というわけで、おうちで充実の新年ももう10日。さて今年、もうすでにいろんなことがあった。このブログは普段はあまり政治のことは書かないのだけれど、今年すでに大きな事件が起こりました。記録しておく。
★1月5日
まず5日、
米ジョージア州の上院2議席の決選投票日。その日CNNをつければ、あの「ジョン・キングと魔法の壁!」やっほージョン・キング氏だ。彼は東海岸の真夜中0時まで元気一杯に魔法の壁を操ってました。久しぶりで嬉しかった。お元気そうだ。チャンネルを変えれば、もう一人の魔法の壁のスターSteve Kornacki氏が出ている笑。もうこの二人は選挙日の顔。
そしてそのジョージア州の上院2議席の選挙の結果は…
なんとなんとなんと…
Democratsが二議席獲得!
素晴らしい素晴らしい。よかったよかった。共和党保守派の多いジョージア州で選ばれた民主党の新しい上院議員は、初めてのアフリカ系のRaphael Warnockさん。そしてJon Ossoffさんはなんと1987年生まれの33歳。新しい時代の上院議員です。
アメリカの政治に関しては、私は個人的にまず選挙権がないし、単に傍観者として見ているだけなのだけれど、これからの時代に何が大切なのか、今のアメリカに何が必要なのかを考えれば、未来を見つめて改革を推進する民主党/Democratic Partyの方がいいのだろうとしか思えないのですよね。それはまぁ個人的にそちらに賛同する…というだけなのですけれど。
どちらかが絶対的に正しいというわけではないだろうし、民主党が間違いを起こすこともあるだろうとも思う。しかしながら、今の共和党が推し進める古い考え方の政治と、それを取り巻く保守派の人々を見ていると、どう考えてもそちらに賛同することはできないわけだ。
ちなみに私は巷で流行りの陰謀論などというものは信じない。いくつか読んでみたけれどあきれるほどのゴミ。世間を惑わす腐ったゴミ。本当ならさっさと証拠を出して欲しい。信じるから。そういえばそういうものを政治的な道具として使うのもほとんどが共和党支持者なのですよね。…どちらの党がまともなのか…推して知るべし。
★1月6日
そしてその数日前からネット上で目にしたトランプさんのツイート
「Big protest in D.C. on January 6th. Be there, will be wild!
(1月6日にDCで大きな抗議集会をやるよ。来てね。ワイルドになるぞ!)」
…なんだかなぁ。このお方はまったくいつまでも何やってるんですかね。などと思っていたら、
6日、最初はネット上のニュースで気付いたのかな? それでテレビをつけたら暴動が起こっていた。暴徒が米議会乱入!うわーなにが起こっているのだ。もう頭が混乱してテレビもガヤガヤやっているし、自分がライブ映像を見たのか映像のリプレイを見たのかも覚えていない。
こりゃー大変なことになった…。
その日6日、アメリカ合衆国議会議事堂では上下両院の議員がジョー・バイデン次期大統領とカマラ・ハリス次期副大統領の勝利を最終認定する手続きを進めていた。
当日はただ淡々とニュースを見続け、いくつかの記事も読み、それでも上手く消化できずにそのまま就寝。そして翌日もいくつかの記事を読んでいたら…
だんだん腹が立ってきた!
なにやってんだよ白人のバカ野郎ども。
人間の感覚とは妙なものだと改めて確認しなおす。
6日当日にニュースを見た時は、そのまま「ああそうか」と一旦受け取るのですよ。それから1日ぐらい経って事件がどういうことなのかがじわじわと身に沁みてくる。
最初は「ああ…暴動だ」などと傍観していたのに、翌日からじわじわと怒りがこみあげる…「なんだよ最低。なにやってんだよ。自分達が選んだ国の代表が集まる議会を襲撃して銃を突きつけ議員を脅している暴徒。いったいなにやってんだよ。馬鹿もここまで来たか。危ないな。アメリカも本当に地に落ちた。ああいうことをやってOKだと思ってるバカがこの国には数え切れないほどいる。まったくあきれてものも言えない。怒怒怒 」
もうどんどんそういう人々は逮捕して罰していただきたい。犯罪なんですよ彼らがやったことは。そこを間違ってはいけない。なぜこんなあたりまえの事をわざわざ書いているのか。なぜなら、この異常事態の意味を理解していない人々が少なからず存在することをネット上で日々知らされるから。いまだにトランプさんが正義の戦士だと言ってる人々が日本人の中にも大勢いるのを見かけるから。 本当に腹が立つのはそっちのほう。
いまだに(日本人の中にもいる)あの暴徒の議会乱入の映像を見ていながら、「いやあれはリベラルが仕組んだとか、ANTIFAがかかわっているとか、トランプさんは平和的な抗議をしたかっただけなのに」などなど、明らかにトランプ支持者の暴徒とトランプ氏を擁護し、Twitterがトランプさんのアカウントを永久凍結すれば言論弾圧だなどとSNSで文句を言い続ける人々。
永久に理解できない人々がいますね。この世の中には。
トランプさんのツイッターの件は言論弾圧というよりも、彼が暴力的な民衆を扇動しがちで、国家にとって危険だからアカウントを凍結したのですよね。
その後も気になって…6日の暴動の前の集会のトランプさんのスピーチの書き起こしをざっと読んでみた。
This is what Trump told supporters before many stormed Capitol Hill
(これがトランプ氏が…彼らが合衆国議会議事堂を襲撃する前に支持者たちに話した内容)
(ここにいる皆で国会議事堂へ行進して平和的に愛国的に我々の声を聞いてもらうんだ)
擁護している人々はそのことを言っているのだろう。
しかしながらこの日のスピーチの様子を見れば、たった一度の「平和的」の言葉だけで済まされるものではないのですよ。動画サイトなんかで彼のスピーチの言葉のトーンを聞けば、彼が民衆を扇動しているのは明らか。 特に「Fight/戦う、戦え」の言葉の多用に注目。
“…but I said something is wrong here, something is really wrong, can't have happened and we fight, we fight like hell, and if you don't fight like hell you're not going to have a country anymore.”
(何かがおかしい、何かがとんでもなくおかしいんだよ。だから我々は戦う、猛烈に戦う、そして君たちが猛烈に戦わなければ、君たちの国はなくなるんだよ)
トランプさんの言葉に対して
“Fight for Trump. Fight for Trump…”
(トランプさんのために戦う)
と熱狂的に叫び声をあげる群集たち。
そして彼は、11月の選挙の結果を不正だ不正だと何度も何度も繰り返し、今立ち上がらなければ我々の国が急進的な左翼に奪われてしまうと民衆を焚きつける。
これを見れば、トランプさんに6日の暴動の責任がゼロだと言うのは難しいのではないか。
それからトランプさんの前にスピーチをしたジュリアーニ氏。彼の言葉はどうだろう?
“...if we’re wrong, we will be made fools of. But if we’re right, a lot of them will go to jail. So let’s have trial by combat.”
不正選挙の可能性に対して…(もし我々が間違っているのなら、我々は笑いものになるだろう。しかしもし我々が正しいのなら、彼らの多くが刑務所に行くことになる。それなら決闘でかたをつけようじゃないか)
この「trial by combat」という言葉、決闘裁判と訳されるのですけど、意味は「証人や証拠が不足している告訴事件を解決するために、原告と被告の両当事者が決闘を行うゲルマン法の一つの方式」だそうで、裁判で証拠もそろわず決着がつかないなら戦って勝ったものが勝利者となる…ということ。要は戦って力でかたをつけよう…と言っている。さてこれも扇動と言えないのか? いや私には民衆を扇動しているように聞こえるのですよね。
お二人とも、(そもそも陰謀論などですでに心を決め、集会の場で興奮している)民衆の熱狂に押されてスピーチにも思わず熱が入ったのだろうけれど、その様子を見れば 、彼らに
暴動を扇動した責任がないとは言い難い
のではないかと私は思う。
その後トランプさんが「皆おうちに帰ってね」とツイートしようが、サポーターに対しビデオで「皆愛してるよ。みんなスペシャルだ」などと喋ろうが、全ては後の祭り。彼の支持者たちが合衆国議会議事堂を襲撃した事は事実。その後でトランプさんは「この日を忘れないで!」ともつぶやいたらしい(削除されたので確認不可)。
一方6日当日、副大統領のマイク・ペンス氏がツイート
“The violence and destruction taking place at the US Capitol Must Stop and it Must Stop Now. Anyone involved must respect Law Enforcement officers and immediately leave the building.
(合衆国議会議事堂で起こっている暴力と破壊はすぐに止めなければならない。関わっている者達は法執行官に従い、建物から直ぐに立ち去るように)
Peaceful protest is the right of every American but this attack on our Capitol will not be tolerated and those involved will be prosecuted to the fullest extent of the law.
(平和的な抗議活動は全てのアメリカ国民の権利だが、この我々の合衆国議会議事堂への襲撃は容認されないし、関係者は法律の最大限の範囲で起訴されるだろう)
そのとおりです。さすがです。きちんと政治家らしい言葉。どちらが大統領らしいのだという疑問。
ともかくこれからどうなるかはわからないけれど、トランプさんが大統領でいるのもあと10日。やっと去ってくれる。ほっとしている。こういうトランプさんのような人があと4年間も国を率いることはもう考えられないです。
バイデン氏が大統領に選ばれて本当に良かったと思います。
この国が軌道修正してくれることを希望する。