ちょっと前の写真ですが。
仲の良いふたり
現在バスルームの改装の工事中。猫さんには苦難の日々である。
毎朝ガレージに車が入ってきた途端、彼女は2階の寝室から一目散に駆け下りて1階のリビングの窓の下の棚へと逃げ込む。そしてそのまま7時間籠って出てこない。最初は大丈夫かと心配したが、近くに家族がいれば時々出てきてご飯を食べたりするので大丈夫なのだろうと思う。夕方に人々が去った後は、いつものように2階に上がり、階段の踊り場で撫でろ撫でろと催促するから、それほどダメージを受けているようにも見えない。
彼女は驚くほど臆病で極度の人間嫌い。たぶん野生の生まれ。4か月ほどで人に保護されるまで、彼女はおそらく母猫と兄弟姉妹と野外で暮らしていた(仲間を本気で噛まないルールも知っていた)。野生での生活だから、母親は危険の対処法も彼女に教えたのだろう。ハワイにはマングースがいる。マングースが子猫を捕食するかどうかは知らないがその可能性はある。それに野生の猫なら人間も敵とみなしているのだろう。母親は巣に危険が迫ると、子猫たちに「隠れて一切音を出すな、一切動くな」と教えたのだろうと思う。
うちの猫さんの行動はまさにそのまま。人が訪ねてくると、誰にも見つからないようなクローゼットや棚の奥に潜んでピクリとも動かない。完全に存在を消してしまう。いかにも野生生物の行動なのでなるほどと思う。
以前彼女を一度だけ病院兼ホテルに預けたときに、彼女が一日中隠れていて動かないのでナースさんが世話に困ったと言っていたのを思い出した。あの時も彼女は今と同じように物陰に隠れて動かず、食べることもせずうずくまっていたらしい。猫さんはただ禍が去るのを辛抱強く待っていたのだろう。本当にかわいそうなことをした。もう旅行に行くことは諦めた。
扱いの難しい野生の子ではあるけれど、一旦慣れてしまえば人にべったりと甘えるのはとてもかわいい。気性は激しいが愛情深い猫さんだと思う。もうどこにも行けないけれど、それでもいいと思う。
改装が早く終わって彼女がリラックスできるようになればいい。