは、2014年の同TBS金曜ドラマの『Nのために』と同じ方々が多いらしい。ああ…あのドラマも素晴らしかったのですよ。あのドラマは結構感動して、このブログにもうまいことを書こうとしたら気負ってしまって感想そのものを書けなくなってしまった。だからこのドラマは、忘れないうちに感想を書いておこうと思った。たった今最終回の録画を見終わった。


いいドラマ。十分楽しんだ。真ん中あたりで話が右に左にうろうろしているように思えて「もしかしたらスタイルばかりのリアリティのないファンタジー・ドラマ???」と一時は思ったのだけれど、最後まで見てよかったです。

一言で言うなら… Entertaining/面白がらせてもらえたドラマ。 傑作とか感動の物語…というほどではないけれど、所謂Whodunit/誰がやったのだ?/(日本語で言うなら)ミステリーものとしては面白かったし、とにかく色んな面で楽しめた。


タイトルが『最愛』ですが、これは加瀬さんの愛なのかな。…ということですよね。そう思えばあらためてマイルドに感動もしてしまったかも…。そういうことですよね。


彼がそうだったのか…というのは最後になるまでわからなかったのだけれど、全部を見終わって今思えば、実はドラマの始めの頃に少しだけヒントがあったと思い出した。このドラマは1話ごとの冒頭に、登場人物のモノローグが流れるのだけれど、第3話か4話あたりだったか(録画が残ってないので確認できない)、加瀬さんが真田家の家族に対して「僕を家族のように受け入れてくれたこの人々=家族に全てを捧げよう」とかなんとか…そのようなことを話していたのですよ。それを聞いてほんの少しだけ「ん~?」とは思った。しかしその後、彼を直接事件に結びつけるヒントはあまりなく、結局は最後に事実がわかるまで上手い具合に騙されました。やられましたね。面白かった。楽しんだ。

脚本も演出も役者さんも巧み。最後に事実が明かされるまで「誰がやったんだ」と予想する。その対象は…時には朝宮梨央(薬師丸ひろ子)であったり、後藤信介(及川光博)であったり、やっぱり加瀬賢一郎(井浦新)か…とそれぞれに疑いの目を向け、いやもしかしたら朝宮梨央(吉高由里子)本人の記憶が弟の優君(高橋文哉)のようにあやしいのでは、彼女ではないのか…とも疑う。そんな風に見れば見るほど最後の結末が知りたくなった。


ドラマが終わってしまって十分楽しめたのだから今は何の文句もないのだけれど、途中には、実はあまりの演出のかっこよさが鼻につき、また俳優さん達のあまりにそろった美麗さも鼻につき、音楽のかっこよさや、いかにも狙った音楽の挿入の仕方も鼻につき、カメラワークのかっこよさも鼻につき…笑笑笑「んも~いろいろとこのドラマはやる気満々でついていけないわ笑」などと、斜めから見ていてのだけれど、

結局すっかり話に飲み込まれてしまってましたね。ヤレヤレ。面白かったわ。


美麗でいかにもトレンディ(←死語か)な俳優/女優さんたちを見ても…、なんだかなぁ~もっと泥臭い人がいてもいいのね…などと思ってました。なんつーか、今どきの日本の役者さんは美しすぎるのよ。井浦新さんかっこよすぎ。加瀬さんなんてもっと美麗ではない地味なおじさんでもよかったんじゃないの笑…と昭和の人間は思うのだ。すみません。

だって今どきの日本の俳優さん達は、みんな綺麗だから時々ドラマのリアリティが薄くなるのですよね。それはこのドラマだけの問題ではない。先日見終わった『日本沈没』も、数名のベテランの役者さん達を除いて、特にあの「日本未来推進会議」のメンバーが若い役者さんばかりで全くリアリティがなかった。いやあのドラマは全てにリアリティが無さ過ぎて感想を書くのもやめたのですけど。


ただこのドラマは、リアリティが無いとは言っても楽しめたのた。それで十分。驚いたのは田中みな実さんの声が低いこと…ルックスとの印象が違っていてびっくりした。そして、一番嬉しかったのは真田梓の薬師丸ひろ子さま。彼女は同世代。だから彼女がデビューした時のこともよく覚えてるし、有名な「カ・イ・カ・ン…」もそうだし…とにかく私世代にとって彼女は同世代の大スターなのです。その彼女が、今も麗しい麗しい麗しい…。ほんとに薬師丸さんはお綺麗なのですよね~。上品で。声も素敵。でもあの「恥ずかしがりやの隣の少女」の印象だった彼女が、こんなに優美な「ザ・女優さん」になられるなんて、なんだか嬉しいわ。ほんと。ちょっと薬師丸さんに感動した

というわけで、最後まで見たらいいドラマでした。みんな上手いな。後藤信介の及川さんがいかにも悪そうなお顔をしていたのに、最後は穏やかなお顔になっていたのをみて「いや~やられたわ、騙された」と笑う。面白かったです。



2021年12月24日金曜日

もう年末である 🎄


 

🎄  Wishing You  🎄

Happy Holidays

 🎍  And a Wonderful New Year  🎍




🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄


2021年12月22日水曜日

Ella Fitzgerald & Count Basie - On the Sunny Side of the Street (1963)



エラおばさん最高



Ella Fitzgerald & Count Basie - On the Sunny Side of the Street (1963)
Album: Ella and Basie!
Ella Fitzgerald & Count Basie
Released: September, 1963
This Compilation ℗ 1997 The Verve Music Group, 
a Division of UMG Recordings, Inc.



NHKの朝ドラ『カムカムエブリバディ』の安子編が終わったので、今日は「On the Sunny Side of the Street」を少し研究した。色々と聴いてみた。この歌は元々ミュージカルの歌だそうですが、今までに色んな人が歌っているのね。

ルイおじさんも世良さんもいいが、エラおばさんもいいぞ。エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald様。かっこいいわ~。最高。軽快でね。歌い回し…リズムの取り方が最高にかっこいい「With those blues on parade」とか「 On the sunny side of the street」いいねぇ これは歌ってみよう。

優雅なバンド。タイトでステディで自然にまったり身体が揺れるリズム。ステップを踏みながら肩が上下に動く。このバンドはカウント・ベイシー・オーケストラ/ Count Basie and his orchestra。このまったりとしたペースがたまらん。たまらん。最高にかっこいい。間奏の音と音のスペースが最高。かっこいいわ~❤❤❤❤ さっきから何度も何度も繰り返して聴き続けてる。はまるね。


On The Sunny Side Of The Street

Song by Jimmy McHugh with lyrics by Dorothy Fields
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コートを掴んで
帽子も手に取ったら
心配事はドアステップに置き去りにして
足を向けるんだよ
ひなたの道に向かって

ピタパタって聞こえる?
あのハッピーな音楽は君の足音
人生は素敵だ
陽のあたる道を歩けば

昔は日陰の道を歩いてた
憂鬱な哀しみを見せながら
でももう怖くない
この彷徨い人は明るい側に渡ったんだ

1セントも持ってなくても
私はロックフェラーみたいにリッチだ
足元には金の粉
ひなたの道の上なら

昔は暗い道を歩いてた
憂鬱な哀しみを皆に見せながら
でも私は怖がっていない
この彷徨い人も明るい側に渡ったんだよ

1セントも持ってなくても
私はロックフェラーみたいにリッチだ
足元には金の粉も舞う
陽のあたる道の上なら
陽のあたる道の上なら

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Source: LyricFind
Songwriters: Dorothy Fields / Jimmy McHugh
On The Sunny Side Of The Street lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC, Reservoir Media Management Inc




ずいぶん乱暴だなぁ…安子編 完『カムカムエブリバディ』第8週 ~38話



安子ちゃん編が終わってしまった。
すいぶん乱暴な展開になってましたぞ。驚き。

最後は色々と問題の多い展開でしたが、ガミガミと怒る気にならないのは、このドラマの最初の頃…初期第3週までの安子ちゃんと稔君の純愛が素晴らしかったから。あの頃はよかった。

あれから5週…時代で言えば1945年~1951年ぐらい…6年間ぐらい経ったのか。ずいぶん様子が変わりました。大変なことになった。そして今週の安子編最後は怒涛の大どんでん返し。最後の37話から38話は、まぁ~びっくりしたわ。

なんだかドミノ倒しのようだった。この回は何度か思わず「ちがうやろ!」とテレビに向かって大声が出た。


★ネタバレ注意

流れ
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 安子に求婚
安子 困る
サンタと安子 橘を立て直そうと話す
 楽しそうな安子とロバートを目撃
安子 その場で妙な取り繕い、言い訳をする
 飲んで荒れる
  酔って帰宅。
  雪衣と一晩 ☚やめろおぉぉ
サンタ 朝 それを目撃
    信用金庫に行くと雉真家を出る
安子 るいに雉真家を出ると告げる 
   るいは雉真に残るようにと言う
   「でも会いに来るわ お弁当も作るし」
サンタ 行方をくらます ☚ばかやろぉ
    大阪に行ったらしい
安子 サンタを捜しに大阪へ 
   ロバートに相談 ☚またロバートか
   過労で倒れる ロバートに助けられる ☚なぜ都合よく
   「ただ当たり前の暮らしがしてえだけじゃのに」☚だったら勇君と結婚しろ
ロバート 安子に求婚 ☚だめ怒 ちがうそれ
安子 断る
   「るいが私の幸せ。るいを置いては行けない」
るい 安子を追って大阪へ
   安子とロバートのハグを目撃 帰宅
安子 帰宅
るい 「I hate you, mom.」
安子 ふらふら雨の中
ロバート またやってくる ☚都合よく神出鬼没
安子 「私をアメリカに連れて行って」☚ちがうやろそれは怒

…んで、雪衣さんはどうしたの?誰の子
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ずいぶん乱暴な展開。

安子ちゃんはさぁ、るいちゃんが大切なら、どうして勇君と一緒にならないの? 彼はそんなにイヤ? どう考えても安子ちゃんは勇君と一緒になるのが一番自然なのですよね。なによりも勇君は今までもず~っと安子ちゃんの理解者ですごく親切だったのですよ。昔安子ちゃんが大阪に行った時も、勇君がお金を渡して家を出るように応援してくれた。勇君はいつもいい人だった。すごくいい人。

安子ちゃん そろそろ勇君の優しさに気付いてもよかったのでは。

勇君と結婚すれば、安子ちゃんはるいちゃんと堂々と一緒にいられる。義父の千吉さんもいい人で、彼女の橘家への未練も許してくれている。そして雉真さんちは大金持ちなのですよね笑。るいちゃんの教育とかこれからのことも安心だし、それに安子ちゃん本人の生活だって安定している。今後もなにも心配はいらない。おまけに、夫になる勇君は安子ちゃんにぞっこん。初恋の安子ちゃんと結婚できたら彼も幸せ。きっと安子ちゃんを大切にしてくれる。彼は安子ちゃんの稔君への想いも理解してくれている。これ以上いい結婚相手はいないと思う。最初は違和感があっても時間をかけたらきっと幸せになれる。女は愛されて結婚したほうがいい。

安子の優先順位の一番はるいちゃん。

そのるいちゃんの幸せを考えても、勇君との結婚は理にかなってる。

安子ちゃんがなぜ勇君を拒むのかがよくわからない。そんなに嫌い?なぜ?生理的にイヤなのかな。おかしいですね。だって勇君も十分かっこいいもんね。


そこに突然求婚するアメリカ人。それも変だ。ロバート君とは今までふわふわとした友人関係だけですよね。特に愛を温めるような関係でもなかったような。それなのに突然ロバート君が「結婚してクダサイ」と言う。おかしい。

で、安子ちゃんもさすがにYESとは言わない。「るいと離れられない。るいが私の幸せ」と言って断る。それなのにるいちゃんに「I HATE YOU.」と言われて、都合よくやってきたロバートに泣きつき「私をアメリカに連れて行って」と言う。
なんじゃそら
なんじゃそら
なんじゃそら
なんじゃそら!

おかしいやろ。おかしいっすよそれ。
やすこちゃん、稔君も泣くぞ。なんでアメリカンなの????


ちょっ、ちょっとちょっとちょっと待って。アメリカンはやめた方がいいって。悪いことは言わない。やめたほうがいい。外国に行く事をそんなに簡単に決めてはいけません。それに今の時代ならともかく、安子ちゃんの時代は1951年だ。戦争からまだ数年しか経っていない。苦労しますよ。大変なことだ。本当にやめたほうがいい。

う~ん…唸るね。これは安子ちゃんを擁護できない。結局るいちゃんを捨ててるように見えるのですよ。まずいだろそれは。

ほんっとに…アメリカ人なんてやめたほうがいい。1951年にアメリカの白人なんか最悪だ。ロバートさんはきっといい人。でも彼の家族や親戚や友人や、彼の住む街の人々…会う人会う人皆がいい人だとは限らない。皆に「敵国の女がやってきた」と思われてもおかしくない。

勇君と結婚して雉真家の嫁になる苦労と、ロバートさんと結婚してアメリカに住む苦労を比べたら、天国と地獄みたいに違うと思う。アメリカに行ったら、まずるいちゃんと離れ離れ。それに当時は一旦アメリカに行ったら簡単には帰ってこれない。るいちゃんに二度と会えないかもしれない。そして今後、肝心のロバートさんとも継続して上手くいくかどうかはわからない(どんな結婚も必ずしも上手くいくとは限らない)。それにロバートさんにもし何かあったら助けてくれる人もいないかも。ロバートさんの帰るアメリカの地が都会だったらともかく、もしトウモロコシ畑に囲まれたド田舎の町だったらどうする?周りがいじわるな白人ばかりだったら?。アメリカって2021年になっても未だに #StopAsianHate なんて運動が起こるような国よ。1951年に日本人の嫁入りなんて大変すぎる。

そもそも安子ちゃん、ロバートさんのために全てを捨ててでも…どんなに苦労をしても彼と一緒になりたいほどロバートさんを好きじゃないですよね。今までの二人にそんな強い愛は育っていないはず。

な~んか…ものすごく心配。尋常じゃない。
安子ちゃん、昔はあんなにしあわせそうな女の子だったのに泣。
もうなんだか悲劇だとしか思えないのだこの話。どうすんのよ。


というわけで、ドラマの展開に怒るというよりも、安子ちゃんがものすごく心配になってしまった。それにしてもロバートもイイカゲンな奴だ怒。そんな…ろくに知りもしない元敵国の女性に安易に求婚なんかするなよ。イノセントな日本の女性を惑わすな。私はロバートの方に頭にきてる。

…と溜息をつく。
海外嫁入りを甘く見ないほうがいい。
白人と結婚したからすんなりと幸せになるとは思わないほうがいい。
ほんと。そういうドラマも苦手だわ。


それはともかく岡山編(安子編)は良かった。

さすがに最後はぐだぐだだったと思うけれど笑、全体にはすごくいいドラマでした。登場人物がみないい人(サンタは酷すぎだけど)。特に初期の頃の、戦前の昭和のいい雰囲気がすごくよかったから、あれから色んなものが壊れていったのがとても悲しい。もし安子ちゃんが勇君と結婚して雉真にいてくれたら、もう少しあのいい昭和の雰囲気が続きそうだったのにね。

俳優さん達もみんな素晴らしかったです。特に主演の上白石萌音さん。本当に素晴らしい女優さん。最初の頃の15歳くらいの女の子はかわいかったし、戦後はお母さんの顔になってた。すごい女優さんだと思います。大きな拍手。おつかれさまでした。