どんどんいきましょう…。ところでコチラで扱う記事は、どなたかがネット上で見つけて某掲示板に貼ってくださったものを引用しています。リンクから元記事を読んで訳して、解説のようなものを書いたりしているのですが、全体の和訳は非常に素晴らしいものがネット上にあがっていて私も参考にさせていただいてます。
さて今回は、ネット上の雑誌「The Electricity Club」でのPerfumeロンドン公演のレビューです。この雑誌、2010年に創刊されたものらしいですが、内容は純粋に新旧のエレクトロとポップスを扱う音楽の専門誌です。J-POPを扱うメディアではないし、「面白不思議ニッポン文化」とも直接的には関係ないみたい。普段ライブのレビューページで扱ってるアーティストはこんな感じ。 LIVEREVIEWS …John FoxxとかHoward Jones、Simple Minds、Depeche ModeにOMD、Gary NumanにKraftwerkなどの懐かしい名前が並びますが80年代キテルのか?お友達になれるかも…。
文体から見ると、どうも記者が自分達を超カッコイイと思ってるような感じがあって…うーん(その割には80年代ばっかじゃん…)。ともかくこういうタイプの雑誌は、記者が下手に何かをべた褒めして自分達が馬鹿に見える事を極端に嫌うので、正直で冷静なレビューを書くタイプの専門誌だと思っていいと思います。いかにもイギリスらしい。
リストにあがってるライターの数は16人。多いですね。その中でJ-POPの記事を書く人は3人。今回ライブに参加したエイミーさんもJ-POP聴きでPerfumeと嵐のファンらしい(えっ?!)。Gary NumanやJohn
Foxxの名前の並ぶ中にJ-POPが同列で語られているのも大変興味深い。J-POPは意外にアチラでは「面白いもの・かっこいいもの」として受け入れられているのかも知れません。妙な時代になったもんだ。さて結果は…?
まず解説として…Perfumeとはカプセルの中田さんにプロデュースされたYMOを起源とするテクノポップのサブジャンルの代表的グループ…だそうです。イギリスで言えば過去のPet Shop BoysとかOMDとかYazooなんかの影響を受けたポップグループ…だろうかとのこと。
800人キャパのO2アカデミーから2000人のShepherd’s
Bush Empireに箱換えになって話題を呼んだこのライブは、Perfumeファンのエイミーさんによると「刺激的なパフォーマンスだった。ベースの利いたサウンドの質は最高。衣装もいつものようにハイレベル。」
Spring of
LifeやElectro World(のサウンド)に対しては「もしボーカルを中年英国男性の声に置き換えたら、Pet
Shop Boysの新作「Electric’」とそれほど違わないかも」…だそう。
さて、ここで問題のMCについて。これが興味深い。もともとPerfumeが好きでYoutubeで予習してきたファンなら、あのMCも可愛い…と受け取られるだろうけど、それほど濃くないファンや、にわかファンにはどう受け取られるのかには私も興味があった。このエイミーさんの意見も、褒めるばかりではない冷静な感想として記録しておきたい。
To some,
this was all part of the stereotypical giggly girly charm expected from
Japanese idol singers. But to others, this served as an irritating filler that
detracted from the music. “An MC session was to be expected as with all
previous performances” said Amy, “but PERFUME’s seemed to drag on longer than
was needed. A lot of the dialogue was in Japanese, leaving some audience
members baffled as to what was going on. At one point, a member of the audience
was given a microphone to translate but unfortunately it was very difficult to
hear him. It would have worked a lot better if they had an official translator
on site, or text translations displayed on the screen behind! (誰かにとっては、このMCは、いかにも日本のアイドルシンガーらしいクスクス笑いの女の子の可愛らしい魅力だろうけど、他の者にとって(このMC)は、音楽を中断するイライラさせられるようなつまらない時間つぶし。ファンであるエイミーさんも「MCは過去の(彼女達のライブの)例から言っても予測できることだった。」「だけどPerfumeは(MCを)ちょっと長く引き摺りすぎたかも。ほとんど日本語だったし、一部の観客は何が起こってるのか分からなくて戸惑ったみたい。一時、客の中の一人にマイクが渡されて翻訳をまかされていたけど、残念ながらよく聞こえなかった。あれはプロの通訳を雇ったほうがずっと上手くいっただろうし、それともバックのスクリーンに翻訳を映したほうがよかったかも。」)
↑これは冷静に参考にしてもいいと思う。他のレビューではMCが可愛いと言ってる人も多くいるんですが、必ずしも全員ではないというこは知っておいたほうがいい。特にアイドルを見に来たというより、エレクトロの音楽を聴きにきたファンには、Perfumeの長いMCは退屈だととられる可能性もあるということでしょう。他の記事がほぼ舞い上がったレビューを書いているのに比べて、正直な意見としてこれは貴重だと思う。
…とはいえ、全体的には非常に好感触。
“Overall the show was fantastic. Their
choreography was polished and absolutely flawless, given the complexity of
their routines, it was very impressive to watch. The visuals of the show were
breathtaking and the stunning laser light display filled the entire venue. The
screen behind the girls’ showed a constant stream of futuristic style videos
featuring the girls’ silhouettes, a favourite part being a hypnotic
kaleidoscope effect…….It was an unforgettable evening for all”(とにかくショーは素晴らしかった。特にフリが非常に磨き上げられてて完璧で、あの複雑さを考えるとほんとに凄い見物だった。ショーのビジュアルは息を呑むほどで、驚くほど美しいレーザーは会場中をいっぱいに満たしていた。バックのスクリーンは休むことなく彼女達のシルエットなどの未来的な映像を映し出し、特に催眠術のような万華鏡のようなのが良かった。皆にとって忘れられない夜となった。)
「さて今回のPerfumeの公演が英国にとってどんな意味があるのか…。日本のポップグループがもっと英国にやってくるようになるかも…「嵐」とかね」…だそう。
「とにかく日本は面白いことになってる。 “PERFUME will be back again to see us
in the (hopefully) not so distant future and perhaps in an even large venue
next time!”(Perfumeはきっと(早く)戻ってきてくれるだろうし(それを望むし)、もしかしたら今度はもっと大きい会場でやってくれるといいな!」
いい感じですね。とにかくこういう音楽の専門誌にPerfumeがわざわざ採り上げられているのが何よりも驚き。J-POPでありながらもPerfumeの音楽の質を考えれば、もちろん予想できることなのですが、そもそもアチラの音楽通な人達が(J-POPアイドルの枠を超えて)Perfume(の音楽そのもの)に興味を持ってくれていることが何よりも新しい発見。今、J-POPというのは音楽を含めて「面白いもの、interesting=興味深いもの」として認識されつつあるらしいのが何よりも面白いなと思う。やっぱりキテルのか…「面白不思議ニッポン文化」。