能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2022年12月22日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第47回「ある朝敵、ある演説」12月11日放送



さてドラマも最後に近づいております。もう最終回も見終わっているのですけど、この感想文はまだ47回。実はここ数日毎日(見終わった)最終回のことばかり考えて感慨に耽っていて筆が進まない、なんとか今年中に感想文を終わらせたいけれどできるのか。


さて今回の目玉は、承久の乱に向けて御所に集まった御家人たちへの政子の演説。彼女が言った言葉は記録では(大まかに言えば)

「頼朝様に感謝しろ。京方についたら頼朝様の恩に背くことになる。源氏三代の将軍が残したものを守りなさい」


ということらしいのだけれど、このドラマでは、(自らが犠牲になって京方に首を差し出し)鎌倉を救おうとする義時を守れ…という話になっている。


これ、もやもやっとしますよねぇ。だって義時って、
①まず義時は自己犠牲をするような人ではないだろう
いつも悪いことをしながら「本当はやりたくないんだよ」と言っている風だけれど、結局人はやったことが全て。この義時のあいまいな立ち位置には今までにも何度も首を傾げた。
それに義時の首を差し出したところで京方と鎌倉幕府の緊張が収まるとは思えない。義時が無駄死にを受け入れるような人にも思えない。
②政子が言うところの「(義時は)鎌倉を守るため一度も私欲に走ったことはない」
…なんて嘘嘘嘘嘘大ウソ。北条の私利私欲のために畠山を討つ…というりく+時政を止められず結局自ら畠山氏を討ち、頼家を都合が悪いからと殺害し、「共に鎌倉を守っていこうぜ」と言った善人・和田義盛を、将来息子や孫の代に邪魔になるからと騙し打ちにする。それに北条氏が鎌倉に君臨するために邪魔だからと実朝も公暁も見殺しにした。それなのに反逆罪の(父親)時政とりく、そして(ドラマでは)息子の謀反を教唆した実衣も死罪にすることはなく命を救っている。これが私利私欲ではないとは言えないだろうに。


政子さんの演説は「頼朝様の恩に報いるために」、それから「鎌倉の独立を」だけでも、鎌倉の御家人たちには十分効き目があったはず。しかしこのドラマでは「私の弟・義時を助けて頂戴」と御家人たちに懇願し、それに対して今までさんざん義時独裁でびくびくしていた御家人たちが(不思議なことに)喜んで団結している。変でしょう。

結局、北条の家族愛の内輪ノリに大勢の御家人たちが乗せられた話になってしまっていて、ワタクシは鼻白みました。ごめんね。政子も義時も泰時もみんな涙涙涙涙なんだもんね。なんだかな~。

そうそう、あの三浦義村の苦虫を嚙み潰した表情の方に私は同感でございました。


しかしそれはともかく…
小池栄子さんが素晴らしい。彼女はカリスマがすごい。似顔絵を描いていて「このお方はなんと美しい人だろう」と思った。ただ美人とかそういうのではなくて、全然普通じゃないカリスマ。神々しいです。肌も綺麗で目鼻立ちが大きくて全体にツルンとしてる。目の白い部分ががクリアで黒目のエッジもクリアで絵に描いたみたいなお顔。すごい。本当に綺麗。あらためて驚いた。
このドラマの政子さんは今まで物静かで受け身が多かったと思うのですけど、大勢の前に出てきて君臨する姿が似合う。御家人たちに号令をかける姿も様になる。強い女性が好きだわ。政子さんかっこいい。



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承久の乱の背景
・鎌倉幕府は東国武士を中心に樹立。東国を中心として諸国に守護、地頭を設置して警察権を掌握していた。しかし西国への支配は充分ではない
・後鳥羽上皇の財源は諸国に置かれた膨大な荘園群。その荘園に鎌倉幕府の地頭が置かれるようになると、荘園領主である後鳥羽上皇やその近臣と紛争を起こすようになった。
・源実朝の暗殺の後、新たな京都守護として義時の義兄(のえの兄)伊賀光季、大江広元の嫡男・大江親広が派遣される。
・承久元年(1219年)7月13日、大内守護の源頼茂(源頼政の孫)が後鳥羽上皇の命によって在京武士に攻められ、内裏の仁寿殿に籠って自害。
・大内裏が焼失したため、後鳥羽上皇は幕府を含む各方面に再建のための賦課を求めた。しかし公家・寺社・武士のいずれも非協力的。
・朝廷と幕府の緊張は次第に高まる。
・後鳥羽上皇は義時を討つ意志を固める。
・上皇が寺社に密かに命じ、義時調伏の加持祈祷が行われた。
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ドラマ

実衣(宮澤エマ)が尼になっている。なんと彼女は完全に許されたのですね。引退するのかと思っていた。

北条義時(小栗旬)の周りの者に対する日常的なパワハラ、キレ芸、八つ当たりが止まらない。

鎌倉の御家人たちは、後鳥羽上皇(尾上松也)による(源頼茂の討伐により焼け落ちた内裏の修復のための)賦課の要求と、義時のそれに対する拒否の意向の間で迷っている。御家人たちの心は義時から離れつつある。

三浦義村(山本耕史)「俺たちは執権殿と上皇様との板挟み。弟の胤義が大番役(京都の皇居や院などの警備に当たる職務)で京にいる」。義村も揺れている。

京の三浦胤義(岸田タツヤ)が上皇に「義時に見切りをつけた御家人たちも大勢いる」と伝える。喜ぶ上皇。

京の藤原秀康(星智也)が戦に備えて兵を整えている。

鎌倉では三寅(中村龍太郎)の着袴の儀。


承久3年(1221年)5月15日 京都守護(のえの兄)伊賀光季が後鳥羽上皇の招聘に応じず官軍によって討ち取られる。

そのことが鎌倉の義時に伝えられる。

同じ頃、京から(元)平知康が使者・押松丸(矢柴俊博)となって上皇からの義時追討の院宣を御家人たちに届けていた。

押松丸

鎌倉の御所で会議。
義時 政子(小池栄子)大江広元(栗原英雄)泰時(坂口健太郎)時房(瀬戸康史)が、京都守護が討たれたことを告げれば、
三浦義村  長沼宗政(清水伸)が、上皇からの「義時追討の宣旨」を見せる。
義村は北条に忠誠を誓うと言うが、実は様子を伺っている。

京で伊賀光季…孫と兄を討たれた二階堂行政(野仲イサオ)とのえ(菊地凛子)が義時に詰め寄る。

御家人たちを調べると、8通の義時追討の院宣が出てきた。上皇と一戦交えるしか道はない。上皇は義時を殺そうとしている。

泰時 官軍と戦う意向。
義時 鎌倉のために上皇に自らの首を差し出すと言う「私一人のために鎌倉を灰にできん」
政子がそれを止める。
実衣「気持ち悪いのよ。一人で格好をつけてるのが」←同意。そうそうそのとおり!!

義時「後悔はない。私を憎む御家人も多い。あとは太郎に任せる。元は伊豆の豪族の次男坊。上皇様が俺の名を…清盛、義経、頼朝と並んだ。おもしろき人生」←ぎゃーなんじゃなんじゃなんじゃそれ。ナルナルナルナルナルシストだわね。いやだのぉ。

政子の命で大江が演説の下書き「鎌倉が危ない」と訴える。

カリスマ 北条政子

そして御家人たちを集めて政子が戦GO GO演説。

その内容…
「義時が上皇に首を差し出し、鎌倉のために犠牲になろうとしてる。それでいいのか?執権を憎む者が多いことはわかってるけど、でもこの人は生真面目。鎌倉を守るため一度も私欲に走ったことはない。選ぶ道は二つ。上皇に従い未来永劫、西の言いなりになるか。戦って坂東武者の世をつくるか。ならば答えは決まっている。すみやかに上皇様を惑わす奸賊どもを討ち果たし、三代にわたる源氏の遺跡(ゆいせき)を守り抜くのです。頼朝様の恩にいまこそ応えるのです。向こうはあなたたちが戦を避けるために、執権の首を差し出すと思ってる。馬鹿にするな。そんな卑怯者はこの鎌倉にひとりもいない! そのことを上皇様に教えてやりましょう!」←太字が記録に残る内容だそうです。

そして御家人たちは一致団結し、北条家は皆涙涙涙。
決戦です。
 

のえは政村を北条家の後継者にしたがっているが、義時は無視。



2022年12月16日金曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第46回「将軍になった女」12月4日放送



実朝暗殺の後は、承久の乱まっしぐら。今回は政子さんが尼将軍になるまで。その前に、実衣の野心のために息子の阿野時元が討たれる。それにしても実衣はなぜ義村をたよるのだ?その人ダメダメですよ~…そして義村はやっぱりそのことを義時に報告。

そして義時は時元を討伐。実衣も謀反を企てたとして斬首になるところを尼将軍になった政子に救われる。
…この話に関することで、実際に実衣が事件にかかわった記録はないらしい。

この頃、どうやら義時の意図で源氏の血統がことごとく消されていたとする見方もあるそうだ。そして義時と政子は意志を同じくしていた…記録ではこの時元の誅殺も「政子の命を受けた義時が軍を派遣…」とあり、政子も関わっていたとある。本当かな。このドラマの政子は義時の横暴を防ぐために尼将軍になったと描かれていますね。

泰時&初 かわいい



前回、建保7年(1219年)1月の公暁の実朝暗殺で鎌倉殿の位が空いた。

実衣(宮澤エマ)の野心…息子の阿野時元(森優作)を次の鎌倉殿に!
というわけで三浦義村(山本耕史)に相談。三浦はサポートすると言いながら北条義時(小栗旬)に報告。それは義時と三浦の仕掛けた罠だった。
2月11日 阿野時元が、宣旨を賜わり東国を管領することを企て、軍勢を率いて深山に城郭を構えたとの報せが15日に幕府にもたらされた
2月22日 時元、義時の兵に討ち取られる。
実衣も謀反を企てたとして捕らえられる。
館からは実衣の書いた宣旨を欲する朝廷への文も出てきた。
義時は実衣の首を刎ねると言う。


源実朝が暗殺された後、鎌倉幕府は皇族を将軍に迎えようとして、有力御家人一同が連署した上奏文を携えた使者を京都へ送っていた。
朝廷は実朝弔問の使者を鎌倉に送ってきたが、後鳥羽上皇(尾上松也)は寵姫の所領荘園の地頭廃止を要求。親王の下向も拒絶。

後鳥羽上皇

北条時房(瀬戸康史)が1000人の軍を率いて京に入る。←脅し?
後鳥羽上皇は親王を鎌倉に送る気はないと言う。
その代わりに摂関家から慈円(山寺宏一)の縁故(頼朝の妹の孫にあたる九条道家の子である)三寅を鎌倉に送ることに。

慈円 早口言葉

後鳥羽上皇の側には藤原秀康(星智也)。

藤原秀康 強そう 美声

7月19日 三寅が鎌倉にやってきた。
政子(小池栄子)が尼将軍として三寅の後見人へと名乗り出る。
三寅を御家人たちにお披露目。
政子が尼将軍になったことから、実衣の無罪放免を決める。


のえ(菊地凛子)の野心。15歳になった息子の政村(新原泰佑)を北条の跡継ぎにしたがっているが、義時は相手にしていない。


政子は館の外に出て施餓鬼。鎌倉の民に慕われている。



2022年12月9日金曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第45回「八幡宮の階段」11月27日放送



ああ とうとう事件が起こってしまった。
前回はその事件の起こる日の1日をみっちりと描いてましたが、今回はその一晩とその後の数日間。

ああでも悲しいですね。実朝君がいなくなった。そして公暁君の事も悲しい。彼もいなくなった。そして仲章もいなくなった。…とそこまで考えて…ちょ…と待て。この3人がいなくなって得するのって、

義時じゃん。え~

これって歴史上の考察で「企てたのは義時だった」という説はないの?…とWikipediaに見に行ったら、義時黒幕説、三浦義村、北条・三浦ら鎌倉御家人の共謀、後鳥羽上皇説等々、諸説あるそうだ。しかし近年は公暁単独犯行説を取る研究者が多いとのこと。そうなの?
だって京都のスパイ源仲章がやられたとなると…一番得をするのは義時ですよねぇ。



この八幡宮の階段とイチョウの木「隠れ銀杏」での話は、1979年の大河『草燃える』でも一番印象に残っていた事件。というのもあのドラマの実朝はウルトラマンタロウの篠田三郎さんだったから。だからよく覚えていた。悲しかった。 数年後に初めて上京した時には鎌倉を訪ねて実際のイチョウの木を見て、ああこれがあの大銀杏なのね…などと思った。 その後『草燃える』は2005年ごろに総集編のDVD を買って見た。すごく面白かったです。唸りました。この『鎌倉殿の13人』を見終わったらまた見直すつもり。松平健さん怖かったよね。



さて話はそれましたが、とうとう実朝の最後の夜です。
前回の最後は、実朝の拝賀式の直前。太刀持の義時の横から源仲章が現れた場面。そして泰時が公暁の意図を知って焦る場面でした。


今回はその続きから
建保7年(1219年)1月27日 雪の日の夜

源仲章(生田斗真)が北条義時(小栗旬)から太刀持の役を奪って列に並んでいた!

そして早速仲章が飛び出してきた公暁(寛一郎)に斬られる。
ぁああああああああああああああああぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

似顔絵を描きながら笑いが止まらなくなったのは初めてだ😁
仲章に拍手!生田さんに大きな拍手!!!

仲彰の奇声。なに?なにそれ笑…なかあきら面白すぎギャ!ハハハ…と笑ったら、それに続くシーンの仲章は本当に苦しんでいて怖い。辛い場面。「寒いんだよ」と最後は怒ってる。生田さんうまい!すごい~!

公暁は斬った相手が義時ではないと気付いて驚いている。

そして実朝(柿澤勇人)。最初は短刀を手にするのに…歩き巫女(大竹しのぶ)の言葉「天命に逆らうな」を一瞬思い出したのか、刀を捨てる。公暁に向かって微笑むように頷く。そして斬られてしまう。

逃げて 実朝

ぇえええええ悲しい。悲しい。実朝くん。なぜ、なぜ、なぜ逃げないの?
そして斬られた後はそのまま。一度だけ雪の上に倒れたお顔を映しただけで、そのまま実朝は亡くなってしまった。涙涙涙。ぇぇぇぇええ…。実朝ロスが…悲しい悲しい悲しい涙涙涙。


そして公暁。この公暁の描写が秀逸。これは脚本なのか、監督のアイデアか、それとも寛一郎さんのアイデアなのか。実朝を…自分の叔父さんを斬った公暁は明らかにうろたえている。「阿闍梨公暁、親の敵を討ったぞ!源氏嫡流簒奪の謀略はここに…」と言いながらその文書をうっかり落としてしまう。そして拾い上げた書は実朝の血が大きく滲んで読めない。そのシーンの公暁の慌てた様子。焦っている様子がリアル。この青年は、自分のやったことの大きさにうろたえている。(おそらくは)人を初めて斬ったことにショックを受けて震えている。一瞬の場面なのになんとリアルな描写だろうと思った。

もうそこからは公暁がかわいそうでかわいそうでたまらん。彼にはもう後がない。…実際にもこういう感じだったのかもしれませんね。彼は武士として訓練された人ではなかった。もちろん人を殺したこともなかっただろう。だとしたら自分の手で人を二人も斬ったら冷静でいられるわけがない。それに斬った相手は自分の叔父。その叔父は自分に向かってくることもなく、全てを受け入れるように微笑んでさえいた。そして父の敵だと斬ったもう一人の人物は北条義時でもなかった。全てが想定外。公暁は慌てていたのだろうとおもう。緊張して震えて、全てがうまくいかない。どうしよう。どうしよう。ああ辛いね。思わず公暁君の気持ちになって苦しくなった。

そして逃げる。逃げて祖母の北条政子を訪ねた。この時の公暁の表情は怯える子供のよう。政子が「どうして」と尋ねれば、公暁「知らしめたかったのかもしれません。源頼朝を祖父に持ち、源頼家を父に持った、私の名を…」「公暁…。結局、私には武士の名はありませんでした」…涙涙涙。これは悲しい。「4代目は私です。それだけは、忘れないでください」とお婆ちゃんだけに本心を話して公暁は消える。もうかわいそうだ公暁くん涙涙涙。彼は孤独だったのだろう。泣いてる。誰かに存在を認めてほしかったんだよね 涙涙涙。

かわいそうな公暁

そして次に助けを求めた三浦館で義村に討ち取られる。無念。


はぁあああああ…とうとう事件が終わってしまった。

ひとつひとつ丁寧に丁寧に描かれてます。こんなに公暁の心が描かれるとは。これは最大級に悲しい話。彼の気持ちがわかる。どうして頼朝の孫なのに、そして頼家の息子なのに、なぜ鎌倉殿になれないのだろう。なぜそういう扱いをされないのだろうとず~っと悩んできたのだろう。これは悲しい。前回はつつじさんに泣いたが、今回は公暁君に泣いたわ。寛一郎さんが素晴らしい。


実朝は、最後の瞬間に(おばばの言うところの)「天命」を受け入れて公暁に頷いてましたが、彼はどういうつもりだったのだろう。というのも、彼が最後に詠んでいた句は

出でて去なば 主なき宿と なりぬとも 
            軒端の梅よ 春を忘るな
=自分が出て行き 主のいない家となっても
            軒端〈軒の先端〉の梅よ 春を忘れるな

…これって(このドラマでは)千世さんへのさよならの歌ですよね涙涙涙。 僕がいなくなっても泣かないで…みたいな意味。ぇぇ悲しすぎる…。 それにしても史実の実朝君はどうしてこんな歌を詠ったのだろう。当日に詠んだのだそうだ。まるでその日に何が起こるのかわかっていたみたいだ。

千世さん(加藤小夏)は大丈夫かなぁ。彼女は実朝と仲良しベストフレンドだったのですよね。とにかく悲しいな、この話は。


さて悪い奴ら。

●北条義時(小栗旬)
史実でも…やっぱりこの人は全てわかっていたんじゃないですかね。(記録によると)実際には式の前に体調不良で太刀持/御剣役を源仲章に変わってもらったそうなのだけれど、それって仮病ではないのか。だってこの事件はあまりにも義時に都合がよすぎる。 この回では義時にも迷いがなくなったらしい。そうだな。もうそろそろ心を決めてもらわないとね。それから義村が裏切っていた事にも気づいたのかな。今更ですよねぇ。
…あっ そうだ。奥さんののえ(菊地凛子)さんに昔の奥さん二人の名前を出して貶してましたね。酷い酷い酷い。それは言ってはいけないことよ。一番頭にくるわ。 父を責める泰時にも絡んでいたし、お姉さんの政子さんにも言いがかりをつけてましたね。嫌な奴だ。

パワハラの権化 義時

●三浦義村(山本耕史)
このお方はね、わかりやすい。悪いけれど迷いがないからいい。最後の公暁を斬った時にも躊躇がない。ザクっと表情を変えずにやるべきことを淡々とやっている。納得ですね。うんうん。鎌倉で生き残る人はこれぐらいで丁度良い。早速首桶を持って御所に上がり「これからも、三浦一門は鎌倉のために命がけで働く所存にまいります」と大きな声で宣言。皆に知らしめている。この人の行動は納得できる。義時との騙しあいもどうなるのか?

●大江広元(栗原英雄)
仲章の死は…おかげで手間が省けた

●三善さん康信(小林隆)
実朝の死に泣く。だって彼はその日の午後、実朝に家族の過去を教えた人。きっと後悔してると思う。

●北条泰時(坂口健太郎)
実朝が斬られた瞬間の表情が印象的だった。彼も実朝に近かった人。実朝に対して尊敬と友情以上の思いがあっただろう。辛いですね。実朝が斬られる直前、実朝を救いに行こうとしたら義時に止められる。それで悟る…父は鎌倉殿の死を望んでいた。ますます父に反発する泰時「あなたの思い通りにはさせない」 いいぞ、がんばれ

●実衣(宮澤エマ)
自ら育てた実朝を失って泣く。そして野心…息子の時元(森優作)を鎌倉殿に。

●北条政子(小池栄子)
このお方が今回一番頭を捻った。これは脚本?演出?それとも小池さんの芝居か? この女性は…実の孫に息子を殺されても、表情が硬い。ほとんど泣かない。公暁が訪ねてきた時も、ほとんど表情が変わらない。どうしてだ? 確かに一度は小刀を自分に向けて、その後泣き崩れていたけれど、それでもあまり事件の影響を受けていないように見える。わぁわぁ泣く芝居がいいとは決して思わないけれど、あまりに無表情なのも変。だって孫が息子を殺して同時に死ぬなんてとんでもないことだもの。寝込むのが普通。

これ、政子さんのシーンが妙に見えてしまった理由のひとつは、老けメイクをしていないからではないかとも思った。政子さんと公暁は、お婆ちゃんと孫。この時の政子さんは62歳。そして公暁は20歳。実朝は27歳。 この政子さんは62歳には見えない。どうして老けメイクをしないのだろう。そういう演出は意図的なものか。今回の事件は老いたお婆ちゃんの悲しみとして表現したほうがいいと思うけどなぁ。

ところで政子さん、義時に「あなたは鎌倉の闇を断つために何をした?」と凄まれてましたが、鎌倉の闇を作ったのは義時あなたじゃないかっ、バカ野郎! …そうそう政子さんだけじゃなく、義時もメイクが若いのです。義時はこの時56歳ごろ。もう少し髭や髪に白髪を足してもいい。義村も若いですね。

●運慶
(相島一之)
義時に向かい「迷いのない顔。つまらん顔」。よしよしもっと言ってください運慶さん。義時はアーティストをパワハラで脅す武士の親分。義時なんだかな~…義時は三浦義村みたいなポーカーフェイスができないのですよね。圧が強い。運慶さんも困ってる。めんどくせー権力者だと思ってると思う。

義時「おまえは俗物だ。だからおまえの作るものは、人の心を打つ」ぉおおおぅ。ちなみに義時の姿を伝える肖像は、彫刻も絵画も含め現存しないそうです。


2022年12月1日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第44回「審判の日」11月20日放送



濃い回。文も長いです。

今までのオチ、落としどころと言うのか英語のpunchlineと言うのか、今までの「鎌倉殿」の長いストーリーの行きついた先がこの回でしょうか。とにかく様々な事柄がここに帰結するという回。見終わった後に大きくため息をついてはぁ…と考えを巡らせ言葉もない。濃い回。濃い脚本とそれを演出するカメラや音楽、そしてなによりも役者さんたちの熱演に驚き感動し心動かされドキドキして…(いい意味で)どっと疲れた。この回は傑作かもしれまんよ。


特に若い役者さん達の熱演が素晴らしかったです。実朝、公暁、そして驚いたのは今まで物静かだったつつじさん。彼女が涙ながらに公暁の行動を止めようとする場面は息を呑みました。

公暁の意図を察して止めに来るつつじさん。
つつじに「(おかしなことを考えず)あなたの道を生きろ」と言われて公暁が「では母上の道は何なのだ、父を殺され、息子を仏門に入れられ、暗君の妻として…」と問い詰めれば、つつじ「私は少しも悔いてはおりません。なぜだかわかりますか。頼家様が私に授けてくれたあなたがいたから」涙涙涙涙…名台詞。感動した。つつじさんは今までどんなに辛い思いをしてきたのだろう。それでもつつじさんは息子がいてくれたから彼女の人生に悔いはなかったと言う…もうただただ素直に感動するわこういう台詞。すごいなぁお母さん。拍手。大きく何度もうなずく。つつじさんは大切な息子に生きて欲しいのですよね。鎌倉殿の暗殺なんかしてしまったら間違いなく公暁も討たれる。それがわかっているからつつじさんは息子の計画をなんとしてでも止めたい。つつじさんを演じる北香那さん…以前幼い少女のようだったつつじさんが 今回は声のトーンも強く、しっかりと息子を説得しようとする母親になっている様子にびっくりしました。素晴らしいシーン。大感動。そして熱い公暁。お二人のシーンは感情がぶつかり合う熱い熱いシーン。お二人とも素晴らしい。拍手。

そして母と息子のもうひとつ心に残ったシーンは、
家族の過去を知った実朝が政子を問い詰めるシーン。この時の政子さんは辛い。政子さんは実朝から一方的に非難されている。実際に比企家を滅ぼしたのは、実朝の祖父の時政であり、それを実行した叔父・義時などの男たちなのに、実朝の怒りは母親の政子に向かう。政子さん辛すぎる。そしてまた政子さんが息子に責められる様子は、過去の頼家の時と同じ。頼家も政子さんを拒絶していた。政子さんつらすぎる。本当につらい。言葉を無くす政子さんと涙涙涙の実朝の絶望。また実朝の涙に泣く。

この二組の母と息子の様子が心に残った

公暁とつつじは…

お母さんが必死で息子の間違いを止めようとする。息子の命を救おうとする。
政子と実朝は…
息子がお母さんを非難する。拒絶する。
お母さん方お二人とも辛いです。息子達よ…もっとお母さんのことを考えてあげて。


このドラマは芝居の熱を感じるシーンがすごく多い。今までの回でも何度もそのような芝居のエネルギーを感じたシーンがあった。特に終盤に向かってますます熱いシーンが増えてきているように感じる。三谷さんがすごい。そして演出の方々も素晴らしい。


それにしても濃い。1回まるまる使って「実朝暗殺の当日1日」に全ての謎が明かされるというプロット。いや~なかなかすさまじい…これは大変。濃い濃い濃い濃い。

今回一番の驚きは、実朝が公暁を訪ねて行く話。びっくりした。
それにしても実朝が最後の最後に家族の過去を知る話は心理的に重い。ドラマチックにするため意図的に詰め込んだのだろうけれど実朝にとっては本当に辛いですね。それにしても(実際に)実朝は自分がなぜ甥に殺されたのか、その理由を知っていたのだろうか?


このようにみっちり情報の詰め込まれた回は一つの台詞も無駄がない。全部の台詞に意味がある。すごいです。


公暁の恨みと復讐計画
三浦兄弟は公暁の後ろに
泰時が不穏な空気に最初に気付く 三浦を牽制し実朝に注意を促す
実朝の京への希望 将来武家の要を京に移すと言う。
そのことに憤る義時
源仲章の野心…北条執権を蹴落とし親王の鎌倉殿を支えたい
そのことに憤る義時
大江「仲章には死んでもらう」
義時 公暁の企みを止めない=鎌倉殿を救わない 仲章はトウに命じる
トウの仲章暗殺 失敗
実朝が三善から過去の話を聞き出す
実朝が初めて過去を知りショックを受ける 政子を攻める
実朝が公暁を訪ねて謝る
公暁の意志揺るがず
式の始まり
三浦兄弟もまだやる気
泰時が太刀持の父義時を案ずる
仲章が太刀持に変わる
義時が夢に見る白い犬。



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前回43回の最後は建保6年(1218年)7月

この回は既に建保7年(1219)1月になっている。義時が運慶に作らせた十二神将像の一つの戌神像が鎌倉に届く。義時は半年前に戌の神の夢を見る…そこで薬師堂を建立することにした。

そしてすぐに建保7年(1219年)1月26日…実朝暗殺の前日に。公暁と三浦兄弟が「明日の計画」を話し合ったその後、すぐにその当日建保7年(1219年)1月27日に。

この回はその日1日に起こった様々な出来事。


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この日以前にあった記録に残る出来事は(以下wikipedia)
建保6年(1218年)1月13日、実朝、権大納言に任ぜられる。
2月に京を訪ねた北条政子が藤原兼子と「実朝の後継として後鳥羽上皇の皇子を東下させること」を約束し合う(43回)
3月16日 実朝は左近衛大将と左馬寮御監を兼ねる(43回)
10月9日 内大臣を兼ね、
12月2日 九条良輔の薨去により右大臣へ転ずる。武士としては初めての右大臣であった。
12月21日 昇任を祝う翌年の鶴岡八幡宮拝賀のため、装束や車などが後鳥羽上皇より贈られる
12月26日 随兵の沙汰を行う。
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実朝の右大臣拝賀式の準備も整った建保7年(1219年)1月27日当日。京からも参列者達が訪れている。


北条泰時(坂口健太郎)と仲間たち
平盛綱(きづき)北条朝時(西本たける)
式の警備を任された。昨日26日に八幡宮の坊主がやってきて行列の並びを聞いてきた。

源実朝(柿澤勇人)
式の日に母・政子に感謝を伝える。

源仲章(生田斗真)
のえと御所で貝合わせ。仲章はのえから北条の過去を聞き出そうとする。

のえ(菊地凛子)
仲章と御所で会っていたことを義時に咎められる「余計なことは言ってないだろうな」

泰時
蓑が八幡宮に運び込まれたことが報告される。
泰時の胸騒ぎ…三浦の館に武装した兵達。式の警備には数が多すぎる。
今日の拝賀式は取りやめたほうがいいかも。
公暁が鎌倉殿を襲うかも? ここで最初に問題に気づいた泰時

北条義時(小栗旬)泰時 三浦義村(山本耕史)
二人は三浦に問う。三浦は泰時と義時の懸念を完全否定「若君は鎌倉殿に取って代わろうなどという気はない」それが嘘であることを察する北条親子

実朝 仲章 義時
不穏な空気を受けて義時が中止を進言するが…
仲章「今更中止になどできるわけがない。京からの方々も鎌倉入りしている」
それなら警備の数を増やして。
仲章「私が任されてる。口出し無用」
実朝「…なぜ公暁が私を?…」
「それより考えがある。私はいずれ京に行こうと思う。ゆくゆくは御所を西へ。内裏に近いほうが都合がよい。六波羅にしよう。まだ先の話だけど。義時、今日の太刀持よろしくね」
義時が憤る

義時 仲章 廊下で
仲章が義時にカマをかける「頼家様になにがあった?」うまくかわす義時。しかし「なにかありそうだね」と仲章は食いつく「あとはとことん調べるのみ。主人殺しは最も重い罪」
義時「そなたの目当てはなんだ」
仲章「京で燻ってるよりここで自分の腕を試したい。人の上に立ちたい。目ざわりな(北条の)執権は消え、鎌倉殿は大御所に、新たに親王を将軍にお迎えし私がそれを支える」
バチバチ火花を散らす義時と仲章

大江広元(栗原英雄) 義時
大江「仲彰には死んでもらいましょう」

義時トウ(山本千尋)に仲章の殺害を命じる

政子(小池栄子)実衣(宮澤エマ)
式に参列するつもりでいたが雪が降ってきた。

泰時 

三浦館を訪ねる。泰時「今日の儀式には参加しないでくれ」

三浦兄弟 義村+胤義(岸田タツヤ)
「感づかれた。今日はとりやめ。若君にも伝えろ」

義時 泰時
帰ってきた泰時「やはり北条の兵を増やそう」
義時「その必要はない。謀反を示す証拠はない。詮索は無用」
怪訝な顔の泰時

公暁(寛一郎)と僧兵
「三浦は忘れる。我らだけで」

母の涙 つつじ

つつじ(北香那)公暁
公暁の母・つつじが訪ねてくる。公暁の様子から察したつつじが息子を止めようとする。
つつじ「おかしなことを考えてはいませんね」
公暁「なぜそうお思いですか」
つつじ「あなたの母親だからです。あなたが厳しい修行をしている隣で実朝様の右大臣の拝賀が行われようとしている。恨みも募りましょう。…あなたはあなたの道を生きるのです。立派な僧となって八幡宮の別当として鎌倉殿をお支えする。それが天から与えられた道」
反発する公暁「では母上が与えられた道とは何なのですか。父上を無残に殺され、息子を仏門に入れられ、暗君の妻として言われなき汚名を受けて生きなければならなかった母上の道とは」
つつじ「誰がそんなことを。私は少しも悔いてはおりません。頼家様が私に授けてくれたあなたがいたから。あなたがすべきは千日参篭を成し遂げること。命を危うくしてはなりません。生きるのです。父上の分も」

泰時 実朝に
鎧と短刀を持たせようとする。
断る実朝。実朝「太郎のわがまま、どうかお聞き届けください」

義時 運慶
(相島一之)

義時 時房(瀬戸康史)
義時「お前にだけは伝える。ここからは修羅の道だ。源仲章には死んでもらう。公暁が鎌倉殿を狙っておる。おそらく今夜だ。拝賀式の最中」 
うろたえる時房「すぐに公暁を取り押さえましょう」
義時「余計なことはするな」
この時の時房の表情の変化がいい。一秒一秒表情が変わる。
義時「もはや愛想は尽きた。あのお方は鎌倉を捨てて武家の都を別のところに移そうと考えておる。そんなお人に鎌倉殿を続けさせるわけにはいかぬ。断じて」

冷静 時房

実朝 三善康信(小林隆)
実朝「(公暁の恨みが)わからないではないが、どうもおかしい。仏門に入った公暁がなぜそこまで鎌倉殿にこだわるのか。あの頃のことを知っているものは数少ない。本当はなにがあった?」
↑ここで三善さんが実朝に全部話してしまうわけです。大問題

教えて三善さん

トウの仲章暗殺失敗 捕らえられる

政子 実朝
三善康信から「過去の話」を聞いた実朝が政子を問い詰める。
実朝「なぜ黙っていた?公暁が私を恨むのは当たり前。私は鎌倉殿の座を返上しなければ」
政子「公暁は出家しました」
実朝「それも母上が無理やりさせた」
政子「あの子を守るため」
実朝「いいえ、兄上が比企と近かったからです」
政子「北条が生き延びるにはそうするしかなかった」
実朝「全ては北条のため。私は鎌倉殿になるべきではなかった…」「教えてください、公暁をないがしろにしてなぜ平気なのですか。兄上がそんなに憎いのですか。私と同じ、自分の腹を痛めて生んだ子ではないですか。私は母上がわからない。あなたという人が」
このシーンも母と息子のシーン。過去を知った実朝が政子に詰め寄る。そして「あなたがわからない」と言う。これは政子さん、辛い。彼女は過去に頼家にも同じように拒否されているのですよね。頼家は比企を滅ぼした、せつを殺したと言って政子を拒絶した。そしてまた実朝も彼女を拒絶する。辛い。しかしいつも受け身だった政子さんに何ができたというのだろう。この時の実朝の芝居がまた熱い。政子さんは言葉もなく泣き崩れる。

そしてここでびっくり展開
実朝が公暁を訪ねて八幡宮にやってくる!
公暁に謝る実朝「さぞ私が憎いだろう。お前の気持ちは痛いほどわかる」
公暁「あなたに私の気持ちなどわかるはずがない。幼い頃からまわりから押し上げられ、何一つ不自由せず暮らしてきたあなたに、志半ばで殺された父や、日陰でひっそりと生きてきた母の悔しさがわかるはずがない。私はただ父の汚名を晴らしたい。それだけです。あなたが憎いのではない。父を殺しあなたを担ぎ上げた北条が許せないのです」
実朝「ならば我らで力を合わせよう。父上のおつくりになったこの鎌倉を我ら源氏の手に取り戻す。我らが手を結べば必ず勝てる。ただしこれ以上血を流したくはない。悪を討つなら戦ではなく正々堂々と裁きを受けさせればいい」
うなずく公暁。
しかしその後公暁「だまされるものか」

政子 義時
義時「私たちは自分のしてきたことを背負って生きるしかない。…正しいと思った道を選んでここまでやってきた。今更誰に何を言われようと怯んではなりません。私たちは正しかった」←やっと心が決まったのね。
政子さん、やっぱりちょっと冷たいのかもなぁ。あのように息子・実朝から拒絶されても真っ直ぐに座って普通に会話ができている。

義時 時房
しばらく前に太子堂で義時が話す
公暁が鎌倉殿を討ったら、その場で私が公暁を討ち取る。それで終わりだ」
義時はどちらも殺そうとしている。やっと迷わなくなったか。

式の始まり。雪の降る階段。美しいシーン。

うわあああ嫌な奴ー笑笑笑 仲章面白すぎ

義時 仲章
義時が太刀持の準備…
そこにキーンと耳障りな音。後ろから源仲章。トウに殺害を命じた仲章が生きている!
仲章「私を狙った雑色を捕らえた。必ず吐かせてみせる。しくじったな」

実朝 千世(加藤小夏)
千世「右大臣様 いってらっしゃいませ」
実朝「私は上皇様に二つ感謝しなければならない。このような過分な官位をくださったことと、お前を引き合わせてくれたこと」💕涙 千世ちゃんがかわいい。

外 雪が積もり始めている

三浦兄弟
「若君が見事本懐を遂げられた時は我らもすぐに挙兵する」

八幡宮内で式が行われている。
御簾の後ろには政子 

泰時と仲間たち 警護中 扉の外
偵察に行った平守綱「やはり公暁様は別当房にはいませんでした」
階段の絵図面を持ち帰ってきた。「これは公暁殿が潜むところ。イチョウの影か。これは鎌倉殿。もう一つ…まさか…父上」

粉雪は犬の刻を過ぎた頃から牡丹雪。



2022年11月28日月曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第43回「資格と死角」11月13日放送



話は進みます。
源実朝、公暁の悲劇に向けて、今回はその流れが描かれる。


次の鎌倉殿になるつもりで鎌倉に帰ってきた公暁の希望を、実朝が踏みにじる。実朝は公暁の野心を理解しない。実朝は公暁の血の繋がりを否定し、(鎌倉殿の跡継ぎに)京の後鳥羽上皇の親王を迎えることで揉め事の多い鎌倉を安定させようとしている。

不満を募らせる公暁。

その公暁に、乳母夫の三浦義村が彼の父・頼家の過去を話して聞かせる「北条を許してはなりません」と言う。さて…この三浦の目的はなんだろう?よくわからなかった。この時点で公暁を焚きつけて実朝と義時を殺そうとしているのだろうか。 もちろん今後の流れはわかっているのだけれど、この時の三浦の意図がよくわからない。

義時は実朝が今以上の力を持つことを好まない。そのため実朝が引退して京からの(人質でもある)親王が鎌倉殿になること受け入れようとしている。

京からの親王を迎えることで、源仲章が力を持ち始める。義時はそれが面白くない。


それぞれの様々な考えが渦巻いてます。


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建保5年(1217年)6月20日 18歳になった公暁(寛一郎)が京から6年ぶりに帰ってきた。彼は次の鎌倉殿になるつもりでやる気満々。乳母夫の三浦義村(山本耕史)もそれをサポート。北条政子(小池栄子)の意向により鶴岡八幡宮寺別当に就任。
10月11日から裏山で千日参篭を行う。

描きたくなる横顔 公暁

ところが公暁の意向に反し(前回からの流れで)源実朝(柿澤勇人)は次の鎌倉殿を京から迎えようとしている。

実朝に会いに御所にやってきた公暁。実朝から直接「京から養子をとることにした。いずれその子に跡を継いでもらう」と告げられる。ショックを受ける公暁。実朝「私は大御所に。お前は鶴岡八幡宮の別当として新しい鎌倉殿の力になってほしい」

公暁が三浦義村に詰め寄る「話が違う。京へ帰る」という公暁を止める三浦。義村は実朝を説き伏せると言う。


京の後鳥羽上皇(尾上松也)から文…新しい鎌倉殿が決まりそうだ。


お手紙届いた

実朝は早速皆を御所に集めて宣言。
「京から養子をとる。もう決めたことだ。かねてより上皇様にふさわしい人をお願いしてきた。その返事が来た。親王様の中から誰かを遣わしてもよいとのこと」。

ますます不満を募らせる公暁。

実朝は上洛したいと言うが北条義時(小栗旬)達の反対にあう。
そこで政子が京に向かうことになる。


三浦義村「次の鎌倉殿が後鳥羽上皇の親王に決まったら、公暁が鎌倉殿になることはない」しかし公暁の乳母夫の義村は諦めぬと言う。


建保6年(1218年)2月 京で政子を迎えたのは、後鳥羽上皇の乳母・藤原兼子(シルビアグラブ)。どうやら二人とも馬が合ったらしく打ち解ける。それにしてもなぜギフトが干したタコなのでしょう?  

意気投合

また同行した北条時房(瀬戸康史)は蹴鞠の技で後鳥羽上皇と知り合うことになる。

蹴鞠友達


京から鎌倉への養子=次の鎌倉殿は頼仁親王に決まる。実朝は左大将に。政子は従三位に。

京からの養子の件で源仲章(生田斗真)が力を持つ。

義時は、実朝に近い泰時(坂口健太郎)に「源仲章の好きにさせてはならぬ」と釘を刺す。また親王に関しては「こちらにとっては(京からの)人質だ」と言う。

たまたま出会ったのえ(菊地凛子)と源仲章が打ち解ける。のえがときめく。


三浦義村が公暁を訪ねる。公暁「私が鎌倉殿になる芽はつまれた。私は何のために戻ってきた…」
そこで三浦が、公暁の父・頼家とその家族の過去について話し始める。
「あなたの父上は殺されたのです。北条の手によって。北条は頼家様の家族を皆殺し、あなたの幼い兄も義時によって殺された。わずか6歳で。北条を許してはなりません。そして北条に祭り上げられた実朝もまた真の鎌倉殿にあらず」 

ショックを受け、憤る公暁「許せぬ」。

4月29日 政子が京から帰ってくる。従三位を受けてきた。

7月8日 直衣初
左大臣となった実朝が初めて直衣を纏って鶴岡八幡宮に参拝する。



2022年11月25日金曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第42回「夢のゆくえ」11月6日放送



源実朝の泣きが絶品。毎回思う。
柿澤勇人さんは本当に上手いお方。若い時の実朝の純粋な様子。傷つきやすく繊細な様子。そして泰時への恋心と失恋。前回の和田義盛を失って泣き崩れる様子。そして今回は船が浮かないからと夢破れて泣く。かわいそうになる。

義時が悪い男ですからね。だから実朝を応援したくなりますね。
前回の和田義盛の件で、完全に義時から心が離れた実朝。頼るのは京の後鳥羽上皇。それが実朝の北条に対するせいいっぱいの反発。もちろん義時はそれが面白くない。


それにしても船。浮かばなかった船。なんともったいない。しかしあの状況なら、もしかしてあの船の下の砂を深く深く掘って周りに水を導けば、あの船を浮かべることは可能だったのではないか…と思った。あれだけの大きな船を作れる人手があって、それにあの時代には人口の港…今も残る和賀江島(わかえじま)を作れるほどの技術があるのなら、あの船を浮かべることぐらい出来ただろうに。もったいないですよね~。せっかく大きな船を作ったのに。


それから今回、実朝と千世さんがとても仲のいい夫婦だということがわかった。最初の寝室のシーンで二人が同じ部屋に寝ているのもわかった。そうか…手をつないだり添い寝ができるのなら十分仲良し仲良し。そして実朝も千世さんのことが好きみたいですね。ベストフレンド愛。これから建造する船に乗って千世さんに一緒に宋に行こうと言っている。それに嬉しそうにうなずく千世さんが本当にかわいい。この二人は十分に幸せなのだと思います。よかったです

すごくかわいい 千世さん

実朝と船、そして西のお方
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和田合戦で、義時(小栗旬)が信じられなくなった実朝(柿澤勇人)。「鎌倉を源氏の手に取り戻す」。源実朝、覚醒です。もう義時/北条家の言いなりにはならない。そして京の後鳥羽上皇(尾上松也)を頼ろうとする。また実朝は泰時(坂口健太郎)に彼の味方になるように頼む。それに答える泰時。

とはいっても具体的にはまだ何も動かない。実朝には政の裁断をする力がない。政は宿老達が動かしている。そして義時は実朝のやる気を削ごうとする。

元久2年(1205年)頃 義時がついに執権の座につくことになる。


建保4年(1216) 後白河法皇に仕える源仲章(生田斗真)が宋からの陳和卿(テイ龍進)を鎌倉に連れてきた。そして陳和卿の勧めにより、実朝は船をつくり宋と交易をする大きな夢を持つ。昔聖徳太子がそうしたように…。 船を作るよう御家人たちに命ずる。


京の後鳥羽上皇は喜ぶ「これで実朝の力が強くなる」上皇は北条が大きな顔をすることが我慢できない。

工事現場と言えば八田知家(市原隼人)。由比ガ浜で船の建造は進む。


義時は実朝が後鳥羽上皇に近づくことを好まない
「頼朝様は武家の鎌倉を作りたかった。実朝様には退いてもらう。政は宿老達が行う。西に頼りすぎると鎌倉御家人たちを敵に回す」


実朝の夢は膨らむ。「泰時も一緒に宋に来て。千世も一緒に来てね」ワクワク


実朝、義時、政子(小池栄子)、時房(瀬戸康史)、泰時、三善康信(小林隆)…義時が船の建造を中止するように実朝に進言。御家人達に負担が大きいため不満が出始めている。

そしてその船は後鳥羽上皇が後ろで糸を引いているのではないかと疑う義時。政子も実朝を諭す「ゆっくりと時をかけて立派な鎌倉殿になればいい」しかし実朝は船をあきらめない。

船の完成が間近なある日の夜、時房が船に忍び込む。設計図を書き換える。

建保5年(1217年)4月17日 船が完成。

おっぱい大きいね

ところが船が砂にめりこんで動かない。そのまま船が浮かぶことはなく、船は動かないまま朽ち果てた。


それから暫くして実朝が、義時、時房、泰時、政子、実衣(宮澤エマ)を集めて告げる。「私は家督を譲り、大御所となる。私には子ができない。養子をとる。上皇様にお願いする」

それに反発して義時「勝手に決めてもらっては困る。鎌倉殿は源氏と北条の血をひく者が務めてきた。これからもそうあるべき」…そう告げる義時を制する政子と泰時。政子と泰時が反義時になりつつある。憤慨する義時。また義時が甥の「公暁は」と実朝に問えば、実朝は「公暁は仏門にいるから」と取り合わない。

建保5年(1217年)6月20日 6年ぶりに公暁(寛一郎)が京から鎌倉に帰ってきた。

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大江広元(栗原英雄)が目を患う

京から丹後局(鈴木京香)が鎌倉にやってきた。政子が苦労が多いと話せば、丹後局は「まだ甘えたことを言ってるのか。覚悟を決めろ。頼朝に嫁いだとはそういうこと。人並みの人生など望んではならぬ。何のために生まれてきたのかいずれわかる」と政子を励ます。

土木課の八田知家は今回も筋肉隆々で汗を流していたけれど、実は八田さんは三善康信さん と同じぐらいの年齢だそうで…ということは77歳ぐらい?😲ぇー ! 八田さんは今回で隠居なさるそうだ。湯気の出るマッスル担当ありがとう!💕

泰時が伊豆の時政(坂東 彌十郎)を訪ねる。時政は足を痛めたらしいが世話をする女性さつき(磯山さやか)もいて穏やかに暮らしている。りくは京に戻ったそうだ。鎌倉を追われて10年後、時政は78歳で死去。

時政はモテる new ガールフレンド・さつき

時政が伊豆で幸せそうだ。よかったです。悪妻りくさんに惑わされて色々とありましたが、それでも時政は愛されキャラでした。べらんめぇ調で下町のお父ちゃん風。短気ですぐにキレるけれど根は陽気なおじさん。力の抜き方がわかっている。美人に弱い。しかし戦えば強い。 37回でりくさんの事ばかり書いて「時政は女に操られてダメダメ」などと書いていたので、もう一回時政に会えてよかったです


今回13人から抜けた人…八田知家


残っているのは…二階堂。三善、大江、そして北条義時。
うわぁああ義時以外は文官しか残っていない! 北条独裁だ


2022年11月16日水曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第41回「義盛、お前に罪はない」10月30日放送



だせーよ義時。この男はわざわざ酷いことをする。

実朝(柿澤勇人)をフロントに出して和田義盛(横田栄司)を誘い出し、実朝が「お前に罪はない、これからも私に力を貸してくれ、私にはお前がいるのだ」と言えば和田っちがうるうる大喜び。そこに大勢で矢を射かける。ひど~い~ひどすぎるぅ~。

ところで義時(小栗旬)、もう心を決めたのなら迷うべからず。和田さんをあんな風に殺し、実朝を立ち直れないほど絶望させておきながら、現場から立ち去る時に悲しい表情を見せるのだけれど、あなたはそこで泣かんでもよろしい。意図的にお友達を惨殺しておきながらやっぱり悲しいのなら、おうちに帰ってから一人でめそめそしなさい。戦場で泣くんじゃねぇっ!

義時は変なのよ。友人を殺して悲しむくらいなら「なぜその友人と和解の道を探さなかったのか」と言いたくなる。そのチャンスはいくらでもあったのに。史実(記録)で北条が和田一族を滅ぼしているのは事実だからそれを変えるわけにはいかないとしても、もう少し納得のいくキャラ設定があると思うのよ。強い信念の元に悪者になる自覚があるのなら湿っぽい感情でふらふらするべらず。人がついてこないよ。

もう今時「男らしい」とか言っちゃいけないのだろうけど、でもこんなぐずぐず迷ってばかりの男は「鎌倉のヤンキー成り上がりキャラ」として説得力なし。もっとしっかりして。

…と脚色されたキャラに腹を立てる。


そういえば義時って以前から、比奈さんやのえ(菊地凛子)さんに「暗い」とか「陰気」とか言われてましたね。八重さんも一方的な「きのこ」でひいてたっけ。 暗いの?義時。 頼朝+梶原景時に”いい人”の上総介が殺られた時も一人で悩むだけで止められなかったし、今回も”いい人”の和田っちを、実朝を使って油断させてから矢を射かけてる。やり方が汚い。だから以前からの脚本で女性たちに「暗い」と言わせたのは、やっぱり義時が「そういう男」だというキャラ設定だったのか。う~むなるほど。

私は和田っちがいい。いい人が酷い殺され方をするのを見るといやになる。まんまと三谷氏の脚本に感情を揺さぶられている。


でも最後まで和田さんはキラキラ愛されキャラだった。大雑把でうるさい。お風呂に入らない。がさつで豪快。でもあったかい人。小鳥を愛でる。おうちで巴(秋元才加)さんと仲良くほのぼの。巴さんの尻に敷かれてもなんだか嬉しそう。あちこちに子供が沢山いて実は大家族。みんなまとめて大きなお父さん。巴さんとは暖かいおうちをつくって、繊細過ぎるボンボン実朝を鍋パーティーに呼んで喜ばせる。

いいキャラ。和田っちはいい人。鎌倉殿で一番いい奴だったかもな~。和田さんは毎回登場するたびに楽しかったです。横田栄司さんの髭ボーボーのメイクもお似合い。…今横田さんのツイッターを見てきた。横田さんのあの髭ってほぼ本物なのですね。本物の髭に(多分)メイクで毛を追加していらしたのか。ひゃ~~すご~いびっくりしたわ。和田っちは絵になるので似顔絵も沢山描いた。

この和田っち最後の場面は横田さんのステージのようだった。かっこよかった。熱が伝わってきた。熱のある熱い芝居。最高。素晴らしい素晴らしい素晴らしい拍手っ!88888888888888

え~もう次回から和田っちがいないとさびし~ シクシク。

いつも一緒

巴さんもこれで最後なのか。馬上で長刀を振り回す巴さんが勇ましくまた悲しい涙。
巴さんも素晴らしかった。好き。秋元才加さんがかっこよかった。秋元才加さんの大きな目と涙に何度も泣きそうになった。強い女、巴御前。最高にかっこいい女。戦ではとんでもなく勇猛な女戦士なのに、和田っちの前では小さな女の子みたいな表情になるのがかわいかった。彼女が和田っちに愛されて幸せでよかった。和田っちと巴さんは上下関係なし。お互いを頼りにできる戦友。理想の男女の関係。それは巴さんが強い強い女だったから。素敵ね。これから巴御前と言えば 秋元才加さんを思い出すと思います。かっこいい巴様。


というわけで今回は和田合戦の回
ドラマでは…前回実朝に会った和田義盛。実朝と双六をしていたら帰宅が遅くなった。それで息子たちが「父上を助けにいこう」と騒ぎ始める。義盛が帰宅したら息子達の兵は既に出陣していた!和田合戦勃発!
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和田合戦とは
建暦3年5月2日 - 3日(1213年5月23日 - 24日)
鎌倉幕府内で起こった有力御家人和田義盛の反乱
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中世の戦闘場面をしっかり描く大河ドラマ。よくやってくれました!

泰時(坂口健太郎)の軍がローマ兵の「テストゥド」(亀の陣)をやってましたねぇ。面白いな。鎌倉時代にテストゥド はうそだろうと思うけれど面白い。びっくりした。

そのアイデアを出したのが泰時の弟・朝時(西本たける)。数回前からこの朝時のイジケ具合が気になっていたのですけど、今回戦場で役に立って泰時に「役に立つ男になってくれ」と励まされていた。義時に認められてうれしそうだった。よかったね。この子は伸びるのかな。朝時がんばれよぉ。


それから前回、和田家の3人の息子さんたちの似顔絵を書いたのですけど、それで役者さんたちのお顔を覚えていて、今回も彼らがそれぞれの場面で頑張っているのが見れて嬉しかった。そうか…あの大柄な武将が勇猛な朝比奈義秀(栄信)なのですね。彼も義直(内藤正記)も義重(林雄大)もそれぞれ戦って最後にやられていた。和田兄弟はみんなやられちゃったんだな。


和田さんのお言葉キラキラ

裏切るなら早いうちにして
三浦義村(山本耕史)の意向を先読みして「裏切っていいよ」と言う和田っち。おいおいおいそんなはずはない。戦の前に味方に寝返りの許可を与えるトップがどこにいるのよ。脚本がダメダメ笑。戦は運動会じゃないぜ。

俺は生きて帰る。その時お前がいなければ困っちまうよ。
かわいい。出陣の前に巴さんに向けての言葉。うんと頷く巴さんの笑顔がかわいい。和田っちと巴さんは「鎌倉殿」一番の素敵カップル。和田っちといっしょにいる時の巴さんの笑顔がいい。幸せなんだよね彼女は。この二人が出会えてよかった涙。

何ならいっそのこと鎌倉殿になっちまうか。そしたらお前は御台所
休戦中の由比ガ浜で巴さんとにこやかに和むシーン。この時のふたりも微笑ましい。このお二人はケミストリーがいい。和田っちも楽しそうだし巴さんが可愛い笑顔。素敵カップル。

みんな聞いたか、これほどまでに鎌倉殿と心を通じ合った御家人が他にいたか
実朝と対峙して喜んだ後に家臣達に。そう。そのとおり。和田っちの真っ直ぐなお人柄が私も好き。和田っち好き好き

我こそは鎌倉随一の忠臣じゃ。みんな胸を張れ
そうだ。実朝と心を通わせたのは和田っちが一番。そのことは和田っちも誇らしくしっかりと心に刻んだと思います涙。



三善(小林隆)さんの鋭い指摘
「北条と和田の争いが和田と鎌倉殿の戦になる」そうだそうだそのとおり

泰時は戦いたくなくて酔いつぶれ
お初(福地桃子)は強い嫁。二日酔いの泰時に水バケツ・チャレンジ。

大江(栗原英雄)さんはアスリート
戦士じゃないですか。びっくりだわ。バックに流れる和やかな音楽。

実朝の苦悩
柿澤勇人さんは上手い役者さん。ほんと。和田さんを説得しに出て行ったのに、義時に裏切られて大切な友人を目の前で惨殺される。それがいかに酷いことなのか。言葉では言えないほどの実朝の苦しさが柿澤さんの声と表情で胸に迫った。実朝は泣いて泣いて目が腫れている。そして戦が終わって戦の場をさまよい歩く実朝の目もまた浮腫むように腫れている。悲しい表情が見ていて苦しくなるほど。…いや~それにしてもあの義時の仕打ちは本当に酷いぜ。実朝は義時を絶対に許さないだろう。

そしてこの和田合戦での経験から、実朝は自らの考えを持ち始める。「心を許せる者はこの鎌倉にはおらん」と義時に告げる。そして実朝は京に近づこうと心を決めたらしい「万事西のお方にうかがう。強きお方にお力をお借りする。そうすれば鎌倉に血が流れることもなくなる」
…それ陰険義時には言わないほうがいいですよ。危ない危ない。

さて実朝は大丈夫なのか。


今回13人から抜けた人…和田義盛



2022年11月8日火曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第40回「罠と罠」10月23日放送



「鎌倉殿の13人」一番のアイドル・和田義盛のフィナーレが近づいております。「和田合戦」が起こるまでを描いた回。
 

このドラマの北条義時は二枚舌。この人物は何を考えてるのかわからん。

結局これは、また権力を持ちすぎた者=義時の…不安による周りの人々の粛清なのでしょうか。過去には同じように頼朝も皆を殺した。それを義時は見ていた。畠山氏を粛清したのは時政とりくだけれど、今回の和田氏討伐は義時(+大江)のアイデア。しかしそれは理由のない粛清

なぜなら、このドラマの和田さんは裏表のない真っ直ぐな人物。だから(義時が心配しているように)たとえ周りが和田さんを(反北条へ)持ち上げたとしても、和田さん本人は鎌倉殿や北条を攻めるような人物ではない。和田さん本人も「政はお前にまかせる。力がいる時は俺に言え。御家人であろうと西であろうと鎌倉の敵は俺が討ち取る。これからも支えあっていこう」と言っている。彼に反北条の考えは無かった。

だから、なぜ義時が和田さんを恐れるのかがよくわからない。息子・泰時との会話で義時は「お前のため」と言っているので、和田さん本人が亡くなった後のことを心配しているのだろうが、その未来のための和田一族討伐が、今のこの時である必要性もわからない。むしろ今、西の後鳥羽上皇に不穏な動きがあるのなら、和田義盛の軍を側に置いておくほうが安心ではないかとも思う。


それから義時にせよ義村にせよ、コロコロと考えを変える様子にどうも馴染まない。特にホラ条義時はあきれるほどの二枚舌。すでに和田を討つことは決めているのに、政子に咎められれば「わかった。討たない」と同意。その直後に大江と和田を追い詰めるアイデアを話している。そして(流罪になった和田胤長の館を没収して)和田一族を挑発するが、実朝+政子+和田との会話では戦をしないことに。ところがまた政子が義時を問いただせば「鎌倉のためです」とまだ戦をするつもりでいる。ドラマを見ている視聴者には「義時の心はすでに決まっているのだろう」とわかるが、現実に義時の周りにいる者たちには彼が何を考えているのかがわからないだろうと思う。このような人には周りが振り回される。大変迷惑。

彼のふらふら具合は論外。こんな人のために誰が命を捧げて戦えるだろうかと思う。義時はいつまでもいい人ぶってないでさっさと観念して悪者になりなさい。そのほうがかっこいいと思うよ。信念のある悪人は、それはそれでいいのです。


それからミホラ義村も同罪。彼も和田に反北条を焚きつけてその気にさせ、その直後には義時に「和田が誘いに乗った」と報告。しかし政子には「北条につくのは和田との戦を止めるため」と言う。そして戦開始の前、和田の軍の側にいながら八田や長沼に「兵をあげたら寝返る」などと喋っている。

…彼が寝返ったのは史実らしいのだけれど、こんなに右に左に言うことが変わったら家臣はたまったものではない。義時の二枚舌同様、(芝居としてなら)人物の考えがコロコロ変わるのは面白いところなのだろうが、実際には義時も義村も何千何百もの兵を率いる軍の大将。そんな人達が無責任に右に左に言うことを変える様子はどうも嘘臭くていけない。軍の指揮命令系統はどうなってるのだろう?そして共に命がけで戦う仲間のはずの八田や長沼に、戦の前から「俺裏切るよ」なんてわざわざ言うだろうか。いきなりザクっと斬られておしまいじゃないか?

もちろん役者さん達のせいではないですよ。問題は脚本。視聴者を混乱させ惑わすのは意図したものだろう。


この和田の乱をWikipediaで見ると…、「泉親衡の乱」に参加した和田の甥が流罪になったこと、そして彼の館が没収されたことなどなど…義時による挑発で和田一族の若い衆が義時に怒りを爆発させ、義盛にも彼らが抑えられなくなったのが実情らしい。


ストーリーはほぼ記録にある流れ。史実と言われている記録をなぞる脚本は毎回すごいと思う。面白いし歴史を学べる。 ただ御所に行った義盛がなかなか帰ってこないことから和田の館の若い衆がいきり立ったのが戦の始まりになった様子は…これは仁田さんが討たれた時の話のコピー。


ドラマの流れ
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後鳥羽上皇(尾上松也)が閑院内裏の建て直しを鎌倉にやらせると言い出す。
それにより鎌倉御家人達には不満がつのる。和田義盛(横田栄司)の元に皆集まって文句を言う。
和田の元に皆が集まっているのを北条義時(小栗旬)が見逃さない。

建暦3年(1213年)2月 「泉親衡の乱」が起こる…信濃の武士・泉親衡が仲間を集め北条義時を打倒しようとした事件。関わった者のリストに和田の息子2人=和田義直(内藤正記)と和田義重(林雄大)、それに甥=和田胤長(細川岳)がいた。


泉親衡本人は行方をくらます。
鎌倉はこの事件は後鳥羽上皇が仕組んだものではないかと疑う。

3月8日(3月31日) 和田義盛が将軍・源実朝(柿澤勇人)に一族の赦免を嘆願。

毛が多い 和田義盛

和田の息子2人はお咎めなし。
しかし甥の和田胤長は罰されることになる。後に陸奥国へ流罪が決定。

義時「最も頼りになる者は恐ろしい。消えてもらう」

3月9日(4月1日) 和田が98人の親族を引き連れ、御所にて甥・和田胤長の罷免を直訴。鎌倉殿に会うことも叶わず。縛り上げられた胤長を見て和田が憤る。

和田、三浦義村(山本耕史)の元へ。不満を伝えれば、三浦義村が和田義盛を焚きつける
「力になってやってもいいぜ。皆不満が募ってる。皆を誘って鎌倉殿を囲い、義時を殺す。俺たちが鎌倉を変える」

3月21日(13日) 和田胤長の娘が父に会うことなく死去。それが和田の背中を押す。

義時を止める泰時(坂口健太郎)に
義時「和田は必ず立ち上がる。これはお前のため」
泰時「私は敵をつくらない。父は間違っている」
義時「謹慎しろ」

イノセント 泰時

義時の野心を諫める政子(小池栄子)に義時
「周りが和田を担ぎ上げるから問題。坂東武者のてっぺんに北条が立つ」
義時、政子には「和田をけしかけない」とその場限りの口約束

そのすぐ後 義時が大江広元(栗原英雄)に
「尼御台にはいずれわかってもらう。それより和田を焚きつけるいい手を思いついた」←本当にコロコロ変わる義時の言葉。

政子も義時を信じていない。それを三浦義村に話せば、
三浦「三浦が北条につけば、和田は孤立。戦にならないかも」

泰時の弟・朝時(西本たける)が鎌倉に帰ってきた。(福地桃子)が呼び寄せた。

歩き巫女(大竹しのぶ)の戦の預言。

4月2日(24日) 義時 流罪になった和田胤長の館を没収。重ね重ねの義時の挑発に義盛は挙兵を決断。

それは和田を起こらせるための義時のアイデア「和田が挙兵すればそれは謀反。それを鎮圧するために兵を出す」

実朝は和田を救いたいと政子に告げる。
政子は三浦が北条につけば戦にならぬと言う。
それを否定する実朝
「あの者は追い詰められれば一人になっても戦う」

和田が女装して実朝に会いに御所にやってくる。
実朝、和田の手を取り「いつまでもそばにいて。和田は鎌倉一の忠臣」

実朝、政子、義時、和田
なんとか戦をしないように話がまとまる。

しかしそのすぐ後、和田討伐の計画を諦めていないだろうと疑う政子に義時「鎌倉のためです」←義時しつこいな。まだ言ってる。この男は何度も何度も言っていることを覆す。

政子も義時を信じていない「戦をせずに鎌倉を栄えさせてみよ。何に怯えている?」

和田義盛 義時に
「俺たちの望みの鎌倉殿を手に入れたのかもしれんぞ。政はお前にまかせる。力がいる時は俺に言え。御家人であろうと西であろうと鎌倉の敵は俺が討ち取る。これからも支えあっていこうぜ」 ホラ条義時「よろしくお願いします」

Wada Brothers

そのころ和田の館。帰りの遅い義盛を心配する息子達。
「父の身になにかあったのでは?」大江広元の館を襲い、御所で和田を助け出す計画を立てる

その場に三浦兄弟、八田知家(市原隼人)、長沼宗政(清水伸)。
三浦義村「この乱は失敗する。俺が向こうにつく。兵を上げたら寝返る。和田には手を貸すな」…と言いながら、義村「共に北条を倒そうぞ!」

巴御前(秋元才加)、三浦義村に「起請文を書いて」
そして書いた起請文を燃やして飲む。なぜ?紙が残ってるからこその証拠なのに…。

とりあえず義時、今回は戦をしないことにしたらしいが…。

建暦3年5月2日 鎌倉最大の激戦 和田合戦 勃発!


実朝、千世(加藤小夏)、政子、実衣(宮澤エマ)は大根の葉の下準備。千世と実朝は仲がいい。いいね


2022年10月28日金曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第39回「穏やかな一日」10月16日放送



穏やかな日常を描く。静かな中にも沢山の情報が描かれてます。まるで凝った模様の編み物のよう。

今回の目玉は実朝のカミングアウト。なんと…全然わからなかった。そうか~そうなのか…。なーんと千世さんとの結婚に悩んでいたのもそういうことなのか。

全く気がつかなかった。え~…じゃあ歩き巫女に「悩むのはお前だけではない」というのもその話だったのか。なるほど~。私はてっきり実朝は真面目で繊細で思いつめるタイプだから、幼くして鎌倉殿になったことや結婚の相手も自分で決められない…などなど自分の立場が不自由だとか自分のアイデンティティが不安定だとか…若者らしく悩みも多いのだろうとばかり思っていた。

今回それがはっきりわかった場面は弓の技比べ。鶴丸あらため平盛綱が上手に的を射て泰時と抱き合って喜ぶ…その二人を見て顔を曇らせる実朝。あ、そうか、嫉妬してる…。そして実朝は鶴丸を御家人にはさせぬと言う。義時に脅されて結局許すことになったけれど、実朝は泰時と鶴丸/盛綱の仲の良さに嫉妬してましたね。 そうか…。

そして実朝は泰時に「返歌ちょうだい。楽しみにしてる」と歌を渡していた。その内容は恋の歌。

「春霞 たつたの山のさくら花 おぼつかなきを 知る人のなさ」
(病み上がりでやつれて会いたくないけど会いたいな~)源仲章訳

その歌の意味を源仲章から教わった泰時。
実朝に、これは恋の歌ですよ、間違ってませんかと歌を返す。
そして実朝「ああ間違ってたね」と出した歌が

「大海の 磯もとどろに寄する浪 破(わ)れて砕けて 裂けて散るかも」
(私の心はわれて、砕けて、裂けて散ってしまった)

と失恋宣言。
この場面の柿澤勇人さんの繊細な表情が素晴らしい。

…そうか、そういうことなのか。そういうことなら尚のこと泰時の坂口健太郎さんの配役が素晴らしいですね。坂口さんは綺麗なお方ですもん。肌がすべすべ色が白くて清潔感溢れる…背が高くて手足が長く全体のバランスがとれていて、そんな美しい泰時に実朝が恋心を抱くのは理解できる。実朝は芸術系の人。美しいもの、美しい人が好きなのだろう。泰時は心もまっすぐで綺麗な人。なるほどだわ。

そして泰時も実朝のことをどうにもしてあげられないから悩んでいる。お酒を呑んでた。

そしてもっと悲しいのは奥さんの千世さん。彼女は優しい人。彼女は実朝の全てを受け入れるのか。実朝の信頼できるパートナーとして、女のベストフレンドとして生きるのか。彼女も辛いね。せめて添い寝だけでも。寒い冬ならハグして眠ってもいいじゃないか。ぬくぬくすればいいのに。実朝も女性を触るのも嫌なほど嫌いなわけじゃないだろう。

それにしても役者さん達もうまい。実朝の柿澤勇人さんの表情が素晴らしくて見ているこちらも切なくなる。みんないい。実朝は他に誰か見つからないのかね。泰時ほど美しい人はなかなかいないから難しいか。それに千世さんが辛いな。難しいですね。


義時と和田関連
八田知家(市原隼人)が政子(小池栄子)に御家人達の北条への不満を伝える。
・それを政子 が義時(小栗旬)に伝える
和田義盛(横田栄司)が実朝(柿澤勇人)に上総の国司を直接リクエスト。それに答えようとする実朝。政子がそれを咎める。和田が義時に「鎌倉殿は上総守を約束してくれた」と言えば義時はそれを制する。「雨林もやめろ」と。
・和田義盛が義時に不満を持つ。
・義時と大江広元(栗原英雄)はすでに次の粛清ターゲットの話をしている。そのターゲットは和田義盛。理由は和田が御家人たちに人気だから「そしていずれはいなくなる」
・和田には三浦義村(山本耕史)がついている。
・義時「守護は2年ごとに改める」…御家人達の力を削ぐ目的。
・三浦義村も義時に不満を持つ。
・義時が実朝に凄む。「私のやることに口を挟むな。鎌倉殿は見守ってくれればいい」義時独裁か。
・義時への不満を募らせる和田と三浦が話し合う。「痛い目にあわせてやろう」



承元2年(1208)年 春 義時とのえ(菊地凛子)の間に子供が。

承元2年(1208年)2月 実朝疱瘡を患う。回復まで2か月かかった重症。
あいかわらず実朝には政治の決定権がない
実朝は千世(加藤小夏)と話すよりも和田義盛と話すほうが嬉しいらしい。

源仲章(生田斗真)が京からやってきた。
承元3年(1209年)7月5日、実朝が和歌30首の評を京の藤原定家に請う。
三善康信(小林隆)が落ち込むのを実朝が労わる。

八田知家は家具も作れる。やっぱりガテン系だ。

汗だく熱い男 八田知家

義時と比奈の息子は北条朝時(西本たける)次男。朝時は御所の女房に手を出した。朝時は父義時が大き過ぎて気おくれしているらしい。


義時 泰時(坂口健太郎)に伊豆にお土産を持っていけと言う。まだ時政と繋がっている?
鶴丸が平盛綱(きづき)に 承元3年(1209年)11月14日頃か。

北条時房(瀬戸康史)はバランスのとれたいい人。実朝に兄頼家の孤独を話し実朝を気遣う。
承元4年(1210年)正月14日 北条時房 は武蔵守となる

つつじと善哉(高平凛人)が鎌倉殿へあいさつ。


建永元年(1206年)10月20日 実朝が兄・頼家の次男である善哉を猶子とする。
善哉が成長しました

建暦元年(1211年)9月22日 善哉が公暁(寛一郎)と名を変え出家して京へ上る。将来は鶴岡八幡宮の別当に。


2022年10月20日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第38回「時を継ぐ者」10月2日放送



牧氏事件

記録では…
元久2年(1205年)閏7月19日 
北条時政(坂東彌十郎)と牧の方/りく(宮沢りえ)が実朝(柿澤勇人)を廃して、娘婿の平賀朝雅(山中崇)を新将軍として擁立しようとしているとの噂が流れた。政子(小池栄子)は長沼宗政・結城朝光・三浦義村(山本耕史)・三浦胤義・天野政景らを遣わして、時政邸にいた実朝を義時邸に迎え入れた。時政側についていた御家人の大半も実朝を擁する政子・義時に味方したため、陰謀は完全に失敗。幕府内で完全に孤立無援になった時政と牧の方は出家し、翌20日には鎌倉から追放され伊豆国の北条へ隠居。北条義時(小栗旬)は大江広元(栗原英雄)・安達景盛らと協議して京に使者を派遣し、在京御家人に朝雅討伐を命じる。26日には在京御家人の襲撃を受け、朝雅が討たれた。朝雅誅殺後、義時は御家人中の最有力者となり、儀式における序列は義時が第1位を占めるようになる。


ドラマでは…
時政が実朝を館に幽閉。そして実朝に「出家する」との起請文を書かせようとする。抵抗する実朝。その後義時の率いる後家人達が時政の館を囲み実朝は無事救出される。時政は出家。りくは京へ帰るよう促されるが拒否。時政と共に伊豆へ隠居させられる。実朝/義時が京の御家人に命じて平賀朝雅を討たせたことに後鳥羽上皇(尾上松也)が激怒。


この回は宮沢りえさんを堪能する回。大変素晴らしい。

りくは美しい。気が強くて自分本位で、巧みに男を魅了し焚きつけて思い通りに事を動かす悪女。しかしなんとも魅力的な悪女。最後まで輝いていた。今までりくがやってきたことは本当に酷いことなのに、なぜか見ていて楽しくなるキャラ。彼女に魅了される。まるで宮沢さんの舞台のようだった。

りく 涙

1 館を御家人達に囲まれて、時政がりくに京に逃れるように告げる。それに「いやです」と抵抗。下唇を噛んで大きな目には涙があふれる。その場面の彼女が…ま~息を呑むほど美しい。うわ~っと圧倒された。ああ…この女優さんはやっぱり世の中を動かす美女だ。現実でもそうでしたもんね。宮沢さんはティーンの頃から世の中をあっと言わせた美女。50に近い歳になった今でも女が溢れる。彼女は「The女優」だと思った。昔のハリウッドスターのような輝き。ただただ魅了される。彼女を見つめる時政の顔が緩む。も~時政さん、りくさんが愛しくてしょうがないのだろう。よくわかるわ。現実にもそうだろう。どんな俳優さんでもあの宮沢さんの涙には心がとろけると思います。

2 政子の元に逃げてきたりく。「夫は死ぬつもり。企んだのは全て私。悪いのは私です」…今さらそれを言うのなら、なぜあんなに酷いことを企んだのよと思うけれど、それでも宮沢さんは美しい。その言葉が政子を動かす。

3 捕らえられ伊豆へ送られる前のりくを政子と実衣が訪ねる。りくが鬱いでいるかと思えば、着飾って元気一杯。もうしょうがないなこの人は。りくさんに反省の色無し。それが面白い。いけしゃあしゃあと「北条に嫁いでいい事は一つもないわ」と嘯く。それがまたおかしい。楽しそうだ。美しさに説得力。もう自分勝手でも薄情でもいいです、りくさんなら許す。お綺麗過ぎる。美人はいいね。現実にいたら許せないだろうけれどフィクションならいい。

4 その直後に訪ねてきたのえが、北条とうまくやる秘訣を訪ねれば「無理に馴染もうとしないこと。北条を誇りに思うこと」…おおこれはこれは…やっぱり北条がいいのか。義時にも「あなたはとっくに坂東の女だ」と言われてました。

5 最後に義時へ。義時が執権にはならないと言えば「意気地がないのね、この親子は。…あなたはそこに立つべきお人」とまたまた義時を熱く見つめてけしかける。すごいよなぁ。りくさんは男なら誰にでも言い寄って励まして刺激していい気分にさせて操り始めるのね。そういえば以前頼朝と話した時(第25回)にも「京に上ってください」とか「りくは強いお方が好き」とか言い寄ってましたよね。出会う男全員を魅了して思い通りに動かす。すごいなぁほんと。それが見ていて楽しい。宮沢さんのいい女には説得力がある。宮沢りえさん最高。大きな拍手。


それにしてもこのドラマのりくは悪い女。特に畠山さんとか稲毛さんとか…どうするよ。全成に頼家の呪詛をさせたのも彼女ですよね。実朝まで出家させようとした。比企を討つよう時政をけしかけたのもそうかな?酷すぎ。本当に酷すぎる。

だからやったことの罪が大きいのに、彼女がからからと笑っているのには多少違和感がある。あなたのせいで何人死んでるのよ? 事の深刻さを思えば彼女の明るさはやっぱり変。普通の人ならあんなに平気じゃいられないだろう。


前回も書いたのだけれど、世の中には男を魅了し惑わせ思い通りに操ろうとする女は存在する。しかしそんな女性を肝心なところではうまくあしらって実務では影響を受けない男が結局賢い男なのだろう。このストーリーの流れを見ると時政は美人の奥さんの言う事をハイハイと聞くだけの、なんだか残念なジジイになっちゃったねと思った。ウグイスだと言い訳していたけれど。畠山さんは帰ってこない。


さて北条義時 覚醒です。黒をまとって身を引き締める。このキャラも複雑。過去に色々と厳しいこともやってきたけどやっぱり情のある人なのか。今回も義時は時政を相手に揺れていた。彼はいつも揺れている。時政のやったことはクーデターなのだから、たとえ父親であろうと罪人として厳しく扱うのかと思えば、義時はやっぱり別れの場面で大泣きしていた。そういうものだろうか。もっとサバサバしていそう。


今回13人から抜けた人…北条時政



2022年10月13日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第37回「オンベレブンビンバ」9月25日放送



ドラマは…
前回の「畠山重忠事件」により、執権の北条時政(坂東彌十郎)は御家人達から反感を買ってしまい孤立。義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)大江広元(栗原英雄)らと新体制を始動させ、息子の泰時(坂口健太郎)を自身のそばに置き、父・北条時政と向き合う。


政子と義時に反発するりく(宮沢りえ)は、娘婿・平賀朝雅(山中崇)を担いで対抗することを画策。三浦義村(山本耕史)を誘い、夫・時政を焚きつけて実朝(柿澤勇人)を失脚させようと試みる。


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・元久2年(1205年)6月 畠山重忠討伐の後、
・元久2年(1205年)閏7月に起こった「牧氏事件」に至るまでの流れ。

・元久元年(1204年)11月4日 北条家の嫡男・北条時政と牧の方(りく)の嫡男・政範が京で急死。
北条氏の嫡男は元々時政の前室の子・宗時であったが、治承4年(1180年)に宗時は戦死。そのため時政の後室である牧の方が生んだ政範が北条家の嫡男とされていた。
宗時の弟、前室の子であった義時は北条氏の庶流である「江間家」を興して源頼朝に近侍。江間家は泰時が継ぐ予定。
ところが北条時政と牧の方の嫡男・政範が急死したため北条家の後継ぎが空白になった。政範の死によって義時の嫡流継承が可能になり、焦燥に駆られた時政が権力維持を図り暴走したとの説もあるそう。しかし様々な説があってこれが決まりというものでもないらしい。

牧氏事件とは
・元久2年(1205年)閏7月19日、時政と牧の方が実朝を廃して、頼朝の猶子で京都守護として京に滞在していた平賀朝雅を新将軍として擁立しようとした事件。

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時政67歳 「墓場に近き老いらくの 恋は怖るる何ものもなし」

さてこのドラマでは、北条家が分裂するのは全てりく(牧の方)のせいという設定。

りくが実朝を失脚させ、娘婿の平賀朝雅を新しい鎌倉殿に据えようと夫・時政に働きかける。その理由は…息子の政範が亡くなったことから、義理の息子・義時や政子に権力が移るのを嫌ったから。

ここがドラマとして難しいところ。
なぜ時政は自らの孫である実朝を失脚させようとするのか?
そして時政が実の子供達・政子や義時に対抗するのはなぜか?

というのも、このドラマでは時政は(義時や政子と親しい)家族思いのお父さんキャラに見えるから。

時政は「息子や娘、孫を愛している、皆幸せでいて欲しい」と言う。それなのに嫁のりくに責められて娘婿の稲毛重成、畠山重忠を殺し、阿野全成を追い詰めて娘達を苦しませ、孫の頼家の立場を危うくし、今度は孫の実朝を出家させる(下手すれば殺しかねない)。

りくは北条家にとってはよそ者で、そんなりくが前妻の子供達を貶めるのはわからないではないが、時政が自分の子供や孫たちを貶めるのはどうも納得がいかない。史実だとしても妙に思える。

もしかしたらこのような大昔の時代は、親子の関係も今とは違っていたのかもしれぬ。たとえ親子でもこのドラマのように親しい関係ではなかったのかも。義時は江間家を興しているので時政とは距離があったのだろうか。


今回のドラマは…家族思いの時政が(悪妻に操られて)息子や娘や孫と別れる決心をした(もしかしたら戦になる)ので、最後に一人で皆に会いに行って一家だんらん。家族と最後の温かい時間を過ごす話。

しかしそこが変。時政は子供達がかわいいのならなぜ彼らと決別するのだろう。時政どうした?りくさんが美貌でかわいい嫁なのはわかるが、孫を殺すほどではないだろう。

子供達が大切だと思うのならりくを黙らせることは簡単なはずなのですよ。叱って黙らせればいいだけの話。離縁してもいい。だってりくさん、家族にとっては最悪の悪妻。疫病神。


この話、もし時政が義時達とそれほど親しくしていないのなら納得できる。りくさんの吹き込む言葉が時政を不安にさせた可能性はある。しかしこのドラマでは時政を家族思いのお父さんキャラにしたことでどうも妙な話になった。

時政の優先順位がわかりづらい。
大切なのは
・子供達皆との平和な関係なのか?
それとも
・後妻りくなのか。


宮沢りえさんは最高。宮沢さんは艶々と美しい。輝いてます。男を操る傾国美女。時政がめろめろになるのもわかる。 りくは強欲な女だがそのような女性はいるから納得できる。前妻の子供をないがしろにしてでも自分と自分子供の利を得ようとする女性は存在する。

でも明らかに家族の疫病神のりくさんの言いなりになりながら、同時に前妻の子供との決別を悲しむ時政はリアリティがないなと思った。どっちをとるのかはっきりしなさい時政よ。

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実衣(宮澤エマ)と阿野全成の息子・阿野時元(森 優作)が実朝に仕えることに

畠山重忠の室/時政の娘ちえ(福田愛依)は畠山の土地を引き継ぐ事を許された。その後彼女は再婚。
後鳥羽上皇(尾上松也)は似顔絵がうまい


りくの野心に反して京の平賀朝雅は鎌倉に行きたくないと言う。
実朝はまた和田家で和む
時政は三浦義村を計画に引き入れたつもりだったが、義村はそのことを義時に報告。
義時は時政の企てを明らかにさせる目的で、義村に時政の策を進めるように促す。
実朝が時政の館に捕らえられる
「自らが出家する」起請文は書けぬと、実朝が時政に抵抗する。



2022年10月6日木曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第36回「武士の鑑」9月18日放送



今回のメインイベントは「畠山重忠の乱」。しかし「乱」とは言っても本当は「北条側のだまし討ち」ですね。前回からこのあたりの話を尺をとって丁寧に描いてます。そして戦いの場面もかなりの熱量。すごいです。

畠山重忠を演じる中川大志さんはまだ24歳だそう。そんなにお若いんだ。びっくりした。だって落ち着いていらっしゃるし、他の40代の俳優さん達と並んでも馴染んでいらしたもの。すごいわ。

すごい眉毛 かっこいいね 畠山重忠

この中川さんは、以前『真田丸』の時に秀頼をなさったのを覚えてます。秀頼は城の中から出ない若殿様だったので見ていてもどかしかった。もちろんそれが史実なのでしょうがないのですけれど。しかしせっかくルックスのいい若者なのだから、城の外に出れば豊臣軍の士気を上げるのに効果抜群なのに…もったいないなぁと思った。当時の中川さんは18歳だったそう。とても凛々しい若者でした。

あの中川さんが今24歳。そして今回演じた畠山重忠は42歳だそうです。おおおおなんと大人の男になりましたねぇ。そして今回の義時との殴り合いの場面はすごかった。重い音で殴り合ってます。ちょっと本気かなと思った。小栗旬さんも大きなお方なのですけど、中川さんが負けていない。いや中川さんがエネルギーの勢いでは勝っていた…小栗さんは苦戦していた。小栗さんが本気で辛そうだった。そこに中川さんが目をギラギラさせてまた殴りかかる。もうアドレナリンが出尽くして大変。小栗さんが泣きそうなくらい辛そう…だと思った。いや~中川さんが本当にすごかった。よかったですね。これで城の中の秀頼もリベンジできた。素晴らしかった。大きな拍手。888888…

綺麗 畠山重忠室・ちえ(福田愛依}

しかしだからこそ、そんなに激しい殴り合いだったからこそ、重忠はそこでなぜ義時をざくっとやってしまわないのか??? もうそこまで追い詰めたのだったらやっつけてしまえ。どうせ北条側も汚い手でだまし討ちしてるんだからさ。そもそも北条の言いがかりなんてりく/牧の方…女の言いがかりが始まりよ。

それにそもそも畠山の手勢は足りないのだし、どうせ皆やられるのはわかっているのだから、北条の義時を勢いに任せてやっつけても別にいいでしょう? もう義時なんかやっちゃえやっちゃえ…と思った。なんでそこで助けるかな~。甘い!義時が主人公だから?まぁそうですよね…。

というわけで畠山重忠は惚れ惚れするほどかっこよかったけれど、最後まで戦いつくさなかったのはもったいない。まぁ実際にはあんな殴り合いはやってないだろうからドラマの上の話ですけど。

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というわけで、前回は北条時政(坂東彌十郎)が源実朝(柿澤勇人)から「畠山討伐」の下文を手に入れた。

三浦義村の弟

北条側の軍勢はまず由比ヶ浜に呼び出した重忠の嫡男・重保(杉田雷麟)を討ち取る。そしてわずか134騎で鎌倉へ向かっていた畠山重忠(中川大志)を道中で誅殺するべく鎌倉から畠山追討の大軍が派遣された。ドラマではあまりわかりませんでしたが、この北条側の軍はかなりの大軍だったそう。

そして元久2年(1205年)6月22日午後、重忠は二俣川で鎌倉からの討伐軍に遭遇。そして4時間あまりの激戦の後、戦死(享年42)。

そして6月23日、鎌倉内で重忠の同族であり討伐軍に加わっていた稲毛重成(村上誠基)父子、榛谷重朝父子が、重忠を陥れた首謀者として三浦義村(山本耕史)らによって殺害された。


7月8日、将軍源実朝に代わり、尼御台・北条政子(小池栄子)の命により、畠山氏の所領は勲功として重忠を討った武士たちに与えられた。

多少の脚色があるとはいえ、ドラマもほぼそのように進んだ。

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それにしても主人公の北条義時(小栗旬)が、どうも煮え切らないキャラに見えてしまう。

りくは息子の範頼が殺されて頭に血が上ってるので、その仕返しに殺すのなら誰であってもいい。平賀朝雅(山中崇)に言いくるめられて息子を殺した犯人が畠山だと信じ込む。畠山討伐を夫の時政に吹き込む。時政はりくの言う事を聞いてしまうダメオヤジ。そして畠山討伐決定。そこまではわかった。

しかし義時は結局畠山を救うことはしていないのですよね。源実朝(柿澤勇人)の下文を取り消したら鎌倉殿の威信に傷が…とか言って畠山討伐軍も止めない。そして「私が戦にはさせない」からと討伐軍の大将に自ら名乗り出る。結局畠山も説得できず戦闘になり討ち取ってしまう。全てが終わった後で怒りに任せて父・時政を怒鳴りつける。そして御家人達が時政の横暴に不満を寄せていると知れば、その御家人達の怒りの矛先を向けるべく稲毛重成を処刑。その後も自分は執権にはならないと言いながら、父・時政にはしばらく引っ込んでろと告げる。

なんだか義時、矛盾の塊じゃない?
いい人ぶってるだけでやってることは悪人ですよね。この人は昔からそう。上総介の時も上総介を助けようと動くことはなかった。

だったらもう思い切って悪人になればいいのに。「頑張ったんだけどできなかったの。悪いと思ってる、本当はやりたくないんだよ」と言いながら結局悪い事をする人間はどうも気持ちが悪い。信じることもできぬ。もー思い切って義時は悪人になりなさい。

それに比べればりくさんはいいぞ。大悪女だもんね。わかりやすくてよい。まー今回もヒステリーを起こして喚きたて時政に怒鳴られてました。いいぞオヤジ。しかし後で謝ってた。情けなや。

時政も気のいいオヤジでありながら、娘婿をさっさと殺してしまう。その後でまた「皆の喜ぶ顔を見ていると心が和む」といい人キャラに戻る。ぶれてますね。

ところでこのドラマの政子さんは結構おとなしい印象。様々な事柄を黙って受け止めている感じです。実際にも政子さんはそんな感じだったのかもとも思った。結構リアルなのかも。

太陽がまぶしくて下がり眉 和田義盛

和田義盛(横田栄司)のお言葉
「もうちょっと生きようぜ。楽しい事もある」←そのとおり

足立遠元(大野 泰広)がひっそりと引退。

今回13人から抜けた人…足立遠元