今回の印象に残ったシーン。
会津藩が京都へ向かうシーン。会津の街の中を行列が歩いていく。それを個々藩士達の家族、奥さん達が見送るシーン。また泣いた。当時は会津から京都なんて、今なら外国に行くくらいの感覚でしょう。あまりにも遠くて次にいつ会えるかも分からない。奥さんはみんな辛いと思うわ。うらさんと覚馬さんの前夜さよならのシーンでまた泣く。いいんですよ、しっとりとして。初めて買ってもらった赤い櫛を手に最愛の夫を静かに見送るうらさんに感情移入してまた涙。
それに続く江戸上屋敷での夜。藩士全員が容保公の前に集まる。ずらっと並んだ藩士の黒い背中に白い家紋が並ぶ。厳粛です。すごく綺麗。
続いて京に到着した会津藩の行列のシーン。綺麗です。町人の台詞「なんと綺麗なお殿様…」でしたっけ。ほんとにステキなの。
その後、容保公は帝と対面。このシーンがいい。容保公の綾野剛さんが本当に素晴らしいです。この人の表情だけで泣ける。ほんとにいい。いかにも純粋で真面目なな若い青年という感じ。この人の表情だけで、当時の大名にとって、帝がいかに大きな畏れ多い存在であるのかがわかる。「陣羽織にせよ…」と衣をいただいた時、有難さのあまり頭の中が真っ白、自然に涙があふれ出て、思い出したように「はーっ!」っとひれ伏す容保公に、こちらも泣きそうなぐらい感動してしまう。ほんとに嬉しかったんだろうな。素晴らしい演技です。
この綾野剛さんというお方は、以前「セカンドバージン」で主人公の不良息子をやってた人よね。まー化けましたね。他の作品を知らないんで想像でしか言えませんが、あのふらふらした現代っ子の男の子が、これほどまでに生真面目で古風な清い殿様を演じられるとは…。上手いんだと思う。ほんとに容保公の周りの空気が綺麗なの。カチカチに真面目すぎる感じもよくわかる。純粋なのね。ほんとにいい。声も落ち着いていていい声。若い殿様なのに藩を率いる威厳も感じる。怒れば怖い。ほんとに冗談抜きでこの殿様を見るためにドラマを見たいと思う。
このドラマは役者がいい。それに脚本も演出もすばらしい。必ずしも有名な俳優さんばかりではないのに、それぞれがすごく魅力的に見えてきている。八重ちゃんも相変わらず可愛い。覚馬さんもうらさんも、二葉さんの硬さ、尚之助さんの控えめな真面目さも、みんなそれぞれが魅力的。真面目な会津藩士達もステキです。それぞれの人物達に惚れるからもっとドラマを見たくなる。ほんとにいいドラマ。
美術も綺麗。あまり画面が主張しないのに、すごく綺麗な場面が多い。言葉も難しいのが沢山出てきた…勉強しよう…。