2026年2月23日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2026) シーズン4, 第6話まとめ:Dear Henry



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『Industry』 (2026) TV Series-Season 4/英・米/カラー
/約50分・全8話/
制作:Mickey Down, Konrad Kay』
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ぅわあああ…なんか…すごいな…。密なドラマ。濃厚。まーあきれるほど深いドラマ。とにかくレイヤーにレイヤーを重ねて状況がますます重くなる。この第6話から急展開になりました。

エリック!…😭😭😭😭


ストーリーの展開も凄いが、キャラクターの人物設定がまた面白い。それにドラマ内での様々な文化的リファレンス、また近年の政治的事象へのリファレンスも多いのに驚く。制作・脚本の方々はどれだけ大量の情報を脚本に盛り込んでいるのか…恐ろしいほど。当然1回見ただけでは分からない。いやだいたいの流れは1回でも分かる。しかし台詞の意味をひとつひとつ調べていくと、ま~~~~すごいね。面白い。難しいから。

というわけでまたまた色々と調べたものを記録。とんでもなく長いです。



日本語での金融の専門用語をよく知らないので訳で使用する言葉がおかしいかもしれません。






★あらすじ/全てネタバレ注意





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まず大まかなあらすじ
今回は展開が多いので時間の流れに沿っての出来事をまずリストにし、後から内容を深堀りする。

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①ハーパーはヤスミンに、テンダーは詐欺師だと警告する。
②ヤスミンがヘンリーにその疑いを伝える。
③Tender社は調子がいい。米国への事業の展開の話も出ている。
④ホイットニーとTender社監査人ジェイコブ、ヘンリーでの夕食会。
 ヘンリーがホイットニーを疑い始める。
⑤ホイットニーがヘンリーをゲイクラブに連れていき彼の心配は有耶無耶になる。
⑥SternTao社ハーパーがALPHAコンファレンスでTender社に関する調査結果を発表。
⑦Tender社の株価が急降下…28%下落する。
⑧喜ぶSternTao社の社員達。
⑨Tender社 ホイットニーの部下ヘイリーの反撃
⑩寂しいホイットニーがハーパーに電話して身の上話
⑪ホイットニーとフェルディナンド…フェルディナンドの正体
⑫ホイットニーの正体とは
⑬ホイットニーがトニーの忠誠心を保つよう説得
⑭スイートピーとFinDigest誌編集長とトニーのミーティング
⑮エリックの受け取ったメール…ホイットニーによる脅し
⑯CNNによるホイットニーとエリックの討論+トニーの参加
⑰ヘイリーによるヤスミンへの打ち明け話
⑱エリックによるSternTao社でのパートナーシップ解消。
⑲ヘンリーがTender社監査人ジェイコブを解雇
⑳ホイットニーがヘンリーに手紙を渡す
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内容が濃い。ハーパーによるTender社の収支の疑惑発表でTender社の株価が落ちるのに並行して、Tender社の内部の危機が明らかにされる…ホイットニーの詐欺行為以外の上に、(ホイットニーが知らなかった)外部からの影響、ヘイリーの告白…等々。そのゴタゴタの上にホイットニーの嘘で固めた人生が少しずつ浮かび上がる。劇中で使われる音楽もそれぞれに意味がありそうだ(全てはチェックしていないが)。とにかく濃いドラマ。上のあらすじリストの番号に沿って内容を掘り下げる。



①ハーパーはヤスミンに、テンダーは詐欺師だと警告する
ハーパー(Myha'la)が(元友人+同僚)のヤスミン(Marisa Abela)にTender社の詐欺行為、ホイットニー(Max Minghella)が犯罪者だと警告する。


②ヤスミンがヘンリー(Kit Harington)にその疑いを伝える


③Tender社は調子がいい。米国への事業の展開の話も出ている
米国にも事業を展開しようとしている。米国の代表を交えてのミーティングには英国の議員も参加。話が大きくなっている。


④ホイットニーとTender社監査人ジェイコブ、ヘンリーでの夕食会。
監査人のジェイコブを招いて夕食会。ジェイコブが「米国に関しては米国専門の監査人を雇った方がいい」と告げるが、ホイットニーが米国の件もジェイコブにカバーして欲しいと頼む。
ヘンリーがホイットニーを疑い始めている
ヘンリーが監査の内容を訪ねるが、ジェイコブは「Tenderのような規模の企業のバランスシートに疑問符が付くのは、よくあることで不正行為によるものではない」と言う。
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● IFRS standards(International Financial Reporting Standards )
国際会計基準審議会(IASB)による国際的な会計基準。140以上の法域における財務諸表の透明性、説明責任、比較可能性を確保するために策定した、財務報告のためのスタンダードを設定し、国際的な投資家が企業を効率的に分析することを可能にする。
● GAAP standards(Generally Accepted Accounting Principles)
米国での財務諸表の作成と報告に使用されている規則、基準、手順の方法。会計基準コード化(ASC)を通じて主に財務会計基準審議会(FASB)によって管理されており、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務データが、あらゆる業界の投資家、債権者、規制当局にとって一貫性があり、透明性が高く、比較可能であることを保証している。
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⑤ホイットニーがヘンリーをゲイクラブに連れていき彼の疑念は有耶無耶になる。


⑥SternTao社ハーパーがALPHAコンファレンスでTender社に関する調査結果を発表。
ハーパー「Tender の収益の大部分は完全に架空のものである可能性。消費者からの預金獲得は、過去の財務不正をさらに複雑な会計の網の中に隠蔽しようとする試み。Tender社の遡及決算と、決済処理業者としての同社の中核事業を検証すべきだ。我々のDCF分析では、20億~30億ポンドの企業価値中核事業である合法事業に当てはめると仮定した場合、ベースの目標株価は1株あたり12ポンド。またアフリカとアジア太平洋全域での買収による価値はゼロ。私達は情報源に直接アクセスした。説明のつかない現金/負債、虚偽の第三者買収、収益を現実に合わせて調整した場合の維持できない評価、差し迫った規制と監査…を合わせれば(株価は)最大の下振れになるだろう。現在のレベルから 100% 下落する。衰退は急速に進むだろう」
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● DCF(Discounted cash flow) analysis
財務分析における割引キャッシュフロー (DCF) 分析は、金銭の時間的価値を組み込んで証券、プロジェクト、会社、または資産を評価するために使用される方法
● Enron fraud
かつてアメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに存在した総合エネルギー取引とITビジネスを行っていた企業。巨額の不正経理・不正取引による粉飾決算が明るみに出て、2001年12月に破綻。
● Valeant Pharmaceuticals fraud (now Bausch Health)
2014年から2016年にかけて、大幅な薬価引き上げ、専門薬局フィリドールとの非公開関係、不適切な収益認識など、広範囲にわたる不正行為を行ってた。米国で最大規模の12億ドルの証券集団訴訟の和解となった。
● Luckin Coffee fraud
2017年に設立された中国のコーヒーチェーンが、2019年の売上高を3億ドル(22億人民元)以上も捏造していたことが発覚。かつてスターバックスの有力なライバルと目されていた同社は、市場の期待に応えるため、複雑で捏造された関連当事者間の取引を利用して売上高とコストを水増ししていた。
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⑦Tender社の株価が急降下…28%下落する。焦るTender社。
Tender社の株価は28%下落する。焦るTender社が取締役会議
Tender社を救うために…既存の融資条件の再交渉、何らかのつなぎ融資、経費削減や人員削減、アフリカや他の地域での買収など、中核事業以外の資産の売却も行う。Basel IIIの流動性カバレッジと社のコア Tier 1 とTier 2ポジションの状況を再確認。また支払い延期、顧客データの販売…(顧客のデータ販売にフェルディナンドが強く反対する→後述㊟4
(これ以上価格がこれ以上下がった場合)PierPoint社は10億ドルの債券に償還条項を設けている(第4話の…COCO債でのPierPoint社からの貸付の回収)
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● Basel III
2007年から2009年にかけての金融危機を受けて、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が策定した包括的な国際銀行改革案。規制、監督、リスク管理の強化を目的としている。銀行の資本増強、レバレッジの削減、流動性の向上に重点を置いている。
● Tier 1
銀行の中核となる最高品質の規制資本。主に普通株と内部留保から構成される。
● Tier 2
補足資本。銀行が破綻した場合に損失を吸収し、預金者と上位債権者を保護する二次準備金として機能する。
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⑧喜ぶSternTao社の社員達
Tender社の株価の暴落で皆喜んでいる(エリックのNYメッツの例え笑)。現在28%も株価が下がっているが、今のところ儲けは3 millionだけ。理由は今までTender社の株の価格が上がっていたため…これから下がればもっと利益が出る。
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● PnL…The profit and loss (P&L)
損益計算書(P&L)は、特定の期間における収益、費用、そして純利益を示す。貸借対照表は、資産、負債、所有者資本を示すことで、事業価値を示す。
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⑨Tender社 ホイットニーの部下ヘイリーの反撃
ホイットニーの部下ヘイリー(Kiernan Shipka)がホイットニーに噛みつく。そこで明かされる事実… ヘイリーを始め、ホイットニーの前の部下「クローン病になった女」、それに若いDolly Hotel girlも皆同じエスコート・エージェンシーから雇われた売春婦だった。ヘイリーの最後の捨て台詞にワタクシは痺れました。


⑩寂しいホイットニーがハーパーに電話して身の上話
大学の時に「好きなクラシック音楽を聞かれて答えられなかった」スタンフォード大での思い出を語る。それからずっとホイットニーは嘘をつき続けているらしい。社会の上に上れば上るほど階級でジャッジされる英国に来たのは間違いだったと告白する。後述㊟2
寂しいホイットニーは元同僚のジョナ(Kal Penn)に電話する。もちろんジョナはホイットニーを恨んでいる。
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● Solomon Asch (1907–1996)
ポーランド系アメリカ人の社会心理学の先駆者。集団からの圧力がいかにして個人を自身の認識を捨て去り、誤った多数派の意見を受け入れるよう駆り立てるかを実証した。人の心理への社会的な影響、同調圧力、そして集団力学を理解する上で、今もなお礎となっている。
● Solomon Asch Milgram experiment
アッシュとスタンレー・ミルグラムによる心理に関する実験。1951年のアッシュの実験は同調性を実証し、個人がしばしば自身の正しい判断を無視して全員一致の集団に同調することを示した。
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⑪ホイットニーとフェルディナンドの会話…フェルディナンドの正体
フェルディナンド(Nico Rogner)が彼の身元を話し始める。彼はロシアの外国情報機関SVRとFSBの技術部門Cozy Bearに雇われた。彼は(Tender社が買収した)オーストリアの銀行IBN Bauer社の上部に食い込み、IBNの顧客基盤、名前、ネットワーク、支出習慣の全体像を把握した。情報はロシアに流れた。
ロシアの外国情報機関はTender社の経営権を握っていた。後述㊟3


⑫ホイットニーの正体とは?後述㊟2


⑬ホイットニーがトニーに忠誠心を保つよう説得
スイートピー(Miriam Petche)とFinDigest誌編集長エドワード・バージェス(David Wilmot)とトニー(Stephen Campbell Moore)のミーティングの前にホイットニーが現れて、トニーに忠誠を保つよう説得する。「私は今まで君を救ってやった。彼らは君の将来の世話はしてくれない」


⑭スイートピーとFinDigest誌編集長とトニーのミーティング


⑮エリックへのメール…ホイットニーによる脅し
エリック(Ken Leung)へ送られてきたメール…(前回)売春婦のドリーと一緒にいる自分が盗撮されたビデオと、2011年生まれ(15歳)と記載された彼女のパスポートの写真…を受け取る。未成年との関係は犯罪。


⑯CNNによるホイットニーとエリックの討論+トニーの参戦
エリックは自分がホイットニーと対決したいと告げてCNNに向かった。インタビューの前に彼は『孫子』兵法書からの言葉を囁く

「Do not press a desperate foe too hard. When you surround an army, leave an outlet free. What if the outlet I use is through? Through you.
必死の敵にあまり圧力をかけすぎないように。軍を包囲する際は、出口を空けておくように。もし私が使う出口が、お前を貫通していたらどうする?」

討論でのエリックの必死の攻防。彼は前日のメールでの脅しを受け自らが戦うと決めたらしい。
途中でトニー・デイによる映像でのサプライズ参加「アフリカでの収支への疑いは欧州による偏見だ。西洋メディアでは反アフリカ論争を隠蔽し親アフリカ的な弁明をするのをよく見かける」と訴える。そこにホイットニーが乗る「あなたは嘘を流して利益を得ようとしている」
エリックの反論「私はただ資産運用者なだけ。私自身には問題もある。しかしTender社の不正と私の問題は別。関係ない。二言…新たな監査を要求する。


⑰ヘイリーによるヤスミンへの打ち明け話 後述㊟5
ヘイリーはエスコート・エージェンシーからホイットニーに雇われた。彼の他のアシスタントたちも同じ。ホイットニーは彼女達を彼が近づきたい人々(金融関係、投資家など)に送り出し、関係を持たせ、その様子を盗撮する…その映像が後で取引に使われる。一度はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに飛んで銀行の取締役Al-Mi'raj とも関係を持った ⇒(Al-Mi'raj PierPoint社とTender社の繋がり)。
前回、エリックの買ったDollyもホイットニーに雇われていた。


⑱エリックによるSternTao社でのパートナーシップ解消
エリックが会社を辞めること告げる。ハーパーにその理由は言わない。会社を辞めるのは(Dollyの件での)トラブルを避けるため。エリックはまた退職時に自らの投資以外の…すべての権利、ボーナス、延払金、および株式持分を放棄するという。
エリックはハーパーに「以前は自分以外の誰かに誇りを感じることなどできなかった。君が私が間違っていたことを証明してくれて本当に嬉しい」と告げる。


⑲ヘンリーがTender社おかかえの監査人ジェイコブを解雇
CNNの討論のおかげでTender社の株価の下降は落ち着いた。PierPoint社からのCOCO債の資金回収も免れた。しかしヘンリーが独自に社の監査人ジェイコブを解雇。新しい監査人を雇ったと言う。


⑳ホイットニーがヘンリーに手紙を渡す
ホイットニーはヘンリーに手紙を渡して立ち去る。エレベーターでは日本の会社に電話をしてコードナンバーを告げている。
ホイットニーの手紙には…「共に強くあらねばならない。批判者たちを遅らせ、敵が私たちの目標に近づくのを困難にさせるつもりだ。人々は私を、私達を犯罪者として非難するだろう。特に君に対して。ヘンリー、私のバケツには穴が開いているんだ 後述㊟①


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★内容を深堀り


㊟1 ● Dear Henry, there's a hole in my bucket.
全篇に詩のように繰り返されるホイットニーの「Dear, Henry...」。それに続く「there's a hole in my bucket」のフレーズ。これは中部ヨーロッパの民謡「There's a Hole in My Bucket/バケツの穴」からのフレーズ。内容は…バケツに穴が開いているから直そうとするが、結局「バケツに穴があるから水が汲めない」と元に戻ってしまう。延々とループする内容となる。


㊟2 ● 寂しいホイットニー、嘘つきのホイットニーの正体
これがこの回の一番のサブプロット。彼がハーパーに電話をして打ち明け話をするところから彼の…嘘で塗り固めた人生が明らかになっていく。

ハーパーと話ながら彼がデスクから取り出したパスポートの名前は「Vytautas Andriulevičius」。これが彼の本当の名前とIDなのだろうか。

(彼の過去に関する私の想像)おそらく彼はリトアニア移民の子供。貧しい家庭で米国で育った。彼は優秀で(おそらくは奨学金で)スタンフォード大で学んだが、ある時「好きなクラシック音楽を聞かれて答えられなかった」事で恥をかいた。彼はプライドが高かったのだろう。それからずっとホイットニーは嘘をつき続けているらしい。

新天地を求めて英国に渡りジョナと会社を起こすが、社会で成功し上に上れば上るほど英国の階級社会のルールを思い知ることになる。

一方(彼と同じく下流育ちの)ハーパーは自らの育ちを隠してはいない。彼女はPierpointの入社時にも大学の経歴をごまかしていた。しかし彼女はその後実力で金融界で成功し成りあがった(それはエリックも同じ)。

ホイットニーはそんなハーパーにだけ心を開く(会社の敵なのに)。彼は生まれでジャッジされる英国に来たのは間違いだったと告白する。

そんなホイットニーがヘンリーをTender社に引き入れたのは、会社を大きくするにあたってヘンリーの貴族のタイトルが階級社会の英国で役に立つと思ったから。そして都合のいいことに、ヘンリーはイノセントで人を疑わないボンボンのお坊ちゃん。彼は貴族で自分を取り繕う必要が無い…常にいいかげんでのんびりしている。ヘンリーはTender社のことも十分に調べずにCEOだといい気になってTenderに取り込まれてしまった。

ホイットニーが歌うホイットニー・ヒューストンの
「I Wanna Dance with Somebody (Who Loves Me)」…ホイットニーの偽名の元はこれなのではないか。

そんな風にホイットニーは人生のすべてを嘘で塗り固めてきた。それを「Dear Henry, there's a hole in my bucket.」=「終わりがない嘘」だと独白している。㊟1

彼は(ジョナによると)お酒も飲まない、酔っぱらわない、女遊びもしない。嘘で固めた仮面を保つために彼は決して他人に隙を見せない。自分の嘘に追い詰められてギリギリの状態で生きているのではないか。この俳優Max Minghellaさんは、表情が硬くて…私は彼は大根かと思ったのけれど、この嘘をつき続ける複雑なキャラの「仮面」を演じていたことによるものなのだろう。

彼はこれからリトアニアのパスポートで国外脱出するのだろうか?


㊟3 ● ロシアが関わってきた
第3話でTender社が買収したオーストリアのIBN Bauer銀行。そのCFOのフェルディナンド/Ferdinand Schwarzwald…彼はロシアの外国情報機関SVRとFSBの技術部門Cozy Bearにスカウトされ、IBN Bauer銀行に送り込まれた。そこで銀行の顧客情報をロシアに流した過去がある。

彼はTenderへの関りで。Tender社及びAl-Mi'raj PierPoint社の顧客情報も手に入れようとしている。彼がTender社の株価が急降下したときに、(対策として)顧客情報を売るアイデアを強く拒否しているのはそのためだろう →㊟4

彼は以前からTender社に関り、ジョナを解雇し、銀行業務へと事業を転換するホイットニーの意志を支持、IBN Bauer銀行の買収にも協力。フェルディナンドは現在Tender社の取締役の一人。

SternTao社に…Tender社のアフリカにおける不正事業が公に暴露される中、トニーの内部告発を懸念し、ロシアは「メッセージから外れた」者の暗殺も厭わないと示唆する。


● ホイットニーが板挟み
嘘を重ねたホイットニーのアフリカでの詐欺事業。そのことをフェルディナンドはまだ知らないと思われる。ロシアが欲しがっているのはTender社とAl-Mi'raj PierPoint社の顧客情報らしいが、もしホイットニーのアフリカ事業での嘘がフェルディナンドに知られたら…Tender社に新しい監査がはいり、Tender社のアフリカでの買収事業に中身が無いこと、Tender社の資産そのものにも実体がないことをフェルディナンドが知ったらどうなるのか?恐ろしい結末が見える。


㊟5 ● ホイットニーの悪事・女性
ホイットニーが売春婦を雇って、金融関係、投資家などに送り出し盗撮をし…相手の弱みを握り…それを交渉/脅迫に使っていたこと…その中で、ホイットニーの雇った若い娘=エリックの買ったDollyが未成年だったことから、まるで今の米国で大きな問題になっているエ〇ス〇タ〇ン事件のようだと思った。


● エリックはどうなる?
おそらく彼がこのドラマ・シリーズに戻ってくることはないのだろうと思う。エリックは英国を去って米国のどこかの郊外に落ち着いてリタイアするのだろう。果たしてホイットニーが盗撮ビデオを警察に渡し、英国で犯罪者となった場合、それが米国の彼の逮捕に繋がるのか…?私にはわからない。
エリックは一番好きなキャラクターだったのに残念。ただ私が好きだったのはシーズン1のエリックだったと今なら言える。S1での彼は会社では成り上がりのボス猿的なセールスのトップで部下を怒鳴り散らしていたが(かっこよかった)、家庭では奥さんと友人のような関係、双子の娘さんには優しいお父さん…だった印象。シーズン2でのニューヨーク出張での浮気(許される範囲だろう)。そんな彼の印象が、シーズン3から変わってしまった。S3では離婚して独り者のミッドライフ・クライシス男。ヤスミンにみっともなくセクハラで迫り、S4では売春婦を買う。彼は女難で身を滅ぼした。
これでおとなしくリタイアか。~残念だな~。


● ハーパーが綺麗になった
余談だが、このシーズンのハーパーがすごく綺麗になっていた。表情も豊かだし、女の顔になった…どうしたのかと思ったら、なんと女優のMyha'laさんは去年ご結婚なさっていた。やっぱり女性は幸せでお顔が変わるんだなと思った。おめでとうございます。


● 最後にホイットニーの「Dear Henry...」
ホイットニーの「Dear Henry...」の独白で、彼の心の変化が伺える。それをまとめておこう。

Dear Henry1: You have to be the person who makes the other feel safe in the fullest expression of who they really are.
君は他人に安心感を与える存在でなければならない。彼等がありのままの状態でも。

Dear Henry2:What if I don't contain multitudes?s
もし私が多くの人格を抱えていないとしたらどう思う?(私が正直だったら?)

Dear Henry3:To he who has everything, more will be given. But whoever does not have, even what they do have, will be taken away.
全てを持つ者にはさらに与えられる。しかし持たない者は持っているものさえも取り上げられる。

Dear Henry4:I'm a pathological optimist. Dear Henry, we're too close now to lose faith. Dear Henry, we are hardwired to live.
私は病的な楽観主義者なんだ。ヘンリー、私たちはあまりにも近づきすぎたから離れられない。ヘンリー、私たちには生きることが組み込まれている。

Dear Henry5:How are we supposed to remain virtuous when the temptation is so great?
誘惑がとてつもなく大きい時、私たちはどうやって徳を保ち続けられるだろう?

Dear Henry6:Is it really any surprise we seek control when we are always at the mercy of forces much larger than ourselves?
私たちは常に自分よりもはるかに大きな力に翻弄されている時、コントロールを求めるのはそんなに不思議なことだろうか?

Dear Henry7Wealth is the greatest disguise from our truest, most probable states.
富とは、私達の一番真実に近く、可能性のある状態を、偽装するものだ。

Dear Henry8: (手紙)I think maybe the time for poetry and ornament has passed. Practically, it's very important that you understand everything.
詩やお飾りを話す時期は過ぎたと思う。現実に君が全てを理解することが大切だ…