記号としてのK-POPガールズ
Released: 6 Dec 2019
℗ 2019 Tony Allen
これはね…文化的に面白いと思った。これ見るからにK-POPなんですよ。おそらく西洋でも売れているらしいBLACK PINKみたいな女の子達を、普通の英国のDJの作った音楽に合わせてそれらしく踊らせたビデオ。なるほどねーと思った。
外見もそうだしダンスの振りもK-POPそのまんま。そしてタイトルが「Naughty Girls」。あららら。もちろん女の子達に罪はない。みんな可愛いしね。
おそらくTony Allenさんはただ若者向けの普通の歌を書いただけ。歌詞もビデオには全く関係ない。K-POP風に捻りを加えたのはMVのディレクターでしょう。
要するにK-POPを始めとするアジア発のポップアイドルの姿は、英国でも(特に若者の間では)十分認識されるほどシンボル化している。記号化しているということでしょう。
映画の『シング/Sing』で日本のレッサーパンダの女の子達がでてきたじゃないですか。あれと同じような感じ。この女の子達は露骨にK-POP風ですけど、意味としてはあまり変わらないですよね。アジアのアイドル文化が西洋でもよく知られるようになってきていて既に記号化されている…のではないか。普通の英国の若者がこれを見てすぐに「あああれだね」とわかるレベル。とても面白いなと思う。
う~ん…これよく見ると、この女の子達は別の音楽で踊っているようにも見えますね。元々全然違う歌で踊った映像を、後で曲と合成しただけのようにも見える。リズムの取り方がおかしいところがある…ああいうリズムの取り方はしないだろう普通。そうだとしたらこの女の子達はまさに素材。
曲は割に普通。しかし今流行りらしい鍵盤の音が気持ちいい。リピートが多いですがリズムのノリもいい。なにより音と合わせて女の子達のダンスを見ていると楽しい。
「音楽に合わせて踊る踊るアジアのアイドル」の記号。面白いなと思ったのでとりあげる。
Tony Allenさんとは
英国・西ロンドン出身のTech HouseやTechnoのDJ。オーストラリアやイビサに住んでいたこともあるそう。様々な音楽から影響を受けているそうな。