能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2021年2月28日日曜日

★『麒麟が来る』総集編 全4回



ひゃ~またまた書く麒麟感想文。やめられんのぉ~。

初期の頃の録画を消してしまっていて、光秀の若い頃の映像を持っていなかったので久しぶりに見たら、まぁー光秀が若い若い。すごいね。役者さんはお顔が変わるのね。みんなそう。帰蝶さんも信様も、初期はみ~んな若い。びっくりするぐらいお若い。そして44話後、皆さんそれぞれ年を重ねたお顔をなさっている。すごいな。


総集編よかったです。全体のダイジェスト版なのですけど(駒ちゃんには悪いが)フィクションの部分を大胆にカットしていたので歴史の流れがよくわかって面白かったです。編集が巧み。素晴らしかった。


光秀の言動に注目して見たのですが、このドラマの光秀とは…

・若い頃は上司のおつかいで色んなところに出かけ、
・様々な人々と知り合いになり、
・道三から「大きな国と信長」のアイデアを聞いて
・そこから光秀の人生ストーリー開始
・道三が倒れ
・越前朝倉を頼り
・そこで足利義昭に会い
・義昭と、勢いをつけてきた信長を結びつけ上洛
・「大きな国」のアイデアを信長に伝え
・信長もそれにノリ
・信長と繋がりながら足利幕府にも仕え
・戦につぐ戦
・信長は勝ち続け
・…義昭を将軍の座から追い出し
・…帝まで巻き込み
・信長は横暴、傲慢、コントロール不可になり
・最後に光秀は立ち上がる(様々な理由による)


以前の感想文で「光秀はどういう人?なにがやりたい?」などと書いていたのですが、総集編で少し見えたかも。このドラマの光秀とは、道三に「信長への期待」と「大きな国のアイデア」を告げられそれを夢見る…その「大きな国」を実現する為にそれを実現しそうな人をサポートして真面目に真面目に頑張る男…かな。

やっぱりこのドラマは光秀を描く話ではないのですよね。ドラマの要は歴史の流れ。彼は歴史を動かした大物達の間で真面目に働く人物…という感じ。

この光秀とは、歴史の流れのobserver/観察者であり、時代のwitness/目撃者であり、人と人を結ぶmediator/仲介者であり、人に意見を聞かれれば的確に答えるadviser/助言役であり、上司にとっては有能な便利屋でもあり、特に信長にとってはemotional support/心の支えであり…。しかし彼本人は漠然と「麒麟の来る大きな国」を夢見る以外に何かを具体的にやりたいというわけでもなく、与えられた仕事をただただ真面目に頑張るという…たぶんドラマの主人公としては珍しいタイプ。

しかしそれが不思議にもいい感じなのですよ。この長谷川光秀には嫌な感じがない。「彼は何を考えているのかわからないよな」と思いながらも決して嫌ではない。コチコチに真面目な普通の人…我らの光秀。だからいい。

光秀の人となりに深く踏み込まないから強烈に彼の事を好きになるわけでもないけれど、歴史は光秀の周りで常に回っていて…その語り手/目撃者としては安定して好ましく見ていられる。そして彼がニュートラルな視点から歴史を見せてくれるからこそ、アクの強い人物達が輝く

…天才的なアダルトチルドレン信長、計算高く野心家の秀吉、慎重で忍耐強く誠実な家康、知的で男気溢れる松永久秀、悲観的な足利義輝、desperateな足利義昭、上品で律儀な三淵藤英、日和見的な細川藤孝、俗物の摂津晴門、ノーブルな朝倉義景、別世界のお方な、恨みがましい覚恕、そしてcharismaticな毒マムシ道三…出てくる人出てくる人皆輝く。それが面白い。魅力的な人物達。俳優さん達が皆さん素晴らしかった。

大きな国と麒麟を夢見た真面目すぎる男・我らの光秀…彼の目を通して見た戦国は面白かった。

全体が魅力的なドラマでした。時代とキャラクターに沿って違和感の無い台詞の脚本、俳優さん達の熱演、かっこいい演出とカメラワーク、ドラマチックな編集、効果的な音楽と効果音、美しい衣装、豪華なセット…み~んなよかった。魅了されました。かっこいいドラマでした。

さてこれからどうするかな。ブルーレイか。どうする。


2021年2月12日金曜日

★『麒麟がくる』好きだった人々



やっぱり全体の感想を書いておこう。

たぶん完璧ではない。しかしこのドラマは面白かったです。楽しかった。その理由は…歴史を今までとは違った角度から描いてくれたから。戦国の三傑を中心としたドラマは多かったけれど、そんな歴史のスーパースター達を反対側から描いたものは今まで少なかったように思う。それが面白かった。

歴史の流れが面白かった。裏の話のドラマみたいな感じ。派手で有名なエピソードで魅せるのではなく、人と人の繋がりや政治的な繋がりと離反が描かれていて、流れが見えたのが面白かった。


ドラマとしての描き方は特殊なのかも。今まで散々描かれてきた定番のエピソードが殆どスルーされていた。美濃編はよく知らないので違和感はなかったが、信長の時代になってからの…、

「信秀のお葬式での抹香投げつけ事件、お市様の小豆の袋、浅井滅亡 お市様脱出、浅井・朝倉のハクダミ、長篠、久秀の平蜘蛛と自爆、鮒寿司、金柑頭、、領地召し上げ、愛宕百韻…ときはいま、おみくじ…」

等等…ことごとく無視。そういえば比叡山焼き討ちもインパクトが少なかった。他にも光秀が関わったエピソードがスルーされていたのは、コロナばかりが理由ではあるまい。


一番戸惑ったのは、主人公の光秀がどういう人かわからなかったことか。清廉潔白で真面目人間…それ以外は結局よくわからない。そのことは別のエントリーでも書いた。彼は地味なサラリーマン。

人となりを深く掘り下げて描いていたのは信長のみ。それから義昭の心の変化も少し描かれていた。斎籐高政の父・道三との関係、秀吉の苦悩、家康は子供時代のエピソード、覚恕の悩みも少し描かれていた。 道三、久秀、朝倉義景は個性の強いキャラ扱い…その中で一番華やかで強い印象が残ったのは道三。 

このドラマは歴史の流れそのものが主役という感じでした。
そういうスタイルのドラマだと見た。しかしだから面白かった。



というわけで、この人物のこういうところが好きだから…というのは実は(信長以外)書きにくいのだけれど、この「麒麟・好きな人リスト」は、俳優さん達が素敵だったねというリストです。皆かっこよかった。


明智光秀/長谷川博己
真面目人間光秀。長谷川さんのクリーンな印象で納得。真面目に真面目に働いてきて最後に大仕事を思い立つ。結局光秀の動機はよくわからなかったけれど、最後は長谷川さんの熱演に痺れました。長谷川さんは立ち姿の綺麗なお方。とにかくクリーンで綺麗な光秀。ここまでクリーンならそれも魅力にもなるのだなと思った。しかしもう少し個人としての人となりを描いて欲しかった。例えば越前で好きだった海産物は何?とか笑、もう少し光秀のことが知りたかった。最終回でのタマちゃんとの会話はよかったですね。


織田信長/染谷将太
人のドラマとしては彼が主役でした。ティーンの頃からのエピソード…両親に理解されず、弟を殺害。子供の頃の寂しさから、常に愛を欲する信長。最初は首をかしげながらも次第にその人となりが見えてきて、いつまでたっても子供のような信長を見守り…さて本能寺はどうなるか?と、ず~っとこの新しい信長に魅了され続けました。面白かったです。染谷さんあっぱれ!本能寺最高!もしかしたら過去最高の本能寺かもしれません。



羽柴秀吉/佐々木蔵之介
背の高い秀吉。佐々木さんの技と脚本が描く複雑な秀吉が面白かった。出演場面はそれほど多くないはずなのに、この秀吉は記憶に残ります。最初から、頭がいいなぁ…明るいねと思っていたら、結構心に苦悩があるのね。合理的に物事を判断する成り上がり者…そんな秀吉は面白かったです。もっと見たい。  場面が少なかったけれど、家康の風間俊介さんもよかったです。彼も落ち着いていて声がいい。


足利義昭/滝藤賢一
このお方も新しい義昭でした。他のドラマではよくわからない妙な人物だったのに、このドラマでは彼の複雑な思いが見えた。駒ちゃんを見る目が本当に嬉しそうだった。


帰蝶/川口春奈
道三の娘、帰蝶。最高。帰蝶さんは美しい。そして毒がある。この貫禄。お若い女優さんなのにこの威厳はどこからくるのだ。お姫様だ。大発見。第15回の織田信光おじさんを惑わせて織田彦五郎を殺させるシーンは震えましたよ。


明智煕子/木村文乃
光秀の奥さん。愛妻家の光秀の割にはあまり場面がなかったのですが、彼女はいつも笑顔で夫を支えるいい奥さんでした。戦国の強い男ばかりが出るドラマには彼女のような優しい女性は必要。ほっとする。第39回は健気な彼女の姿に涙。そして最終回、光秀が亀山城を出た後に一瞬だけ映る煕子さんの「私は麒麟を呼ぶものは…」は美しかった。声も綺麗だ。泣いたわ。


駒/門脇麦
女性をもう一人。駒ちゃん。コロナで色々な予定が狂った時の駒だのみ…それがあまりに露骨だったせいかネットでの評判はよくないみたいですが…彼女のようなキャラはいたほうがいい。戦国のドラマだからこそ町の人々は必要。問題なのは(コロナで予定変更のせいか)オリジナルキャラの3人が、あまりにも便利に使われすぎたこと。東庵先生は帝の本音を聞き、伊呂波太夫は公家とのコネ、駒ちゃんは大物と大物を結びつけるビジネスオーナー。いくつかのエピソードは駒ちゃんを中心に回っていて、将軍の愛人になった時は…まさかそれはないだろうと呆れてしまった。オリジナルキャラはほどほどに。 しかし最終回、本能寺の事件を3人が知った時の様子はリアル。町の人が本能寺をどう見たのか…の視線はあったほうがいい。駒ちゃんは事件を聞いて無言で下を向いた。そのシーンがいい。光秀のことが心配…しかしどうすることもできない彼女の悲しみを見て私も悲しくなった。上手い女優さん。


斎籐道三/本木雅弘
道三、かっこよかったです。光秀に大きな夢を残していった張本人。彼がいたから信長が作られ本能寺が起きた…と見るべきか。本木さんかっこよかった。第16回の光秀に夢を語る道三は最高。静かなシーンからどんどん盛り上がり「皆の者、集え」吼えるような叫び声もすごかった。


朝倉義景/ユースケ・サンタマリア
この朝倉さんもかっこいい。ピンクの衣装も素敵。ユースケさんは低音の声が怖い。すごく深く重い声が素晴らしい。比叡山でのシーンもかっこいい。このドラマで朝倉氏に興味を持ちました。義景は文化を愛するお方だったそうです。


松永久秀/吉田剛太郎
光秀に鉄砲を教えたのはこのお方。冷静で頭のいい人。常に周りの状況を読んでいる人でした。光秀が先輩のように慕ってましたね。筒井順慶との関係で怒ってましたが、久秀の周りのことももっと知ろうと思った。


正親町天皇/坂東玉三郎
帝です。特別なお方です。この別世界の方のようなカリスマは玉様ならでは。本当に特別なお方だと思いました。素晴らしかったです。拝みたい。


菊丸/岡村隆史
よかったですよ~。彼は芝居がいい。


覚恕/春風亭小朝
いい配役。迫力!


織田信秀/高橋克典
かっこいい~月代が似合う。時代劇が似合うお方



ここに取り上げない方々も、他にも沢山 このドラマは配役がとてもよかったです。役者さん達が皆さんかっこよかった。皆様おつかれさまでした



2021年2月10日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第44回「本能寺の変」2月7日放送



終わってしまったわ。溜息


★あらすじ
1582年5月 家康(風間俊介)を招き武田を倒した安土城での戦勝祝の宴。その饗応役を担当した光秀(長谷川博己)は信長(染谷将太)に叱責されその任を解かれる。その後信長は、光秀に西国へ行き、備中 鞆の足利義昭(滝藤賢一)を殺すよう命じる。信長と光秀の不仲を人々は噂。光秀は細川藤孝(眞島秀和)に相談し、信長の行き過ぎを共に止める覚悟があるかと問う。藤孝は答えず。藤孝、秀吉(佐々木蔵之介)に使いを出す。近衛前久(本郷奏多)も信長と光秀の不仲を(坂東玉三郎)に伝えるが、帝は「見守るだけ」。光秀 丹波の愛宕山へ。それから亀山城へ。家臣に意思を伝える。 5月29日 信長本能寺入り。 6月1日 光秀、亀山城から出陣。2日早朝 本能寺到着、攻撃開始。信長討死。 6月13日 光秀、西国から引き返してきた秀吉に討たれた(かも?)。 ~1585年 既に秀吉は関白へ。


ああ…終わってしまいましたね。今回は本能寺に向かっての半月くらいでしょうか…の光秀の心を描写。そして本能寺の変…信長、奮戦の末の討死。とうとう事件が起こってしまいました。


このドラマというのは、結局この本能寺の変に向けてのストーリーだったわけで…。というのも光秀ってそれで超有名になった人。時のスーパースターを殺した男。

前回の感想と光秀の人物分析で「この明智光秀というのは、やたらと正義感が強いが、これといって強い野望や野心があるわけではない…有能だが普通の人だったのではないか」と書いたのだけれど、じゃあどうして主君殺しをしてしまったのか?

それは謎だな。このドラマを見ても私にはよくわからなかった。

道三の夢を、道三の娘・帰蝶と実現しようとしたら、予想が外れて信長が困ったことになったので…ということだと思うのだけれど、それだけでは説得力がない。

ドラマでは他にも色々な場面で光秀の追いつめられる心を描写…、友人松永久秀の謀反から成敗、荒木村重の謀反…家臣、家族を惨殺、降伏した波多野兄弟を磔刑、正親町天皇を譲位させようとした、本願寺攻めで多くの僧侶、信者を殺し、佐久間信盛を追放、足利義昭殺害命令。もちろんそれ以前にも比叡山焼き討ち(信長は神仏を恐れぬモンスター)…などなど理由は色々とありますが…、

どれが彼の肩を押したのだろう?あらためて光秀が平蜘蛛に高く美しい志を誓っても、本人の以前の行動からあまり説得力はない。

※追記→考え直した。このドラマでの最大の理由足利義昭殺害命令でしょうか。これに逆らったら信長の追求から逃げられない。(他の様々なものが積み重なって)最後にこの足利義昭殺害命令で追いつめられたということかな。



しかし、そんなことはどうでもいいのだ。結局光秀というお方は足利将軍に仕え、信長に仕えて共に出世の階段を登ったが、ある日主君殺しを思い立ってしまった。それが…真面目な普通の男の一世一代の思い切り…そういう話でいいのかな…という感じもする。こればかりは理屈を捏ねてもわからない。


それは置いといて…。というわけでこの最終回はその「皆が知る本能寺の変をどう描くか」…が要だったわけですが、これはもう

素晴らしかった 

大きな拍手


悲しいね。これは。哀しい本能寺。今まで共に同じ夢を見、同じ目標を目指し、強い信頼関係と絆で結ばれ、長年共に歩いてきた主君と家臣…が殺し殺されることの哀しさを改めて考えさせられた。本能寺の変とは哀しい戦。

そしてまた今の方々…今の俳優さん、今の演出の方々がこんなにかっこよく気合の入った戦のシーンが描けるんだ…と感服いたしました。素晴らしかったです。

染谷信長、

かっこよかった

哀しい


そして

長谷川光秀、

よく思い切った、

切ない


そして

演出の皆様、

いろいろな皆様

素晴らしかったです

大きな拍手


いや~これは満足した。哀しかった。


この本能寺の変は記憶に残る。特に染谷さん。

すごいわっ!


このお方は本当にすごいね。普段の染谷さんの印象はこの信長とは全然違うんですよ。まるで別人。本当に化けるお方。染谷さんはまだ28歳だそうだ。最初は正直、彼の丸顔でどうしたものか…と思っていたのに、もう今は信長は染谷!

染谷信長最高!


泣いたわ。染谷信長で泣かされたわ。

いや~この俳優さん、本当にすげぇわ…と思った。あれはメイクの技(眉毛?)もあるのかな…染谷さんのお顔が面長の信長の肖像画に見える。斜め横から見る角度によって、切れ長の目が「あ 信長だ」と思う。

光秀との二人の会話で、光秀が「私には将軍は討てません」と言った後。それまで微笑んでいた信長の顔が急に険しくなる。目を剥いて振り返ったその顔は信長。間違いなくあの信長。(効果音もいい)


あまりに素晴らしかった本能寺の変。振り返ろう。この戦いのシーン、光秀が亀山城を出てから、戦が終わって光秀が本能寺の門を出るまでで、ほぼ17分40秒です。すご~い。長い戦のシーン。感動。

本能寺の変

「6月1日夜…明智光秀の軍勢は亀山城を出発した」
…そこから始まる本能寺の変。

■ 明智の青い軍勢が動く。突然煕子さんの映像「私は麒麟を呼ぶものは…十兵衛様、あなたであったなら…」←もうこの声で泣く。ぐわっしと心を鷲掴みにされる。もう泣く。

■ 本能寺。上機嫌で寝室に向かう信長。

■ 備中 秀吉の本陣。細川からの手紙を受け取った秀吉の顔「明智様が信長様に歯向かう恐れがあると言う」「やればいいのじゃ…。明智様が上様をやれば…面白い。」「明智様が天下をぐるりと回してくれるわい」 ああいい場面。この佐々木秀吉で大河が見たい。

■ 青い明智の大軍が迫る。かっこいい絵。

■ 本能寺。信長就寝。

■ 6月2日 早暁 この場面が無茶苦茶かっこいい。兵たちの足音。馬のいななき。スローで明智光秀登場。ギャーッカッコイイ!続く伝吾ちゃん。綺麗に整列した足軽。兵たちが寺を取り囲む。

「かかれーっ」 いけっbattering ram!門をうちやぶるのだあああッ!どどどっとなだれ込む足軽達。

■ 外の喧騒で目覚めた信長のお顔がまるで肖像画。駆け寄る蘭丸。廊下を歩き、そして障子を開けて塀の上に見える桔梗の旗印。射掛けられる矢。倒れる小姓たち。矢を避け奥へ。

■ そして信長「十兵衛…そなたが…そうか…十兵衛か笑」目に溢れる涙…頷く…血を舐める「であれば…是非もなし」その後の機敏な動き。肩の矢を折り、刀を手に戦いに向かう。

■ 光秀の真剣な表情。鉄砲。なだれ込む明智の兵。
 
やるからには

■ 信長、障子を開けて現れた明智の兵を槍で突き刺す、そして共の者達を従え次の間へ入る信長は大きい。大きく見える。それから槍を振り回し、突き刺し、また振り回し、信長の…お顔が…お顔がかっこいい。おおおっと蘭丸も強い強い。信長もまた突き刺し、ひゃ~

■ これだよなぁ。光秀の大河ドラマはこのシーンために描いてきたようなものだ。信長、弓を射て、上がってきた兵を相手にまた槍、大立ち回り。刺す、振り回す。蘭丸が戦う。染谷さんが大きい大きい。すごく大きく見える。槍を大きく回して、あっ槍が折れる。次は刀だ。袖口に血。一歩、二歩前へ進む。その荒い息づかいを捉える音声。そして銃声。足と肩を撃たれる。その後の静寂。息づかいの音。その時の表情がたまらん。すごーい。

信長 すごいね

■ 蘭丸と共に奥へ。部屋に入る「わしはここで死ぬ。蘭丸、火をつけよ。わしの首は誰にも渡さぬ。火をつけよ。わしを焼き尽くせ」蘭丸の険しい顔。閉まる障子。

■ その頃、光秀は昔を思い出していた。

■ 信長、燃える部屋にひとり立つ。思い出の中の無邪気な信長。

■ 光秀、本能寺の奥に火と煙が上がるのを見つめる。

■ 燃え盛る火の中、前に倒れた信長。絶命。悲しい哀しい哀しい。

■ 町では伊呂波太夫東庵が事情を知る場面。駒が無言で下を向く。着物を握り締める。彼女の心を思うとまた哀しい。彼女はどれだけ辛いだろう。泣く。

■ 戦が終わる。灰を手に取り焼け跡を見つめる光秀。
「いや…もうよかろう」光秀の目に涙。

これでほぼ17分40秒! 素晴らしい素晴らしい素晴らしい大変素晴らしい。



あぁ興奮した。ほんと。これだわ。明智さんは本能寺が人生最大の事件。その最大の事件でドラマを終わる今回のやりかたは、これで有り!

あとは浪漫です。実際は山崎の戦いで秀吉が勝って光秀は(たぶん)亡くなったのだろう。しかしもしかしたら。もしかしたら…。

…最近見たとあるスピリチュアル系の動画で「明智光秀は山崎の合戦では死んでいない」と言っているものがあって、そんなのも見ていたものだからこの結末は有りかもしれんよなぁと思った。この後で有名な何者かになることはまさかないと思うけれど。


それにしても本能寺の場面があまりに素晴らしかったので、この回はできるなら2時間ぐらいの映画仕立てにしてやって欲しいと思った。本当に素晴らしかった。

光秀の下で頑張った武将達をもう一度。
頑張った伝吾ちゃん もっと見たかった
有能左馬助 おつかれさまです
兜がお似合いでした!


ああ終わってしまったのね。麒麟がくる。

麒麟が来たかどうかはわからずじまいでしたが1年間楽しみました。とにかく俳優さん達が素晴らしかった。皆素晴らしい。

そして今回は制作のスタッフの方々も素晴らしかったです。特に美術(建物が素晴らしい)、綺麗な衣装、そしてかっこいい演出! とにかくシーンの画面が綺麗なかっこいい大河ドラマでした。制作の方々が、俳優さん達をかっこよく見せてくださっていた。それだけでもかなり引き込まれました。歴史の人物達を尊敬をもって描く。それはいい事です。脚本の人物達の言葉にも重みがあって素敵でした。流石です。音楽も素晴らしかった。

コロナで大変だったと思います。本当にお疲れ様でした。おそらくコロナでの予定変更で撮れなかったシーン、変わってしまった構成やエピソード等々、様々な変更も多くあったのではないかと思います。俳優さん達も制作の方々も大変な思いをなさったと思います。しかしドラマは楽しかったです。面白かったです。


長谷川さん、かっこよかった。真面目な光秀、最後の思い切りに痺れました!きっと光秀は生きている…かな?。

染谷さん、新しい信長に惚れた!全く信長らしくない信長が面白かった。あなたの最後に泣きました。子供の頃の信長を抱き締めて「大丈夫よ」と言い聞かせ安心させてあげたい。


皆様おつかれさまでした。ありがとうございます。ああぁもうロスだわ。もっと彼らのストーリーが見たい。名残惜しい。



2021年2月4日木曜日

『麒麟がくる』の明智光秀とは?



このドラマの明智光秀の人物像を分析。元々42回の感想文に、信長の分析と合わせて書いていたもの。43回の感想文が長くなったので、別のエントリーで書くことにした。






光秀はニュートラルな普通の男。

このドラマの光秀は狂言回し。そしてミーディアム…いや違うか…mediator/仲介者か…人と人の間に立って人を結び付け話を繋ぐ人。そのせいか彼本人に関しては私生活も心情もあまり詳しくは描かれてこなかった。もちろんその時その時の彼の心は描かれているのだけれど、物語の主人公としての光秀は、信長に比べてどうもリアリティがない。

馬鹿正直で、定規をあてたように真っ直ぐで、正義のために熱くなる、空気のようにニュートラルで、中身が何もないのかと思うほど潔白、嘘みたいに欲のない人…それが不思議な魅力にもなっている。

個々のシーンでの長谷川さんはいい表情をなさっているのですよ。大声を出さないシーンでも、一秒一秒表情が細やかに変化している。複雑な気持ちの揺れ動きが見える。技が見える。

それなのに全体を通して見るとやっぱり光秀は掴みどころがない。脚本がそう描いている。そして光秀は会う人会う人みーんなに好かれている。誰からも信頼されている。変ですよね。空気のようにニュートラルだから誰も彼に腹を立てないのか? そしてそんな彼は一度も自分自身の欲や野心、野望を語った事がない。 麒麟?…目標や野心としては抽象的過ぎる。

光秀は空気のような人?


…おっとここまで書いて思いついた。

この光秀は昭和のサラリーマンではないか。 普通の人。エブリマン。仕事に一生を捧げる男。雇ってくれた企業には忠義を尽くす。ブラックな企業でも黙って耐え、会社のために身を粉にして働く。しかし他にいい仕事が見つかれば、簡単に別の会社に転職したりもする(ということは昭和ではないのかな?) そして職を変わるたびにまた新しい会社で精一杯忠義を尽くす。とにかく会社/仕事のために生きることが自分の人生だと信じている男。仕事仕事…ばかりだから家庭も顧みない。子育てや家事は全部奥さんに丸投げで、家では「飯・風呂・寝る」ぐらいしか言わない笑。あまりに出張と残業ばかりしているから子供が懐かない。野心は昇進だろうか?…いやこのドラマの光秀は「社長を持ち上げて大きな男にする。会社を大きくする」のが野心だな。 

しかしそんな風に会社に忠誠を誓う彼は、自ら新しい事業を起こそうとか脱サラしてラーメン屋をやろうとか…そういうことは思わない。

なんだ…そうなのか、この光秀は歴史を変えた人物というよりも昭和の真面目な普通のサラリーマン的な人なのか。そして彼は優秀なのですよね。真面目で誠実、仕事も出来るし、人柄もいいから人望もあるわけだ。

そういう…普通の人が、
本能寺の変
なんて大事件をやってしまった。

それで突然歴史に名前を残す人物になってしまった。極端だ。今まで己の野望を一切語らなかったような普通の男が、突然主君(天下統一をしそうな大物)殺しをする。

そしてこの光秀は
ガッチガチの真面目人間
なので「わし、やるなら本気でやる」と本当に本気を出しちゃったらしい。そして決行してしまった。それにしても不器用すぎる。周りの状況を見てうまく泳げなかったのだろうか?

そしてその目的は? 信長を討ち取ってどうするつもりだったのだろう。細川藤孝へのお手紙にも「私は子供に家督を譲って引退したい」と書いていたらしい。そんな生ぬるい言葉で(時の状況を読む)藤孝が加勢してくれるはずもなく…光秀はもう諦めていたのかも。

ぅん~そうか…大河ドラマの主人公が普通のサラリーマンだったというオチか。なるほどなぁ…な~んて勝手に納得してますが、そんな光秀が嫌いじゃないぞ私は。いいじゃないか…真面目な普通の人。しかしどうしてあんな風に思い切っちゃったかなぁ。


このドラマもあと1回。なごりおしい。本能寺を3月ぐらいにしてもっと深く描いて欲しかった。今後もそれぞれの人物達がどうなるかなぁと思う。俳優さん達の熱演が素晴らしい。皆さんいい表情をなさっていて魅力的。セットも演出も素晴らしい。

大きな拍手。来週最終回が終わった後にはロスになると思う。



2021年2月3日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第43回「闇に光る樹」1月31日放送



ああ43回になってしまったぞ。
今回も盛り沢山。


あらすじ
1579年 夏 丹波の黒井城と八上城が落城。光秀(長谷川博己)はついに丹波全域を平定。信長(染谷将太)は降伏した波多野兄弟を磔にし斬首…光秀は苦しむ。 信長は正親町天皇(坂東玉三郎)を譲位させるつもりでいる…まず東宮(加藤清史郎)を二条に移しそこを朝廷とする…その任を光秀と細川(眞島秀和)に任せると言う。1579年11月 東宮が二条の御所に移る。1580年4月 大阪の本願寺が信長の軍門に下る。その後(8月)信長は本願寺攻めの総大将だった佐久間信盛(金子ノブアキ)を追放。光秀、帰蝶(川口春奈)に京で会う。1582年3月 信長と徳川の軍勢は甲斐の武田勝頼を討ち取る。武田氏滅亡。1582年5月 安土城にて家康(風間俊介)を招き戦勝祝いの宴。光秀が饗応役を命じられるが、宴の中、信長は機嫌を損ねる。


時間が早く進み始めました。最後に向かってひとっ走り。いろいろとすっ飛ばして時間は進みます。これは…やっぱり野外のロケなどがコロナで難しかったのでしょうか。全体に会話劇が多い。それはそれで面白いけれど。

今週は何が起こるかわかっている来週最終回に向かって、光秀と信長と、周りの人々が何を考えているのかが描かれてました。特に帰蝶さんとの再会は、全体のストーリーを…初期のエピソードを思い出してまとめるような感じかな。道三の企みが想定外でこうなっちゃったね…ということか。


帰蝶さんが素晴らしい。彼女は特別。あの貫禄と威厳はどこからくるのだろう。彼女は輝くように美しい。そして強そう。あの威厳は特別です。強いお姫様。はまり役。本当に綺麗だ。落ち着いた声もいい。いつも不機嫌な光秀も帰蝶さんの前では穏やかなお顔。川口さんの強そうなお姫様ぶりは大発見だと思います。素晴らしい。

帰蝶さんも最初の頃は、気の強いお転婆な女の子だったんですよね。ところが今回は、様々な時代を経て年を重ねた女性になっている。老けメイクもせず顔はお若いのに、別人のように落ち着いている。そして…夫があのようになってしまった…と悲しむ憂いを帯びた表情。絶品。美しい。本当に素晴らしい素晴らしい!!絶賛!大絶賛!ありがたや


それでは個々の事情、情報がとても多い。

光秀 丹波平定!
波多野兄弟は信長に処刑される。命を助けると言った光秀がまた苦悩。
秀吉(佐々木蔵之介)と細川藤孝
二人とも帝の譲位はいかんと思う。近衛前久(本郷奏多)もよくないと言っているそうだ。
信長と光秀
信長「帝に譲位させるつもり。東宮を二条に新しく作った住まいに移しそこを朝廷としたい。光秀と細川に任せる」
光秀と細川
誠仁親王(加藤清史郎)に御所変えを伝えるが、やはり光秀は止めようと言い出す。それを細川に止められる。光秀「何かが変わった」→11月に東宮は二条の御所に移る。
伊呂波太夫(尾野真千子) 細川藤孝 近衛前久
3人とも東宮の御所変えを心配している。信長はやりすぎ。じゃあどうする?光秀に頼るか。しかし光秀は今もまだ足利義昭に近づいている。何故だ? 武家の者には武家の棟梁は足利将軍だと理解できるが、百姓出の秀吉には理解できない。秀吉は本音では武士が大嫌いだとの話。←なるほど
駒 光秀
光秀はこのところ同じ夢を見て睡眠不足「月に届く大きな木を切る。その木に信長様が登ろうとしている。月に行けば帰って来れなくなる。それを止めようと木を切っている。しかしその木を切れば信長様の命はない。それが夢の中でわかっていて、それでも木を切り続ける、嫌な夢」 ←そろそろ気持ちが無意識のうちに固まってきつつある。

本当に綺麗だ
帰蝶 光秀
光秀「道三様なら信長様をどうするか?」
帰蝶毒を盛る、信長さまに
光秀信長様あっての私。そのお人に毒を盛るのは己に毒を盛るのと同じ」
帰蝶「今の信長様を作ったのは父道三とそなた。作ったものがその始末を成す他あるまい」
家康 光秀
家康「信康と築山殿は実は武田に通じていた。自分で成敗するべきであった。ところで明智様は丹波をよく治めているがどうやっている?」
光秀「正しく検地をやって、それに見合った人の使い方をし、無理のない年貢を取る。。…己の国が豊かで人並みに暮らせるところであれば、他国に目を向けることはないはず。百姓たちが健やかにくらせるよう…」 ←いい領主です
信長
家康は戦勝祝の饗応役に光秀をお願いしたいと言ってきた。光秀と家康の親しい様子を見て信長は憮然とする「家康め、まだ信康のことを根に持っておるのか?」
丹羽長秀
「家康は毒を盛られるのを恐れているかも」と笑う。
光秀
家康を招いての宴の直前、信長「残りは丹羽長秀にまかせて、秀吉の毛利攻めに加われ」と言う。光秀「ぜひ最後までやらせて欲しい」…信長がまた怒る。←信長は家康に毒を盛ろうとしてますよね。
信長
当日、光秀と信長の談笑を遠くから眺める。イライラ

よく怒ってますね~



信長、光秀に膳について叱責。光秀を殴り飛ばす。光秀は森蘭丸を投げ飛ばす。全員驚愕。丹羽さんが超びっくりしてた。



とてつもない量の情報。それにしても皆よく喋る喋る喋る。だんだん積み重なってます。とうとう有名な宴の話まできました。染谷さんのお顔が信長に見えてくる不思議。信長はヤバイな。上司には持ちたくないです。家康は落ち着いてますね。

信長の、光秀と家康に対する不満は、あれは嫉妬ではないでしょう。信長は基本的に人間不信なので、光秀と家康が一緒になって裏切るんじゃないかと疑っているのだと思う。以前にも光秀が帝に会った後、信長は「帝はわしの事を悪くいっただろ」などと光秀を責めてましたが、あれと同じ。光秀と家康で「わしの悪口を言ってるのだろう」と不安でたまらないのだろう。

光秀も煮詰まってきました。もう気持ちは一方向に向かってます。

光秀「何かが変わった」「(夢で)月に登る信長様を止めようとして木を切っている。しかし信長様の登る木を切れば信長様の命はない。それが夢の中でわかっていても木を切り続ける
そして帰蝶さんとの会話で光秀信長様に毒を盛るのは己に毒を盛るのと同じ」 帰蝶さんの「今の信長様を作ったのは父道三とそなた。作ったものが決着をつけるべし」も心に響いたのでは。

…もし信長に宴の席で蹴飛ばされなかったとしても、光秀は既にかなり追いつめられてますね。


ところで光秀(長谷川さん)はナンバ歩きをなさってますよね…と思ったの。廊下を歩くシーンであれっと思った。意識してなさってるのかな。スゴイナ



2021年1月29日金曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第42回「離れ行く心」1月24日放送



信長とは


あらすじ
1578年 摂津 信長軍の有岡城城主 荒木村重謀反、篭城。村重は将軍義昭をサポートする毛利につくと言う。光秀(長谷川博己)は「全ての戦は公方様に繋がる」と悟り…早速 備後 鞆の浦の義昭(滝藤賢一)に会いに行く。光秀、義昭に京に戻るかと訪ねるが「信長がいる京へは戻らぬ」と返事。光秀、再度荒木の説得を試みるが聞き入れられず。年末、有岡城攻撃…戦は1年続いた。


それぞれの武将達の心が反信長に傾きつつある状況を描写。反信長の空気が織田軍内部にも流れつつある…荒木村重の謀反もその一つ。


荒木村重の話は2014年の『軍事官兵衛』でも描かれてました。篭城中、村重は城を抜け出し、家族全員が処刑されてしまう…という悲惨な話。この件で光秀が関わるのは、村重の嫡男・村次に光秀の長女・(天野菜月)が嫁いでいたため。秀吉とともに光秀も村重の説得にあたったらしい。

は有岡城落城の前に荒木村次と離別し明智家に無事帰ってきたそうで、なんとその後、左馬助の正室になったのだそうな。あぁだから今回のドラマでも左馬助が岸さんを気遣っている描写があったのですね。そうなのか。左馬助は明智秀満だそうだ。



人々が信長から離れつつある状況

荒木村重
「信長は摂津国を任せると言いながら国衆から高い税を取る。国衆の心がわしから離れてもそのまま。将軍を京から追い出した時の酷い仕打ちも忘れない。毛利につく」
佐久間信盛も信長に叱責される
足利義昭
全ての戦は公方様に繋がる」と光秀は義昭に会いに行き「京に戻ってくれ」と言う。しかし義昭は信長のいる京には戻らない。毛利も上洛する気はない…将軍の名前を利用しているだけだと言う。
今日は刺身だ そういえば光秀の金柑頭はどうなったのだ?

秀吉と光秀
光秀は秀吉を警戒している。秀吉の合理的ながら乱暴なやり方を光秀は嫌っている。信長はそんな秀吉を買っている。
徳川家康
信長は家康(風間俊介)の嫡男・信康とその母築山殿を殺せと言ってきた。家康「信長への反発が広がっている。これでは天下はまとまらぬ。信長があまりに理不尽なら己を貫くほかない。三河の誇りがかかっている」
▶▶▶ 信康の件について光秀が問えば信長「家康は小心者で争いを好まぬ。しかし拒んでもいい。家康がわしをどう見ておるかそれでわかる。わしは家康をためしている。家康の家臣達もわしを妙な目で見た。三河の者は油断がならぬ
朝廷も、正親町天皇に譲位するよう圧力をかける信長に困っている


光秀が信長に「信康の件は徳川から恨みを買う人はついてこない」と言えば、

信長「ついてこなければ成敗するだけ。ところでわしの頭越しに帝に会っただろう。何を話した。帝はわしのことを悪く言っただろ。だから言えぬか。申せ、申せ!」(光秀を殴りつける

駒へ届いた義昭の手紙「十兵衛となら麒麟を呼んでこれるかも

光秀、アイデアが浮かぶ。
信長から離れたのは光秀の心。


信長の言動がいかに傲慢になってきたのかがよくわかる。独裁者です。彼の今の性格は以前の弱さがひっくり返ったようにも見える。

以前からこのドラマの信長の性格を面白いと思って見ていた。「褒められた」と喜ぶ子供のような信長が、どのように暴君に変わっていくのかと思っていた。今回その答えが出ましたね。



★信長とは?

どうやらこの信長は、愛情を欲する子供がそのまま大人になって権力を持ち、その心の不安が転じて、自分に愛情や忠誠心を示さない他者には狂ったように制裁を加える…そのような人物のようだ。

信長は以前から母にも父にも愛されなかったと文句を言い、いつも「褒められたい、あの人は喜んでくれた、褒めてくれた」などと他人の評価を非常に気にする人だった。そして今は傲慢な独裁者。しかし今でもその傲慢さの中に他人の評価を気にする性格が見え隠れしている。

徳川信康の件に関して、信長は「家康をためしている」と言う。そういえば松永の平蜘蛛の件でも、光秀の忠誠心をためしていた。 …これはもう救いようがない。

この信長は基本的に人が信じられないのだろう。人を疑うから人をためす。忠誠心をテストする。信長は愛を欲している。巨大な権力を手に入れてもなお心は休まらず、信長は子供のように愛を求め、その愛の証として人に絶対的服従を強要する

そのあまりの傲慢さに人の心は次第に離れていく。そして信長はますます周りの人々を疑うようになる。思い通りにならない人々に対し怒りを爆発させる。


信長の成長はこんな感じだろうか
---------------------------------------------------
パパは怒ってばかり
ママは弟ばかりかわいがる
僕のことを誰も愛してくれない
パパもママも嫌いだ
グレてやる
大人になった
これができた
あの人が褒めてくれた
喜んでくれた
頑張ろう
みんなも褒めてくれた
もっと頑張ろう
これもできた
みんな僕のことを褒めてくれる
みんな僕のこと好き?
みんながついてきてくれる
これをやってもいいかな
いいよね
みんな僕のこと好き?
もっとやってみよう
もっと頑張ろう
あれ、おかしいな、みんな笑ってない
どうして
あいつはきっとわしを疑ってる
あいつが間違ってる
なぜだ?
ちょっと困らせてやろうか
少し困らせてもあいつはわしのことが好きかな
わしのことが好きかな?
あいつも笑ってない
どうしていつもこうなる?
わしのことを尊敬しろ
わしの事を好きだと言え
ちょっとテストしてみようか
あいつをためしてみよう
あいつは従うかな
もっと困らせよう
わしのことをもっと尊敬しろ
わしの言う事を聞け
服従しろ
あ、今なんて言った?
なんだと?
裏切った?
あいつは裏切った。
許せない
わしを騙したな
許せない
絶対に許さない
ころせ
あいつの家族も全員ころせ
女子供も絶対に逃がすな
絶対に絶対に許さない
---------------------------------------------------


こんな感じかな。問題は信長が権力を持ってしまったこと。心が不安定な人が権力を持つ…常に人の愛情を確認しなければ心休まらず、だから人の愛情や忠誠心を探り、試して確認し、力で絶対的服従を強要し、裏切られたと知ると狂ったように激昂、裏切った相手には残虐な制裁を加える。

例えばこの荒木村重の件では数百人の人々が処刑された。逃げた村重の家臣を匿った僧まで数百人殺している。裏切った者への仕返しなのか。 比叡山の皆殺しも結局は自分に服従しなかった者達への仕返しなのか?

…そんな風に信長を、心に何かが欠けている男として描いているのなら唸りますね。以前からこのドラマの信長が心に弱さを抱えた人物ではないか…と思いながらドラマを見てきたのだけれど、もしそういう意図で描かれているとしたらすごい。それを演じる染谷さんもすごい。現代的解釈の信長なのですね。


しかし今回で光秀の心も離れたかな。
それでも信長は光秀が好きなのが悲しい。


それにしてもやっと感想文が追いついたっ!長い道のり。へとへと。文を書くのにものすごくエネルギーをつかう。似顔絵もまたまたエネルギーを使う。面白いからやってるんですけど疲れる。やっと追いついた。よかったよかった。




2021年1月26日火曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第41回「月にのぼる者」1月17日放送



信長の評判は?


★あらすじ
1577年10月 松永の死。平蜘蛛は光秀(長谷川博己)の手に。光秀は丹波を攻略中。その頃足利義昭(滝藤賢一)は備後 鞆(とも)の浦から各地の大名に「信長打倒」のお手紙を書いている。光秀は「我々が戦っているのは足利将軍だ」と悟る。京の館へ戻り、訪ねて来た秀吉(佐々木蔵之介)に「平蜘蛛のことを知っていただろう」と問いただす。秀吉備後攻略へ出発。近江の安土城を訪ねれば、信長(染谷将太)は「朝廷の二条晴良(小籔千豊)を辞めさせ近衛前久(本郷奏多)を関白に据える。そして帝に譲位していただく」と言う。光秀は信長に平蜘蛛を差し出し説教「天下を統一するなら誇り高く志高く心美しき者であるべし」。信長「それ売ろうかな」。(坂東玉三郎)も信長をご心配。 


抽象的な話が多かった。歴史の流れはあまり描かれず、信長が自分勝手で横暴に振る舞い人望をなくしつつあるところを皆が心配、光秀が説教をする…という話かな?私よくわかっていないかも。

前回は信長が平蜘蛛を使って光秀の忠誠心をテストしていた。
それに対して今回、光秀は開き直った。


…しかしその前に…平蜘蛛と信長のことを考えたので書いておこう。

前回も「わからない」と書いたのだけれど…この回でもますますわからなくなってしまったこと。結局信長は平蜘蛛が欲しかったのか?

信長は物欲の人なのか?
それとも権威の付いたモノが欲しいのか?
それとも光秀の忠誠心を確かめたかっただけなのか?


まず今の信長は物欲の人に見えるのですよ。ドラマ内でも信長は「安土城と茶道具に夢中」とあるので物欲がかなり強いみたい。以前にも松永からは(元は足利義満が大切にしていたという)「九十九髪茄子」を貰って喜んだとあるので、信長は権威の付属したモノの所有欲がかなりあるみたいなのですよね。この「九十九髪茄子」は当時の値段で1千貫…単純計算で今の7800万円だとか。ふぇ~っ

そういえば「蘭奢待」もそうだった…あれも権威の付加価値の付いたモノ(いや、あれは権威を示すセレモニーがしたかっただけなのか?)…そういうものを信長は好んで集めている。

そんなわけで信長は名物と言われた「平蜘蛛」も欲しがっていた。 

この信長は、今で言うなら…何処かの国の王冠のダイヤを一個頂戴と言って脅して貰ってきたり、何千万円の車や時計をずらりと並べ、何十億円だかの大大大豪邸(安土城)を建てて喜んでる…そいういう人物に見える。

しかし前回の話で首をひねったのは…、そんな男が時価何千万円もしそうな「平蜘蛛」と、たかが家臣一人の忠誠心を比べたりするのだろうか? そもそも信長はなぜ以前からどっちつかずの光秀の忠誠心を欲しているのだ?このドラマの信長ってそういう人かな? 


…と思ったら今回は、開き直った光秀が信長に説教 「人々に慕われて天下統一をするのなら誇り高く志高く心美しき者であるべし、城を美しく飾るだけでは人はついて来ないですよ!」

光秀が説教をし終わった時、信長が無言で光秀を見つめるシーンで、彼の頭の中の糸がぷちっと切れた音が聞こえた気がした。信長はかなり怒ってるかも。

だって光秀もひどい。信長から離反した松永と密かに通じ、平蜘蛛を受け取り、戦の後で信長に平蜘蛛を出せと言われて「知らない」と嘘をつき、バレた…とわかったら城に持参して信長に差し出し「これを持つなら心美しく…」などと説教をする。…そんな男の忠誠心を確かめたところで…信長さんそれでいいの? 


しかしともかく信長は光秀の愛だけは確認したかったらしい。 

信長は光秀が「殿のことを思って言ってるのですよ」と言うので光秀の忠誠心を確認できたと満足した…だから光秀を罰さない。光秀を許す。しかし説教されたから面白くない。

信長は 「そんな厄介なもの(平蜘蛛)…そのうち今井宗久に売る(それとも値段を調べるだけ?)。1万貫ぐらいになるかな」などと言う。え~~平蜘蛛いらないのかな?またわからなくなってきた。

しかし信長はきっとこの平蜘蛛を納戸の奥にしまい込んで売らないのだろう。ということは…この話で平蜘蛛が現存しない理由は、安土城と共に燃えてしまったということか?鉄の釜だから溶けたかな? 


ところで三条西実澄氏(石橋蓮司)によると、信長に右大将の位を授けたら、信長は帝に譲位するように迫り、それが実現できないからと嫌がらせに右大将の位を放り投げたそうだ。えぇ~信長は権威が欲しかったのではないのか?ますます信長がわからない。


ともかく信長がめんどくさい人になってきたというのはわかった。特に朝廷に圧力をかけつつあるのはまずいですね。

秀吉 味のあるお顔

そして黒い秀吉の様子も描かれる。光秀の嘘を信長にチクったのはともかく、口の軽い異父弟のことを光秀に指摘されて弟を殺してしまう…役に立たなくなったから。ひぇ~。その後秀吉は播磨に出発。秀吉の思う平らかな世とは…貧乏人のおらぬ世。この秀吉の佐々木さんの表情の変化が面白い。彼の表情に目がひきつけられる。 


その他

光秀はいい家に住んでます。

やっぱり安土城の大広間はすごい。豪華。

菊丸 アクションうまいね

菊丸
信長は京の町で評判が悪い」。光秀は菊丸に彼が徳川の忍だとわかっていると伝える。秀吉が狙っているので三河に帰った方がいいとアドバイス。家康は信長が頼れる人物なのか調べている。秀吉の手の者に襲われてましたが、岡村さん動きが機敏。アクション上手。

三条西実澄
信長は何を考えているかわからん。帝に誠仁親王に譲位しろと迫る。信長は右大将の位も放り出し、気分で朝廷も変えてしまおうと思っている。皆困っている

信長と朝廷
信長は二条とともに帝の譲位をすすめ、誠仁親王を帝にしようとしている。しかし事は進まず信長は二条に失望。今度は近衛前久に近づき関白に据えようと考える。

信長は京での自分の評判もいいと思っている「安土城は皆のあこがれ」だと言う。←そろそろ信長は現実がわからなくなってるらしい。以前は人に褒められることを求めていたのに、今は傲慢に「わしの評判はいい」と勘違い。いや皆あなたを怖がっているだけ、めんどくさがっているだけ。

それを光秀一人が信長に伝えているのだけれど、通じていない。


今回のタイトル「月にのぼる者」…桂(かつら)男とは中国の伝説で月に住んでいるとされる人物(平安時代以前には日本に伝わっていたらしい)。この回では、権力を欲する武将達を桂男(不老不死の花を求めて月に行き、花を独り占めしようと木を切ったら神の怒りに触れ、月に閉じ込められた)になぞらえ、「美しきものに近づきそこから何かを得ようとしてはならぬ」と諫める。「しかし力のあるものは皆月にのぼろうとする。皆帰ってこなかった。信長はどうか?」信長を見届けるようにと光秀に告げる。光秀がありがたがって放心してます。光秀はラッキーな男だ。

たまちゃん細川忠興へ嫁入り




2021年1月25日月曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第40回「松永久秀の平蜘蛛」1月10日放送



信長のテスト


★あらすじ
1577年夏 織田軍と顕如率いる本願寺との戦は7年も続いている。本願寺は毛利上杉と通じている。そんな折、松永久秀(吉田鋼太郎)が織田軍から離反。暫くして光秀(長谷川博己)は伊呂波太夫(尾野真千子)宅に呼ばれ松永と会う。そこで名品・平蜘蛛を任される。松永は信長(染谷将太)が平蜘蛛を欲しがっているが渡したくないと言う。 秋 松永が挙兵、京に攻め入る。信長は嫡男信忠(井上瑞稀)を大将に大軍を大和に送り込む。10月10日松永、信貴山城にて討死。後日信長が光秀に平蜘蛛の行方を尋ねる。光秀は知らぬと答える。平蜘蛛は光秀の手に。


信長のわがままが目立ってきて、そろそろ家臣の心が離れ始めた頃。まず織田軍から離れたのは松永久秀。彼の持つ茶釜・平蜘蛛をめぐる信長と光秀の話。

この回のテーマは、皆が信長から離れつつあることか。

松永久秀の謀反。
帰蝶は隠居するという。
帝にプレゼントした蘭奢待も喜んでもらえなかった

信長「なぜ皆わしに背を向ける?」

そして光秀の忠誠心も疑う。

信長は秀吉に探らせて平蜘蛛が松永から光秀の手に渡った事を知っていた。その上で「平蜘蛛の行方を知らぬか?」と光秀に問う。「知らぬ」と答える光秀。

信長「十兵衛が始めてわしに嘘をついた」

要するに…信長が平蜘蛛を使って光秀の忠誠心をテストしたような話になってましたが、信長が本当に平蜘蛛を欲しがっていたのかどうかわからなくなってました。というのも信長がなんとしてでも平蜘蛛を手に入れたいと思うのなら、直接伊呂波太夫を捕らえて問えばいいこと(秀吉が調べていたから知っていたはず)。しかし信長はそれをせずに平蜘蛛と伊呂波太夫を泳がせて光秀の忠誠心を探っていた。信長は平蜘蛛が欲しくないのかな?

光秀は光秀で(このお方はいつも何を考えているのかわかりづらい人物なのだけれど)悩んでますね。信長に平蜘蛛のことを聞かれれば「知らない」と嘘をつき、家に帰って来てから「松永の罠だ~」とうろたえてましたが…私にはよくわからなかった。そして松永の言葉「平蜘蛛を持つ者は覚悟がいる。いかなる折も誇りを失わず志高く、心美しき者…」というのもよくわからなかった。だって光秀は今まであちこちふらふらしてますもんね。何に対しての誇りや志なのだろう?

光秀もいろいろとわからないから帝に会ってお話が聞きたいと言ってました。
 


光秀が亡くなった煕子さんの爪を持ち歩く。え~だからもっと生前に仲良くしていれば…。 

帝も光秀と話がしたい。 

松永の信長評 
信長は、家柄で家臣を取り立てる。例えば柴田勝家、大和の筒井順慶。ちなみに松永が討死した信貴山城の戦いでは、筒井順慶が大活躍したのだそう。 

松永久秀

近頃の信長 
信長は安土城の建設と茶道具に夢中。帰蝶さんによると信長はよく泣く。なにかを怖がっている。高く上りすぎたか? またまたぐすぐず泣いてキレてましたが、私はこれ…帰蝶さんが隠居していなくなるし、平蜘蛛も見つからないしでイッパイイッパイになって泣いてたのかと思った。やっぱり子供みたいな人。 

信さん また泣いてる かわいいですね 子供みたい

信長「帰蝶がいなければ誰に相談すればいい?」また泣く。

 ところで安土城の部屋が巨大。あれはすごい。本当にすごい。

信長、光秀の娘たま(芦田愛菜)を細川藤孝(眞島秀和)の嫡男・忠興(望月歩)に嫁がせるよう伝える。 

 
信長「光秀は丹波を頑張れ わしは本願寺を焼く」 

秀吉が柴田勝家と喧嘩をして加賀から帰ってきた話
信長は北へも手を伸ばしている。この頃、上杉軍は上洛を目指し、顕如の命による加賀一向一揆衆がそれを援助…柴田勝家軍を妨害していた。 

秀吉 vs 勝家




2021年1月22日金曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第39回「本願寺を叩け」1月3日放送



煕子さんありがとう。


★あらすじ
1575年 信長(染谷将太)、朝廷より武士として最高の権大納言右大将の冠位を授けられる。一方武田は美濃に攻め込もうとしていた。京を離れ美濃に戻った信長に三条西実澄(石橋蓮司)が小言を言えば、京は息子の信忠に任せるという。近江には安土城建設開始。また畿内では本願寺に苦戦中。光秀(長谷川博己)負傷…病に伏せる。後日、信長は九鬼水軍を使い本願寺をサポートする毛利からの物資サプライを止めると思いつく。そして大和は筒井順慶(駿河太郎)に任せると言う。光秀は順慶と敵対する松永(吉田剛太郎)を心配する。信長は忙しく三河の家康(風間俊介)のことを構う暇が無い。1576年11月 光秀の妻・煕子(木村文乃)死去。



煕子さんが亡くなってしまった。どうやらこの説(光秀が重病となった際の看病疲れが元で病死)が史実らしいです。彼女は本能寺を知らずに亡くなっていたのですね。私は1996年の『秀吉』を見て家臣に采配を振るっていた彼女が史実だと思っていた。あの煕子さんのサロメ風最後は印象的だった。 


いつも笑顔

さて煕子さん。おつかれさまでした。今回のお百度参りのシーンではちょっと涙。この煕子さんのシーンだけなぜか土曜時代劇とか水曜時代劇という雰囲気でしたが、それがいい。煕子さんは昭和の女なのですよ。だからいいの。

それにしてもこの煕子さんは、愛妻家と言われる光秀の妻でありながらあまり描かれてきませんでしたね。それがず~っと気になってた。なぜ?

彼女は今で言うところの専業主婦。それも典型的な昭和の専業主婦です。一言も文句を言わず、いつも笑顔で、常に夫を支え、子供達には優しいお母さん。40年前なら「理想の嫁、理想のお嫁さん」と言われるキャラ。そんな彼女がこのドラマであまり描かれなかった理由は?


時代でしょうか。今の時代は昭和的な専業主婦は流行らないのかも知れませんね。今の時代は「女性が輝く時代」なのだそうだ。だから主人公の光秀の奥さんよりももっと活発で強い女性達が多く描かれる。

事業主駒ちゃん(独身、冒険的、自由、あちこちで様々な男達にモテ続け、歴史の大物達に可愛がられ、将軍の愛人になり、その人脈で大物を政治的に結びつけ、また薬屋の商売を起こせば女ビジネスオーナーとして大成功。商売繁盛。その富で歴史の大物を経済的にも援助)や、男勝りのお嬢様帰蝶さん(武家に生まれ育ち、将来有望な武家に嫁ぎ、夫を裏から司令塔として操る陰の女ボス)、芸能プロダクション経営伊呂波太夫(町で生まれたが運よく貴族に拾われ、公家と兄妹のように育ち、そのアッパークラスな生活が窮屈になれば家を飛び出して芸能人になる。女座長として劇団を率い諸国を自由に行き来し、あちこちの大名と懇意にもなったりもするが誰も彼女の自由を奪うことはできぬ)…などなどの超現代的、おそらく今の女性達にも受け入れられやすい女キャラたちの方が丁寧に描かれる。

彼女達の活躍は素晴らしいし、それはそれでいいのだけれど、私は煕子さんにももっとスポットライトを当ててほしかった。なぜなら女の幸せはそれぞれで、いろんな女性の生き方があってもいいと思うから。

煕子さんは自分で事業を起こしたりする人ではない。夫がいてこその妻であり、子供がいてこその母親、嫁ぎ先の家があるから嫁。彼女のアイデンティティは、彼女以外の誰かが形作るもの。じゃあそんな煕子さんの一生は不幸だったのか?私はそうは思わない。彼女はきっと幸せだった。誰かを愛し支えて生きる…そんな生き方が性に合う女性もいる。

(仕事ばかりであまり家庭を振り返らない)夫をいつも笑顔で支え、夫もそんな彼女を信頼していて、沢山の子供達に囲まれて彼女は十分幸せだったと思う。そんなことを煕子さんが出てくるたびに、木村文乃さんの笑顔を見ながら考えた。戦や政治の話の多いドラマで、彼女は私にとっても癒しだった。

この回は彼女の思い出を振り返っていたけれど、もう少しバランスよく彼女の過去…越前時代の苦労(髪を売った話など…㊟光秀とベタベタする必要はないけれど)…を描いていれば、36回の坂本城のシーンももっと感動的だったろうと思う。ちょっとドラマとしてもったいなかったかも。

煕子さんおつかれさまでした。彼女のシーンはいつも癒し。笑顔がかわいい。きっと忘れない


さて…その他…

長篠の合戦を完全スルー!
これは…騎馬軍団の撮影が難しかったからかな?それにしてもこういう戦の映像は、例えば「歴史秘話ヒストリア」や「過去の大河」あたりから使いまわしはできないものだろうか?どうせ数秒の戦のシーンだけなら、全部新しく撮影する必要もないだろう。

家康は忘れられる ?
家康は武田の動きを気にしながら「織田様は忙しいのだろう」などと言ってます。ちょうど嫡男信康徳姫(信長の娘)の間に登久姫が生まれたそうで、調べると1976年3月。築山殿が嫁いびりをする姑っぽいですが…築山殿が出るということは…あの悲劇を描くのか?それにしてもあの信長とこの家康がお爺ちゃんとは…この時点で信長41歳。家康33歳。また有能な菊丸(岡村隆史)がよく働いてます。

信長と本願寺との戦い
5年以上続いている戦。苦戦中。信長は本願寺への物資が毛利から来ている事を知り、九鬼水軍を使って物資のサプライを止める作戦を思いつく。

信長安土城建設中
タマちゃんに安土城を見せてやると言ってましたがタマちゃん側室にされそうだったぞ笑。その二人の様子を見る光秀の機嫌が悪い。

大和は筒井順慶へ
信長の独断ですが、光秀が松永久秀を心配する。

信長が手の付けられないほどのわがままになってきた?



2021年1月18日月曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第38回「丹波攻略命令」12月27日放送



光秀の南蛮服


★あらすじ
1574年 近江 光秀(長谷川博己)の坂本城に身を寄せていた三渕藤英(谷原章介)に、信長(染谷将太)から切腹の命が下る。 同年秋 光秀は佐久間細川の軍と共に河内に攻め入り、三好の一党と一向一揆の連合軍を攻撃、畿内から追い出す。信長は伊勢の長島一揆を抑えた。 残るは本願寺。そして丹波。信長は光秀に丹波を攻略するよう命じられる。
丹波は反信長派が多い。光秀は丹波の近衛前久(本郷奏多)を訪ね、丹波の大名の懐柔を試みるが叶わず。1575年夏 丹波攻略の長い戦い開始。 
朝廷では関白二条晴良(小籔千豊)が、(坂東玉三郎)を上皇に、東宮誠仁親王(加藤清史郎)を帝にして朝廷を確かなものにしようと画策。信長に援助を打診。足利幕府滅亡の後、二条は信長に近づいている。 


今回もいろんなことがありました。いろいろとあり過ぎてわからなくなりそうなので、まずは何があったかをまとめたい。
光秀が信長にイライラしてます。これから積み重なっていくのかな? 
それでも信長は光秀が大好きなのですよね。
帝は光秀に会いたいとおっしゃっていますが、つくづく光秀はラッキーな男だ。



光秀佐久間細川の軍で河内に攻め込み、三好の一党と一向一揆を畿内から追い出した
信長は伊勢の長島一向一揆を抑えた
残るは本願寺と丹波。光秀は丹波攻略を任される。
光秀、伊呂波太夫(尾野真千子)のつてで、丹波に隠れ住む近衛前久を訪ねる。 前久は信長を利用したいと思っている 。光秀、反信長国衆の多い園部の小畠氏を紹介して欲しいと告げる
光秀、丹波懐柔失敗。1575年夏 丹波攻略開始 

朝廷

信長東宮に気に入られている
関白二条晴良のたくらみ
 を譲位~上皇へ 東宮誠仁親王を帝へ 朝廷を大きく 
 信長に経済的援助をして欲しいと言う
 三条西実澄(石橋蓮司)は関白二条のアイデアに同意していない
と三条西実澄
 二条関白家は足利幕府を失い信長に近づいている。
 帝が光秀と話したいとおっしゃる 

三渕さん

光秀 信長への反発

信長、足利義昭と通じていた三淵藤英の切腹を命じる 
 =人の命を大事にしない
木下藤吉郎は義昭を捕らえた後酷い仕打ち
 =元将軍を若江城まで着の身着のまま裸足で歩かせた
このままでは信長から人の心が離れると進言

光秀と笑う左馬助
その他
斎籐利三(須賀貴匡)が稲葉一鉄から光秀のもとへ逃げてきて家臣にしてくれと言う。 
信長西洋に興味を持つ
光秀、信長に南蛮服をもらう



2021年1月15日金曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第37回「信長公と蘭奢待」12月20日放送



栄光のしるし


★あらすじ
1573年3月 義昭(滝藤賢一)は信長討伐の兵を挙げた。しかし武田が突然兵を甲斐に引き返す。朝倉(ユースケ・サンタマリア)+浅井も来ない。義昭は孤立。藤吉郎(佐々木蔵之介)の率いる織田軍に捕らえられる。幕臣・三淵(谷原章介)も捕らえられた。その弟・細川藤孝(眞島秀和)は織田側についていた。義昭は枇杷庄へ送られる。信長(染谷将太)は元号を天正に。武田信玄(石橋 凌)が死んだとの噂。信長朝倉攻め開始。一乗谷城の戦い。朝倉氏滅亡。室町幕府滅亡。松永久秀(吉田鋼太郎)も信長に降伏。京の周りは信長敵無し。1574年3月28日 名香木・蘭奢待を賜る。


タイトルの蘭奢待とは東南アジアで産出される沈香と呼ばれる高級香木。6世紀から10世紀ごろ(諸説あり)に中国から渡来。これまで足利義満、足利義教、足利義政、土岐頼武、織田信長、明治天皇らが切り取っている(Wikipedia)のだそうだ。

ドラマでは土岐氏の名前は出なかったのだけれど、室町幕府第8代将軍足利義政以来110年間切り取られていないと言ってましたね。過去に幾人もの足利将軍家が希望しても叶わなかったそうでそれぐらい大変なもの。信長が欲しがったということは、室町将軍に代わって天下を掌握したことを世に知らしめる意味もあったらしい。どうだ!わしはすごいだろ!と言ってる。

信長は正親町天皇の許しを得て蘭奢待を待切り取ったのだけれど、実際にはかなり強引だったそうで、帝もあまり喜んでいなかったらしいです。 


蘭奢待とは今で言ったら何だろう?西洋の国ならどこかの王室の王冠に付いた巨大な宝石だろうか。それを欲しいと要求したようなものだろうか。すごいね。 最初は数千万円の車とか時計みたいなものだろうかと思ったんですけど、いやいやそんなものではなさそうだな…。しかしこれは…人間が付けた権威の価値なのですよね…むずかしいわ。


さて様々な事も起こりました。


義昭は挙兵するも信長に敗北
武田も来なかった。浅井、朝倉も来ない。義昭を捕らえた秀吉が怖い怖い。これは…黒い秀吉かもしれませんねぇ。低い声が怖い。秀吉は合理的。頭もいいしデキる男だな。

細川藤孝
幕府にとっては裏切り者の藤孝。「政には時の流れを見なければ」あっ…このお方は後にまた裏切ることになる。いつもそうなのか。

リタイア義昭
(門脇麦)ちゃんに呆れられてますが、様々な大名にお手紙を書いて信長打倒を呼びかけてます。「戦を終わらせるためには戦をするしかない」

朝倉氏滅亡
朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)がかっこよかった。怖いんですよ。声が低くて。あの金のサザエの兜も派手派手。今回、このドラマで朝倉氏のことに興味を持ってちょっと調べました。今まで信長の出てくる大河では、小谷城のお市様の悲劇がメインであることが多いのですが、今回朝倉氏のことが知れて嬉しい。朝倉氏についてもっと調べようと思います。あの裏切り者のいとこの朝倉景鏡(手塚とおる)は、義景の首を信長に持っていったのだそうだ。それで箔濃にされたのね。酷いな。

宗久の分析
今井宗久が光秀に「信長をどう思うか?」と聞かれて、「(信長は)自分の値打ちを知りたがっている。見える形で知りたがっている。見る景色が変われば人も変わる。」←そうなの。信長は証明が欲しいのですね。…このドラマの信長の性格は面白いです。天才的なのに中身がちょっと不安定で、だから他人からの評価をすごく気にする。蘭奢待も自分のパワーをわかりやすい形で証明したいということか。 

恍惚の信長
酔ってますねぇ。

エクスタシー信長

帝に蘭奢待 
信長は蘭奢待を帝にプレゼントしたのだけれど…「朕が喜ぶと思うたであろうか」。むっとなさってます。信長はかなり強引に蘭奢待を切り取る許可をもらったらしい。帝は信長が嫌になってきましたね。毛利にくれてやれ…とおっしゃってます。毛利が信長と敵対していることなど「それは朕のあずかり知らぬこと」「織田信長…よくよくの変わり者よのう…」



2021年1月14日木曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第36回「訣別」12月13日放送



光秀の存在理由。


あらすじ
1572年.伊呂波太夫三条西実澄(石橋蓮司)のコネで、光秀(長谷川博己)は御所を訪ねる。なんと(坂東玉三郎)と言葉を交わす。信長(染谷将太)の帝への愛を理解する。大和では義昭(滝藤賢一)の命で松永久秀(吉田鋼太郎)を討つための戦。信長も兵を送るが兵は皆乗り気ではない。4月、幕府と織田の連合軍が河内へ出陣するが松永を取り逃がす。10月、甲斐の武田が上洛開始…家康、三方が原で大敗。また近江には朝倉が5000の兵を出してきた。1573年3月、将軍義昭が畿内の大名を集め信長打倒の兵を挙げた。


この回は最後、心揺さぶられました。光秀の義昭との決別。長谷川さんの泣きの演技です。ギャップ萌えかな。いやーびっくりした。心摑まれた。ちょっと泣いた。胸が苦しい…。

長谷川さんがあんな表情をなさるとは。長谷川さんはいつもどこかツンとした印象のお方なんですよ。お顔も綺麗に整っていて左右もほぼ対照。お肌も綺麗で皺もない。綺麗にこじんまりとまとまった小さなお顔で…もしかしたらちょっと情が薄いのかなぁ…なんて印象があるくらい。あまり感情がお顔に出る方ではないと思っていた。例えば他の俳優さんと比べてみるなら…滝籐さんの義昭は常にお顔の皮膚が伸びたり縮んだりしていて…だから表情による皺も多いし…滝籐さんはよくお顔が動く俳優さん。反対に長谷川さんはどちらかといえば陶器のお人形のようにツルンとした印象。それが硬派な印象の彼の魅力でもあったりする。

ところがこの光秀と義昭の決別のシーンは、もうお顔が誰だか分からないくらいぐしゃぐしゃの泣き顔。真っ赤。本当にびっくりした。その渾身の泣き顔の演技に思わずもらい泣き。

盛り上げる音楽も効果的。色んなものが胸に迫る。その後の義昭の表情も、籠に入れられたおとなしい白鳥も悲しい。 そして義昭は信長打倒の兵を挙げる。涙

泣く男光秀

それにしてもすごい表情。その光秀の表情で事の重大さを知る。悲しさを知る。台詞だけではなく光秀の泣き顔でこれが大変な事態なのだと気付かされる。 

確かに、足利将軍義昭と織田信長の間の架け橋になることは、光秀の存在理由でもあったのだろう。だから光秀にとって、義昭と信長が敵対することは決して受け入れられることではない。だからといって信長を捨てて義昭につくわけにもいかない。信長に夢を見ることは道三の遺言。信長は光秀の夢実現のための希望。光秀は将軍義昭と信長を結びつけるためにこれまで命を捧げてきたわけで。だから決別は決して受け入れられるものではない。悲しい。 

それがあの光秀の泣き顔なのだと受け取った。いやー素晴らしかった。長谷川さんがあんな表情をなさるとは…。ちょっと…心が苦しくなっちゃうね。 


今回は光秀が様々な表情を見せてました。 

帝と会話 
遠くから光秀が帝に話しかけた時はまさかと思ったのだけれど、その時の感極まった光秀の表情がよかった。帝とははそんなに大きな存在なのね。帝がお優しすぎる。それにしても光秀はラッキーな男だ。 

煕子さん 
そうなの。光秀を「情が薄い」と上に書いたのも、彼の煕子さんや娘さん達に対する表情がいつも冷たいと感じるから。この二人は新婚の頃からあまりラブラブなシーンがないのですよ。 
例えば今回、御所から帰ってきた光秀は刀を受け取る煕子さんに笑顔の一つも無い。そしてただ庭を見て一人思いつめる。煕子さんに話しかけもしない。冷たくない? 
一方煕子さんは旦那様ラブラブで目が。いつも光秀を見つめる健気で可愛い奥さん。
もしかしたら光秀は無骨な昔の昭和の男みたいなんだろうか。彼は子供もあまり可愛がらないんですよね。家庭より仕事…の男なのかもなぁ。昭和の夫婦みたいに二人ともそれで十分幸せなのかも。

夫唱婦随

ところが今回の光秀は柄にもなく煕子さんを出来たての坂本城に連れ出し、煕子さんの手を取って話しかける。あれどうした。なんか詩なんか一緒に詠んでイチャイチャしているじゃないか。あれ~こんな仲良しのシーンは初めて。いいぞ。煕子さんが嬉しそう。それなのに光秀また急に顔を曇らせる。ちょっと不機嫌に見える。それを煕子さんがまた不安な顔で見つめる。煕子さんは幸せなのかなぁ? 

将軍とお手合わせ
光秀のこの時の表情がまた冷たい。氷のように冷たい無表情。ちょっと義昭さんがかわいそうになった。それにしても義昭様はキャラが完全に変わりましたね。穏やかなお坊さんだったのによく泣いてキレるヒステリー男になった。 

家康 
三方が原の戦いはスルー。やっぱりこのドラマは幕府側の話なのね。 信玄がものすごい迫力です。


2021年1月13日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第35回「義昭、まよいの中で」12月6日放送



タイトルどおり将軍義昭の迷い。
しかしずいぶんバタバタしていますね。


あらすじ
信長(染谷将太)は幕府の横暴を取り締まり朝廷と公家衆をサポート。幕府内で摂津春門(片岡鶴太郎)を中心にますます盛り上がる信長排除論。光秀(長谷川博己)は信長側のスパイはだと見なされた…そういえば光秀は近江の坂本に城を築いている…京を離れようとしているではないか…それならまずは光秀を斬ればいい。摂津の光秀暗殺計画に将軍・義昭(滝藤賢一)も同意。光秀、そのXデーに将軍の茶会に呼ばれたが、計画を事前に知った(門脇麦)~伊呂波太夫(尾野真千子)の根回しで、事情は細川藤孝(眞島秀和)と三淵藤英(谷川章介)に伝わる。茶会の当日、光秀は難を逃れ義昭に直談判…摂津の排除を迫る。


この回の将軍義昭さん、考えがコロコロ変わりすぎ。

だって長い間いろいろと迷った末になんとか「摂津の光秀暗殺計画」に同意。摂津は茶会を設定し、場所を決め、現場に人を配置し…などなど綿密に光秀殺害計画を実行するための準備を整えたはず。だから義昭も茶会までにはしっかりと心を決めていたと思う(信長と繋がっている光秀を殺すのは=信長との戦に突入することになるのだから)…のだけれど…。 

そしてXデー/茶会の当日。光秀は本気で殺すつもりで斬りかかってくる幕府方の剣を神業のようにかわし、義昭のいる部屋に迷わずたどり着き義昭に直談判! ←それだけでもかなり無理がある。

そしてやたら万能な光秀、義昭の部屋にたどり着けたのもすごいが、その上義昭にいきなり「そろそろ摂津をクビにしたほうがいいのでは」と問いかけ「信長は私が見張ってるから。私が義昭様を守るから」と告げる。 ←おい…それが可能な根拠は?そもそも光秀くん信長のコントロールなんてできてないじゃん。

そこへ三淵藤英がやってきて「公方様がOKなら摂津の軍と戦いますよ」と告げる。

将軍テンパり過ぎ

義昭、急に考えを翻し「わかった。摂津を捕らえていいよ。政所の役もクビね」と言う。 ←ずいぶん簡単に決めますね。 

そして摂津失脚。←なんだなんだなんだそんなに簡単に摂津側の排除ができるのなら、こんなカタチではなくて、どうしてもっと前にやらなかったのだ。だってこのドラマの義昭は基本的に純粋ないい人で、悪いことは全部摂津の企みでしたもんね。摂津が問題なのはわかっていたはず。 

そしてその光秀の暗殺計画を藤孝に知らせて光秀を救ったのは、駒ちゃんと伊呂波太夫でした。 


後日、光秀は伊呂波太夫にお礼を言う。そこで「帝はどんなお方?」と訪ねる。

それは東庵先生に聞けばいいぞ。


東庵先生と帝が碁友達だということは、伊呂波太夫も知っているだろうに。知らないのかな。

それで光秀は公家の三条西実澄(石橋蓮司)を紹介される。伊呂波太夫は顔が広い。三条西さんと光秀は万葉集の話題でうちとけ、三条西さんは帝に光秀について「歯ごたえのあるモノノフでした。栗の歯ごたえも良かったです」などとオヤジギャグのような調子で話し、帝も面白がって「光秀を連れてまいれ」と目を輝かせておっしゃった。笑

後日、光秀は御所を訪ねるため三条西家の御用人の格好をさせられて伊呂波太夫に笑われる。笑笑笑



2021年1月12日火曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第34回「焼き討ちの代償」11月29日放送



光秀、心的外傷後ストレス障害に苦しむ。


★あらすじ
信長(染谷将太)の比叡山焼き討ちは凄惨を極めた。光秀(長谷川博己)はPTSDに苦しむ。幕府の摂津晴門(片岡鶴太郎)は将軍義昭(滝藤賢一)に、もう野蛮な信長と手を切るべきだと進言。大和で松永久秀(吉田鋼太郎)と内戦中の筒井順慶(駿河太郎)に味方し、松永の後ろにつく信長を戦に巻き込もうと言う。光秀はそのことを(門脇 麦)から知り、堺で筒井と松永を引き合わせることにする。


今回の歴史はゆっくりと進む。比叡山の焼き討ちで足利義昭の心は信長から離れつつある。それを摂津が後押し。大和で松永久秀と戦う筒井順慶に味方して信長を誘い出し戦に持ち込むと言う。

それを知った光秀は堺の今井宗久の茶会で松永と順慶を引き合わせる。なんとか和睦成立。

そして信長の心も将軍義昭から離れつつあった。


松永久秀の分析
信長と将軍・義昭について光秀に告げる
あの二人はいずれ必ず袂を分かつ。信長殿はなんでも壊す。公方様は守る人。古きを。仏を。家柄を。あの二人はまるで水と油ほど違う。わしは信長殿が好きだが…神仏を焼くことは出来ん。信長殿を尾張から引っ張り出しここまで動かしてきたのはそなたではないか。比叡山のことは心が痛むが、あれをやらねば世は変わらぬ。おぬしもそう思うておる。違うか。所詮信長殿とおぬしは根がひとつ。公方様とはあいいえぬ者たちだ。いつかかならず公方様と争う時が来る」 ←やっぱりこのお方は頭がいい。

信長の心は将軍義昭から帝へ
大和での和議が成立したあと信長は光秀に言う。
信長は将軍義昭のリクエストで松永を討つ戦に参加するつもりでいた。将軍に逆らえば都が乱れる。それは御所の帝を悩ますだろう。公方様の言う事はいちいち的外れ。相手にしておれぬ。それを思えば、帝のおおせになることは万事重く胸に届くお言葉。
御所に戦の報告に行って帝に褒められたと喜ぶ。帝は「大儀であった。頼みにしておると」 ←信長は褒めてくれる人に素直にくっつくのね。これが彼の性格の弱さなのだな。

帝は信長を利用している
「(信長は野蛮だが)信長のほかに誰が覚恕を比叡山から追い払う事ができただろう? 覚恕はこの都を我が物にせんとしたではないか」。戦の報告に来た信長は「褒めて欲しそうであった。褒めてやった。…まことを申せば無残な戦じゃ。」 ←帝は信長を利用している。さすがです。信長はわかりやすいんだろうな。面白い。

武田信玄 髭がすごいね

信玄登場
比叡山を逃れて覚恕が頼ったのは甲斐の武田信玄(石橋凌)「信長は仏法の火を消した鬼じゃ。憎き信長をこの信玄が討ち滅ぼしてごらんにいれます」すごい迫力。モリアガル~エンディング。