2016年12月1日木曜日

男前な女性ロックバンドを考える…まとめ



6バンドを出して企画終了。一応まとめておこう。

このお題「男前な女性ロックバンド」のリストアップを思いついたのは、近年Babymetalの西洋での活躍や、Band-Maidが海外に出て行って現地のメディアにとり上げられたりしているのを見て…はて? そういえば西洋でうるさい男前な音楽をやってそれなりに成功した女性だけのバンドってどれぐらいいたっけ?…と思ったのが最初。

ところがそんな女性バンドをリストアップしようと思ったら、あまり出てこない。あれおかしいな…。最初に思いついたのは今までここにとり上げてきた6バンド。

The Runaways
Girlschool
Vixen
L7
Hole
Show-Ya

その後、海亀が知らないバンドもいるだろうからと検索して調べたけれどほとんど新しいものは出てこない。ここに取り上げたバンド以外ではブラジルやロシアのバンドが出てきた。英語圏の西洋で一応名の知られたうるさい音を出す女性バンド…といえば実際はこれぐらいになるのかも(もっといると思うけれど)。

驚くほど少ない。

なぜメタルやハードロック…うるさい音楽の分野では女性バンドの成功が少ないのか?…それは西洋ではこの手のうるさい音楽の業界が男中心で成り立っているからだ…と以前Vixenのエントリーで書いた。

西洋では、大昔からHR/HMの分野はバンドも業界も男性が主体。バンドだけではない、そもそもこの手の音楽のファン/リスナーが男性ばかり。なぜなら彼等は皆自らのライフスタイルの一環としてヘビーな音楽を聴いているからなんですね。

だから西洋で女性がこの分野に切り込んで成功するためには、なんらかの形で男性を意識せざるをえなかった。

また70年代から80年代~90年に至るまで名を成した女性ロッカー達には、それぞれの時代で女性の自立を謳ったフェミニズムの影響を受けたものも多い。男(の業界)に向かって「負けていないわ」と必要以上に強気、女を捨てている、なまいき、我が強い…そんなイメージの女性のアーティストも多い。

上に挙げたそれぞれのバンドの立ち位置は以下の通り…、

The Runaways
才能のある反抗期の少女達に下着を着せて、大人が上手く利用したというのは否めない、
 The Runaways - Cherry Bomb (1976)
Girlschool
Motörheadの妹バンド。
 Girlschool – Future Flash (1981)
Vixen
女版Bon Jovi。当時の男性グラム・メタル・シーンに沿って女性らしく華やか。もちろん男性ウケもいい。
 Vixen – Edge Of A Broken Heart (1988)
L7
完全に女を捨てて男になりきり、
 L7 – Andres (1994)  
Hole
規格外なカリスマの女性ボーカルが全てをなぎ倒して君臨。
 Hole - Celebrity Skin (1998)  

…どのバンドも皆男性を意識していないとは言えないんですよね。男性主体のバンド・業界に対して何らかの形で拮抗、対抗し、我を通してバンドを存在させている。彼女達はそれぞれの時代に、強気に肩肘を張って頑張らなければバンドを成り立たせられなかったのかもしれない。西洋で女性がこの分野で成功するのはそれぐらい難しいことなんだろうかと思う。

L7を見ていると、彼女達がどの方向を向いているのかわからなくなったりもする。彼女達のあり方は一般の男性にはまずウケないだろうし、彼女達のようになりたいと思う若い女の子も少ないのではないか?


西洋の女性アーティストがこの手の分野で手っ取り早く輝けるのは男性バンドのフロントに立つこと。そのようなバンドなら数多くいる。
例えば In This MomentMaria Diane Brinkさんがそう。


In This Moment - Sick Like Me (2014)
 
Album:  Black Widow
Released: Nov 17, 2014


彼女のようなあからさまにセクシーな見せ方なら、バックバンドは男のほうが映えますよね。絵になる。男の演奏するゴリゴリの楽曲に、肌を晒したセクシーな女性のフロントが歌う(絶叫する)バンド…そういうタイプの見せ方で男性ばかりの業界にうまく納まった女性アーティストは、過去にもいたし現在も多く存在するのだろうと思う。


西洋で女性が苦戦しているのに比べれば、近年の日本の女性バンドはかなり自由にやれているのではないか? 
Show-Yaさん
 Show-Ya – 私は嵐/Watashi wa Arashi(1989)
のようなお姉さん方が30年前から頑張って下さったおかげで、日本では女性が楽器を弾いて大きな音を出すことにそれほどの抵抗はない。それは素晴らしいことです。

このブログでは今までDOLLBOXXBand-Maidしかとり上げていないけれど、現在うるさい音を出して頑張っている日本の女性バンド/ミュージシャンはかなりいる。日本にはそんな女性バンドを応援する男性ファンも多く、もちろん女性ファンもいて、西洋のように女性バンド/女性ミュージシャンだからといって彼女達が男性の音楽ファンから下に見られるような事は無いのだろうと思う。

西洋のように男性からの圧力や抵抗が無いから、日本の女の子達は自由に活発で明るく自然に好きな音楽を演奏することが出来る。だからBand-Maidみたいなバンドが出てくるんだろうと思います。

彼女達は必要以上に肌を露出する必要も無ければ、男のために身体をくねらせる必要も無い。女を捨てて化粧もせず髪もボザボザでいつも怒っている必要も無ければ、ひねくれたり意固地になる必要もない。

日本の女の子達は好きにメイクをして、好きな可愛い格好をしてお洒落は自分のために…そして尚且つ巧みな楽器の技を観客に見せつけ大きな音を出して音だけはゴリゴリ男前…そんな風に何にもとらわれず自由なスタイルでバンドをやれる。

そんな自由なタイプの女性バンドは、西洋では今まで出にくかったのかもしれない。

これから女性バンドの未来を担っていくのは、そんな(日本のような)自由な環境の中で自由な創造性から生まれた若いバンドであって欲しいと思います。

西洋が「メタルやハードロックは男臭い野郎がやるべき+女はおっぱいを見せろ」的な古臭い型にとらわれているのであれば、日本の女性バンドはもっと自由にいろんな事に挑戦していろんな見せ方を開拓していけばいい…西洋が思いつかない自由な発想と自由なスタイルの組み合わせで、日本の女性バンドが西洋に切り込むことはこれからも可能かもしれない。
期待してます

DOLL$BOXX - おもちゃの兵隊 (2012)