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La bohème
Opera by Giacomo Puccini
Language: Italian
Based on Henri Murger's “Scènes de la vie de bohème”
Approximately 2 hours and 35 minutes
Premiere: 1 February 1896, Teatro Regio, Turin
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Tom Moffatt Waikiki Shell
April 26, 2024, Friday, 7:00pm 久しぶりのオペラ。先週に続きまた観劇。コロナ後初めてオペラを見る。前回オペラを見たのは2020年2月14日のバレンタイン・デーだった。あれから4年。
この
HOT/Hawaii Opera Theaterはしばらく前から公演を再開していたのだけれど、私達は参加する勇気が出なかった。今回行こうと思い立ったのは、今回のショーはコンサート・ホールの室内ではなく野外のオープン・シアターだったから。野外なら大丈夫。演目は
『ラ・ボエーム』なら楽しいだろう。行きましょう行きましょう。ということで金曜日の公演に出かけることにした。
Tom Moffatt Waikiki Shellはワイキキのすぐ側にある野外ステージ。時々ポップスやロックのコンサートをやっている。私達がここに来るのは今回初めて。早めに出たので駐車も簡単。すぐに会場に入ることが出来た。
いつものように公演の前に解説のレクチャーを聞く。内容は事前に下調べもしたので準備万端。
席はステージを見渡せるいい席だった。Waikiki Shellの会場は意外に小さかった。ワイキキの空の下、客席が前の方に並んでいて、その後ろ半分は芝生のオープン・スペースになっている。今度ポップ・スターのショーがあったら、ビーチタオルを持ち込んで芝生の上でまったりとショーを楽しみたいと思った。
ところで普段はBlaisdell Center Concert Hallで行われるハワイのオペラ。なぜ今回は野外になったのか?…その理由はBlaisdell Center Concert Hallが現在改装中だからだ。実は工事は去年から始まっていて、去年から続く2023/2024のシーズンは(コンサートホールではない)様々な場所で公演が行われていたらしい。今回久しぶりにショーを見たので全く知らなかった。
この公演は2023/2024シーズンの最後の公演。今後の2024/2025シーズンのショーは(おそらく)ホールの改装工事の終わる来年になるだろうとのこと。(ハワイタイムで遅れているらしい)
★『ラ・ボエーム』自分用の簡単なあらすじ 第1幕:パリに暮らすボヘミアンの貧しいアーティスト達…詩人、画家、音楽家、哲学者。4人は屋根裏部屋に住み、生活は苦しいが日々なんとかやりくりしている。ある日皆で外出。部屋に1人残った詩人のルドルフォは訪ねてきた隣人のお針子・ミミと恋に落ちる。
第2幕:クリスマスのラテン・クオーター。ルドルフォは皆にミミを紹介。また画家マルチェッロは元カノのムゼッタとよりを戻す。
第3幕:新年。ミミが結核を患っている。ルドルフォはミミを愛しているが貧しく、ミミを救えないからとミミとの関係から身を引こうとする。マルチェッロもムゼッタと別れ話。
第4幕:屋根裏部屋。ムゼッタが瀕死のミミを連れて訪ねてくる。ミミはルドルフォの元で死にたいと言う。皆は薬を買いに出かけ、皆が帰ってきたところでミミは命を落とす。
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詩人ルドルフォ:
Yi Li隣人ミミ:
Emily Michiko Jensen画家マルチェッロ:
SeungHyeon Baek恋人ムゼッタ:
Nayoung Ban------------------------------------------------
さて今回の『ラ・ボエーム』は特別企画…
全アジア系のキャストでの公演。今現在、米国のオペラ界には才能に溢れたアジア系のオペラ歌手が沢山登場してきているそう。そこで今回の『ラ・ボエーム』は全アジア系のキャストで公演しようとの試みだったそうだ。
全員素晴らしかったです。素晴らしいシンガーの方々。作曲はプッチーニで曲のメロディーも美しく特にメインの4人のスターの方々の声が素晴らしかった。
詩人ルドルフォを演じたYi Liさん。中国出身のテナーのシンガー。このお方のテナーは美しい。本当に綺麗な声。私は普段はテナーにそれほど特別な思いを持ったことはないのだけれど、Yi Liさんのお声は美しかった。第1幕の最後でルドルフォが隣人ミミに出会ったシーンで彼が歌い終わったら、会場から「ブラボーッ!」と声が上がった。この地のオペラ・ファンも感嘆していた。素晴らしいシンガーに出会えて嬉しかった。
Yi Liさんは今期待されているオペラ・シンガーなのだそう。今までにも様々な賞を各地で受賞なさっている。これから大きくなるお方なのだろうと思う。
そこで考えた…中国からの才能に溢れた芸術家の方々。中国は巨大な国。人口も多い。その中国からやってくる才能に溢れた方々は、中国国内の沢山の人々の中、抜きん出た才能でトップに立った実力者。そのような中国のトップの方々は(実力の差がわかりやすい)世界の音楽のシーンでも一気に才能を認められるのかも。このお方の声を、彼がまだ若い今聴けたことはとてもラッキーだったのではないか。…などと思いながら楽しんだ。
それから
隣人の女の子ミミを演じたEmily Michiko Jensenさん。彼女は日系アメリカ人シンガー。このお方のソプラノはパワフル!声がまっすぐに聞こえてくる。何よりも印象深かったのは彼女の声量。とにかく大きな声。ものすごいパワー。もしかしたら病弱なミミさんを演じるのにはパワフル過ぎるのではないかと思うほど笑。音は正確で心地よいソプラノ。
画家のMARCELLOのSeungHyeon Baekさん。彼は韓国出身で現在米国を拠点とするバリトン・シンガー。豊かなバリトンがとても気持ちいい。私はいつもバリトンの声が好き。うっとり。
そして
マルチェロの恋人MUSETTAのNayoung Banさん。Banさんも韓国出身で現在米国を拠点とするソプラノ・シンガー。彼女のソプラノはふんわりと柔らかく伸びる感じ。同じソプラノでもミミのJensenさんとは印象が全く違うのが面白いなと思った。
お二人の声を聴きながら、韓国はオペラが盛んなのだろうかとも考えた。韓国出身のシンガーの方々は今までにもこの地で何人か拝見してきている。そして韓国にはオペラの大スターSumi Joさんがいらっしゃる。(私の勝手な思い込みではあるけれど)元々西洋の伝統的な文化であるオペラ界で、アジア系の方が成功するのは大変なことなのではないかと想像する。韓国からのシンガーの方々が世界のオペラ界で活躍していらっしゃるのを見るにつけ、韓国には才能に溢れ努力家で強い意志を持つ方々が多いのだろうと思った。
それから
PARPIGNOLのTaka Komagataさん。このお方は日本のお方です💕 彼は2021/2022のシーズンのこの地の公演『蝶々夫人』にも Goro役でご出演なさっていたとのこと。米国を拠点に様々な公演にご出演、それからリサイタルも多くなさっているそう。
今回のショーは沢山のアジア系の方々の豊かな才能に出会えて嬉しかったです。これからの皆さまのご活躍を楽しみにしてます💕
ストーリーはわかりやすくプログラムが早く進むように感じられた。あっという間に1幕と2幕が終わって休憩時間になった気がしたのはシンガー達の歌声がとても気持ちよかったからだろうと思う。
ステージはフラット。ステージの奥にオーケストラが見えている。前面に椅子や小物でシーンを作る演出。シンプルなステージ・セットではあったけれど、歌声は夜空に美しく響いた。ハワイの空の下、久しぶりにライブのオペラを鑑賞できて楽しかった。
それにしても今のハワイは寒い。当日は途中でパラパラと雨も降った。ワイキキの気温は23度(もっと寒いと思った)。風も吹いていた。爽やかと言ってもいい気温だけれど、私はウールのセーターを2枚着て丁度よかった。4月も終わりなのにまだ寒い。不思議ですね。
CONDUCTOR:
Dane LamDIRECTOR:
Kyle Lang-------------------------
RODOLFO:
Yi LiMIMI:
Emily Michiko JensenMARCELLO:
SeungHyeon BaekMUSETTA:
Nayoung BanSCHAUNARD:
Sejin ParkCOLLINE:
Robert Ellsworth FengBENOIT:
Chung-Wai SoongALCINDORO:
Chung-Wai SoongPARPIGNOL:
Taka Komagata-------------------------