能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2020年3月8日日曜日

Keith Urban - God Whispered Your Name (2020)



懐かしいアメリカンロック



Keith Urban - God Whispered Your Name (2020)


God Whispered Your Name - Single
Released: 27 Feb 2020
A Hit Red Records/Capitol Records Nashville Release;
℗ 2020 Hit Red Records, under exclusive license to UMG Recordings, Inc.



数日前の『The Late Show with Stephen Colbert』に出てきたKeith Urbanさんの曲。キースさんと言えば私はニコール・キッドマンさんの旦那さん…という事ぐらいしか知らない。いやもちろんカントリー系のシンガーだというのは聞いていたけれど、曲は一度も聴いたことがなかった。

スタジオでのトークの後、番組の最後にこの曲を演奏なさったのだけれど、まーなんと穏やかな気持ちのいい曲だろうかと思った。こういう曲、普段聴かないから妙に新鮮。

出だしは…ああカントリーね…と思ったら、サビで急に綺麗な響き。いい曲だ。それにとてもいい声。


このサビのアレンジの響きは、1980年初期のアメリカのポップロックの響きですよね。西海岸あたりから流行った音…デビッド・フォスターとか…シカゴ、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグス、エア・サプライ、イーグルス、REOスピードワゴン…ものすご~く久しぶりに聴く音の響き。ものすごく懐かしい。なんだか涙が出るほど懐かしい。


昔こういう響きの曲がラジオから流れていた頃、高校生だったワタクシはアメリカという国にこれといった理由もなくただ憧れておりました。英国のパンクやニューロマンティックはエッジが効いていてお洒落でしたけれど、アメリカから聞こえてくるAdult Contemporary(日本ではAORと言ってましたね)の曲は、なんだか大人で穏やかで優しい響き。

「アメリカっていい所なのかな…」と思っていた。

実際にはアメリカは白人の中流階級の人々にとってのいい国だったわけですが。今でもこういう曲を聴く人達はやっぱり保守的なのかなぁ…。「神様が君の名前を囁いた」なんていかにもですもんね。でもいい曲。懐かしい昔のアメリカの音楽。気持ちのいい曲なので記録しておこう。


2020年3月4日水曜日

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第7回「帰蝶の願い」3月1日放送



今回は戦国の女性がテーマです。


★あらすじ
1548年 秋。美濃。尾張の織田信秀(高橋克典)は、美濃の斎籐道三(本木雅弘)と和議を結ぶことを決める。道三の娘・帰蝶(川口春奈)を息子の妻に迎え入れたいと伝えてきた。帰蝶は光秀(長谷川博己)に「尾張への輿入れを止めてほしい」と頼む。道三は織田家との和議の理由を光秀に話す。帰蝶は光秀に尾張へ行って織田信長(染谷将太)を見てきてほしいと頼む。


海亀ちょっと泣きました。今週はじんときましたね~びっくりした。戦国の女性の人生を思い大河ドラマで泣く。

川口春菜さんは本当にいい女優さんだ。品がいい。声がいい。繊細な表情も素晴らしい。もちろん脚本も素晴らしいのだけれど、今回私は川口さんの演技で泣いたのだろうと思います。


帰蝶さんは光秀が好きなのね。好きだから光秀の姿を見ると一瞬嬉しそうな顔をする…それなのに直接話し始めるとコチコチに上から目線のお姫様。本当は光秀のことが好きなのに、それが伝わらないようにちょっと冷たく振舞う。若い娘さんはこういう感じですよね。プライドの高いお姫様。

そんな勝気なお姫様の彼女が、父親から敵国への輿入れを申し付けられて、光秀/十兵衛の元に助けを求めてやってきた。

「(光秀のことを)一番親しい身内と思うている…。今度は私を守ってほしい。尾張などへ嫁には出してはならぬ。皆にそう申してほしい。」と泣きそうな顔。

そして後半、「旅か…旅をしてみたい…。十兵衛、供をせよ」とはしゃぐ。しかし光秀の表情を見て顔を曇らせる。

 光秀に「織田の嫡男はうつけ…」と話し「十兵衛、見てきてくれぬか。そなたの目はこの帰蝶の目ぞ。しかと見てきてほしい」
 
…帰蝶さんは、精一杯光秀に「好き」を伝えている。切ない。

遠い国に行きたくない。今まで敵だった国など行きたくない。好きな人に「助けてほしい」と訴える。帰蝶さんはこの頃14歳ぐらいだそうだ。


「信長を見てきてほしい」と帰蝶に頼まれ、光秀が「(私が信長を)見て、もしよきお方なら嫁がれますか?」…その問いに帰蝶は答えない。片思いの好きな人に「(よその男)に嫁ぐのか」と聞かれて何も言えない。振り向かず、無言で目に涙をためて下を向く。私も泣く。切ない。

駒ちゃんがその二人の様子を見て下を向く。彼女の恋も叶わない。二人とも辛い。戦国の女性の心を描いた繊細な脚本。いいドラマ。心に触れました。


今週は戦国の女性の生き方が大きなテーマでしたね。光秀の母・牧の方(石川さゆり)が武家の女の心得を説く場面もありました。
駒ちゃんが「帰蝶様のお輿入れは…」と聞けば、「そのようなこと国の大事ゆえ軽々しう口の端に載せることは控えねばなりません。よろしいか」とそれをたしなめる。さすがです。
 
駒ちゃんはその厳しさにうろたえてます。すると牧の方は穏やかに(その時代の)女の生き方を説く
「女子はいずれ然るべき方へ嫁ぎ、子を産み育てねばなりませぬ。それは誰にでも言えること。帰蝶様も駒さんも。皆等しうそういう時を迎える。それが今日か明日かはわかりませぬが」

すると駒ちゃんが訊ねる「それが出来ぬものは、どうすればよいのでしょうか。思うても思いが遂げられぬ者もありましょう。身分のこと。暮らし向きのこと。さまざまなわけがあり、嫁ぐことが叶わぬ者は…」これも哀しい。

そこへ光秀登場。すぐに駒ちゃんが立ち上がる。彼女は光秀への好きを隠さない。素直に好き好き光線を出している。その素直さがかわいい。もう牧の方は駒ちゃんの気持ちに気付いてますよね。


戦国の時代に武家の女性が政治の駆け引きの道具になるのは珍しいことではない。しかしどんな時代であっても女性はモノではない。戦国の女性達にもそれぞれの想いはあったはず。若い女の子なら身近な誰かに恋をすることもあっただろう。しかし彼女達の生まれはそれを許さない。彼女達は気持ちを押し殺し、家のために運命を受け入れて嫁いでいく。

また自由な恋愛が出来るはずの町娘も、好きになった人が違う身分であればその願いが叶うことはない。駒ちゃんもそれをわかっている。それもまた哀しい。

男性の脚本家の方が描いた「女性の心」の話しなのに、どうしてこんなに心に響くのだろう。近年の大河で女性が書いた脚本よりもずっと細やかで心に沁みますね。

さてそんな帰蝶さんの辛さの元は…勝手なオジサン達なのですよ。まず両家の縁談を思いついたのは織田信秀。彼は先日の戦で毒矢に当たって具合が悪いらしい。駿河の今川、美濃の斎籐、西側には親戚の織田と、三つの敵に囲まれて苦しい。それで斎籐と手を結ぼうと思いついた。


それにのった帰蝶さんのパパ斎籐道三/利政。彼はなぜ尾張と手を結びたいのか。
「海のある国は食うに困らぬ…。この美濃には海がない。国を豊かにするためには海を手にいれることじゃ。あの尾張の向こうには海がある。その尾張が手を差し出してきた…」なるほど…。
 
その頃、帰蝶さんのお兄さん達は道三パパのアイデアに反対している模様。土岐氏を担ぎ出そうと言っている。
 

帰蝶さんと駒ちゃんがお化粧で遊ぶ場面が無邪気でかわいかった。


2020年3月3日火曜日

お猫様H:威風堂々

 
 
漂う大物感。
いつの間にこんなに大きくなったのだろう。
誰よりもキミを愛す。
 
 
 
 
 

2020年2月27日木曜日

Izzy Escobar - No Boys (DJ Strobe remix)(2019)

 

リミックス最高。


Izzy Escobar - No Boys (DJ Strobe remix)(2019)

No Boys (Remixes) - Single
Released: Dec 13, 2019
℗ 2019 Inspiros Music
 
 
近年英国のダンスチャートでどうやら鍵盤の音が流行っているらしい。前回のTony Allenさんの曲もそうなんだけれど、これも同じく鍵盤の音のいい曲なので記録しておこう。英国で1ヶ月ぐらい前にUpfront Club Chartに入っていた曲。
 
元曲はIzzy Escobarさんの曲。それをリミックスしたものがこれ。元曲は若い女の子らしくハッピーでのんびりした曲なのに、リミックスでがんがんに踊れる攻撃的な曲になりました。傑作かも。すごいわ。
 
ボーカルは全く同じなのにリミックスでほぼ180度印象が違う。全然違う曲激しいリミックス最高。

元曲ののんびりしたラップや「Hey, Ladies」も超攻撃的に変わっている。歌っている人のキャラも完全に違う人。こんなに変わってしまうなんて…音楽って面白いなと思う。ほんとに。
 
よく踊れるリズム。この叩きつけるような鍵盤の音はほんとに気持ちいい。思わず踊り出す。
 
Izzy Escobarさんとは
シンガーソングライターの19歳。2018年にデビューしたばかりであまり情報がないのだけれどアメリカの方なのかな?今カリフォルニアで大学生みたいですね。
 
DJ Strobeさん
米国ピッツバーグのDJ80年代から活躍中。ビルボードのクラブチャートで20曲以上を1位に送り込み、数々の大物の作品のリミックスを手がけた有名な方らしいです。


Tony Allen - Naughty Girls (2019)



記号としてのK-POPガールズ

 
 
Tony Allen - Naughty Girls (2019)

 Naughty Girls - Single
Released: 6 Dec 2019
℗ 2019 Tony Allen


これはね…文化的に面白いと思った。これ見るからにK-POPなんですよ。おそらく西洋でも売れているらしいBLACK PINKみたいな女の子達を、普通の英国のDJの作った音楽に合わせてそれらしく踊らせたビデオ。なるほどねーと思った。

外見もそうだしダンスの振りもK-POPそのまんま。そしてタイトルが「Naughty Girls。あららら。もちろん女の子達に罪はない。みんな可愛いしね。

おそらくTony Allenさんはただ若者向けの普通の歌を書いただけ。歌詞もビデオには全く関係ない。K-POP風に捻りを加えたのはMVのディレクターでしょう。

要するにK-POPを始めとするアジア発のポップアイドルの姿は、英国でも(特に若者の間では)十分認識されるほどシンボル化している。記号化しているということでしょう。

映画の『シング/Sing』で日本のレッサーパンダの女の子達がでてきたじゃないですか。あれと同じような感じ。この女の子達は露骨にK-POP風ですけど、意味としてはあまり変わらないですよね。アジアのアイドル文化が西洋でもよく知られるようになってきていて既に記号化されている…のではないか。普通の英国の若者がこれを見てすぐに「あああれだね」とわかるレベル。とても面白いなと思う。


う~ん…これよく見ると、この女の子達は別の音楽で踊っているようにも見えますね。元々全然違う歌で踊った映像を、後で曲と合成しただけのようにも見える。リズムの取り方がおかしいところがある…ああいうリズムの取り方はしないだろう普通。そうだとしたらこの女の子達はまさに素材


曲は割に普通。しかし今流行りらしい鍵盤の音が気持ちいい。リピートが多いですがリズムのノリもいい。なにより音と合わせて女の子達のダンスを見ていると楽しい。

「音楽に合わせて踊る踊るアジアのアイドル」の記号。面白いなと思ったのでとりあげる。


Tony Allenさんとは
英国・西ロンドン出身のTech HouseTechnoDJ。オーストラリアやイビサに住んでいたこともあるそう。様々な音楽から影響を受けているそうな。



2020年2月26日水曜日

OPERA★『フィガロの結婚/Le nozze di Figaro』by W. A. Mozart, - Feb 14, 2020

 
 
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Mozart: Le nozze di Figaro, K.492 – Overture

Conductor: Karl Böhm
Orchester der Deutschen Oper Berlin ·
℗ 1968 Deutsche Grammophon GmbH, Berlin
↑元気が出る!かっこいいわーなんとゴージャスな。指揮したくなって手を振り回す。踊りたくなる。これは空でコロコロ鳴っていないな。がっつり胸倉を摑まれて振り回されるようなエネルギーに溢れた力強い演奏。思わずコブシを振り上げてヘドバンしそう。楽しいね。
🌹
Le nozze di Figaro – Dame Kiri Te Kanawa
'E Susanna non vien!... Dove sono i bei momenti'
 
Sir Georg Solti, Dame Kiri Te Kanawa, Samuel Ramey,
有名なキリ・テ・カナワ様。この歌を動画サイトで探したのですが、これが一番綺麗だと思った。動画にあまり情報が無いのですが、ショルティにラミーと出てきたので、1981年のロンドン録音かもしれない。とにかく綺麗な声で、ここの文章を書きながら聴いて涙が出た。
 
 
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Le nozze di Figaro/The Marriage of Figaro
Opera by W. A. Mozart
Language:  Italian
Based on ‘La folle journée, ou le Mariage de Figaro’ by Pierre Beaumarchais
Premiere:  1 May 1786, Burgtheater, Vienna
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Blaisdell Concert Hall
Feb 14, 2020, Friday, 7:30pm
 
 
早く書かないと忘れてしまう。公演を見たのはほぼ2週間前。先週は忙しくて文が書けなかった。
 
さて『フィガロの結婚/Le nozze di Figaro。久しぶりのオペラ。去年の秋にあったToscaは見逃した。旦那Aがカレンダーに1週間間違えて予定を書き込んでいたギャ~!そんなわけでオペラは去年の5月の『椿姫』以来。先日手に入れたワンピーを着て友人夫婦と出かける。そういえば当日はバレンタインだったわふふふ
 
今回も事前にストーリーだけ読んでいった。言葉(イタリア語)がわからないのでストーリーはだいたい理解していった方がいい。しかしこれが思ったよりも複雑…面白いのでWikipediaで再度確認してまとめてみることにした。今後また見るときに役に立つかも。
 
…と思ったのだけれど、あまりに複雑で長いので最後に載せる
 
 
さてこのオペラは古いです。モーツアルトよ! 初演はウィーンで1786年。有名なオペラの多くが19世紀だと思えばこの作品は音楽のスタイル的にも古いのでは…。ドラマチックで浪漫な19世紀の音楽スタイルはまだ生まれていない時代かも。
 
 
 ★感想
 
モーツアルトの音楽は綺麗。幕が上がる前の序曲/OvertureK.492は超有名。綺麗ですねぇ。天から降ってきた音楽。空でコロコロ音が回るような音楽。
 
…しかし綺麗だけれど軽い。オーケストラで聴くインストは本当に綺麗で楽しい「陽」な音楽で気持ちがいい。しかし正直歌劇が始まって…さて台詞を歌うのに都合のいい音楽なのだろうか?…と思ってしまった。ちょっと忙しいかも。
 
チェンバロがジャラランと鳴って「ちょっと見てよぉ…あたしの帽子ぃ…幸せだわぁ…」「君に似合ってるよぉ…」台詞が全部早口言葉の歌になっているみたい。アリアは落ち着いた綺麗な曲もありますが、会話劇の場面は全体に忙しい。
 
しかし18世紀の作品ですから別世界の雰囲気は最高。その別世界の響きだけでも楽しめる。初演はウィーンで1786年だそうで、フランス革命のバスティーユ襲撃の3年前。あの時代は大好きなのでちょっと嬉しい。当時の欧州のハイソな方々の見たオペラなのね…。
 

今回、一番素晴らしかったのは伯爵夫人ロジーナ/Countess AlmavivaMané Galoyanさん。アルメニアのお方だそうです。素晴らしかった。役としてはスザンナの方が上なのではないかと思うけれど、このMané Galoyanさんが他の方々より頭一つ飛びぬけていた。伯爵夫人の声があまりにも美しくて、伯爵夫人の方ばかりに目と耳が向いてまう。目が彼女を追いかけてしまう。
 
人の声なのに楽器みたいな音。すーっと空気に馴染むように繊細に響いて人の声じゃないみたい。本当に美しい声。生まれ持った才能ってすごいと思った。
 
三幕の夫人の嘆きのアリア「Dove sono i bei momenti(幸せな時はどこへ)」が特に素晴らしかった。観客もじっと聴き入っているのがわかった。オペラは本当に上手い人が歌うと客の一人一人が集中しているエネルギーを感じるんですよ。そしてManéさんが歌い終わった瞬間に「おおっ」と歓声が起こって割れんばかりの拍手。すごいなと思う。生のライブの面白さ。
 
このお方は今オペラ界でどの位置にいらっしゃるのだろう。動画サイトを探したらManéさんが2015年のチャイコフスキー国際コンクールで3位に入賞なさった映像が出てきたのだけれど、まだお若いのだろうか。このお方はこれから大スターになるのかも。生で聴けるのは今回が最初で最後だろうけれど、このお方の声が聴けて本当によかったです。
 
 
楽しかったです。面白かった。フィガロと伯爵はお二人とも背が高い。バリトンは大きい方が多い。スザンナも気持ちのよい声。ケルビーノは女性が演じるのだけれど背が高くて少年ぽい。医者バルトロと女中頭マルチェリーナと音楽教師バジリオ、庭師アントニオは外見もコミカル。
 


 
ストーリーはドタバタのコメディ。二幕で伯爵夫人の部屋の窓から小姓ケルビーノが飛び降り、その後で庭師が窓に外から梯子をかけて登ってきて「さっき男が窓から落ちてきた」と文句を言うのに大笑い。それを聞いた伯爵がびっくりしているところでフィガロが「私私です」と辻褄を合わせる。笑った。さっきまで争っていた人達が「ああ~息子よ~」と抱き合ったり、スザンナがフィガロを張り飛ばしたり…なんだかドタバタ喜劇。演者も楽しそう。
 
衣装も綺麗。セットも奇を衒うことなくいつものようにクラシックで豪華。素敵です。
 
とにかく長い長いオペラで、二幕の後にインターミッション。それから三幕四幕。全部で3時間半ぐらいだろうか。とにかく長い長い。複雑なストーリーで長いので、とにかく覚悟を決めてしっかり腰をすえて楽しむしかない。演者の方々にも大変なショーなのではないかと思います。
 
 
ついに終わって幕が開きカーテンコール。脇役が出て来て、伯爵が出て来た後、夫人のMané Galoyanさんが出てきたら会場がどどどっと一気に立ち上がった。大歓声。Manéさんご本人もちょっとびっくりして嬉しそうなお顔。それから出て来たスザンナとフィガロにも拍手が起こったのだけれど、この夜のスターは間違いなく伯爵夫人のManéさん。オペラの観客ってこういうのはものすごく露骨。一番上手い人に一番大きな声援と拍手。演者には厳しい世界なのね。
 
私もすっかり彼女のファンになってしまって、最後に演者が列になってお辞儀をしている時も、少しでも彼女の姿を目に焼き付けておこうと彼女ばかりを見つめてました。スターってこういう人のことを言うんだろうと思った。ずーっと彼女を見てありがとうありがとう…と心で話しかけた。彼女に出会えてよかった。
 


CONDUCTOR:  David Angus
STAGE DIRECTOR:  Tara Faircloth

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Figaro:  Ryan Kuster
Susanna:  Elena Galván
Count Almaviva:  Edward Parks
Countess Almaviva:  Mané Galoyan
Cherubino:  Olivia Vote
Dr. Bartolo:  Kevin Glavin
Marcellina:  Jenni Bank
Don Basilio/Don Curzio:  Joseph Gaines
Barbarina:  Martina Bingham
Antonio:  Jamie Offenbach
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さてそれでは最後にお話の筋…何が起こるのかを書こう。簡単にまとまるかと思ったら超複雑だった。とにかく長いです。昔の話ってこういうのが多い。シェークスピアも…誰かが誰と勘違いして勘違いのまま相手を口説く…と思ったら実は他の誰かだった…こんなような話ありましたよね。「真夏の夜の夢」は媚薬で妙なことになる話でしたか…。昔のコメディは複雑。昔のお金持ちは暇だったのだろうな。
 
長いけれどとりあえず載せる。いつかまたこの作品を見るときに役に立つだろう。
 
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★フィガロの結婚

封建領主の(召使の女性への)セクハラ問題に対して、その奥方と使用人が一緒になって抵抗/仕返しをするドタバタのコメディ
 
一幕
18世紀、スペイン・セヴィリャ。アルマヴィーヴァ伯爵の館
従者フィガロと女中スザンナの結婚式の日。どうやら主君のアルマヴィーヴァ伯爵はスザンナに対して「初夜権」を復活させようとしている。怒ったフィガロは伯爵を困らせようと計画する。
女中頭マルチェリーナと医者バルトロ登場。マルチェリーナは以前フィガロから「借金を返せなければ結婚する」という証文を取っている。バルトロは(過去の色々なことから)この証文を使ってフィガロに復讐しようと計画。
小姓のケルビーノ(ティーンの男の子)は血気盛んな思春期の男の子。庭師の娘に近づいたため伯爵に追放されそうなので、スザンナ伯爵夫人ロジーナにとりなしてほしいと懇願する。
伯爵スザンナを口説きにやってきたので、ケルビーノは隠れる。
そこへ音楽教師のバジリオがやってくるので、伯爵も隠れる。バジリオが「ケルビーノが伯爵夫人に色目を使った」と言うのを聴いて伯爵が出てくる。隠れていたケルビーノも見つかる。ケルビーノが伯爵の誤解を解く。しかし伯爵はケルビーノをに連隊に行くように告げる。
フィガロが村の娘達を連れて登場。伯爵に初夜権廃止を確認。伯爵も同意。
 
二幕
伯爵夫人ロジーナの部屋
伯爵夫人ロジーナは夫の浮気心を悩む。スザンナケルビーノ登場。一緒に伯爵の浮気の尻尾を摑む為、囮作戦を思いつく。伯爵をスザンナの名前でおびき出し、女装させたケルビーノと密会させて現場を押さえようと計画。
スザンナが部屋から出ると伯爵がやってくる。慌ててケルビーノが衣裳部屋に隠れる。伯爵が衣裳部屋の物音に気付いたので夫人が「中でスザンナが着替え中だ」と言う。疑う伯爵はドアを開けようとするが鍵がかかっている。伯爵は斧を取りに夫人と共に部屋を出る。
部屋の影に隠れていたスザンナが出てきて、ケルビーノを衣裳部屋から出し、2階の窓から逃がす。そしてスザンナが衣装部屋に入る。伯爵が帰って来て隣部屋を開けるとスザンナが出てくる。
そこにフィガロがやってくる。庭師アントニオが登場「誰かが窓から飛び降りて植木を壊した」と言う。フィガロは咄嗟に「飛び降りたのは僕だ。スザンナを待っていたが伯爵の声を聞いて逃げた」と言う。医者バルトロと女中頭マルチェリーナと音楽教師バジリオがやってくる。フィガロに対し訴訟を起こすという。結婚式の前に裁判を行うことになる。
 
三幕
スザンナ伯爵夫人ロジーナと伯爵への囮作戦を企む。スザンナは結婚式の後に伯爵に会う約束をする。
裁判に出るフィガロが登場。裁判の結果…結婚を迫るマルチェリーナにフィガロが自らの生い立ちを話す…なんとフィガロは昔盗賊にさらわれたマルチェリーナの息子だった。しかも父親はバルトロ。親子なら結婚できない…と判決を取り消す。親子で抱き合って喜ぶ。
そこにスザンナがやってくる。母親と抱き合うフィガロを、嫉妬したスザンナが張り倒す。そこで親子がスザンナに事情を説明する。理解して親子と嫁で喜び合う。ついでにバルトロマルチェリーナも結婚式をあげることにした。
伯爵夫人ロジーナの部屋。夫との不仲を嘆く。スザンナがやってきて囮計画を告げる。スザンナが伯爵への手紙を書く。
広間では結婚式が始まろうとしている。村娘がやってきて夫人に花束を贈る。その中に女装したケルビーノもいる。庭師のアントニオがやってきてヴェールを剥いだらケルビーノだった。怒る伯爵。庭師の娘バルバリーナが伯爵に「いつも私にキスをして愛してくれたら何でもほしい物をやるぞおっしゃいましたね。ケルビーノをお婿さんに下さい」と告げる。
フィガロスザンナバルトロマルチェリーナの結婚式が始まる。式の最中にスザンナが伯爵に密会の手紙を渡す。伯爵の様子を見てフィガロが「伯爵に誰かが恋文をわたしたらしいぜ」とスザンナに言う。
 
四幕
伯爵邸の庭。夜。庭師の娘バルバリーナが探しものをしている。伯爵から「ピンを探してスザンナに届けるように頼まれた」と言う。フィガロは先程の手紙はスザンナが書いたものだと気づく。
フィガロはスザンナの浮気を暴いてやろうと人を連れてやってくる。女の本性を嘆く。
スザンナ伯爵夫人が衣装を交換してやってくる。
そこにケルビーノがやってくる。スザンナだと思い伯爵夫人に話しかける。
伯爵もやってくる。スザンナの側にいる邪魔者(フィガロ)に平手打ちを食わす。フィガロが逃げ出す。
伯爵はスザンナだと思いこんだ妻の伯爵夫人ロジーナを口説き始める。二人でその場を去る
フィガロは伯爵夫人に扮したスザンナと話していて騙されていると気づく。そこで事情をわかった上でわざと「私の妻は奥様のご主人と浮気をしていますが私も奥様が…」と口説く。スザンナが怒ってフィガロを張り倒す。そのあと打ち解ける。
そこにまた伯爵がやってくる。フィガロが(今度は伯爵を騙す為に)伯爵夫人に変装したスザンナを口説き始める。伯爵が怒る。皆を集める。伯爵は夫人とフィガロの浮気の現場を捕らえたと勝ち誇る。しかしスザンナの服を着た伯爵夫人が現れて、伯爵も状況を理解する。伯爵が夫人に謝る。一件落着。皆で歌ってハッピーエンド。
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ひゃ~それにしても細かい。Wikipediaの筋をまとめようとしたら全然まとまらずにうんざりした。
というわけで登場人物も大変多いですが、中心人物達はスザンナと伯爵夫人、それにフィガロと伯爵の4人。ケルビーノは話のスパイスだからいいとしても、バルトロとマルチェリーナの話なんて必要ないですよねぇ笑。こんなに複雑にする必要もないだろうに。