能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年7月14日日曜日

Perfume:初の欧州公演・現地での反応は?-その4



Perfumeはもう日本では次のフェスを終わらせたそうですが…、

さてさてまたネット上の記事です。どうもここ数日書いている「現地での反応シリーズ」は、(既に大成功だったことが分かっている)Perfumeのライブの結果を見るというよりも、「(英国の)どんな人達がPerfumeに興味を持ってくれているのかを知るシリーズ」になりつつありますね。まあそれもよし。Perfumeを通して知る海外。どんな人達が(英国で)Perfumeを聴いてくれてるのか…は大変興味深い。ではいきましょう…。

まずは「J-POP GO」。名前のとおり英国のJ-POP専門のネット上の雑誌です。…とは言っても日本でTVに出たりよく名前を聞くようなグループというより、アチラの人が面白いと思うJ-POPの類が多いらしい。…私にJ-POPの知識が皆無なので、どういう人達が採り上げられているのかも分からないですが…。

インタビューやレビューの記事には、今年ロンドンでライブをやったきゃりーさんや、ロンドン在住の布袋さん、(なんとあの)少年ナイフ、L'Arc-en-Cielや宇多田さん、Perfumeの名前が見えます。あとはよく分かりません。

ともかくこの「J-POP GO」は、英国内でのJ-POPの宣伝に大変な貢献をしてくれているらしくて、なんと2004年ごろからロンドンで、J-POPナイトのクラブイベントを企画して成功を収めているとのこと。コスプレをした英国の若者達がJ-POPだけの流れるフロアで一晩中踊り狂う姿を想像するのも面白いですね。ほんとに西洋と東洋の位置は変わりつつある…。

ところでこの「J-POP GO」のライター陣には、昨日のThe Electricity Club」でPerfume公演のレビューを書いたAmy Bernheit(エイミー・バーンハイト)さんもいます。このあたり、若い人の好きなJ-POPやらエレクトロやらの区別が曖昧になってきているのかもしれません。

さて記事は…

http://www.jpopgo.co.uk/jpg/perfume-live-in-london/
by Paul Browne
 
この記事はですね…、ほとんどを淡々と、その日何があったのか…を書いているだけです。いかに観客が興奮しているのか、いかにPerfumeがダンスもステージセットも素晴らしいのか、Fish & ChipsWe Will Rock Youの掛け合いやPTAコーナーも上手くいったのか、を淡々と書いてます。
 
会場でのグッズの販売状況にも言及し、いくつかのシングルや「Love The World」のCDPTATシャツはすぐに売り切れ。DVDも売ってたらしい。
 
全体的な感想は…とにかく素晴らしかったとのこと。
 
最後の最後にちょっと個人的な意見を書いてます。「Perfumeは今までに多くの曲をリリースしているので、(曲がありすぎて)どの曲をセットリストに加えるかの選択が難しくなってきている。個人的にはトライアングルの頃の曲=One Room DiscoNight Flightが聴きたい。だけどともかく今は、彼女達がまた英国にやってきてくれるのかどうかを考え中…。今夜のファンのアノ興奮した反応を考えると、たぶん間違いなく帰ってきてくれるはず…)
 
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さて次は「MCM BUZZ」。このネット上の雑誌で扱うのは、映画とテレビ番組、エンタメニュース、ゲーム、コミックス、コスプレ、アニメ、漫画…だそう。コスプレやアニメなどの日本関連の記事も見えますが、基本的には今の英国の若い人達の好きなもの=ゲーム、アニメ、SF映画、ホラー映画など…の「若い子文化」の情報を集めた雑誌のようです。日本発のアニメや、TVBBC発の「Dr. Who」、ピクサーのアニメ、ホラー映画に、SF映画、モンスター映画、怪獣物、近未来物、スターウォーズ、K-POPにプロレス、ゲーム…などなど内容は多種多様ですが、全ては「若い子の好きなもん」関連らしいです。記事を書いているライターの人達も、まだ学生さんだったりしてかなり若いです。読者は高校生ぐらいでしょうか。そんな若い人向けの雑誌が採り上げたPerfumeライブのレビューは…。
 
http://www.mcmbuzz.com/2013/07/07/perfume-at-shepherds-bush-empire-5th-july-2013/
by Jacob Milnestein
 
これも長いのでざっと意訳します。この人の英語は分かりずらいんですが絶賛してます。かなり感情的な文章です。そもそもこのお方はあ~ちゃんのファンなんじゃないかな…。
 
まずはFish & Chipsの掛け合いから。「客が熱狂して掛け合いを楽しむと、on stage Perfume‘s A-chan smiles gleefully and giddily(ステージ上ではあ~ちゃんが大喜びしてきゃあきゃあ笑った。)」
 
The atmosphere is amazing, a genuinely broad mix of people representative of the quality of music that Perfume‘s back catalogue attests to. There is none of the weirdness, none of the awkwardness often present at concerts with such an overlapping audience – especially an audience raised on a limited diet of poorly handled imports and inconsistencies – there is only a love, a genuine love for the three women standing on stage and the music they perform.(雰囲気がすばらしい…Perfumeの過去の曲の質がそれを証明するように(会場には)様々なタイプの観客がいる。それでも全く変じゃない。こういう様々なタイプの観客のいるコンサート特有の(特に数少ない曲や情報に我慢してきた観客にしては)ぎこちなさが全く感じられない―そこにあるのはただのみ。ステージに立つ3人の女性達と、彼女達の音楽に対しての(観客の)本物の愛だけ)」(←おお酔ってますな…)
 
このお方は、まずSpending All My Timeに完全にヤラレタらしいです。まず衣装に映し出されたイメージが増殖したり壊れたりするのを見て、「昔、子供の頃に見た映画、オリジナルの『TRON』の衣装を思い出した。
a feeling that tells us this is the future, this is the dream that we expected to inherit from films that we watched as children. In fact, if you are looking for a group that take full advantage of modern multimedia in their performance, then surely there can be no better example than the way Perfume appear on stage.(気持ちが僕達に伝える…これが未来だ、これが僕達が子供の頃に見た様々なSF映画から受け継ぐはずだっただ…。事実、もし現在最高のマルチメディアを使ったパフォーマンスを見たいのなら、このステージ上でのPerfume以上のものは存在しないだろう。」(←絶賛ですね。このお方はPerfumeに(昔あれほど憧れた)未来の姿を現実に見るようだ…と言っている。まさに「未来からきたポップスター」という感じなんでしょう。Perfumeを見ながら、子供の頃に夢見た憧れの未来を思い出してウルウルしてるんですね。わかるわかる…この気持ちは私も良く分かります。)
 
MCに関しては、今年2月にロンドン公演を成功させたきゃりーぱみゅぱみゅさんと比べてます。きゃりーさんのMCPerfumeに比べるとずっと情報提供・説明的だったと言ってます。
 
大きな2000人の箱に会場が代わったことから、このライブが「隙間市場=(コアなファンだけ)」の観客だけではないことに言及し、それでもこの(「いいね!」などの)可愛い言葉遊びが、there is no artifice, no sense of playing the audience, only the idea that the group are enjoying themselves as much as the crowd before them.(ごまかしだとか、客を弄ぶなどということは微塵もなく、ただただ彼女達が観客と一緒になって楽しむだけのために行われる)(←楽しさに感嘆している)
 
さいごにあ~ちゃんが“I feel the same music, I feel the same passion.”(私も(みんなと)同じ音楽と情熱を感じるの)と言うと、
この記者さん、My heart swells.(胸がいっぱいになった…)(←涙ですな)
The group leave the stage, waving and smiling and crying, and then at the very last, A-chan pauses and shouts:Perfumeはステージを去る、手を振り微笑み、そして泣きながら…そして最後の最後にあ~ちゃんが立ち止まって観客に叫ぶ…)
“FISH AND CHIPS!”(フィッシュ&チップス!)


なんだかPerfumeライブ・愛と涙の感動の記録…という感じですが、このお方もかなりヤラレタらしいですね。会場の熱気がすごくて飲み込まれたんだろうと思います。とにかくPerfumeは観客に愛されてるみたいな事を感動を込めて書いてます。みんなノリノリで雰囲気がすごくよかったんでしょう。日本のPerfumeのライブと同じように(普段は冷静な英国人でさえ)飲み込まれて我を忘れてしまうしまうほどの多幸感…を感じたのかもしれません。動画を見てそうだろう…とは思ってましたが、実際にこういう記事を見るとますますPerfumeのライブの特殊性を感じずにはいられない。ほんとにPerfume凄いことをやってのけたんだなと思う。すごいですね。

これで海外のレビューは一段落でしょうか…。


2013年7月13日土曜日

Perfume:初の欧州公演・現地での反応は?-その3



どんどんいきましょう…。ところでコチラで扱う記事は、どなたかがネット上で見つけて某掲示板に貼ってくださったものを引用しています。リンクから元記事を読んで訳して、解説のようなものを書いたりしているのですが、全体の和訳は非常に素晴らしいものがネット上にあがっていて私も参考にさせていただいてます。
 
さて今回は、ネット上の雑誌「The Electricity Club」でのPerfumeロンドン公演のレビューです。

 
この雑誌、2010年に創刊されたものらしいですが、内容は純粋に新旧のエレクトロとポップスを扱う音楽の専門誌です。J-POPを扱うメディアではないし、「面白不思議ニッポン文化」とも直接的には関係ないみたい。普段ライブのレビューページで扱ってるアーティストはこんな感じ。 LIVEREVIEWS …John FoxxとかHoward JonesSimple Minds、Depeche ModeOMDGary NumanKraftwerkなどの懐かしい名前が並びますが80年代キテルのか?お友達になれるかも…。

文体から見ると、どうも記者が自分達を超カッコイイと思ってるような感じがあって…うーん(その割には80年代ばっかじゃん…)。ともかくこういうタイプの雑誌は、記者が下手に何かをべた褒めして自分達が馬鹿に見える事を極端に嫌うので、正直で冷静なレビューを書くタイプの専門誌だと思っていいと思います。いかにもイギリスらしい。

リストにあがってるライターの数は16人。多いですね。その中でJ-POPの記事を書く人は3人。今回ライブに参加したエイミーさんもJ-POP聴きでPerfumeのファンらしい(えっ?!)。Gary NumanJohn Foxxの名前の並ぶ中にJ-POPが同列で語られているのも大変興味深い。J-POPは意外にアチラでは「面白いもの・かっこいいもの」として受け入れられているのかも知れません。妙な時代になったもんだ。さて結果は…?
 
 
Text by Chi Ming Lai with Amy Bernheit

まず解説として…Perfumeとはカプセルの中田さんにプロデュースされたYMOを起源とするテクノポップのサブジャンルの代表的グループ…だそうです。イギリスで言えば過去のPet Shop BoysとかOMDとかYazooなんかの影響を受けたポップグループ…だろうかとのこと。

800人キャパのO2アカデミーから2000人のShepherd’s Bush Empireに箱換えになって話題を呼んだこのライブは、Perfumeファンのエイミーさんによると「刺激的なパフォーマンスだった。ベースの利いたサウンドの質は最高。衣装もいつものようにハイレベル。」

Spring of LifeElectro World(のサウンド)に対しては「もしボーカルを中年英国男性の声に置き換えたら、Pet Shop Boysの新作「Electric’」とそれほど違わないかも」…だそう。
 
 
さて、ここで問題のMCについて。これが興味深い。もともとPerfumeが好きでYoutubeで予習してきたファンなら、あのMCも可愛い…と受け取られるだろうけど、それほど濃くないファンや、にわかファンにはどう受け取られるのかには私も興味があった。このエイミーさんの意見も、褒めるばかりではない冷静な感想として記録しておきたい。

To some, this was all part of the stereotypical giggly girly charm expected from Japanese idol singers. But to others, this served as an irritating filler that detracted from the music. “An MC session was to be expected as with all previous performances” said Amy, “but PERFUME’s seemed to drag on longer than was needed. A lot of the dialogue was in Japanese, leaving some audience members baffled as to what was going on. At one point, a member of the audience was given a microphone to translate but unfortunately it was very difficult to hear him. It would have worked a lot better if they had an official translator on site, or text translations displayed on the screen behind! (誰かにとっては、このMCは、いかにも日本のアイドルシンガーらしいクスクス笑いの女の子の可愛らしい魅力だろうけど、他の者にとって(このMC)は、音楽を中断するイライラさせられるようなつまらない時間つぶし。ファンであるエイミーさんも「MCは過去の(彼女達のライブの)例から言っても予測できることだった。」「だけどPerfumeは(MCを)ちょっと長く引き摺りすぎたかも。ほとんど日本語だったし、一部の観客は何が起こってるのか分からなくて戸惑ったみたい。一時、客の中の一人にマイクが渡されて翻訳をまかされていたけど、残念ながらよく聞こえなかった。あれはプロの通訳を雇ったほうがずっと上手くいっただろうし、それともバックのスクリーンに翻訳を映したほうがよかったかも。」)

↑これは冷静に参考にしてもいいと思う。他のレビューではMCが可愛いと言ってる人も多くいるんですが、必ずしも全員ではないというこは知っておいたほうがいい。特にアイドルを見に来たというより、エレクトロの音楽を聴きにきたファンには、Perfumeの長いMCは退屈だととられる可能性もあるということでしょう。他の記事がほぼ舞い上がったレビューを書いているのに比べて、正直な意見としてこれは貴重だと思う。
 
 
…とはいえ、全体的には非常に好感触。

 “Overall the show was fantastic. Their choreography was polished and absolutely flawless, given the complexity of their routines, it was very impressive to watch. The visuals of the show were breathtaking and the stunning laser light display filled the entire venue. The screen behind the girls’ showed a constant stream of futuristic style videos featuring the girls’ silhouettes, a favourite part being a hypnotic kaleidoscope effect…….It was an unforgettable evening for all”(とにかくショーは素晴らしかった。特にフリが非常に磨き上げられてて完璧で、あの複雑さを考えるとほんとに凄い見物だった。ショーのビジュアルは息を呑むほどで、驚くほど美しいレーザーは会場中をいっぱいに満たしていた。バックのスクリーンは休むことなく彼女達のシルエットなどの未来的な映像を映し出し、特に催眠術のような万華鏡のようなのが良かった。皆にとって忘れられない夜となった。)

「さて今回のPerfumeの公演が英国にとってどんな意味があるのか…。日本のポップグループがもっと英国にやってくるようになるかも…「嵐」とかね」…だそう。

「とにかく日本は面白いことになってる。 “PERFUME will be back again to see us in the (hopefully) not so distant future and perhaps in an even large venue next time!”Perfumeはきっと(早く)戻ってきてくれるだろうし(それを望むし)、もしかしたら今度はもっと大きい会場でやってくれるといいな!」

いい感じですね。とにかくこういう音楽の専門誌Perfumeがわざわざ採り上げられているのが何よりも驚き。J-POPでありながらもPerfumeの音楽の質を考えれば、もちろん予想できることなのですが、そもそもアチラの音楽通な人達が(J-POPアイドルの枠を超えて)Perfume(の音楽そのもの)に興味を持ってくれていることが何よりも新しい発見。今、J-POPというのは音楽を含めて「面白いもの、interesting=興味深いもの」として認識されつつあるらしいのが何よりも面白いなと思う。やっぱりキテルのか…「面白不思議ニッポン文化」。

 
追記:『Perfumeって何?』のelf51さんからリンクしていただきました。どうもありがとうございます感謝してます。 (7月22日)

2013年7月12日金曜日

NHK大河ドラマ「八重の桜」第26回「八重、決戦の時」



●823
官軍が会津に攻めてくる。とうとう戦争です。八重ちゃんの近所でもみんな声を掛け合ってお城に向かいます。城に入っていく女性達の中には白装束を着た方々もいる。みんなもう死ぬつもりなんでしょうか。会津の長い一日の始まり。

それにしてもこのドラマは、会津戦争を本当に細かく描いてますね。一日一日と日を追って史実で起こった事を全部入れてるみたいな感じ。不思議にもドラマそのものは淡々としていて驚くほどですが、今まで平和だった会津の人々がいかに理不尽な戦乱に巻き込まれていくのかを、それぞれの目を通して事細かに描いてます。

戦争も重苦しい自害の場面なども一つ一つ描いてます。これほどの時間をかけて会津戦争そのものを描くことも珍しいのかも知れません。

歴史を淡々と追っている感じなので、これほど劇的な異常事態の回なのになぜか涙も出ませんでした。これが果たしてドラマとしていいことなのかどうかも分からないです。しかしあまりに感情的な場面に時間をとられると肝心の戦の場面がカットされるでしょうから、戦闘シーンを本格的に描くにはこういう演出のほうがいいのかもしれません。

綾瀬さんの八重ちゃんは素晴らしいです。宮崎さんの西郷千恵の覚悟もよかった。竹子さんが雪さんに「生きて戦え」と告げる場面もいい。心を決めた強い意思を持った女性達は、結果は悲しいながらも、その勇気に心を動かされました。彼女達は決して負けていない。

それに比べると、土佐さん及び神保内蔵助さんお二人の死は早すぎる気もしたし、白虎隊もどうも突然で納得しかねました。自決が早すぎるのでは。あれでは戦闘を放棄して死んで逃げてしまったように見えてしまう。土佐さんと神保さんの場面の直後に、八重ちゃんが鉄砲を持って少年達と城を守っている姿が映ったのでよけいにそう思った。「女や子供がまだ戦ってるのに、どうして家老クラスの人達が死ぬんだろう…。」白虎隊も「弾はまだ残っている…」のなら最後まで戦わないと…。どうも納得が行かないんですが、このあたりの史実を全く知らないので、もう少し私も資料を読んでみようと思いました。

後は…八重ちゃんが城で尚之助さんと会って大砲の指揮をとりはじめた場面をいきなり中断して、京都の覚馬さんの場面に移ったのには驚きました。なんで…あの場面をぶったぎるのだ…? ああいう編集スタイルが、この大河をなんとなく淡々と見せているのかもしれません。

ともかく45分間、息を呑んで見ました。歴史の事実を淡々と描く今回の大河は本当に素晴らしいと思う。現代の視点で「戦争反対」などと誰も言わずに、「死んで抵抗する」とか「死ぬまで戦う」とか…よく軟派なこの時代にNHKさんは思い切ってくれました。感謝したい。極限の状況や言動に背筋を凍らせながら当時の人々に思いを馳せて見ています。本当に今年の大河は学ぶことが多い。これこそ大河ドラマの喜びでしょう。

大河ドラマを始めとする歴史ドラマの本当の醍醐味は、ドラマで部分的に描かれた史実を見て「あっ」とショックを受けたり驚いたりして、そこから本当の歴史に興味を持ち、いかに「史実は創作よりもすごいのか」ということを学んでいくこと…だと思います。ドラマをきっかけにして歴史を学ぶと、ドラマで描けなかったような話もゾロゾロ出てきて驚いたりする…それこそが歴史ドラマの楽しみだと思う。史実をまげて大衆に媚びるのではなく、史実に出来るだけ近い演出、撮影をしてくださった今年の大河のスタッフさんには大変感謝したい。会津の歴史に初めて興味が湧きました。


さてあらすじを…

弟の軍服に身を包み八重ちゃん(綾瀬はるか)が戦に出向くのを、幼馴染の時尾さん(貫地谷しほり)が見送る。男達は戦況を報告しあって軍議中。そこへ八重ちゃんが乗り込んでくる。「おなごの出る幕ではない。下がれ」と一旦は言われるがそこで八重ちゃん…

「これは会津全ての戦いだ。山本覚馬の妹だ。鉄砲のことなら誰にも負けねえ。敵にお城は渡さぬ。仲間がやられるのを黙って見るつもりはねえ。私達の大事な故郷、会津はこの手で守る。」それを聞いて「んだら…心ゆくまで戦うべ…」という神保さんの目が優しい。
 
城下では城に入れない人もいる。日向ユキさん(剛力彩芽)の家族が締め出されてしまった。また薙刀を持った「娘子隊」の前へフラフラと神保雪(芦名星)さんが家から出てくる。多くの人が自害しているのを見たらしい。いっそのこと自分も…と言う雪さんに中野竹子さん(黒木メイサ)が「死ぬのは一人なりとも敵を倒してからになさいませ…」
 
城内の八重ちゃんは少年達に鉄砲の指導。
 
城に大砲が撃ちこまれるようになったころ、八重ちゃんは少年達を従えて戦っている。初めての実戦に向かう少年達を八重ちゃん「さすけねえ、私が一緒だ。」とはげます。(ここでせめて一人ぐらい少年の表情を映して欲しかった。)
 
その頃西郷家では女性達が白装束で円座になって座っている。
娘ふたりは、
「手をとりて共に行きなば迷はじよ、いざたどらまし死出の山路」
千恵(宮崎美子)
「なよ竹の風にまかする身ながらも、たわまぬ節はありとこそきけ」
「会津は罪もないのに罰を受け、無念を飲み込んで敵に恭順した。それでもまだ足りなくて、敵は会津を滅ぼしに来た。そんな非道な力には死んでも屈しねえ。このこと、命を捨てて示すのが西郷家の役目だ。」
実際に現在まで語られる西郷家の悲劇こそ会津戦争の理不尽さを今に伝えるものだと思う。この場面の台詞でぐっときました。

そのころ城では西郷家の一人息子が父に出会う。「一人でここに来たのか?」「母上も妹達もみな家に残りやした。」「そうか…そう決めたか…」

官軍の板垣(加藤雅也)が西郷家に入ると全員が自決をした後。そこに重なるナレーション「この日、自決した藩士家族は200とも言われる。女達の無言の抵抗は壮烈を極め、征東軍の士気を鈍らせた。」これを聞いて背筋が凍りついた。

白虎隊が飯盛山で自決。集団心理なのだろうと思う。


田中土佐(佐藤B作)と神保内蔵助(津嘉山正種 )、自決。「俺は最後に徳川のためでも幕府のためでもなく、会津のための戦をしたのだ。これ以上の名誉なことはねえ。」「生まれ変わるときはまた会津で…」

八重ちゃんが尚之助(長谷川博己)と再会「やはりきましたね。」二人で大砲を敵に向ける。

撃たれた大山(反町隆史)と板垣が官軍の陣で会話。「中は年寄りと子供ばかりのはずじゃ。」「一気に攻めるつもりやったけど、包囲戦に持ち込んじゃろうか…」

夜八重ちゃんが髪を切ろうとしているところへ時尾さんが現れる。八重ちゃんはこれから夜襲に行くと言う。「私は三郎だから長い髪はもういらねえ。」八重ちゃんの覚悟。時尾さんが泣きながら八重ちゃんの髪を切る。