能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2011年12月27日火曜日

Perfume を海外へ-15 遠征に向けての海外戦略-----3. 前衛的な舞台芸術+ポップコンサート~テクノフェス

3. 前衛的な舞台芸術+ポップコンサート~テクノフェス

欧州の大都市、特にイギリスなどでは、進歩的、前衛的な創造性、アートといったものが、非常に尊重されていて、そういったものは若い人のみならず日常的に受け入れられているので、Perfumeのライブがアート的なもの、面白いものとしてうまく認識される可能性は十分にあると思います。横浜のEdge、それからドームでのメディア・アーティストとのかかわりも、まさにそういう方向でチームPerfumeが進化している証拠で、そういった部分を海外仕様として作りこんでいけばいい。いつか、彼女達のショーがHot  Ticketとして、現地のメディアに取り上げられるような扱いになればしめたものです。

ドイツのテクノフェスにいたっては、なおさらです。ステージセットの自由が利かないこと。ステージ上の時間が限られていること。Perfumeファンの割合がおそらく少ないこと。そもそもPerfumeを知らない休暇中の学生が「ヤーパンから来たフロイライン…」程度の、いやそれどころか、誰がステージにいようが構わず、音さえ鳴ってればラリって踊っているようなところに出て行くわけです。難しいと思います。向こうのDJの曲も、ほとんどタメとメロディーの無いガンガンの単調ビート(専門用語を知らなくて申し訳ない)で客を踊らせてますから、Perfumeの曲もそのままでは難しいかもしれません。そんな場だからこそ、セットリストを厳選して(中田Mix)、音圧とダンス、映像等の演出でともかく圧倒してしまうしかないでしょう。終わったときに「なんだったんだあれは…」ぐらいのインパクトを残すぐらい。(実際にテクノフェスでは中田さんのDJに、こしこさん、きゃりぱみゅ、Perfumeを投げ込んた中田ヤスタカショーにしたほうがうけるかもしれません…もうむちゃくちゃ…)

うまくいけば、「Perfumeのライブはすごいらしい」と口コミで広がっていくでしょうし、曲も売れます。次の公演にもつながっていくでしょう。それとも1度だけのショーで「Perfumeのライブはすごかった」と伝説になるのもいいかもしれません。それだけでも大成功です。

2011年12月26日月曜日

Perfume を海外へ-14 遠征に向けての海外戦略-----2. アイドル路線の封印+コンサートの構成を海外仕様に

2. アイドル路線の封印+コンサートの構成を海外仕様に

それよりも、ライブの見せ方以上に気になるのは、彼女達の欧米においてのパフォーマーとしてのあり方です。彼女達自身のPerfumeのとらえかたです。というのも(繰り返しますが)日本人が思うほど、それから彼女達本人が思うほど、今の日本での彼女達のアイドルとしてのありかたが、欧米にそのまま受け入れられるとは考えにくいからです。(もちろん前述1の日本通タイプは除きます)。

そもそも西洋には、23歳の大人の女性が、子供のように純粋で愛らしく、女の子らしく、いつも無邪気に笑っている…ように振舞っていることを良しとする文化はありません。日本のアイドル遊びのよさは 実在の女の子(像)を通して、ファンが、自分の頭の中の理想像を彼女達の向こう側に見ることを楽しむことであって、基本的にそんな遊びの伝統がない欧米人には理解されにくいものです。「幼いな」と思われたらまずいです。

踊りを見て面白いといってくれる人、ステージセットやレーザーショーに感嘆する人は多くても、3人とすぐに友達になりたいと思う人は少ないかもしれません。それは極東のアジア人であること、言葉の問題、それからPerfumeの特殊なパッケージ性ゆえのものです。ハイテクの国日本からきた女性型ヒューマノイド3人が、ステージ上で今晩のご飯の話をしても興ざめになりかねない。(日本ではそれが面白かったのに)

ようするに、曲と曲の間のトークは、通訳までつれてきてやる必要はないし、それから日本では大切な意味のあったPerfume本人たちのアイドルとしての自負、今までの過去やファンへの想い(ドームでのオープニング、掟のっち、カートボール投げ)などなど「重い」演出はいっさいいらないということです。Perfumeは日本では無条件に愛されていて、長い道のりも過去の苦労も全て彼女達の魅力なのですが、そういうバックグラウンドの無い欧米で、そんな感傷的なものはいっさい理解されないでしょう。

例え話ですが、昔、1987年にマイケル・ジャクソンがソロで初来日した折、彼が曲の合間に「感激して座り込んで泣く」演出をしたのですが、アメリカでは大うけだったあのアイドル演出に、あの後楽園球場で本当に感激した日本人の客は何人いたんだろうと…。マイケルがアメリカでは長年のアイドルだったのに比べて、日本での客はスリラーで一時的に飛びついたファンが多かったはずで、そんなアメリカでのアイドル遊びが、あの頃の日本人に同じ意味で通じていたとは思えない。Perfumeが海外に行くのなら、その逆の立場になるわけです。それに比べて、マドンナは殆ど話さず、「ほら、みんな、踊れ!」ぐらいの号令だけで、後はノンストップで歌って踊ってましたから、彼女の方がどんな客(日本人)を相手にしているのか解っていたんだろうと思います。息をつかせる暇も無いショーとしての演出は、言葉の壁や外国人であることのハンデを越えて客を圧倒することが可能です。

Perfumeが言葉の通じない海外に行くのであれば、踊りのパフォーマンスの徹底的なプロ、それを演出するアートなセットとライティング、音響で、舞台芸術のプロとして本人たちもスタッフも徹底的にやる。そしてプロのパフォーマーとして堂々と踊り倒して客を圧倒すればいい。レーザーや映像、重低音、それに完璧なダンスで、他にまねの出来ないショーをやる。それでびっくりさせます。いったんリスペクトを勝ち得たら(それで成功したら)、少しずつ本来の自分たち寄りにアレンジしていくことも可能でしょう。まずはリスペクトです。

Perfume を海外へ-13 遠征に向けての海外戦略-----1. ターゲットを設定

曲を配信し、ある程度売れるあたりがついてから海外戦略の開始です。(言葉が大げさですが)。

Perfumeの欧米でのあり方を海外仕様にします。その理由は前述のとうり、海外にもうけるだろうPerfumeの魅力(1.ダンス、2.キャラクター(綺麗な女性型ヒューマノイド)、3.ライブ、4.中田さんの良曲)、つまり彼女達の明確なパッケージ性、特殊性を強調して、既存のコアなファン以外の人たちも巻き込んで、おっと言わせるためです。つまり市場を広げるためです。

現在、愛されているアイドルとして日本でのPerfumeは、なんでもOK状態です。焦点がぼけたとか迷走中などと思われかねないことも、彼女達なら全部いいというファンがほとんどです。ファン層が拡大した分、様々なファンが求める彼女達の姿は多様化しています。テクノを歌って踊るプロ、かわいくて綺麗なアイドル、スタイルのいいファッションリーダー、話のおもしろいお姉さん、理想の娘、理想の恋人、キラキラ輝くようなポップスター…、そういう変幻自在であることが今の彼女達の魅力であることも事実です。日本ではそれがポップスターのあり方として成功しています。海外でもネット上の既存のファンに対しては、そんな多様性がプラスに働きます。海外に出て行くからといって、日本国内でのPerfumeのあり方を変える必要は無いです。

…が、前述のような厳しい欧米の現実、それから彼女達が海外で一般的にはそれほど知られていないことを考えても、遠征ライブにいくのであればある程度見せ方を絞って戦略をたてたほうがいいでしょう。


1. ターゲットを設定
まず、戦略をたてやすくするためターゲットをあらかじめ想定したほうがいい。ターゲットは、3つです。この3つのタイプは、もうすでにる程度のファンがいると思われますし、このターゲットに向けた戦略であれば、急に決まったJapan Expo.等への出演や、欧州でのテクノフェスへの参加などにも、目的別に調整して対応しやすいはずです。

1.すでに日本のものなら何でも飲み込む日本通、Japan Expo.の客タイプ。
2.クラブ系の音楽通。
3.アート系、新しいもの、面白いもの好きタイプ。

この3つのタイプには、前述した日本人としての特異性、Perfumeならではの特殊性が、ポジティブにうけいれられるはずです。Japan Expo.タイプはPerfumeそのものが、クラブ系には中田さんの音楽が、アート系には彼女達のダンスと演出、最先端のステージセットが興味の対象となるでしょう。もちろん実際の観客の興味がそれほどバラバラなわけはなく、クラブ系が人形っぽいPerfumeのダンスを気に入ったり、日本通タイプがステージセットに感嘆したりと、客の反応がクロスオーバーしてくるのは、日本での過去の状況と同じでしょう。この3つのタイプを確実なターゲットとしてまず押さえて、そこから広げていけばいい。それぞれのタイプにも、友達がいるわけで、こういう人たちが外の人たちを引き込んできてくれればいい。

1の日本通タイプはPefumeならなんでもいいはず。基本的に(アノ)Perfume本人達を実際に見れることで舞い上がってくれるので何をやっても大丈夫です。2のクラブ系は踊りにくる人達。基本、曲がよくて踊れればいい。ライブ仕様の多少ハードめのリミックスだともっといい。代々木ミックスみたいなものだったら何を入れてもいい。ただ、このタイプは「願い」や、最近の「微かなカオリ」等には冷たいかも。3のアート系はパッケージとショーの演出の面白さを目的にやってくるでしょうから、Edge、エレクトロワールド、ポリリズムなどのようなレーザーショー、ライティング、映像、ステージの構成、踊る3人娘がポイントです。

基本的に、欧米への海外仕様では、ほぼPerfumeの初期の近未来テクノポップユニットのイメージをそのまま年齢に合わせて洗練させ、進化させればいい。
いままでどうりのステージの素晴らしさをキープしたまま、もう少し演出を近未来風のアート+ダンスショーっぽく作りこんでいけばいいでしょう。50人のかしゆかでも、代々木ミックスでも、レーザーショーでも、いままでチームPerfumeがやってきたことを基本的に変える必要はないです。ドームでの多くの演出はこの方向で成功していたと思います。

2011年12月24日土曜日

Perfume を海外へ-12 海外遠征の前に-----3. 配信のタイミング

3.配信のタイミング
曲を配信するタイミングも、海外遠征を決めた後から曲が買えるようにするのではなく、まず曲を売ること。じゃんじゃん配信すること。それで、どれくらい売れてるのか、何が人気なのか、あたりをつけてからやっとライブの話が出来るようになるのが本筋でしょう。iTunes1曲も買ってくれない客が、何十ドルものチケットを買うはずが無いです。

先日Perfumeが韓国で1015日(2011年)のAsian Song Fes. に出演するのに、その韓国への配信を始めたのが、928日なんですね。公演のたった2週間ちょっと前です(最初からファンを増やすつもりの配信ではないでしょうけど)。当日の動画を見るとけっこうファンがいたみたいなのですが、あのファンが928日以降に公式配信の4曲を初めて聴いてそれで会場にやってきたとは思えません。あそこにいた現地のファンのほぼ全員がYoutubeなどの動画で食いついたファンです。でなきゃあんなにノリノリで全曲日本語で大合唱はありえない。彼らのMP3 Playerにはもうチョコレートディスコやポリリズムが23年前から入ってたんだと思います。いまさら買う必要もないファンでしょう。ねえとレーザービームで買ってくれたかもしれないけど…。

まずは、曲を配信で売る! ネットの公式動画でプロモーション。まず話はそれからです。

2011年12月22日木曜日

Perfume を海外へ-11 海外遠征の前に-----2. 曲をネット配信

2. 曲をネット配信
一番大切なのがiTunesストアやアマゾンなど配信で、海外でもPerfumeの曲を買えるようにすること。そもそもPerfumeの曲がiTunesで配信されていないとは何事か…。
問題はiTunesだけではないです。あれだけ、大々的に宣伝されて、ハリウッドまで呼ばれて行った「カーズ2」のサウンドトラックで、現地アマゾンUSMP3ダウンロードページ を見てみると、アルバム全26曲のうち、ポリリズム1曲だけ個別のダウンロードができず「Album Only」の記載が。単体で買えないんですね。ポリリズムを除く他の25曲は全て11ドルで個別に購入可能なのに。イギリス、ドイツ、フランスのアマゾンでも同じ状況。当然のことながらiTunesストアでもおなじ状況。いまどき、映画のサウンドトラックをCD単位で買う人もいないでしょうに。

海外進出の第一歩といって喜んだ人も多いようですが、この程度でぬか喜びはするべからず。海外市場に対して、ポリリズムのインパクト、及び宣伝効果は、ほとんどゼロです。そもそも映画の中でも、あんなに音量を下げられて曲の質感も変わってしまい、キャラクターの会話の後ろでうやむやにしか聞こえないものに、いったい世界中で何人の人が興味を持ってくれたのか。もしかしたらポリリズムの採用も、アメリカ側からの一方的な日本向けプロモーションだったんじゃないかと思うくらい。いや、あのチャンスを上手く活かせなかった日本側の問題も大きいでしょう。

それに比べてきゃりーぱみゅぱみゅは、同じ中田さんの曲「PONPONPON」が世界23カ国に配信。Youtubeのワーナー公式のPV は、今年8月のリリースから4ヶ月、201112月現在で1200万ヒットです! アマゾンでもアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスでMP3ダウンロードが可能。それで北欧でチャートの上位に上って、ライブのオファーまで来ているという…。これが、ネットの力ですね。なぜPerfumeはこれをやらない?もう草の根的に外国でも人気が出てきているのに。このチャンスをつかまないでどうする?

現在のアメリカでPerfumeの公式音源を購入しようと思えば、まずアマゾンUSでの日本からの輸入盤なのですが、コンプリートベストとGAMEは売り切れ。それで、マーケットプレイスの中古が、コンプリートベストで、安くて50ドル(4000円)。高いので155ドル(12000円)。GAMEも同じく50ドル(4000円)~155ドル(12000円)です。トライアングルは新品で44ドル(3400円)。その3枚それぞれの評価がことごとく星5個なんですね。ついでにイギリスでは、コンプリートベストの中古が31ポンド(3800円)~69ポンド(8400円)、Game29ポンド(3500円)~52ポンド(6400円)。トライアングル新品で33ポンド(4000円)(おおよその日本円での値段は201112月のレートで)
それでは日本のアマゾンJapanから、例えばアメリカ人がCD を直接買うとどうなるか。まずアマゾンJapanで日本語の表示しか出てこない。まずここで外国人はびびるでしょう。100歩譲って、そのアメリカ人が日本人の友達に手続きをやってもらったとする。で、めでたく日本から新品の直接購入をすると送料込みで、コンプリートベスト58.98ドル(4600円)、GAME58.15ドル(4500円)、トライアングル58.34ドル(4500円)です。高いですね。(これも201112月のレートで)

要するに、海外のファンが公式のPerfume音源を手に入れるのは、非常に難しいわけです。値段が高すぎる。だからこそ違法ダウンロードをせざるを得ないわけです。そもそも、海外の若い音楽ファンが、11ドルそこそこの値段でばらばらにダウンロードした音楽を聞いている現状で、CD単位でしか売らないのも時代遅れというもの。それでもPerfumeの曲を聴きたがってくれる海外の人たちをありがたいと思いたい。こういうYoutubeで食いついてくれた海外のファンが、まずPerfumeの音源を合法的に買えるようにするべきです。 海外の違法ダウンロードを心配したり、取り締まる前に、まず曲を売りつけたほうがずっと商売上手でしょう。

海外海外と言った所で、まず曲が現地で買えるようにしなければ、遠征も海外戦略も全くお話しにならないです。ライブをするにも曲があってナンボです。インタビューでPerfumeのメンバーが海外を匂わせ、それを見た日本のファンが掲示板などで色めき立つ状況が何度かありましたが(最近の雑誌でも)、曲だってアルバムだって全く売ってないのに何を言ってるんだというのが本当のところです。(もちろんビジネス上のことは彼女達の責任ではないですが…)。

まず、曲を配信してください。それに、海外へ行くのなら、そのプロモーションもYoutubeのファン動画に頼りっぱなしでいいのでしょうか。

2011年12月21日水曜日

Perfume を海外へ-10 海外遠征の前に-----1. 動画でプロモーション

1. 動画でプロモーション
なによりもまず最初に、海外で受け入れられるための受け皿を広げることから考えるべきです。
いちばん手っ取り早く簡単(素人目には)で、効果抜群なのが、ネットを使ったプロモーションです。Youtubeで、ぜひ英語でも曲名が検索できる公式チャンネルを作るべきです。それでいままでの全PV を視聴可能にすること。Youtube上で、Perfumeのここ最近(201112月現在)のTOKUMA JAPAN公式PV(日本語タイトルで海外は眼中に無いようですが)の再生回数がどれもことごとく百万単位のアクセス数なんですね。今201112月現在、去年の4月からの「ナチュラルに恋して」は990万ヒット。先月11月リリースの「スパイス」でさえ300万ヒット。コメント欄や統計欄がオフにされているので誰がどこで見ているのか判らないのですが、これが海外ファンからのアクセスの結果だったら、ますます放ってはおけないでしょう。

それから厳選された日本でのライブの映像を見せてどんどん海外を洗脳する。

私は著作権のことなど詳しいことは判らないのですが、日本人が海外のスターのように、Youtubeの公式専用チャンネルを持つことは難しいのでしょうか?もし、質の悪いコピーが出回ってクオリティ管理を心配するのなら、さっさと公式でいいものを配信するべきです。もしこの期におよんで違法ダウンロードなどでCDの販売の縮小を心配するのであれば海外など最初っから考えない方がいい。


追記;なんと、AKB48も、ももいろクローバーも、モーニング娘も…良くは知らないけれどいろんなアイドルの公式チャンネルって、結構あるんですね。なんと…知らなかった。Perfumeもがんばってほしい。

2011年12月20日火曜日

Perfume を海外へ-9 海外進出の難しさ

ただ、実際に海外、特にアジア人が西洋に出て行くのは簡単なことではありません。

正直な話、現状で、アジア発の音楽が、アメリカ発の音楽のように西洋世界ですんなり受け入れられることは、まずありえません。それは、音楽であれ、なんであれ、日本から出て行くものには、全て日本製というラベルがついているからです。日本から(アジアから)の音楽というだけで興味をなくしてしまう人もまだ大勢います。人種の問題もあるでしょう。言葉の問題も大きいです。そもそも日本製のJ-POPが面白いなどと言う前に、「日本てどこだっけ?」程度の興味も無い人が殆どです。殆どの西洋人にとっては、日本も韓国も中国も全て極東の変な言葉をしゃべるちょっと変な顔の「私には関係ない別世界のどこかの国」です。彼ら西洋人の生活は、意識上で「極東」の国にいっさいかかわることなく日々過ぎていくわけです(極論ですが)。ぶっちゃけた話、普通のアジア人アイドルをそのまま商品として西洋に持っていったところで、よほど特殊性が無ければ、苦戦を強いられるのではないか。日本発の音楽が、西洋社会に受け入れられるためには、まずそんな基本の問題をクリアしなければならないのです。

きゃりーぱみゅぱみゅが売れたのも、彼女のPVでの特異性があまりにも突き抜けていたからです。最初は彼女が日本人かどうかというよりも、「なんなんだこれは…???」とびっくりしたんだと思います。それに癖になる良曲で大成功です。結果的には欧州の日本文化の人気が それを後押ししたのだろうと思います。初音ミクの特異性は言わずもがな…。

ところで話がそれますが、アジアつながりで少し。韓国の少女時代が、西洋でコンサートをやって人気だそうですが、彼女達の戦略と努力には正直頭が下がります。世界征服の方法を真剣に考えて、迷いの無い全力投球でしょう。押しの強いアグレッシブな戦略はもとより、彼女達の魅せる為のパッケージが明確なんですね。「足の長いモデルみたいな綺麗な若いアジア人の女の子が9人、全員が歌って踊る。歌も踊りも適度に上手いし、英語もしゃべれる」。彼女達を見たとき、あ…やられたな…と正直思いました。これはかなわない。正攻法ですもん。中国の市場獲得はあたりまえ。3人は中国語が話せるらしいし、日本語や英語を話せるメンバーもいる。西洋市場に対してさえも、アジア人であることを逆手にとって、普通の西洋人の女の子より圧倒的にスタイルのいい綺麗なアジア人の女の子達9人が歌って踊ってドヤ顔。パッケージとして、問答無用で客を圧倒してしまうような華やかさを感じます。西洋にあまり無い大所帯のガールグループ(特異性)の形態を極めたパッケージなんでしょうか(もともと大所帯のガールグループは日本発だと思うのですが)。戦略としてはあまりに正攻法すぎて、ちょっと古いやりかたではないかと思うのですが、彼女達がアジア人であることが新鮮で逆に武器になっている。アメリカの女性シンガー達のように、これみよがしなセクシーフェロモン系でないのもいい。よくがんばってます。それでも、彼女達がビヨンセやガガと同格で勝負することは難しいでしょう。それが、アジア勢の西洋社会での現実です。もし、そんなアジア人の限界もわかった上での、当たって砕けろ戦略ならたいしたものです。

そんなわけで、ハードルは高いです。だからこそ西洋で、既存のファンを超えた外の世界に打って出るには戦略が必要なんです。いまのPerfumeのアイドルパッケージをそのまま海外に持っていくのは無理でしょう。Perfumeの日本でのアイドルとしての戦略は、日本のファンが彼女達本人を大好きだから成り立っているものです。どんなに可愛くても、言葉もしゃべれないアジア人の女の子達に一般の西洋人が入れ込む可能性は少ないです。だからこその海外仕様です。お友達としてだめなら、リスペクトを勝ち取ればいい。

ただその戦略は、ライブをしに海外にいく場合のものです。その前にまずやらなければいけないことがあります。