リマールがいなくなった…。
Kajagoogoo - Turn Your Back on Me (1984)
Released: Dec 31, 1983
℗ 2004 Parlophone Records Ltd, a Warner Music Group Company
またまたカジャグーグー。さて、最初のシングル「君はTOO SHY」が大ヒットして、彼らがすっかりアイドルバンドとして認知された後、バンドは他の方向を探し始める。どうやらボーカルのリマールさんがアイドルバンドでいきたかったのに対し、ほかのメンバーはもっと硬派なテクニック重視のバンドになりたかった模様。結局軟派なリマールさんは首になってしまった。(…と思っていたんだけど、どうやら金銭問題だったらしいと
日本のWikiには書いてある。)
そこで出されたのが、2ndアルバム「Islands」。この曲はそのアルバムからのシングル。ボーカルはBass
のニックさん。最初に聞いたときは、あまりにゴリゴリのファンク/フュージョンバンド風でびっくりした。
もともとリマールさんは後から入ったメンバーで、他のメンバーはもっと通受けのする硬派な音楽をやりたかったらしい。それなのに「君はTOO
SHY」でアイドルバンドとして売れてしまった皮肉。
当時の私は彼らを特にアイドルとして好きではなかったので、この変化はむしろ喜んだ。それにタンポポ頭の大男ニックさんのほうがいい男。Bassが上手い。「Islands」はなかなかいいアルバム。ずいぶんファンキーな音。女子中高生よりも男の子に受けそうな気もする。
ところがそれが問題だった。あまりに上手すぎて硬派になったせいで、若い女の子のファンが離れてしまった。もともと優しいルックスのリマールさんは欧米の女子小中高生にウケていたらしいのだ。アイドルバンドの2ndアルバムを期待していた女の子達には、このアルバムの音はウケなかったらしい。結局このアルバムは英国のチャートでも35位にどとまり、その後このバンドのこともいつの間にか聞かなくなってしまった。
なかなか音楽が売れる理由と言うのも難しい。私もこの曲が出た当時は2ndアルバムのほうがいいと思っていたけど、あらためて聞き直してみるとポップソングとしては1stアルバムの方がいいのかも。結局リマールさんの声に艶があってアルバム全体としても良質のポップスに聞こえてしまう。おそらく1stアルバムの「君はTOO SHY」や「ハングオンナウ」のほうが曲として記憶に残る。音楽は上手いだけではダメなんでしょう。
ところでこのバンドは結局1986年に解散したんだけど、2008年辺りからオリジナルメンバー5人で再結成をしたらしい。そりゃ目出度い。オフィシャルのサイトにいくと皆びっくりするほどおっさんだぞ。でも見たいな。