能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2021年7月4日日曜日

Girls' Generation - The Boys (2011)



大人な少女時代



Girls' Generation - The Boys (2011) English Version
KOR Ver.
Late Show with David Letterman 出演Live
Album: The Boys
Girls' Generation
Released: January 1, 2011 (or January 17, 2012, US)
℗2009 S.M. Entertainment



少女時代をもう1曲。これもいい曲。この曲が出た時のことは覚えてます。
(米国のApple Musicではアルバムのリリースが2011年1月1日になっているけれど間違いかな。Wikipediaによると米国でのリリースは2012年1月17日だそうだ)

この曲の入ったアルバムが、彼女達の米国での初めての正式なCDのリリースだったのかな。それで話題になったと思う。ほぼ10年前だから今とは状況も違ってましたね。そしてこのタイトル曲は、グラミー賞受賞の米有名プロデューサーTeddy Riley氏が担当したことでも話題になっていたと思う

その後、米国の深夜のトーク・ショー『Late Show with David Letterman』にも出演。そのことはこのブログでも興奮気味に書いた。
この番組は見なかったのかなぁ。YouTubeを見たと書いてますね。あ、あの背の高い女の子はスヨンさんというのか。この番組出演時には曲のアレンジを変えてます。


久しぶりに聴いたけどやっぱりいい曲。サビで全員が腕を前に出して「Girls' Generation make you feel the heat...」と歌いながら前に出てくるところは鳥肌が立つ。いいと思うぞ。みんな綺麗でかっこいいです。なんとゴージャスで華やかな女の子達だろう。歌もダンスも皆上手い。

ところで個人的な印象だけれど、このグループは人数が多いところが強さでもあり弱さでもあるのかもしれません。(バックダンサーではない)これだけの数の女の子達が並んでそれぞれ歌って踊るのはかなりの迫力ですごいと思う。しかし同時に人数が多いことは個人個人が見えなくなってしまうというのもありますね。私も顔をはっきりと覚えられたのは4人5人ぐらいかも。それぞれが才能のある方々だろうから、ちょっともったいない気もする。

早い時期に米国に進出したり、大人数で巧みなフォーメーションのダンスを見せてくれたり、少女時代はK-Popのガールズ・グループとして色々な可能性を見せてくれたグループだったのだろうと思います。


2021年7月3日土曜日

Girls' Generation – Genie (2009)



これがK-Popを知るきっかけ



Girls' Generation – Genie (2009)
脚 脚 脚 すごいね 綺麗
Genie – EP
Girls' Generation
June 29, 2009
℗2009 SM Entertainment


これですね。これが最初。この曲が私にとっての最初のK-Pop。
このグループは…何のきっかけで知ったのだろう? 

2010年頃から日本のPerfumeのファンになって彼女達の情報を追っていたのだけれど、その辺りでK-Popのことも初めて知ることになったのだろうと思う。たぶん。もしかしたらPerfumeが司会をしていた音楽番組に少女時代/Girls' Generation/SNSDが出てきてそれで知ったのかもしれない。

「日本にはPerfumeやAKBやももクロがいて、韓国には少女時代というグループがいる…」そういう感じで初めてK-Popというものを認識したのではないかと思う。

このMVを初めて見たときには衝撃を受けましたよ。

ま~なんて綺麗な女の子達だろう


脚・脚・脚・脚…すごいね。お見事。内田有紀さんに似てる髪の短い背の高い女の子が特に脚が長い長い…笑顔がかわいいね。みんなそれぞれ綺麗だわ。みんなスタイルがいいのね。それにカメラが下から撮ってるのも…脚を強調していて上手いなと思う。


「これはやられたな…」と正直思った。これはかなわない。本当にすごいわ…と思った。大人数でま~よく粒も揃えたものだ。エンタメとしての質が高い。日本の隣の国ではなんだかK-Popというすごいものがあるのだね…と初めて知ったという感じでした。驚きでした。

今見てもやっぱり綺麗。華やか。美しい。それに楽しい。かわいいというよりも綺麗なお姉さん達なのね。この脚を揃えてぽんぽん蹴り上げる仕草に「ほぉ~~~っ」と驚いた。すごいねぇ。目の保養。

曲もいい。サビのコーラスに入ってからのメロディがドラマチックでちょっと切なくて素晴らしい。このサビの辺りを聴くと今でもふわ~っと鳥肌が立つ。ところでこの曲は日本語ver.もあるのだけれど韓国語ver.の方がいい。言葉がわからないほうが音楽として気持ちよく聴ける。

というわけで当時2011年ぐらいかな…この曲は好きでした。



Brown Eyed Girls – Abracadabra (2009)



アジアの女の子も強いね



Brown Eyed Girls – Abracadabra (2009)
Album: Sound G.
Released: July 21, 2009
℗ 2009 뮤직앤뉴(K&C)


Mabelちゃんが「Let Them Know」で強い女を演じていましたが、あのMVを見ていて頭に浮かんだ曲。

先日見つけたK-popのグループTOMORROW X TOGETHERを気に入って…「あ~そういえばK-popって今まで取り上げたことなかったなぁ。いい曲もあったよなぁ」などと思い、いい機会なので記録しておこうと思った。K-popって時々すごくいい曲があるのですよ。あまり数は聴いていないのだけれど、今まですごく好きだった/今も好きな曲をいくつかシリーズで記録します。


このBrown Eyed Girls「Abracadabra」は、ファッション関係の映像を動画サイトで見ていたらバックに流れていて初めて知った曲。たぶん2012年頃。まず曲に惚れて…調べたらK-popだと知ってびっくり。当時はK-popをほとんど知らなかった。

そしてこの映像も…女の子達がかなり強面。日本のアイドルは過去も昔も常に「かわいい」女の子のイメージが多いので、このグループのような強いアジアの女の子のイメージはとても新鮮。全く笑わない強面の女の子達を見て圧倒された。そういえばK-popでは2NE1も強い女性のイメージでしたね。

そしてこの振り付けもまた素晴らしい。冒頭の影絵風の見せ方から、無表情で腰を左右に振る様子も得体が知れない…ちょっと怖くてすごい迫力。 そして2:30過ぎのラップが終わってからの振り…5人の女の子がウネウネ絡んで真ん中の女の子の胸を後ろから撫で上げ撫でおろし、その後床に寝転んでお尻を上げてから上半身を起こして全員がセーターを脱いでまた寝転ぶ振りを見て「ほぉ~これはすごいわ」と驚いた。2009年はずいぶん昔ですからね。K-popってこんなにセクシーな振りをやるんだねと単純に驚いた。今見てもやっぱりすごいと思う。

楽曲もいい音、いい曲。K-popは色んなタイプの曲があるみたいなのですけど、この曲は80年代の英国のシンセポップにも聴こえる。浮かんだのはRe Flexの「The Politics Of Dancing」。あの雰囲気を2010年頃のもっと攻撃的な音に新しくアレンジした感じ。いい。この曲は本当に好き。大きな音で聴くととても気持ちいい。




2021年7月1日木曜日

お猫様H:光の中で



黒猫は夏の強い光の中でよく撮れますよ。



もう7月だな。


2021年6月30日水曜日

Mabel - Let Them Know (2021)



元気がいいねメイベルちゃん



Mabel - Let Them Know (2021)
Let Them Know – Single
Mabel
Released: June 18, 2021
A Polydor Records Release; ℗ 2021 Mabel McVey,
under exclusive licence to Universal Operations Limited



彼女はコンスタントにいい曲を出しますねぇ。今英国でチャートを上ってきてるのかな。そろそろ夏になってダンスチャートにもいい曲が上がってきてます。ダンスは夏の方がいい曲がよく出ますね。

メイベルちゃんは可愛い。彼女は色々と特別なのですよね。歌詞のリズムが上手い。そして歌う言葉の響きとリズムもかっこいい。ちょっとエスニックな響き。そしてくねくねとしたダンスも独特。手の動きもくねくねしてる。彼女は両親共に音楽業界の方々でサラブレッドなのですが、やっぱり特別なのだろうな。


さて歌詞に繰り返し「bitch/ビッチ」と出てきますが、日本ではいつからか「ビッチ」とは「性的に奔放な女性/男遊びしていそうな雰囲気の女性/あばずれ」の意味で使われていることが多いみたいなのですけど、英語圏ではそんな意味は無いと思う。「bitch」の日本語の直訳が「牝犬」のせいかと思うのですが、とりあえず英語の意味では性的なニュアンスは無いと思う。

英語で使われる「bitch」はむしろ「気の強い女性/意地悪な女/きつい女/いけずな女/嫌な女/激しい女性」の意味が多い。あくまでもスラングで普段の会話で使うことは無いし、もし使うなら「あの嫌な女」とか女性をこき下ろす使い方。結構汚い言葉。

しかしそこから転じて最近では「強い、イケテル、悪い、かっこいい女」の意味もあるのではないかな。どうかな。この歌詞もそんな感じですよね。最近ではよくゲイのお姉さん達が友人同士で「ビィーッチ」などと呼びあっているので、使い方によってはそれほど悪い意味でもなさそう。

この歌詞のキメ言葉「Cos baby you’re that bitch 」も「どうよ あなた(私)はあのイケテル女、強い女よ、どうだまいったか!」のような意味だと思う。

いや…もちろん英語で「bitch」は使わない方がいい言葉です。女同士で「bitch/牝犬」と罵り合ったら喧嘩になりますね。そうしたら「catfight/猫の喧嘩」になるわな。英語おもしろい。


というわけでまた趣味の訳。
● You can call me Khaleesi…のKhaleesiとは英米ドラマ『A Game of Thrones』の中の「女王様」
● I stay up on my queen shit って意味がわからない笑笑笑。旦那Aに聞いたらこのqueen shitとは女王様を飾る色んなモノだそうだ笑。前述の6インチのヒールの靴とかロレックスとかロールスロイスとかピンクのネイルとか…ですかね。そうだshitってモノっていう意味もありました笑笑笑笑 ←もちろんスラングです。良い子は使わないように。


Let Them Know
Mabel
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Yo
(Ha)
(Baby you're that)

ネイルはクリスマスみたいに輝いて
ヒールは6インチ
ウェストはキュッと締め ティエリー・ミュグレーもぴったり
私あなたのモノにはならないわ 手が届かないでしょ
私には新しい男がいるの
彼はやり手だし
彼の名前はあなたには関係ないわ
Oh, oh, oh

ポスターのピンナップガール
私 ドジャ・キャットみたいって言いなさいよ
氷のように冷たく それとも奥さん向き
身体はコカコーラのボトルのよう
私には新しい男がいる
彼はやり手だし
彼の名前はあなたには関係ないわね
Oh, oh, oh

みんなに知らせよう ベイビー 教えてあげるわ
だって彼らは喋り続けるでしょ
でも私は ここに立って堂々とポーズ
彼らに知らせよう ほらいいわよ スイッチを入れて
いいえ 彼らには打ちのめされない
だってベイビー あなた(私)はあのビッチじゃないの

唇はピーチのピンク
お金はビーチのように長く続くし
ロールス・ロイスはキーッと音をたて
ロレックスはキラキラ
ブロンド・ヘア そうよ ブリーチしたわ
女王様 と呼んでもいいわよ
私は女王様の高みの上に立って
ここから見るヘイター達は ちっちゃいちっちゃい

みんなに知らせよう ベイビー 教えてあげるわ
だって彼らは喋り続けるでしょ
でも私はここに堂々と立ってポーズ
彼らに知らせよう ほらいいわよ スイッチを入れて
いいえ 彼らには打ちのめされない
だってベイビー あなた(私)はあの強い女じゃないの

ベイビー あなたはあのビッチ ベイビー あの
あなたはあのビッチ ベイビー あのビッチ
あなたはあのビッチ ベイビー あのビッチ
ベイビー あの

あなたはあのビッチじゃないの

ガールズはベースラインを感じてる
ポニーテイルはウエストまで届いて
髪を後ろに払って ベイビー ゆっくり
お金は全て 自分で稼ぐ

みんなに知らせよう ベイビー 教えてあげるわ
だって彼らは喋り続けるでしょ
でも私はここに堂々と立ってポーズ
彼らに知らせよう ほらいいわよ スイッチを入れて
いいえ 彼らには打ちのめされない
だってベイビー あなた(私)はあの強い女じゃないの

みんなに知らせよう ベイビー 知らせよう
だって彼らは喋り続けるでしょ
でも私はここに堂々と立ってポーズ
彼らに知らせよう ほらいいわよ スイッチを入れて
いいえ 彼らには打ちのめされない
だってベイビー あなた(私)はあの強い女じゃないの

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Source: LyricFind
Songwriters: Mabel McVey / Rachel Keen / Uzoechi Emenike / Samuel George Lewis
Let Them Know lyrics © Warner Chappell Music, Inc






2021年6月28日月曜日

Shift K3Y, Tinashe - Love Line (2021)



いい曲です



Shift K3Y, Tinashe - Love Line (2021)
Love Line – Single
Shift K3Y & Tinashe
Released: April 23, 2021
A Positiva / EMI release; ℗ 2021 Shift K3Y, under exclusive license to
Universal Music Operations Limited

Extended Mix




これはなかなか良いトランス。メロディもキャッチー。アレンジもいい。夏の音。このポンポン跳ねるような音を聴くと「夏だな」と思う。

そうだ、もう夏なのね。早いな。時間がどんどん過ぎる。


ボーカルのTinasheさんは1993年生まれ。28歳。米国ロサンゼルスのシンガーソングライター、ダンサー、レコード・プロデューサー、女優。子役で子供の頃から芸能界にいて映画にも出ていたらしいです。2014年からはR & B界隈で歌もそこそこ売れているらしい。私は知らなかったのですけど有名な方なのかな?それにしてもルックスがいいですねぇ。ディズニーのエキゾティックなプリンセスみたい…アニメがそのまま生身の人になったような。セクシーで綺麗。歌えばいい声。

ところで、この曲はメロディのしっかりしたヨーロッパのトランス風ですが、彼女の曲は普段は米国のメロディの無いR&Bの曲が多いみたいです。それにしても米国でよく売れてるメロディの無いR&Bの曲は全然良くないと思うぞ。リズムだけでメロディがないのはダメだ。心が動かない。念仏ラップばかりも嫌いだ(ものによる)。だから私は欧州の踊れる音楽がいいのですよ。


話は変わるけれど…私が子供の頃、1970年、80年頃までの美人といえば白人ばかりだったのですよ。日本のファッション雑誌も白人モデルばかりだったし、海外ブランドの化粧品の広告も白人ばかり。1990年頃のスーパーモデルもナオミ・キャンベルやイマン他数名以外、骨格のしっかりした白人が多かった。特にドイツ系。しかしあれから30年も過ぎて…、どうも美人の定義も変わりつつあるように感じる。個人的に今はミックス…特にアフリカ系の影響のあるエキゾティックなルックスの人が綺麗だと感じる。そしてアジア系の柔らかな魅力も…私の個人的な気分による好みの変化なのだろうけれど、今は純白人のルックスにあまり魅力を感じなくなってしまった。これも時代の変化なのかもしれません。


Shift K3Y
本名Lewis Shay Jankelさん。1993年生まれの英国ロンドンのDJ、 record producer、 singer and songwriter。ダンス系の様々なジャンルをこなすお方。作曲やコラボ、リミックスで活躍中。


This is not no love lineの「love line」を恋の電話線と訳したら昭和の響きだ笑。しかしどうやって訳すればいいか他に思いつかなかった。ラインと訳すると日本では意味が変わりますもんね。

この歌はリズムもメロディもよく跳ねて、歌うのがとても難しいです。


★英語の歌詞は
「Shift K3Y, Tinashe - Love Line  Lyrics」で検索すれば出てきます

Love Line
Shift K3Y and TINASHE
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これは恋の電話線じゃない
真夜中には電話を取らないし
もうあなたのためには時間を使わない
いくつかはっきりさせましょう
Na-na-na, na-na-na, 嘘じゃない
もうあなたなんかいらない
以前は一晩中あなたを待っていたけど
もうあなたのことは気にしない

話をさせて
ボーイとガールの話
ガールはボーイを愛していて
でもボーイはどうでもよくて、彼は午前1時にだけ電話をかけてくる


彼女は理由を考えた
どうして長い間待ってるんだろう
ネイルもヘアも整えて
いつまでも帰ってこないボーイのためにやったことの全て

彼女はもう待たない もう待たない
もうあなたのことは待たない
Ah, ah
電話もとらないし、もう気にしない
もうあなたには応えない

これは恋の電話線じゃない
真夜中には電話を取らないし
もうあなたのために時間を使わない
いくつかはっきりさせましょう
Na-na-na, na-na-na,  嘘じゃない
もうあなたなんかいらない
以前は一晩中あなたを待っていたけど
もうあなたのことは気にしない

Na-na-na, na-na-na, ooh yeah
Na-na-na, na-na-na, ooh
No love line
Na-na-na, na-na-na, ooh yeah
Na-na-na, na-na-na, ooh
No love line, no love


話をさせて
ボーイは夢を売る
そしてガールはそれが本当か嘘か決められない
だってボーイは本当のことを言わなかったから

彼女は理由を考えた
どうして長い間待ってるんだろう
ネイルもヘアも整えて
ボーイの導くままに彼女がやったことの全て

彼女はもう待たない もう待たない
もうあなたのことは待たない
Ah, ah
電話もとらないし、もう気にしない
もうあなたには応えない

これは恋の電話線じゃない
真夜中には電話を取らないし
もうあなたのために時間を使わない
いくつかはっきりさせましょう
Na-na-na, na-na-na,  嘘じゃない
もうあなたなんかいらない
以前は一晩中あなたを待っていたけど
もうあなたのことは気にしない

Na-na-na, na-na-na, ooh yeah
Na-na-na, na-na-na, ooh
No love line
Na-na-na, na-na-na, ooh yeah
Na-na-na, na-na-na, ooh
No love line, no love

Ooh
Na-na-na, na-na-na
No love, no love
(No love line)
Ooh
Na-na-na, na-na-na
No love, no love
(No love line)


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Source: LyricFind
Songwriters: Lewis Jankel / Tinashe Kachingwe / Rachel Keen / Janee Bennett
Love Line lyrics © Warner Chappell Music, Inc, Universal Music Publishing Group




2021年6月21日月曜日

英ドラマ BBC/HBO『インダストリー/Industry』(2020) シーズン1:新卒の性生活で隙間を埋める







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『Industry』 (2020) TV Series-Season1/英・米/カラー
/約60分・全8話/
制作:Mickey DownKonrad Kay』
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やっと録画を見終わった。

英国BBCと米国HBOの制作。米国での放送はHBOチャンネルで去年2020年の9月9日から12月21日まで。日本ではスターチャンネルで3月に公開されている。全8話。脚本のMickey Down氏とKonrad Kay氏のロンドン金融業界での経験を元にしたドラマ。ちなみにお二人は業界に馴染めずに辞め(クビになり)脚本家に転身したのだそう。


ドラマは去年録画して最初の2話だけ見てそのままになっていた。今年の5月になってからやっと再度見始めた。

去年まず1話を見たときは面白いと思った。スピードが速いし、(そもそも私は金融に興味がないので完全に理解していたとは言い難いが)意外に面白かった。そして2話を見て、おそらくわからなくなったのだろうと思う(覚えていない)。それで食指が動かないまま半年間も録画をそのままにしていた。最初の2話は見たあとで録画を消してしまい、内容をおおかた忘れてしまっていたので、辻褄がよくわからないまま3話から見始めた。

全8話を見終わって最初の感想は…金融10%、社内派閥争い等の社内事情30%、新入社員の性生活60%だろうか?…これはゴミだなと思った笑。


舞台はロンドンの金融街・シティ。架空の投資銀行「Pierpoint & Co」に5人の新卒が入社してくる。インターン期を終えたら彼らの半分がクビになる。さて誰が勝ち残るのか?

新卒の若者達は5人。
Harper Stern: ハーパー
アフリカ系アメリカ人 小柄な女の子 頭がよく才能もあるが学歴を誤魔化して入社。
Yasmin Kara-Hanani:ヤスミン
裕福なレバノン系の家庭出身の女の子 スペイン語とアラブ語、フランス語を話す 美人
Robert Spearing:ロバート
労働者階級から努力してオックスフォード大学卒 世間知らず
Gus Sackey:ガス
アフリカ系 イートン校~オックスフォード大学卒 古典文学専攻 ゲイ
Hari Dhar:ハリ
ヒンズー語を話す努力家のインド系

この5人が投資銀行に入ってからのサバイバル・ゲーム。全員若い人達なので色恋が盛んなのは理解できる。しかし…全体に散りばめられたソフト・ポルノがあまりにも多すぎる。毎回毎回全エピソードで男女が裸になってベタベタと湯気を出す。残念ながら全然よくない。描写があまり綺麗じゃない。生々しく不快。ストーリーにはものすごく邪魔。 そもそも(個人的に)自分の子供(より若い)世代の若者達の性生活に興味が湧くはずもなし。

そんなわけで3話目4話目ぐらいから「もう見るのやめようかな」と思ったのだけれど、とりあえず見続ける。そうしたら最後の6話7話8話あたりで社内の派閥争いの話が少し面白くなってきた。最後は「あれ…?これ面白いのか?もしかして…」

「それならもう一回見てみよう」と3話から再度見直す。セックス・シーンは全部早送り。というわけで一気に見たら結構楽しめた。よ~く見ればそれぞれの人物達の心理描写も面白い。


ネタバレ注意

主人公のアフリカ系の小柄な女の子ハーパー。その上司・中国系のエリックとの関係がいい。それが話の軸。

エリックは米国ニューヨーク出身の中国系。おそらく名門校は卒業していない。業界では叩き上げで今の地位に上って来た。彼は学歴だけの無能な者達を馬鹿にしきっている。年齢は40代後半だろうか。

現在エリックはPierpoint 社のManaging Director of Cross Products Sales。 その彼が、学歴を誤魔化して入社してきたハーパーを可愛がる。ハーパーは頭がいい。彼女の才能と将来性を見抜き、エリックは彼女を一人前に育てようとする。第1話で取引に成功したハーパーにエリックが言う「この気持ちを忘れるな」。そのシーンがいい。


エリックがかっこいいですね

この短気で昔気質の上司・エリックがこのドラマで一番魅力的に思えるのは、私が古い人間だからだろうと思う。彼は結果を出すことが全て、部下にも同じく結果を出すことを求める。人を力で威圧し常に大声を出す彼は気性が激しく、部下をこき下ろし怒鳴り…本来決して魅力的なはずも無いのに、このドラマでは彼が一番魅力的だ。ハーパーを「ハープシコード」とニックネームで呼び娘のように可愛がる様子もまた微笑ましい。アジア人の彼が一見ミステリアスで何を考えているかわかりづらいところもまた魅力なのだろう。彼の魅力がこのドラマを救っている。


そしてハーパーもエリックの期待に答えようとする。しかしプレッシャーから失敗。その失敗を薬でハイになってごまかそうとする。さらに墓穴を掘る。そして(ほぼありえないが)運よく難を逃れる。エリックは間違ったら報告しろと諭す(←第4話 面白い)。また(新卒なのに)ハーパーのアイデアを会議で発表させる…エリックはそれをサポートする。エリックはよほどハーパーに期待しているらしい。ハーパーも期待に答えようと頑張る。それが見ていて楽しい。

…しかし邪魔も入る。社内での派閥争いにも巻き込まれる。女性上司ダリア(ハーバード・ビジネス・スクール出)は威張り散らすエリックが面白くない。また金融業界の男社会を変えようとする女性上司サラもいる。彼女達がパーパーを自分達の目的のためにチェスの駒のように操る場面もある。その話が出始める5話あたりからだんだん面白くなってくる。


他の新卒のメンバーはどうなのか…
 最初から頑張りすぎたハリ。 
 語学堪能で社交的で人当たりもいいが、その恵まれた出身と女性であることで上司に散々苛められる、「No」と言えないヤスミン。 
 エリックに文系の高学歴であることを馬鹿にされ、Pierpoint社には自分の居場所がないと言うゲイの男の子ガス。 
 周りに飲まれやすく同僚に進められるままドラッグに手を出し(他の皆もやっているが)、同僚のヤスミンに鼻の下を伸ばし、落ちぶれた上司には幻滅、混乱し、女性上司には無能だと苛められる世間知らずのロバート。 
…彼ら4人がサイドを飾る。


キャラクター達ひとりひとりを見ればそれなりに面白い。 しかしあの生々しいセックス・シーンは何とかならないものかと思う。あまりにも多すぎ。そもそもヤスミンとボーイフレンドや、ハーパーと元彼とのシーンはメインのストーリーには全く関係ないだろう。その上でロバートとヤスミンとハーパーが三つ巴になりかけたり、ガスと同僚(大学時代の友人)とのゲイセックス…等等あるわあるわ…あまりに多すぎ。

そして過剰なドラッグのシーン。  

このドラマの主人公達は金融業界に入ってきた新入社員の20代前半の若者達。だから制作はターゲットの視聴者を大学生ぐらいの若い人達に設定したのかもしれぬ。

そこで大量のセックスとドラッグのシーンを投入。というのも一般の20代の若者は、金融業界なんて1ミリも興味がないだろうから。金融業界の話で釣れないから、刺激的な男女のからみや薬のシーンで若い視聴者をつなぎとめる…そういうことなのだろう。

また80年代からよく言われてきた「金融業界は乱れている…日々札束が舞い、薬や女や酒でやりたい放題」というステレオタイプをなぞっているだけのようにも見える。それさえ描けば一定の視聴者は興味を示してくれる。デカプリオの『ウルフ・オブ・ウォールストリート/The Wolf of Wall Street』などの前例もあることだし。


そもそもこのドラマ、派閥争いや人物達の心理描写はあるけれど、実際の金融の取引は(ハーパーのいくつかのシーン以外)ほとんど描写されない。金融業界についての『Industry/業界』とタイトルをつけたドラマを制作しながら、結局金融を描かない…描けないのであれば残念。なぜなら社内の派閥争いや、上司と部下の関係、仕事上の失敗、師弟の関係、社内恋愛その他諸々…等の会社の内部事情を描いたドラマなら、金融以外の…例えば、広告業界や商社の設定でも成り立つからだ。金融業界のドラマである必要はほぼ無い。


またこのドラマは現代のロンドンのシティの様子を描いたドラマなのだけれど、シティを知る人によれば、このドラマで描かれたキャラクター…パワハラ気味の上司エリック、モラハラ上司のケニー、セクハラ上司ヒラリーの振る舞いは、今から10年~20年ぐらい前の業界の様子を極端に誇張して描いたものだろうと言う。今どきこのドラマで描かれたような極端なモラハラや、(#MeTooの今の時代に)セクハラもまさかないだろう。 

それから叩き上げの優秀なエリックのような人の数も減っている。今はほぼ高学歴しか金融業界には入れないのだそう。80年代までは大学を出ていない人が金融業界に入ってきて大成功する話もあったらしい。ヤッピーの時代の話。


というわけで…投資銀行の新入社員たちの迷いや戸惑いをメインに、仕事の内容はほとんど描かず、社内の内部事情を少しだけ描き、余った隙間に若者達の不毛なセックスを散りばめて全8話の尺に伸ばしたドラマ。 「得体の知れない金融業界の人々…魑魅魍魎」を冷めた目で描くのがテーマだろうか。一見シリアスでスタイリッシュだが、実際は…いかにも金融業界ステレオタイプ的な極端な状況描写をブツ切りにして並べただけで、人物達の描写も薄い。

そもそも脚本家二人が金融業界に馴染まず辞めた人達なわけで、エンタメのために業界の人々を極端に歪めて描くのも(業界内の人々にはフェアではないだろうと思う。金融業界の人々は、実際にはほとんどが真面目で、プロフェッショナルで、常識的な、普通の人々であることも、このドラマでは全く描かれていない。

それにこれは新卒の若者のドラマ。それならもう少し若い人ならではのユーモアや子供じみたおかしさがあってもいいのにとも思う。もっとみんな若者らしくしていてもいい。 ドラマ全体が重苦しく、怒鳴られたり苛められたりセクハラされたり…、誰一人として登場人物達が魅力的に描かれていないのは大きな問題ではないか。

結局人物達に心を寄せられなければ、どんなにドラマのカメラワークや音楽が凝っていてかっこよくても、薄っぺらい印象のままで終わってしまう。面白いドラマになる可能性は沢山ありそうなのに、全体の印象が軽薄なのはもったいないなと思う。

さてこのドラマは2シーズンも決まったそうだが、…どうかな…見るかな。どうかな。