能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2024年6月4日火曜日

米ドラマ Netflix 『三体/3 Body Problem』(2024) Season 1・全8話 感想



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『3 Body Problem』(2024) TV Series
/英・米・中/Netflix/カラー/1 hr
Creators: David BenioffD.B. WeissAlexander Woo
No. of seasons: 1
No. of episodes: 8話
Release: March 21, 2024
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先週末やっと全話を見終わった。面白かったです。

しかしそれにしても話が大きい。話が大きすぎてシーズン1を見終わった全体の印象は、

…まだストーリーは始まったばかり

実際にシーズン1が終わっても、まだ何も始まっていないし何も解決していない。シーズン1全体がこれから始まるメインのストーリーのイントロのような印象も受けた。


世界各地で起こる科学者達の謎の死。謎の実業家の存在。1960年代文化大革命の頃の「話のきっかけ」。現代の若い科学者達が謎のヘッドギアによって「試験」を受け、合格した者だけが次に進む。合格した者が玉ねぎの皮をひとつひとつめくるように謎を解き明かしていく。その様子を視聴者も共に体験しながら見ていく。

そして8話で行きついたシーズン1の終わりは…、

● あるプロジェクトはおそらく失敗に終わり、
とあるプロジェクトにメンバーが選ばれた

それだけかな?シーズンの終わりとしてはっきりとした結末もなく宙に浮いたような状態で終わった。もちろんストーリーは今後広がっていくのだろうしこの続きも見たいと思う。人物達がこれからどうなっていくのかも知りたい。しかしもしかしたら次のシーズンは何百年も後の話かもしれないね(原作は呼んでいない)などと旦那Aと話す。


映像が豪華。「試験ゲーム」の過去の映像も壮大でゴージャスだったし、グロはグロで凄惨(そこは求めていない)。様々なビジュアルの見せ方が大変豪華だと度々感嘆した。間違いなく映像も見どころの一つ。

一番のメインのキャラクター Dr. Jin Chengを演じるJess Hong さんがいい。ネット上を検索するとお化粧をして女性的な装いの彼女の写真が出てきてびっくりしたのだけれど、このドラマのあまり身なりに構わない自然体の科学者の彼女がとてもかっこよかった。ほぼノーメイクでサバサバとしていて、このドラマの彼女の印象はまるで…少年と少女と女とおばさんが一人の人物の中にいるような印象。その少し掴みどころの無いような不思議な雰囲気がとても魅力的だと思った。芝居も自然。すごくいい女優さんだと思う。



★ネタバレ注意



超現実的な年寄海亀の思った穴
さて年寄が理屈をこねる。何度か首を傾げた内容があったのでメモしておこう。重箱の隅をつつくのもSFの楽しみ。

● 
SFのお決まりの科学的な話(ナノファイバー等の)は、本当に可能なのか…まさか今現実に存在しているとは思わないが、理論的にも可能なのか???そしてそれを両杭に張りつめれば、金属のような硬い物にもあれだけのダメージを与えられるのか…???そのあたりは私にはおとぎ話に思えた。

ドラマとして映像は凄惨。恐ろしい映像。たぶん制作側が力を入れて撮りたかった場面ではないかと思うが、しかし…現実問題として目に見えない程の線が(現時点ではともかく、たとえ将来的に考えても)あのように使えるのか…は、私には疑問の方が大きい。

 
そして再度ナノファイバーの使用プラン…宇宙に打ち上げた脳を運ぶカプセルに取り付けられたナノファイバーのパラシュート。ナノファイバーって目に見えない物なのに、どうやって布を織れるのか?

● 
脳を切って冷凍にして送るというけれど、脳は血管を切られて物になったら(相手側/San-Ti側が興味を持って脳を活性化するための処置(血管を繋いで血液を再度流すとか)をしなければ、脳はただの物体。

● 
地球側の科学者達は、なぜ相手側/San-Ti側が冷凍された人間の脳に興味を持つと思うのか? San-Ti側は地球の人間を「虫けら」だと言っているのに、彼らが虫けらの脳みそから何かを学ぼうと思うのか疑問。それを「アイデア」として考えた人間の科学者の思考も疑問。

例えば私なら…害虫が「これが僕の脳です、見て下さい」と言っても見ないと思うのよ。だからこの脳を送るプロジェクトの意味が私にはわからない。また相手/San-Ti側がどのような考え方をするのかもわかっていないわけで、一見壮大なプロジェクトに見えるようだけれど、人間側のこのプラン…実は成功の見込みも考えずに「とりあえず送ってみるか」ぐらいのいい加減なプランに思えてしまった。

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400年たったらSan-Ti側以上に人間の方が進歩しているだろうと言っていた(だからプローブを地球に送り人類を監視して進歩を止めると言っていた)けれど、それも理論上の話。地球の人間がこれから400年の間に計算通りに進歩するとも限らない。400年もあったら幾度もの世界大戦や地殻変動や環境破壊によって地球そのものが変わっている可能性もある。

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というわけで、これから400年も先のことに今の時点で莫大な資本をつぎ込み、ほぼ「当てずっぽう」に近い「当たるも八卦当たらぬも八卦的な計画」を実行するぐらいなら、今の世界情勢を改善し今の人々の生活を豊かにしたほうがいいのではないかと私は思った。正直400年先の人類がどうなろうと私にはよくわからない…のは私に子供がいないせいなのだろうか。海亀は自分でも身も蓋もないほどの超現実主義者なのだろうと思った。


元々科学畑の旦那Aに「あなただったらどうする?彼らのやってること=「400年後の人類滅亡回避」の計画をあなたならやってみようと思う?賛同する?と聞いたら、「うん僕はやってみたほうがいいと思うよ」と言った。彼は科学浪漫の人なのだろう。

文句をだらだら言っているようだけれど、そういうことを考えながら見るのも面白かった。私はSFの浪漫は好きなのだけれど、今は年を取ったこともあってずいぶん現実的なのだなと思った。

しかしこれからもドラマは楽しみにしてます。この話がこれからどうなるのか興味津々。また文句を言いながら熱中して見続けると思う。旦那Aが本を買わないかな。