能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2012年8月11日土曜日

オリンピック:陸上男子4X100mリレー 5位


オリンピックを毎晩見ているので文が書けない…。

ボルトすげー、アリシアちゃんかわいー、アメリカ短距離娘はすげー…と見入っております。日本が100mのリレーで5位というのもすごい。アメリカやジャマイカと競争して5位なんてすごいわっ。相変わらずアメリカのTVはちっともうつしてくれないけど…。アメリカの赤とジャマイカの黄色のユニフォームの間で、ちらちらとうつる白いユニフォームの日本男子君達を応援したわっ。さあ次はマラソンっ!




2012年8月8日水曜日

David Guetta ft. Chris Brown, Lil Wayne - I Can Only Imagine (2012)



御大David Guetta…



David Guetta ft. Chris Brown, Lil Wayne  - I Can Only Imagine (2012)

Album:  Nothing But the Beat
Released: Aug 24, 2011
℗ 2011 What A Music Ltd, Licence exclusive Parlophone Music France


私はDavid Guetta があまり好きではないと思う。いろいろと聴いてみたけど、タメばっかりで途中でコロコロ変わるペースがすごく踊りにくいし、メロディーも情緒的で単調、ウェット過ぎてお腹いっぱいになるからだと思う。ダンス風のアレンジをした歌謡曲。大昔のジョルジオ・モロダーみたいなもんですかね。すごく売れてるのにキャッチー過ぎて鼻につくタイプ。なんだかメロディーもアレンジも安易すぎる。リズムもあまりステキじゃないし、なんで売れているのかも分からない。こういう感覚的なものは言葉にするのが難しい。

Guettaさんの中途半端な前世紀風の金髪ロン毛もいかんと思う…うむ。

この曲は、敵を知らねばなるまいとDavid Guetta めぐりをしている時に見つけた。最初の印象は”Scatterbrain”。とっ散らかった印象。バラード調にHIP HOP、途中ではなんとQueenRadio GaGa風まで、まあーよくここまで違う曲をごちゃ混ぜに投げ込んだものだというもの。よくまとまってるとも思わないし、こういう売れ筋の曲調を集めて接着剤でくっつけたようなものが、いいわけがないと思っていた。

ところがついつい気になって何度か聴いてしまう。Youtubeの公式動画をお気に入りに入れたのが運のつき。何度も聴いてすっかりはまってしまった…。どうしてなのか分からない。Lil Wayneさんのガサガサしたラップにやられたかなと思う。あのラップのパートが好きで聴いてしまう感じ。あの部分だけで1曲作って欲しい。なんなんですかね…Guetta君に負けちまったのか…。

ところで、Guetta印ならなんでも売れるのかと思ったら、この曲はあまり売れなかったらしい。チャートでトップ5に入ったのはベルギーとポーランドと英国のダンスチャートだけ。アメリカなんてダンスチャートでも33位どまり。うーん何が売れて何が売れないのかも分からない。他の売れてる曲よりずっといいと思うけどな…。

PVもこれみよがしの近未来風。お金かけてます。やっぱり近未来風は流行ってるのかな…。


↑これを書いた後で、動画サイトでGuetta君のインタビューを見たら、なんだかすごくいい人っぽい。かなりチャーミングかも(笑)。



2012年8月7日火曜日

Perfumeはどこで売れているのか=西洋iTunes配信での動向を探る



以前のエントリー「Perfumeを海外へ」を書いてから早7ヶ月。あれからPerfumeの周りにはいろんなことがあった。エントリーを書いたのは去年の12月。それから3ヵ月後に突然のレコード会社の移籍。それに伴って新しい作品の海外での配信の開始。まずはアルバム『JPN』。それから春にはシングル『Spring of Life』も配信された。もうすぐ出る新曲『Spending All My Time』の配信も決まっている。


そもそもこのエントリーは西洋の市場を考えたものだったのだが、アジアの市場ではもっと大きな動きがあった。春にアジア向け現地バージョン『JPN』のCDの発売。今年の秋にはアジア各地でのライブハウスツアーも決まっている。古巣徳間ジャパンからは過去の作品をまとめたアルバムも発売される。もともと手ごたえの予想できたアジア市場とはいえこれは非常に嬉しい。



それでは西洋ではどうなのか。配信が始まった直後『JPN』がどこかのダンスチャートで8位までいったとか、そんな嬉しい噂も聞こえてきていた。『Spring of Life』が配信になった直後には、Perfumeの曲別の人気チャートで、『JPN』のどの曲も抜いて1番人気になったこともあった。やっぱりPerfumeにはそれなりのファンがついているらしい。


アジア人が西洋の市場で勝負をするのは、元々非常に難しいということは以前のエントリー「日本人はスーパースターになれるのか」で書いた。西洋では売れなくても当たり前。だからこそ、現地でのマーケティングなど一切やっていない極東のグループPerfumeが、一時的であれダンスチャートに食い込むことが出来たのは特筆に値するだろうと思う。


ではどこでどのように売れたのだろうか。世界に配信が始まってからほぼ5ヶ月。元々私はPerfumeはダンスミュージックの盛んなヨーロッパでいけるだろう。R & Bのアメリカではダメだろう…とかなり大雑把に予想していた。そこでPerfume曲のiTunesでの動向を探ってみようと思い各国のページを覗いて見ることにした。


各国のiTunesのページに行くと、それぞれの曲やアルバムを採点した客の人数が出ている(Customer Ratings)。これはアマゾンなどでの評価数と同じで、iTunesで曲を買った客の中からほんの一部の人たちがボタンを押してくれているのだろうと思う。売れれば大きな数だし、売れなければ少ない数だろう。国別のネットへの親しみ度などいろんなことが数に影響するだろうと思うが、それでもPerfumeの各国での売れ方を見るのに、ある程度の目安にはなるかもしれないと思った。そんな各国のPerfume作品に対する評価数は現時点で以下の通り。


                        JPN                      Spring of Life                   Rihanna

US                        337                        203                                  11186
France               39                          (0)                                    107
Australia              32                          (9)                                     854
Canada                 30                          13                                     761
UK                          29                         (14)                                 2814
Mexico                  21                         19                                     536
Brazil                     13                          (0)                                    172
Sweden                  8                           (0)                                    56
Spain                      7                           (0)                                    156
Germany                7                           (0)                                   1117
Italy                         5                           (0)                                   481

まず断っておきたいのは、この数字がかなり大雑把なおおよその目安であろうこと。曲を買ってもわざわざ評価のボタンを押してくれる人は少ない。評価数が少なくても実際にダウンロードされた数は何十倍と予想してもいいと思う(公式のダウンロード数は見つけられなかった)。

評価数が確認できたのは上記の国々。それ以外のオランダ、ニュージーランド、ベルギー、デンマーク、アイルランド、オーストリア、ポーランド、ポルトガルには十分な評価数が上がっていない(これらの国々にもファンがいることはYoutubeのコメント欄で確認済み)。上記のいくつかの国で『Spring of Life』の数字が( )内なのは、これらの国で現在この曲が既にiTunesストアから消えている事を示している(もう売られていない)。( )内の数字は発売後1ヶ月後あたりのものだったと思う。

結果は、なんとアメリカでぶっちぎりでダントツ1番人気なのだ。『JPN』が337人。次点はフランスだが桁が違う。なんとPerfumeはアメリカで売れているのだ。フランスが次点であることを見ても、やはりどうやらPerfumeJ-POP好きに売れているらしいと見た。アメリカでの人気はカリフォルニアを中心とした「不思議ニッポン文化好き」の若い子達によるものだろう(現地在住の日本人も多い)。フランスでの人気は言わずもがな。明らかにJapan Expo.にやってくるような「不思議ニッポン文化好き」のファンだろうと思う。これを見る限り、ダンス曲の盛んなヨーロッパで、特にクラブ系の音楽ファン(あちらの大学生はほとんどこれ)がPerfume買ってくれているようには見えない。なんと予想以上の「J-POP枠売れ」である。『JPN』のJ-POP寄りの内容を考えても、さもありなんということか。


市場での大きさを見るため、目安としてリアーナのアルバム『Talk That Talk』の数字を横に並べてみた。リアーナのようなスーパースタークラスと比べるとその規模の違いが分かると思う。それでも西洋で一切のマーケティングをやってないアジア人グループとしては素晴らしい結果だと思う。これから過去の作品が配信で西洋にも出されるのか、それに今後の度重なる新曲の配信で徐々にファン層を拡大していけるのか、結果が出るのはまだまだこれからだろうと思う。


Perfumeを海外へ」を書いてから半年間投げっぱなしにしていたが、海外展開も本格的に始まったことだし、一度途中経過を見てみるのもいいかと思った。いろんな意味で興味深い結果だと思う。


★ところで予約した『JPN Tour』のDVDが暫く前からうちに届いているのだけど、オリンピックで忙しくて見る暇が無い…。





2012年8月5日日曜日

Take That - It Only Takes A Minute (1992)



オリンピックだそうですよ…。ほんとかな。



Take That - It Only Takes A Minute (1992)

Album:  Take That and Party 
Released: 31 Dec 1992
℗ This Compilation (P) 2006 SONY

BMG MUSIC ENTERTAINMENT (UK) Limited
 
90年代初期に活躍した、英国のアイドルボーイバンド、Take That。すごくルックスのいい男の子達が集まって、全員が歌えて踊れるという売れるための要素を寄せ集めたようなグループ。私が1995年末にロンドンに移住した後、直ぐに解散してしまったのでその全盛期は見なかったのだけど、解散に伴って出されたベスト盤が売れに売れて、よく友人との会話にも彼らのことが出てきた。この曲が良かったので、つい私もベスト盤を買ってしまった。

当時は単に若い男の子達だと思っていたけれど、実はなんと同世代じゃないの…なんだ…もっと騒げばよかった。その後解散した後は、事前に脱退したRobbie Williams以外の全員が「あの人は今…」状態で消えてしまっていたのだけど、なんと近年再結成をしたのだそうだ。

ついオフィシャルのサイトを覗いてみたら、ここのところヨーロッパツアー中だったたらしくなんとこのツアー去年2011のものでした。オフィシャルのサイトに今も出てるのに。大変申し訳ない)、イギリス国内のスタジアムはもとよりヨーロッパ中で全ての公演がことごとくSold Out。何よりも驚いたのは、あのウェンブリー・スタジアムを連続8日間Sold Outにしたこと。今はもう公演も終わっているのだけど、事前の前売り情報で全て売り切れと知って驚愕した。すげー!!! ウェンブリー・スタジアムって、キャパ9万人ですぜ。8日間連続売り切れだって。どうなってるんだ…。おばちゃん達のお祭りだな…私も参加したかった…。

そんなわけでネットをうろうろしていたら、なんと今回のオリンピックの閉会式にも出場するとの噂(サプライズ演出のため公式ではないらしい)。そりゃーウェンブリー・スタジアム8日間Sold Outですもの。今英国で一番の人気なんでしょう。出世したんだなー…よかったね。これは閉会式が楽しみになってきた。今は全員アラフォーのオヤジグループというのも見所。久しぶりに動いてるのが見れるのが超嬉しい…って本当に出てくれるんだろうか…。

このPVは皆20代半ばでピチピチと活きがいい。彼らの曲は甘いバラード曲が多いのでダンス曲としてはこれが一番。



2012年8月4日土曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第30回「平家納経」


もう無理かなぁ…。

今までいろいろと書いてきたけれど、先週の滋子の巻き毛、それから今週、崇徳上皇がマリリン・マンソンに変わったのを見て何かが落ちた。

制作のスタッフの方々がノリノリなのは分かる。初回から熱意はいろんなことから伝わってきたけど結局若い人向けのセンスなんだろうなぁ。私のような年寄りには全て空回り。熱意が面白味として見れる間はなんとかなったけど、不快になってきたらもう無理。

あとは頼朝君の検討を祈る。




2012年8月3日金曜日

EDX feat. Hadley – Everything (2012)



またいい曲みつけた。


EDX feat. Hadley - Everything (Official Music Video)

Everything
Released: Jul 14, 2012
℗ 2012 Sirup Music GmbH
最後に広告が入ります)

またまたArmada頼り。Armada Music レーベル界隈でYoutubeを探るといろいろ出てくる。トランスなんてジャンルを最近知ったぐらいで目から鱗なんだけど理屈抜きで気持ちいい曲が多い。なんだか、80年代の洋楽っぽいっていうか…雰囲気も柔らかめで普通にポップソングとして聴ける。たしかこういうの、ユーロ圏に前からあった。あまり注意を払わなかったけどロンドンで10年ぐらい前にも「Ibiza Chill Out…云々」などのコンピレーションアルバムが出てたのを覚えてる。このレーベルが売れているのかどうかも知らないけど、いろんな人がいますね。

まずこのけだるい女性ボーカルのHadley Pooleさんは、ニューヨーク出身のアメリカ人。フランスの女優さんみたいだと思ったらアメリカ人だそうだ。でも活躍してるのはロシアも含めた欧州圏らしい。 (このビデオはアメリカのラスベガスのクラブMarqueeらしいので、アメリカでも人気なのかも…)
プロデュースをしたDJEDXさん=本名Maurizio Colellaさんは、イタリア人でスイスが拠点。ビデオの中のDJがたぶん彼。おっさんぽい。それ以外の情報はあまり見つからなかった。

ビデオは頭でっかちのバレーボーイ君(?)が仕事をしながら悶々とクラブで遊ぶ事を考えるストーリー。頭が大きくて車に入らないの(笑)。晴れて開放されると弾けてます。なんだかよく解らんけど、すごくカワイイ。
 

EDX feat. Amba Shepherd - Off The Grid (2019)
EDX - Who Cares (2019)
Charlie Puth - How Long (2017) +EDX's Dubai Skyline Remix
EDX - Blessed (Original Club Mix)(2013)
 

2012年8月2日木曜日

映画『最強のふたり/The Intouchables』:人間の尊厳



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Intouchables2011年)/仏/カラー
112分/監督;Olivier Nakache, Eric Toledano
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いい映画です。


話は、首から下が事故で全身麻痺になったパリの大富豪と、その介護人として雇われたアフリカ系移民の青年が徐々に友情を育むというもの。実に楽しい映画。始終笑いが止まらない。実話を元にしたストーリーだそうだ。


ネタバレ注意


上流階級、白人、社会での成功者のフィリップ。もともとはスポーツを楽しむ活発な中年の紳士。自家用ジェット機を持つような桁外れの大富豪。そんな彼は、体の自由を失った後も全てを思い通りに動かすことが出来る。周りが動いてくれるのだ。だがそんな彼に、生きる喜びを思い出させてくれる取り巻きはいない。自分の身体が自由にならない現実を常に感じるような堅苦しい生活が楽しいわけはない。


一方、フィリップの思いつきで雇われることになったアフリカ系移民の青年ドリス。一見カリスマと自信に溢れるドリスの過去にあるのは、貧しい家庭と犯罪歴。持ち前の頭の良さで生き抜いてきたが、世間からは常に見下げられる存在だ。生まれや階級で人生の全てが決まってしまうヨーロッパの国で、彼のような人物が世間で尊敬を得ることは少ない。


人種の違い。階級の違い。持つ者と持たぬ者。そんな二人がいかにして心を通わせるのか。答えは人の尊厳にあった。


ストリートの青年ドリスが身体の不自由なフィリップにもたらしたのは、人としての誇りと真の友情、そして生きる喜び。夜中にフィリップが緊張による身体の痛みを訴えれば、朝の4時でも車椅子を押して外に連れ出し、新鮮な空気とマリワナを吸わせる。かっこわるい荷台の車を見ると「馬じゃあるまいし」と、超高級スポーツカーにフィリップを抱えて乗り込み、大喜びでドライブに出かける。フィリップが文通をしている女性と一度も話した事が無いと言えば、さっさと携帯から女性に連絡してしまう。そんな型破りで豪快な青年ドリスに、フィリップは大笑いをしながらもう一度生きる喜びを取り戻す。


後日フィリップの友人は彼を諫める「あのアフリカ人の青年には犯罪歴がある。ああいう人物とは係わり合いにならないほうがいい。」そんな友人にフィリップは答える「私に必要なのはドリスの強い力だ。憐れみはいらない。対等で正直で力強く頼りになる彼に何の問題がある。」


大富豪フィリップが何も持たぬストリートの青年ドリスにもたらしたのは信頼と友情、それに人としての誇り。全ての富を持ちながら身体の自由をを失ったフィリップは、ドリスに最初から大きな心で接する。街の反対側からやってきたこの青年は、おそらく社会の中で今までそんな風に扱われたことが無かったのだろうと思う。物を盗んだのに一切咎められない。フィリップが言外にドリスに伝えるのは「君を信頼している。」そんなフィリップとの関係が、荒れた生活を送っていたドリスの心に光をともす。人生を真っ当に生きるための人としての誇りを思い出させる。いつしか二人は本当の友人として信頼しあうようになる。


ここまで真摯に人間の尊厳を真正面から扱った映画もなかなか無いだろうと思う。よく出来たフランス映画にはいつもいろいろと考えさせられる。さすが哲学の国だなと思う。お仕着せの綺麗な話ばかりではない。日本では考えられないほど厳しい階級社会の中で、大富豪と前科有りの青年の友情など普通は考えられない。両極端の違う世界から来た二人、共にいろんなものを無くしたからこそ、二人を結びつけたのは人が生きるために必要な人としての尊厳だった。


ドリスが真夜中に起きて、苦しむフィリップの額に手を置き、自らの決断で彼を外に連れ出す場面は非常に美しい。今までいろんな経験をしてきた彼だからこそ、患者にとって何が必要なのかを咄嗟に理解し行動することが出来たのだろうと思う。まるで彼の心に光がともったかのよう。そこから二人は急速に親しくなる。完全に信頼しあった二人の顔には常に笑顔が絶えない。私達もいつまでも彼らと一緒になって笑ってしまう。

余談だが、アメリカの(主に白人の)批評家の中には、この映画の中のドリスのキャラクターが余りにも人種的なステレオタイプに描かれ過ぎているとしてこの映画を気に入らない人たちがいる。そんな映画を褒めることは、人種問題の観点から無神経であると思っているらしい。しかしそれは大変間違っていると思う。

確かにドリスは、教育も教養も無い。本人もそれを気にするどころか全く意に介さない。だけどいったい誰がこのドリスに魅力を感じないと言うのだろう。ドリスの最大の魅力が、教育や知識などろもろの飾りを取り払ってもなお輝く彼の素晴らしい人柄と、どんな状況でも真実を見極める彼の知性にあることが分からないのだろうかと思う。人種的なステレオタイプを超えてなお輝くドリスの美徳。フィリップがそんなドリスを直ぐに理解したのも、彼が身体の自由を失ったために、人生で何が一番大切なのかが見えるようになったからではないのか。

私が今までに見た映画の中でも、ドリスほど魅力的な人物はめったにいない。教養が無くても、生まれが貧しくても、彼が自分を卑下することは決して無い。なぜなら彼には、人にとって何が大切なのかが誰よりもよく見えているからだ。これほどまでに誇り高く、のびのびと自由で自信に溢れる魅力的なキャラクターを、単に人種のステレオタイプと揶揄する批評家達には、きっとこの映画の本質が見えていないのだろうと思う。


非常に美しい話です。そして始終笑いが止まらないほど可笑しい心温まる話。二人の役者が素晴らしい。異なる人種間や階級間での問題を普段から抱える国だからこそ描ける話。余計な飾りや付属品を全て取り払った人と人との真摯な友情はこんなにも美しい。人の尊厳について、人が生きる意味について深く考えさせられる映画。素晴らしいです。