能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2017年4月24日月曜日

OPERA★『ホフマン物語/The Tales of Hoffmann/Les contes d'Hoffmann』by Jacques Offenbach, - April 21 2017



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Les contes d'Hoffmann
Opéra fantastique by Jacques Offenbach
Language:  French
Based on three short stories by E. T. A. Hoffmann
Premiere:  10 February 1881, Opéra-Comique, Paris
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Blaisdell Concert Hall
April 21, Friday, 8:00pm


『ホフマン物語』は『天国と地獄』で有名なオッフェンバックの作品。彼のそれ以外の曲は全く知らない。

単純に面白かったです。全5幕、3時間に及ぶ長いオペラなのだけど演者の数が多く飽きることがなかった。曲も大変キャッチーでわかりやすい。美しいメロディ。見ていて楽しいオペラ。舞台上の人数も30人以上と多く、とにかく全体に贅沢で豪華。


★大変乱暴で大雑把なまとめ
「詩人ホフマンが3人の元カノとの失恋話を皆にして酒場で酔いつぶれ、最後は今の彼女のステラも恋敵にとられてしまう」


★あらすじと感想
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1幕:プロローグ
詩人のホフマンが、舞台に出演中のオペラ歌手の恋人ステラを劇場の外の酒場で待っている。恋のライバル・ニュンベルクの顧問官リンドルフがやってきて絡む。ホフマンはまわりの学生に過去の失恋話を始める。
  ホフマン:Eric Fennell(テナー)
  リンドルフ:Wayne Tigges(バリトン)
 
酒場のシーン。ホフマンのEric/エリックさんは線が細い。しかし綺麗ないい声。恋敵のリンドルフのWayne/ウェインさんはかなりの迫力。艶のある大きな声。私は基本的にバリトンが好きだ。ホフマンが線が細くて繊細そうなら、リンドルフは大柄でカリスマに溢れている。リンドルフを演じるバリトンのウェインさんは、全ての幕でのそれぞれの悪者(恋敵/人形の作り師/やぶ医者/魔術師/)を通しで演じている。
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2幕:オランピア・元カノ1
科学者の美しい娘オランピアは、実は機械仕掛けのお人形。しかし人形の作り師コッペリウスが科学者から支払いをしてもらえなかったので怒って人形を壊してしまう。
  オランピア:Rachele Gilmore(ソプラノ)
  コッペリウス:Wayne Tigges(バリトン)
 
オランピアちゃんのRacheleレイチェルさんはこの日一番のスター。誰よりも輝いていて会場中から大きな拍手を浴びていた。このお方はオランピア役で有名な方らしい。2009年にニューヨークのメトロポリタン・オペラで病欠した歌手の代役で出たのが彼女のThe Metデビュー。代役であったにもかかわらず大変な評判だったらしい。ルックスもお人形のようにかわいい。超高音も無理なく出しているのも超人的。今まで20数回オペラを見てきて、こんなにすごい高音を聴いたのは初めて。本当に高い声。驚いた。それにカワイイ。本当に可愛らしい。長いソロを聴き終わったら「今のは何?今何を見たの?あれは何?」などの言葉が頭の中に溢れる。レイチェルさんはこの『ホフマン物語』のオランピア役でヨーロッパの大舞台にも出演なさったそうです。そんな大スターをこの地方都市でみることが出来た幸運。本当に素晴らしかった。
 
 この第2幕の衣装はなぜか18世紀風。全員白く膨らませたカツラにウエストを絞ってコルセットで膨らませたスカート。この話は19世紀のドイツが舞台だそうなので、この時代の衣装としては間違っているのではないかと思うが、そんなことはどうでもいい。実は密かに18世紀マニアの海亀はもう衣装を見ただけで大興奮。ステージ上の30人以上の人物達(多くは女性)が皆18世紀風の衣装を着て歌うだけで嬉しくてたまらない。興奮興奮大興奮!

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これがレイチェルさんのその2009年のMetでのデビューの映像だそうです。4分あたりから5分にかけてどんどん声が高くなる。553秒、618秒の音がすごい。たぶん今はもっと正確で上手いんじゃないかと思う。最後に何度も何度もお辞儀をするのが可愛い。
 

 
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~休憩~
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3幕:アントニア・元カノ2
病弱な歌手のアントニア。歌を歌うと体力を使いすぎて死んでしまうので父親に歌うのを止められている。そんな彼女と恋に落ちる。しかし悪い医師ミラクルに歌うようにそそのかされて、歌を歌い彼女は死んでしまう。
  アントニア:Christine Arand(ソプラノ)
  ミラクル:Wayne Tigges(バリトン)
 
美しいソプラノChristine/クリスティンさん。アメリカの中堅のソプラノでしょうか。このお方の声も美しい。海亀は実はソプラノがあまり好きじゃない。好きじゃないことが多い。好きな声は限られている。しかし今回このアントニアのクリスティンさんは好きなソプラノだった。オランピアのレイチェルさんがあまりにも衝撃的だったので少し霞んでしまったようにも思うが、クリスティンさんの声も美しい。柔らかな質感の白い衣装に編み上げた髪で、19世紀英国のラファエル前派の絵画の女性のように美しかった。
2人のバリトンに1人のテナー、それからソプラノ二人にバリトン(だったと思う)の三重唱それぞれがとても美しい。
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~休憩~
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4幕:ジュリエッタ・元カノ3
ジュリエッタは高級娼婦。恋に落ちる。悪い魔術師ダペルトゥットがホフマンの「影」を手に入れるように彼女に指示。彼女は「影」を手にいれるとホフマンを棄てていってしまう。
  ジュリエッタ:Eve Gigliotti(ソプラノ)
  ダペルトゥット:Wayne Tigges(バリトン)
 
有名な「ホフマンの舟歌」はこの幕の冒頭。ジュリエッタのEve/イヴさんはいかにもよくいる大きくてパワフルなオペラの女性歌手ソプラノ。イブさんはとてもパワフルで今回の出演者全員の中でたぶん一番大きな声だった。この第4幕は、彼女の声の大きさが一番印象に残っている。
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5幕:エピローグ
酒場でホフマンが失恋話を終わって酔いつぶれる。恋人ステラがやってくる。顧問官リンドルフがステラを連れていく。友人ニクラウスは実は芸術の精ミューズで「詩人としてよみがえりなさい」と悲しむホフマンに語りかける。
 ミューズ:Olivia Vote(メゾソプラノ)
 
実はこのオリビアさんの声がたぶん苦手なタイプのソプラノ。ソプラノはこういう好みがあるので難しいなと思う。
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まずこの『ホフマン物語』は曲がキャッチー。オペラに慣れない者でも楽しめる。口ずさめるようなキャッチーで美しい曲が多い。第2幕オランピアの「生垣に小鳥たちが/Les Oiseaux dans la Charmille」がとてもかわいい。第3幕の三重唱も大変美しい。オペラを見てCDを買おうかと思ったのは初めて。全体に曲がキャッチーだからだろうと思う。

衣装も綺麗。特に第2幕オランピアの18世紀風衣装とカツラには個人的に大興奮。おそらくストーリー上の時代は間違っているんだろうけど。それでもあのカツラと膨らませたスカートを見ると興奮する。演出によって、近年は古典のオペラもモダンな演出や衣装だったりするものだが、今回の衣装は素直に1819世紀の衣装だったので違和感なく楽しめた。クラシックにはクラシックな設定が好き。

舞台のデザインも豪華。シンプルに組まれたセットの後ろに巨大な幕を張り、それぞれの場面に沿った画像、また映像をプロジェクト投影して背景を変化させている。映像も含めて豪華な印象の舞台デザイン。舞台のデザインも演出も奇を衒わずクラシックな印象で馴染みやすかった。

今回このオペラを心から楽しめた一番の理由は、演出、衣装の素晴らしさのみならず、歌手の方々がとにかく素晴らしかったこと。ソプラノが5人も出てきたので、それぞれの違いを楽しめたのもとても贅沢だった。中堅以上のソプラノ5人。テナー2人。バリトン2人をニューヨークなどの都市から呼んできているので、プロダクションは大変コストの高いものだったのではないかと思う。とにかく出演した歌手の数が多い。メインの女性の数だけで5人もいる。3時間もかけて5幕もあるのに、違うソプラノが入れ替わり立ち替わり出てくるので全く飽きない。普段女性の主人公が一人だけの演目では、例えば『椿姫』で主役のソプラノの声が好みじゃない場合、全体も楽しめなかったりするのだけれど、この話はソプラノだけで5人も出るので全く飽きない。本当に贅沢です。


最後は会場全体でスタンディングオベーション。最初は脇役からの紹介で会場もぱらぱらと立ち上がり始めたが、オランピアのレイチェルさんが出てきたら大きな歓声が上がり観客全員がどどっと音を立てて立ち上がる。拍手が長い間止まなかった。彼女はとにかく素晴らしかった。私はバリトンの悪役、丸顔のウェインさんも好き。少しコミカルなカリスマ悪役は見ていて楽しかった。金曜は今回の公演全3日間の中での初日だったのに満場拍手喝采がすごかった。今まで見てきたオペラの中で一番ウケていたように思う。曲の素晴らしさ、歌手の方々の素晴らしさ、演出の素晴らしさで、長い時間の演目でもみんな心から楽しめたのだろうと思う。素晴らしかったです。

今までオペラのことを書いたことはなかったのだけれど、これは本当によかったので記録しておこうと思う。これからもあまり気負わずに学びながら少しずつ馴染んで感想が書けるようになればいいと思う。

 

2017年4月23日日曜日

(苦肉の)超初心者のためのオペラの楽しみ方



オペラを年に3回ほど見る。アメリカの地方都市はどこでもそうであるように、この地にもローカルのオペラカンパニーがある。毎年ニューヨークやサンフランシスコ辺りの(おそらく)中堅以上の歌手を数名招いて本格的な歌劇をやる。

この地での1年のシーズンのショーは基本的に3演目。ひとつの演目はそれぞれ3日間で3回しかない。どうやら地方都市なのでオペラファンの数も少なく3日以上は客が呼べないらしい。もったいない話だ。カンパニーの運営もほとんどは企業からのスポンサーシップとオペラファン有志の寄付で成り立っている。もしかしたら毎回赤字かもしれない。それでもこの土地には熱心なオペラファンがいる。彼らのサポートによりこの土地でのシーズンも始まってからもう30年以上経っているのだそうだ。

数年前からシーズンチケット(年通し3回分のチケット)を買い、演目の好き嫌いを関係なく見に行っている。いままでこの地で見たオペラは20演目ほどだろうか。面白いものもあれば全く理解できないものもあった。いままでオペラのことをここに全く書かなかったのは、知識が無さ過ぎていいのか悪いのか…いや好き嫌いさえもよくわからなかったからだ。無知が好き嫌いを晒しても恥をかくだけ…そんなわけで今まで書くことなく時間が過ぎた。

最初はよくわからなかった。どう楽しんでいいのかもわからない。音楽は美しい。特に19世紀以前の作品はどれもキャッチーで楽しい。しかしたまに催される近年のモダンオペラなどは苦痛でしかないものある。それでも見れば見るだけ経験は積めるだろう…学びのつもりで何度も見ていれば、そのうちわかるようになるのではないか…そんな感じで毎回見に行っていた。

先週の週末にオッフェンバックの『ホフマン物語』を見た。
それがなんと
面白かったのである。
だからそのことを記録しておこうと思った。20回以上もオペラを見て初めて心の底から面白いと思った…なんとも情けない話であるけれど…。
 
どうやって、そしてなぜ楽しめたのかをまず書いておこう。オペラを見始めた最初の頃は楽しみ方が本当にわからなかったのだけれど、今回なんとかわかり始めた気がした。これは海亀が全くの無知から手探りでやっと探し当てたオペラの楽しみ方の基本。馬鹿馬鹿しいくらいの初心者用のアドバイスです。
 
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1予習をする
おおまかなストーリーを抑えておく。大雑把でいい。Wikipediaなどでのあらすじはおすすめしない。あまりに詳しく書いてあるので混乱してしまう。できるだけ完結で大雑把な内容をネット上をうろうろして抑えておく。たとえば『ホフマン物語』なら「詩人ホフマンが3人の元カノとの失恋話をして酒場で酔いつぶれ、最後は今の彼女のステラも恋敵にとられてしまう」などなど乱暴なくらい大雑把でいい。そこから今度は、もう少し踏み込んで、劇の構成を覚える。それぞれの幕でどんな人物が出てくるのかを覚えておく。だいたいのあらすじを覚える。

2会場では字幕を見ない
劇が始まったら、少なくとも字幕で話をわかろうとはしないほうがいい。英語圏では、フランス語やイタリア語、ドイツ語の演目は英語の字幕になるので、字幕を見て考えている間に大変多くの情報を、見逃し、聴き逃してしまう。英語の字幕を追っている間に、肝心の音楽や歌声に注意がいかないのは大変困る。だから事前にストーリーを抑えておく。細かい台詞の内容はわからなくても全く問題ない。わからない言語ならなおのこと。字幕は一切見なくてもいい。たいしたことは言っていない。

3あくまでも音楽に集中する
…そして舞台のデザイン、演出、衣装、演者の方々…舞台上の歌手の表情や動き、声を出す様子、歌声の細かなニュアンスのひとつひとつ、オーケストラの楽器の音、全体の音…音楽を楽しむ。舞台上で目の前に起こっていることをひとつひとつ楽しむ。そして音楽に耳をすます。
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これが海亀がやっとたどりついたオペラの楽しみ方。楽しみ方とは言ってもまだ第一歩を踏み出したばかり。超初心者用の基本中の基本情報です。初心者にとってオペラの字幕は本当に邪魔。オペラを楽しむなら字幕を見て筋を追ってはいけない。人間の脳は多くのことを一度には処理できない。だからオペラはとにかく音楽と舞台上の出来事に集中する。言語が理解出来るならラッキー。しかしわからなくてもいい。それぞれの楽曲を音楽として聴けば十分に楽しめる。何が起こっているかをおおまかに理解する為にあらすじだけは予習していった方がいい。とにかく決して字幕に集中してはいけない。
 
 
今まで20回以上オペラを見て、今までそんなこともわからなかった。本当にずいぶん長い間オペラの楽しみ方さえわからなかったわけである。本当に困ったものだ。自分であきれてます。『椿姫』も『トゥーランドット』も『蝶々夫人』も『アイーダ』も有名どころはかなり見たはずなのに、それらがあまり記憶に残っていないのは、字幕を見ていて音楽を聴いていなかったからだろうと思う。なんと愚かな。自分でもあきれてものが言えない。
 
あ、そういえば、予習はおそらく19世紀以前のスタンダードなオペラでしかできないだろうとも思う。いくつか20世紀に作られたモダンなオペラを見たけれど、ああいうのはたぶん予習も出来ない。
 
モダンなオペラはもう諦めてます。先日見たアンドレ・プレヴィンの『欲望という名の電車』はさっぱりわからなかった。あんな妙な物わかるわけがない。好き嫌いだからしょうがない。オペラは過去から19世紀までの有名でキャッチーなのがいい。モーツァルトの『魔笛』はとても楽しかった。曲がいいだけで単純に楽しめる。
 
今回、この「字幕を見ない、字幕に惑わされない」という(今まで知らなかった…おそらくあたりまえの)オペラの鑑賞の基本をやっと理解できたのでここに記録しておこう。これからもう少しオペラを純粋に楽しめるようになるかもしれないと思う。ちょっと楽しみになってきた。
 
というわけで『ホフマン物語』の感想は次に書こう。

 

2017年4月20日木曜日

Marilyn Monroe & Jane Russell -Two little girls from Little Rock(1953)



綺麗ね



Marilyn Monroe & Jane Russell -Two little girls from Little Rock(1953)
Album:  Songs and Music from the Diamond Collection
Marilyn Monroe
Released: Nov 13, 2001
℗ 2001 Twentieth Century Fox Film Corporation



BABYMETALちゃんが22日土曜日にアーカンソー州のリトルロックで前座のライブをするらしい。それで思いついた。

大昔のミュージカルの中で大好きな曲。この曲、ここで選んできた曲ではたぶん一番古い。


アーカンソー州リトルロックと言えばクリントン大統領の出身地でもありますね。今はどうなのかわからないけれど50年代は田舎だったんでしょうかね。

この曲とビデオは1953年の映画『紳士は金髪がお好き/Gentlemen Prefer Blondesから。マリリン・モンローとジェーン・ラッセルが歌ってます。タイトルの直訳は「紳士はブロンドのほうがいい」とあるくらいなので、ジェーン・ラッセルさんはマリリンの引き立て役なんだろうけれど、歌はジェーンさんのほうがずっと上手い。この曲より「Bye Bye Baby」のほうがジェーンさんが上手いのがよくわかる。彼女はリズム感がいいんですよね。歌にキレがある。

マリリンちゃんもクネクネと可愛い。カラダの揺らし方が独特ね。なんだかふわふわしてる。映画もとても楽しい。能天気でいい映画です。

「私達はリトルロックから来た小さな女の子達。田舎で男にふられたからニューヨークに出てきたの。男なんてどこも同じね。若かったし一生懸命頑張ったの。お洒落してリトルロックの田舎に帰ってアイツの鼻をなぐりたいわ。リトルロックではいろいろと学んだわ。秘訣を教えてあげる…紳士を見つけるのよ…シャイでも大胆でも背が小さくても高くても若くても年寄りでも…大金持ちなら大丈夫! 小さな町の出にしてはウォールストリートでもうまくやったわよ、株は持っていないけどね。大きな銀行にも顔が利くの。だからリトルロックに帰って私をふったアイツに感謝しなくちゃ」(笑)

…歌詞も面白いです。リトルロック出身の女の子二人がニューヨークに出て来て、お金持ちを見つけて大成功…という歌詞。おかしい 😄😄😄



BABYMETAL:Columbia, SCサウスカロライナ州 @ Colonial Life Arena, April 19


 
 
SU-METAL
“Everybody wave your hands!!”
 
 
  Columbia, SC@ Colonial Life Arena, April 19
 
 
SU-METAL好調!
ゆいちゃんもあちゃんの声もいい
 
 
 
 

2017年4月19日水曜日

★『真田丸』好きだった人々



真田左衛門佐信繁/幸村=堺雅人

意外な配役。私はあまりくわしくはないんですが、真田幸村と言えば「日本一の兵」。だからイメージは大柄の強面の勇ましい男。しかし堺さんは線が細い。なによりも穏やかな声で知性派。肉体派じゃないですよね。だから最初はとても違和感があった。ところがWikipediaを読んでいたらこういう記事が出てきた「信繁の人柄は、兄・信之の言葉によると柔和で辛抱強く、物静かで怒る様なことは無いという、およそ勇猛な武将のイメージとはかけ離れたものであったようである。」なるほど。そういうイメージでの配役だったのかもしれませんね。実際はどんな感じだったんだろう…。ともかく堺さんはいつも穏やかなイメージがありますけど、じつは演出次第では非常に男おとこしたキャラも出来る方だと想像する。九州男児ですからね。実は古風で頑固な日本の男なのでは…。

真田昌幸=草刈正雄

草刈さんだもの。そりゃーかっこいいわ。昔から超イケメンでしたね。最近はコミカルな印象の方が多いですけどね。「美の坪」のひょうきんなオジサン。さて昌幸パパ。丹波さんほどの凄みは無かったけれど、どこかコミカルで面白かったです。草刈さんは吉野太夫とのシーンが色っぽくてとても良かったので本当のジジイになる前に美女と濃いドラマをやってほしいですねほほほほ。

きり=長澤まさみ

ヒロインとは言えないですよね。まさに信繁とは腐れ縁。最初はうぜぇうぜぇと言ってましたが、50回全話に毎回出ましたね。妙なキャラになっちゃったのは脚本がいけない。しかし何度も見れば慣れるものです。なんとなく愛嬌も出て来て、最後の夏の陣決戦前夜の幸村との抱擁はほろりとさせられました。きりちゃんよかったね…よかったのかなぁ。

秀吉=小日向文世

このドラマで一番興奮した配役。この小日向さんの秀吉は本当に良かった。他のドラマのように人情味に溢れ陽気で人好きのする秀吉じゃないんですよね。この秀吉の「人たらし」は人を思うように操る為のテクニック。表面的にそれらしく振舞うだけで心は無い。寧さんが「恐ろしい人」と言った秀吉の本質がニコニコ顔の隙間から垣間見えるのが面白い。子供のように快活だが気が短くて直ぐに怒る。天才的に頭が良すぎて周りがついていけない。予測不可能。秀吉とは実際にこういう人だったのかも。これくらい特殊な人でなければ天下はとれなかったのかもしれません。面白かったです。

茶々/淀殿=竹内結子

子供のようにイノセントで美しく可愛らしく優しい。しかし頭が弱い。子供の頃からのトラウマで「死」を異常に恐れ錯乱する。この茶々さんは、気が強くてプライドが高くて自ら秀頼や大坂城の行方をコントロールする人物ではない。周りの意見に押されるまま「私は秀頼と源次郎がいればいいの…」あまり難しいことは考えられないのね。でも可愛かった。愚かだけれど可哀想なお姫様。

徳川家康=内野聖陽

面白い家康でした。内野さんが上手い俳優さんなので、コミカルなのも威厳のある場面も非情なのもそれぞれ違和感なく一人の人物に納まっていたのが素晴らしい。一番面白かったのは逃げるときの泣き顔。
 
阿茶局=斉藤由貴

斉藤由貴の局。怖い怖い。斎藤さんには誰もかなわないっす。面白かった。

 
 
 
 
 
 
 
 
北条氏政=高嶋政伸

最初は北条の怪獣というとんでもキャラだったのに、最後は古典的な戦国大名の敗北と無念を全身で表現。かわいそうでした。「秀吉のような者に頭を下げたくない」と意地を張って滅びていった名家の殿様。上杉や真田、徳川に降伏するように説得されても「秀吉のために生きるのでござるか。それでよろしいのか」と問いかける。「華々しく戦国の世に幕を引きたかった…」不器用で頑固な北条の殿のことはきっと忘れない。

真田信幸/信之=大泉洋

なんだか最後までよくわかんない人でしたねお兄ちゃん。ちょっとコミカルすぎて描き方を間違ったんじゃないかなぁ。あくまでも脚本のせいです。大泉さんはいい感じだっと思う。シリアスなシーンでは時々とてもいい表情をなさってました。しかし三谷さんが常に引き摺り下ろす。最後までコミカルでアホなのか…ちょっともったいなかったです。

高梨内記=中原丈雄

このお方は最初から最後まで出ていた真田の忠臣。じみ~な役柄ながら常に光ってました(私個人的に好き)。大柄で時代劇の衣装がとても素敵。若い時も年をとって髪が短くなった後も、常に変わらず素敵でした。普段はコミカルなのに、室賀さんを討ち取った回は怖い武将の顔。あの場面は緊張しました。かっこよかった。最後も悲しかったです。

矢沢頼綱=綾田俊樹

矢沢の叔父さんは痛快。暴力ジジイ。面白かった。交渉にきた北条の使者をいきなり殺す。沼田城を開けろと言われても「嫌ぢゃ」とだだをこねる。迷惑な問題ジジイなんだけれど面白い。小柄な方なのに豪快で戦国のキャラクターらしくて印象に残りました。
 
 
 
こんなところかな…おっと11人だ。これ以外にも面白い人物は沢山いました。もっと沢山。特に真田の家族は長い間描いていたのでそれぞれ愛着もわきました。大坂城に入ってからは世界がまったく変わってしまったのですが、そちらの人物達もまたよかったです。キャラクター達に愛着がわくと名残惜しいですね…『真田丸』とうとう終わっちゃったわ。

俳優さん、スタッフの皆様おつかれさまでした。