能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2023年4月4日火曜日

David Sylvian – Nostalgia (1984)



昔を思い出す



David Sylvian – Nostalgia (1984)
Album: Brilliant Trees (Remastered 2003)
Released: July 7, 1984
℗ 2003 Virgin Records Limited



英国のバンド Japan 界隈…そして彼らに関わる坂本龍一さんや高橋幸宏さんを追っていた頃は、彼らが教えてくれる「難しいこと、お洒落なこと、知的なこと、アートなこと」を学ぼうとしていた。全てを飲み込めて理解できたとは思えない。しかしそれらに一度でも触れたことはよかったと思う。

それらの品のいいアート/芸術を自分のものに出来るかどうかは受け取り側次第で、結局私にはあまり馴染まなかったのだろうと思う。だから David Sylvian さんや坂本龍一さんが繰り出す趣味のいいアートな方向を私は追い続けることが出来なかった。その後、私はアメリカの陽気な懐メロバンドを追いかけ、気のいいアメリカの人と結婚した。

人の好みも時代も変わっていくもので、20代の初めに背伸びして学ぼうとしていた「お洒落で知的な文化」はいつしか思い出になりそのうち忘れてしまった。その後30代にロンドンに住むことになっても、その頃のロンドンはモダンで活気にあふれた街で、私が10代や20代の頃に憧れていた街の印象とは違っていた。その頃にDavid Sylvian さんのソロアルバムも買って聴いたけれど、結局20代初期にのめり込んだようにはならなかった。時代は変わり自分の中の興味の対象も変わっていた(そういえばDavid Sylvian さんにはロンドンの街でばったり会った…ことは以前ここにも書いた)。

今久しぶりに80年代のSylvian さんのアルバムを聴くと妙な気持ちになる。
「あの頃の私はどこにいったのだろう?今は全く違う人間じゃないか。ハワイに住んでテレビでメジャーリーグの野球を見て騒いでいる。この私はいったい誰だろう?」

何かを学ぼうとしていたあの頃、文化は東京にあった。Steve Jansenさんのツイッターを見ていたらどうやら彼のバンドが東京で4月にライブをやるらしい。そうか…東京に住んでいれば、あの頃の「文化」の残り香を今も感じることができるのだ。なんと羨ましい。

私は全部捨てたんだよな。生きながら何もかも捨ててきてしまった。街を変わるたびにリセットして何も繋げずにただ生きている。そのことを少し悔いているのかもしれぬ。いや悔やむほど大層なことでもない。どうでもいい。わからない。

『戦場のメリークリスマス』やDavid Bowieのライブを見た1983年は40年前。40年。ずいぶん時間が過ぎた。

坂本龍一さんのことでまだ動揺している。先ほどから(見るだけの)ツイッターでDavidさんや弟のSteveさんのメッセージや写真を見て苦しくなっている。あの時代のあの頃の思い出がまた遠くなる。そのことにまた動揺している。


Nostalgia
David Sylvian
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緑の草原で 聞こえてきた声
彼らの喜び 彼らの安らぎ 豊かさ
それらが 私の心の迷いの中で失われた

私は木の枝を切っている
長年の思い出に形作られた
私の中の亡霊を祓い清めるために

水の中の 波の音
私はノスタルジアに溺れている ノスタルジア
私のノスタルジア

水の中の 波の音
私はノスタルジアに溺れている ノスタルジア
私のノスタルジア
私のノスタルジア
私のノスタルジア

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David Sylvian - Weathered Wall (1984)



Ryuichi Sakamoto – synthesizer/piano



David Sylvian - Weathered Wall (1984)
Album: Brilliant Trees (Remastered 2003)
Released: July 7, 1984
℗ 2003 Virgin Records Limited


しばらくあの頃の時代の事を考えている。
80年代の初期から中頃ぐらい。バブルになる前の時代。

英国のバンド Japan 解散後の David Sylvian さんのソロアルバム『Brilliant Trees』。この曲は坂本龍一さんがキーボードで参加していた。

当時LPレコードを買って曲をカセットテープに落としてウォークマンでよく聴いた。カセットテープで聴くウォークマンのいいところは…アルバムをテープに入れて聴く時に、安易に曲を飛ばすことが出来なかったこと。一旦テープを回し始めたら(いちいち早送りも面倒だから)アルバム全部を聴くことになる。CDの時代のように曲を飛ばすことがないから、アルバム全部を通しで聴くことになる。それがよかった。

このアルバムは全体に実験的な音が多い大人のアートなポップス。妙な音や妙なリズム。特にドラムに妙な音が多い。最初は必ずしも耳障りのいい音ではなかったと思うが、ウォークマンで通しで何度も何度も聴いているうちに次第に音が耳に馴染んでくる。そしてだんだん気持ちよくなってくる。繊細なドラムのアレンジが耳に馴染んだら、最高に気持ちのいいアルバムになった。電車での移動中に何度も何度も繰り返して聴いていた。


Japanの解散の頃からこのアルバムの出た頃、JapanのメンバーとYMOのメンバーがよく交流をしているとの情報が当時の音楽雑誌によく出ていた。David Sylvianさんと坂本さん、そしてDavid さんの弟のSteve Jansenさんが(ドラム繋がりで)高橋幸宏さんと仲がいい…などという記事をよく読んでいた。

あの頃のことを思い出す。

このアルバムは洋盤で買ったのだろうか、歌詞の意味を今回訳して初めて知った。


Weathered Wall
David Sylvian
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あなたは 信じられる人だった
変わりゆく世界の中の 希望の場所
それぞれの瞬間に感じ
あなたの腕の中で過ごした それぞれの年月

一生を生き抜いた人生の後で
この汚れた手には 生命の兆しもない
休む間もなく働き
私はこのような心の中の恐れに立ち向うことはなかった

失われた天国を悲しみ
失われた天国に涙を流す
嘆きの壁の前で


あなたは 皆に信頼される人だった
学ぶ意志のある場所に 命を捧げて
しかしそれは 生きることの本質
心の中に未だ残された年数を数えながら

失われた天国を嘆き
失われた天国に落涙する
嘆きの壁の前で

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Written by David Sylvian, Jon Hassel




2023年4月2日日曜日

坂本龍一さん



Ryuichi Sakamoro - Thousand Knives (2005)
ピアノver. もいい いい曲
Album:  / 05
Released:  September 28, 2005
℗ 2005 WARNER MUSIC JAPAN INC.

Yellow Magic Orchestra - 1000 Knives (1981)
やっぱこのYMO ver. が一番好きだわ ノレる
Album:  BGM
Released:  March 21, 1981
℗ 1981 Alfa Music, Inc.


目を覚まして見たネット上のニュースで知った。
それから坂本さんの記事やWikipediaを読んでいる。

たぶん私が坂本龍一さんのファンであったことはない。それでも若い頃に少なからず影響を受けたのだと思う。資料を読むうちに少しずつわかってきた。YMOから始まって私の中学~高校、大学を卒業するまでの期間、坂本さんは私の「文化人アイドル」だった。


最初の出会いはYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー/SOLID STATE SURVIVOR』(1979)。ラジオで「TECHNOPOLIS」や「RYDEEN」を聴いてLPレコードを買った。まだよく知らぬ「文化」というものにおそるおそる一歩踏み出した。

私が高校の頃までには坂本さんは世間でも人気のアイドルになっていた。YMOの数々のヒット曲。忌野清志郎さんとの『い・け・な・いルージュマジック』(1982年)。ちょうどその頃、英国のバンドJapanのメンバーとYMOのメンバーの交流もよく洋楽雑誌の記事になっていた。私はJapanのファンだった。

坂本さんは1983年の夏、濃いメイクで映画『戦場のメリークリスマス』に出演。同年の秋にDavid Bowie氏はツアーで来日。Bowie氏と共に当時の坂本さんは巷の若い娘たちのスーパーアイドルだった。

その頃、彼のNHK-FMの「サウンドストリート」も毎週聴いていた。文化人坂本龍一から何か学ぼうと毎週彼の言葉に聞き耳を立てた。そういえば1983年の秋のある日、その番組にピーター・バラカン氏の通訳と共に(ツアーで来日していた)David Bowie氏が出演したこともあった。それを録音したカセットテープは今も箱の中にあるはずだ。

『戦場のメリークリスマス』はサントラのアルバムもよく聴いた。サントラのピアノver.を収めたカセットテープ『Avec Piano』が発売されたのでまた購入、よく聴いた。ピアノの楽譜も買って実家に帰った時に弾こうとしたが黒鍵が多くて私には難しすぎた。その楽譜は今も本棚にある。

その後坂本さんは1987年には映画『ラストエンペラー/The Last Emperor』に再度俳優として出演、そしてそのサントラではグラミー、ゴールデン・グローブ、アカデミーの賞を受賞。教授は世界的な作曲家になった。

その頃から坂本さんの情報を追いかけることはなくなったが、その後も彼のお名前は様々なところで見かけた。1991年の『シェルタリング・スカイ/The Sheltering Sky』、 1993年の『リトル・ブッダ/Little Buddha』は映画館で曲を聴いた。ロンドンでは1999年に前知識ゼロで見た映画『愛の悪魔/フランシス・ベーコンの歪んだ肖像/Love is the Devil - Study for a portrait of Francis Bacon』のクレジットに彼の名前を見つけて驚いた「教授順調に仕事してるんだな」と思った。大島渚監督の『御法度』もそうだった。


時が流れてネットで読むニュースが身近になった頃、また坂本さんのお名前をメディアで見かけるようになった。政治的な発言が多かったのだろうか、坂本さんの言葉は様々な事柄でメディアに取り上げられていて、そのたびに「また教授がなんか言ってる…」と思いながらそれらの記事を読んだ。坂本さんの言葉には常に耳を傾けていた。彼の言葉に私は影響を受けていたのだろうか。


三つ子の魂ならぬ…17、8の魂百までか…あの多感なティーンの時代に「文化」を知ろうとして耳を傾けた坂本さんの言葉や音楽は、その後もたびたび私の心に響くものだったように思う。日本を離れて遠く、もう随分時間も過ぎてしまったが、今でも私のものの考え方は(おそらく)あの14歳~21歳ぐらいの間に吸収したものを基礎に成り立っている。おそらく坂本さんの存在は私が思う以上に大きいものだったのかもしれぬ。よくわからない。彼の影響の度合は、私にファンだとの自覚がなかったからはっきりと断言できるものではなく、そのことは自分でも不思議な感じだ。

去年の年末今年1月にはNHKのスタジオで撮影された坂本さんのピアノの独奏のコンサートを拝聴(ここではTV Japanで)。綺麗なピアノ。やっぱり坂本さんの曲は『戦メリ』が一番好き。1983年のあの頃、あの映画から流れ出す「文化的なもの」にどっぷりと浸かって中毒になり…いつか私は大学に行かなくなってしまった。何も結論に達することもなく様々な事柄を毎日ただただ考えて考えて考えて考え続けていた。


そういえばたぶん1度だけ坂本さんにばったり出会ったことがある。たぶん…というのはその時間があまりにも短かったから。たぶん3秒ぐらい。…まだ上京したばかりで東京に慣れなかった頃、方向を間違って渋谷の駅から大きな通りの坂を上っていたら突然ビルから人が出てきた。顔を見たら坂本龍一だ!アッと思って立ち止まった。その人物も私の顔を見てぎょっとしたような顔をした。そしてすぐに出てきたビルに引っ込んだ。後に残された私は「今のは教授?!」 もしかしたらあれは坂本さんではなかったのかも。いやあの人物は坂本さんということにしておこう。

思い出ばかりを書いた。沢山の事を教えていただいたと思います。感謝してます。ありがとうございました。




2023年3月30日木曜日

Fleur East - Count the Ways (2023)



Philly soul!
最高もうこれが優勝!



Fleur East - Count the Ways (2023)
Count the Ways – Single
Fleur East
Released: January 27, 2023
℗ 2023 Platinum East

Lyrics

Acoustic Version
このイメージの方が歌の内容には合っている



UKダンスチャートに上がってきていた曲。これは最高だわ。もう何度も何度もリピートしている。全く飽きない。フィラデルフィアサウンドの再現。MVも1970年代のソウルグループのイメージ。

この1970年代のソウルバンドのイメージは、近年ブルーノ・マーズがSilk Sonicで巧みに再現してました。このFleur Eastさんはロンドンのアーティストなのだけれど、動画サイトを色々とつついてみたらどうやら彼女はブルーノ君のファンらしい。何度も彼の曲のカバーをやっている。このMVもおそらくSilk Sonicにインスパイアされたものだろうと思います。

Silk Sonicが1970年代のソウルバンドを磨き上げて巧みに再現しているのであれば、Fleur Eastさんはそれを女性のソウルバンドとして演出。これが…もう最高にかっこいい。最高。ため息

曲はフィラデルフィア・ソウル風。イントロのドラムはDavid Bowieの「Young Americans」(フィラデルフィア・ソウルのコピーで有名)かと思いましたもん。あの頃のスタイルを2023年に磨き上げて、それはそれはかっこよく女性バンドで再現。最高。好き。

ダンスもかっこいい。Fleur Eastさんもダンスが上手いが、バックの左側の女性のダンスがうまい。この女性のリズムの取り方は最高にかっこいい。すごいね。


Fleur East(発音はフラ・イーストかな)さんは2005年に英国のオーディション番組『The X Factor』で出てきたお方だそうです。全く知らなかった。お顔も麗しくダンスもうまい。歌もソウルフルでうまい。かっこいいな。素敵ね。現在36歳だそう。英国は才能のある人がたくさんいますね。すごいと思う。


★Fleur East
英国ロンドンのシンガー・ソングライター/ラッパー/ラジオの司会。2005年の『The X Factor』に出演したグループAddictiv Ladies のメンバー。2012年からソロ。2014年に『The X Factor』にソロで再挑戦で結果は2位。その出演時のブルーノ・マーズのカバー「Uptown Funk」が英国のiTunes Storeで1位に。2015年にデビューアルバム『Love, Sax and Flashbacks』をリリース。シングル「Sax」は英国で3位。2020年にセカンドアルバム『Fearless』をリリース。


●訳注
MVの雰囲気が明るかったので、この歌の意図を「女性が振られたけどいい思い出」の歌かと最初は誤解していた。旦那Aに聞いたら「これは傷ついた女性が、あれもあったこれもあったと恨みつらみを数えている歌だよ。いい感情なんてないよ」と言った。おおおお。ちゃんと聞いたら確かにそうだった。海亀の英語まだまだやね。

You hurt me so good, hurt me so good, oh
なんてひどく私を痛めつけたの なんてひどい, oh 
←ここでのgoodはbadの意味
If I did, you would've seen me running
もしわかっていたら きっと私は逃げていたと思う 
←直訳・あなたは私が逃げるのを見ることになっただろう
Gave me that super sixteen dream loving
あなたは私にあんなsuper sixteen dream愛をくれた 
←16歳の女の子が夢見るような愛
I just can't keep count, my pain is running out
数えつくせない 痛みを感じなくなるほど 
← 痛みが多すぎてわからなくなるような意
Did your famous rodeo ride on me
私にあなたの有名なロデオ乗りをして 
← 有名=他の女の子もよく知っている=この男は遊び人ですね



Count the Ways
Fleur East
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[Verse 1]
あなたは私に愛の魔法の粉をかけた
あなたは私にファンキーな愛の欲望を滴らせた
私のためだけに愛を溜めていたのねと私に思わせた
なんてひどく私を痛めつけたの なんてひどい, oh 

そんな風になるってわかっていたらよかったのに (Oh, yeah)
もしわかっていたら きっと私は逃げていたと思う 
あなたは私に あんなsuper sixteen dream愛をくれた 
そしてあなたはひどく私を痛めつけた なんてひどい, oh


[Pre-Chorus]
数えきれない 
痛みを感じなくなるほど 
あなたが私にやったことを見て 
これ以上はないくらい
Ooh, ooh, ooh, ooh (Oh, mhm)
1,2,3,4,5,6,7,8

[Chorus]
Yeah, あのファーストキスで あなたは私を虜にした
スルーするべきだった でも私はリストを作った
Ooh, 私に数えさせて (私に数えさせて, 数えさせて)
私の心に印を刻んだ ひとつ ふたつ みっつ
もしあなたが私にしたことを覚えていないのなら (教えてあげるわ)
Ooh, 私に数えさせてよ (Mhm)


[Verse 2]

あなたはクールなR&B の眼差しを私に向けて (Oh, yeah)
スムースなロミオの言葉を使い (あの言葉を)
私にあなたの有名なロデオ乗りをして 
なんてひどく私を痛めつけたの なんてひどい, oh

およそ100回ほど私を泣かせて
Ooh, あなたは私におよそ1000回の嘘をついた
私があなたにさよならを言った理由は100万にものぼる
なんてひどく私を痛めつけたの なんてひどい, oh


[Pre-Chorus]
数えつくせない (Can't keep count),
痛みさえ感じなくなるほど (My pain is running out)
あなたが私にやったことを見てよ (Look what),
これ以上ないほどの
Ooh, ooh, ooh, ooh (Oh, let me count the ways)
1,2,3,4,5,6,7,8

[Chorus]
Yeah, ファーストキスであなたは私を虜にした (あのファーストキス, yeah)
手放すべきだった でも私はリストを作った (Oh, yeah, yeah)
Ooh, 私に数えさせて (私に数えさせて, 数えさせて, yeah)
私の心に印を刻んだ ひとつ ふたつ みっつ
もしあなたが私にしたことを覚えていないのなら (教えてあげるわ)
Ooh, 私に数えさせてよ (Allow me, let me count the ways)


[Bridge]
1, 2, 3, 1, 2, 3…
Baby, あなたが私にしたことを覚えてる
4, 5, 6, 7, 8, 9…
心を駆け巡る 四六時中
数えてる
1, 2, 3, 1, 2, 3, (Oh, yeah)
Baby, あなたが私にしたことを覚えてるわ (あんな言葉)
4, 5, 6, 7, 8, 9…心を駆け巡る 四六時中


[Chorus]
Yeah, あのファーストキスで あなたは私を虜にした
無視するべきだった でも私はリストを作った
Ooh, 私に数えさせて, uh
私の心に刻まれた ひとつ ふたつ みっつ
もしあなたが私にやったことを覚えていないのなら
Ooh, 私に数えさせてよ
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8

Yeah, あのファーストキスであなたは私を虜にした (That first kiss)
スルーするべきだった でも私はリストを作った (No, no, no)
Ooh, 私に数えさせて (私に数えさせて, 数えさせて, yeah)
私の心に印を刻んだ ひとつ ふたつ みっつ (Marked on my heart)
もしあなたが私にしたことを覚えていないのなら (Oh, yeah, yeah)
Ooh, 私に数えさせてよ (Mhm-hm)
Ooh, ooh, ooh, ooh

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Written By Fleur East



2023年3月29日水曜日

NHK 夜ドラ『超人間要塞ヒロシ戦記』全20話・感想



TV Japan にて。1話15分。日本での初回放送は2023年2月13日から3月16日まで 全20回


このドラマはまぁなんつぅか荒唐無稽なファンタジーでしょうかね。面白かったです。荒唐無稽と言えば先日もNHKのドラマ『我らがパラダイス』のことも荒唐無稽だ、ありえない話だと感想を書いたばかりなのだけれど、この一見SF風ファンタジー系ドラマはむしろ「荒唐無稽さ」がその魅力。

SFと言えば…そういえば少し前(ここでも感想を書いた)NHK『趣味どきっ!』の番組内で、生物学者の福岡伸一さんが「SFの特徴は奇想天外なありえないことを物語として作る時、魔法を使ってはいけない。「科学技術というものをもとに物語を作る」という論理構造がある」と仰っていた。それを思えば、この『超人間要塞ヒロシ戦記』はおそらく正しいサイエンス・フィクションとは言えない…科学技術をもとに物語をつくられたものではなさそうだ。


珍妙な話なので、見ながらツッコミどころを数えてニヤニヤしながら見るドラマなのに、ドラマの内容そのものはコメディではない。意図的に笑わせるコント的な脚本でもない。大変真面目なドラマ。有名な俳優さん達がニコリともせずに「真面目なSF風ファンタジー」を神妙に演じていらっしゃる。それがおかしい。それを楽しむドラマ。たぶん一度もコメディ調の場面はなかったと思うけれど…どうだったかな。

しかしSFとしてのツッコミどころは満載。疑問を数え始めたらキリがない。

ヒロシは金属製なのか?電気エネルギーで動いてるんだっけ?お風呂に入るとエネルギーがチャージされるのはなぜ?恋心エネルギーでまたチャージされるのもなぜ?なぜ人間のご飯が食べられるの?その食べ物はどこに消えるのだろう?塩分で錆びないのか?要塞ヒロシの中の小さい人々(スカベリア姫国の国民)の人口は何人だっけ?百単位?千単位?(←最初は真面目に見ていなかったので聞いていなかった)そしてヒロシ内に時々出てくる空のある広場はどこ?街はどこ?頭の上?操縦席で見えている映像は左右の目のカメラがとらえた映像を合成しているものだろうか?操縦席の下ではクルーの二人が自転車を漕いでヒロシを動かしていたようだけれど笑それでヒロシの全身が動かせるのか?あの窓のある独房はヒロシの身体の中のどこにあるのだろう?時々ヒロシの目が紫色に変わっていたけれどあれは波動砲でも出てくるのか?最後の赤ちゃんはどうした?笑笑笑笑


そういえば私はたまたまこのドラマと同じ設定の米映画を去年の年末に見ていた。アメリカの映画『デイブは宇宙船/Meet Dave (2008)』。テレビでやっていたので録画して見た。すごく面白かった。笑いのツボに効く。デイブミンチャンで大笑い。設定はこの『ヒロシ』と同じ。やっぱり荒唐無稽。好きですねこういう話。


このドラマに興味を持ったきっかけは、テレビの録画機に出た英語タイトルが『War Records of Super Human Fortress HIROSHI』だったから。Super Human Fortress HIROSHI って何?SFゴコロをすごくそそる笑…というわけで録画機を予約。ドラマを見始めたら(前述のように)SFというよりゆるいSF風ファンタジーだとわかったのだけれど、結局1回15分でお気楽にちょこちょこっと毎日気負わずに見れて、見続けるうちにうまくノセられて最後まで見た。面白かったですよ。そうか…Super Human Fortress HIROSHI って「超人間要塞ヒロシ」なのか。直訳だ。英語名はもっと不思議。強そう。


いいっすね。ツッコミを入れながら見るのが楽しかった。お若い俳優さん達が多い中、近藤芳正さんや吹越満さん斎藤工さん大東駿介さんが出ていらして、おかしな設定の役を真剣に演じていらっしゃるのがまた楽しい。

そしてヒロシを演じた豆原一成さんが絶妙にサンダーバードの人形風でうまい。うまいうまい。人間とロボットの中間というのか…あのほんの少しだけカクカクする動きも絶妙。うまいもんだねぇ…と感心した。お肌もつるつるで人形っぽい。要塞ヒロシの観察も楽しかったです。


ヒロシの動きのうまさに感心し、ヒロシとしずかちゃん(山之内すず)のやりとりにほのぼのし、「この話は一体どうなっていくのだろう?」といちいち心配し、またヒロシの中の人々は実際どれぐらいの大きさなのだろう(1センチぐらい?)と考えながら、まぁ色々とハラハラドキドキして面白かったです。

病院に連れていかれてバレないはずがないぞ笑。心配したわ。そんなハラハラドキドキをどんな風につじつまを合わせ続けるのかを最後まで見届けたいと思いながら最後まで見て完走しました。楽しかったです。最後の子供はどうしたんだろうね笑?不思議ね。

…え…今知った。ヒロシの豆原一成さんは、美麗ボーイバンド/アイドル「JO1」のメンバーだったのですねほぉおおおおおおぉびっくりしたわ。だから身体の動きが上手なのか。才能あふれるお方なのね。今「JO1」のMVをYouTubeで見てきたわ。美麗。すごいねぇ

追記
今最終話をもう1回見てきた。スカベリア姫国の国民は6,000万人と言ってますね。へぇえ…1センチよりもっと小さいかな。



2023年3月27日月曜日

お猫様H:太陽を待つ猫



3月も半ばを過ぎて太陽の角度が上がってきた。階段の踊り場にも日の光が下りてくる。もうすぐ光が床に届くようになるのを猫さんが待っている。この日は3月15日。

おしりぽんぽん猫鳴かせの術

先日健康診断に行ってきた。
今回の体重は12ポンド=5.4キログラム。
なんと5443グラム。
女の子としてはかなり大きい。
少し重いのでご飯を気をつけましょう。
それ以外はおおむね健康。
よかった。

WBCの野球観戦が終わってしばらくぼーっとしてた。
もうすぐ3月も終わりだ。

2023年3月22日水曜日

WBCアメリカと日本の戦い方


すっかりロス。

スポーツ観戦というのはのめり込めばのめり込むほど終わった後の喪失感も大きい。そもそもスポーツは結果が出れば終わるもので、その後には感激と記録以外はなにも残らないのがあたりまえなのだけれど。しかし心の空虚を埋めるために何か考えたい。何か出てこないかと思った。無理やり色んなものを持ってきて私なりの理屈を捏ねたい。というわけで考えた。メモする。


WBCの日本の初戦は3月9日。初戦を覗くぐらいのつもりで見始めたら朝の4時まで見ることになった。そして次のゲーム、次のゲームと日本チームが勝ち続けるものだからついつい見続ける。そしてとうとう昨日3月21日の決勝まで日本は戦い続けることになった。結果は日本チームの優勝!最高の結末。


あ~面白かった。日本の野球は見れば見るほどハマる。日本のプレイヤー達のお顔とお名前も覚えた。日本チームはうまいし強いし皆かわいいし面白くないわけがない。

私は普段はこの地でTV放送のあるLAエンゼルスの試合と、秋のワールド・シリーズしか見ないのだけれど、今回のWBCでの日本チームの野球はとても面白かった。

日本のチームは野球が巧み。丁寧な野球と言えばいいのか、皆野球がうまい。投手陣は層が厚いのだろう、投げるピッチャーが皆上手いし速い。そしてバッターは打つ。よく打つ。やっぱり日本のベストメンバーは世界一野球が上手いんだねと感心する。

その上に日本のチームは家族のように皆仲がいい。野球をわきあいあいと楽しんでいるようにも見える。(もちろんこのWBCで日本チームが一度も負けなかったこともその理由だろうけれど)ベンチ内ではメンバーが皆笑顔。みんなかわいい。本当にかわいい。

若い選手たちの様子を見ていて、思わず大昔に私が日本に置いてきた「友人や同僚との楽しい慣れあい」を思い出した。いいな。すごく楽しい。皆で楽しんで皆で笑顔。大谷さんがチームの親分として皆を鼓舞し、ヌートバー君がアメリカの風を吹き込んでくれれば、経験豊かなダル様がお父さんのように若い選手を励ましアドバイスをしてチームをまとめていらっしゃったと聞く。いいなぁ。そんな「仲間と一緒に何かを成し遂げる楽しさ」を日本のチームは思い出させてくれた。彼らが仲のいい様子を見るのが楽しかった。


日本以外のチームはそれほど見ていないのだけれど、このWBCでは中南米のチームにも見惚れた。彼らは本気。いつもはアメリカのMLBでプレイしている彼らが、それぞれの出身国のプライドを背負って必死に戦っていた。メキシコ、ベネズエラやプエルトリコ、ドミニカ共和国…彼らは本当にかっこよかった。


一方アメリカは勝つことを最初から予想されていた。バッターは最強のラインナップ。絶対に勝てなさそうなメンバーが並ぶ。誰も(本音では)アメリカが勝つことを疑っていなかったと思う。実は私もその一人。普段からMLBの大柄な選手達を見ていて「この人達と小柄なアジア人が戦って勝てるのだろうか」と思った。スポーツは身体の大きさと体力…そんなスポーツの暗黙のお約束を私も無意識に信じ切っていた。

それでも日本はアジア/パシフィック圏のプールA,Bで勝ち続けた。一つ一つ試合を見ているうちに「彼らはMLBの選手とは違うゲームのやり方で戦っている」と思い始めた。日本のチームには技がある。丁寧な野球。訓練に訓練を積んだ選手達の技。投げても打っても上手い。守りも上手い。そしてチームのメンバー達の仲の良さ。チームの結束の強さ。明らかに日本の野球はアメリカの野球とは違っている。


試合が進むにつれて、日本が勝ち進んでプールC,Dのチームと対峙すれば、それはきっと「技と力の戦いになる」と思うようになった。日本の巧みな野球はパワーのMLBに勝てるのか?

そして日本が勝った。感無量。技の野球が勝った。



アメリカはなぜ負けたのだろう?バッターは最強クラスが並ぶ。しかし最初の頃の試合を見ていて、アメリカは投手陣が弱いと気付いた。おそらく各球団がレギュラーシーズンの前に貴重なピッチャーを無駄に疲れさせたり負傷させたくないという理由で上手いピッチャーを出し渋ったのだろう。

いやそもそもアメリカ国内でWBCがそれほど注目されていないらしい。

それは理解できないわけではない。アメリカとは…アメリカ人がアメリカ人としてのアイデンティティを定義するのが非常に難しい国。アメリカ人は「アメリカ人」という言葉にはよく反応するが、それは「アメリカ人」という抽象的な概念に対するもので、(オリンピックや戦争等の特殊な状況でもない限り)彼らが「我々はアメリカの国のアメリカ人だから」と認識する機会は少ない。国が大きすぎて具体的な実感が掴みにくいのだろうと思う。(私が知る限り)アメリカ合衆国とは(それぞれが国のような)州が集まって出来た国であり、人々のアイデンティティや気質は州の地域性やお国柄/土地柄と繋がっていることが多い。例えば東海岸沿いのアメリカ人にとっての西海岸の人はまるで外国人。州やエリアが変われば国が違うのと同じようなもの。

そのような状況でアメリカの国内には、各地方に30のMLBのチームが散らばって存在し、それぞれのチームにはその土地のファンがついている。アメリカの野球ファンは「俺の地元のチーム」は応援するが、地元以外のチームには興味を示さない。

「チームUSA」はそのようなMLBの状況から作られたチーム。(元々しっかりと目標を持たなければまとまるはずもない)メンバーを募ってチームを作り、とりあえず強力なバッターが揃えば中南米やアジアは楽勝…ぐらいに考えていたのではないか。

ところが中南米やアジアは思った以上に強かった。その理由はそれらの国のチームの結束力。日本もベネズエラも国民がチームに大きな声援を送っている。普段はメジャーリーグでプレイする各国の選手たちも、ここぞとばかりに国を背負って「目指せ打倒アメリカ」を目標に真剣勝負。彼らは勝つ気満々。やる気満々。


WBCでは、そのように団結した各国のチームが(各チームから寄せ集めの)アイデンティティのあいまいなUSAチームと戦うことになった。

違いはチームの団結力の差。USAチームはベンチでの様子を見ても、あまりまとまっているようには見えなかった。チームのピッチャーが上手くなければ、それをバッターが面白くなさそうに見る。ピッチャーは追い詰められる。監督さんは優男であまり牽引力のある人にも見えない。

このWBCでのアメリカのチームは…「俺が一番、俺に打たせろ、俺が一番目立ちたい」そんな巨大なエゴを持つ暴れ馬のような個人主義の選手たちが、最後までうまくまとまらずモチベも完全にあげられないまま決勝に勝ち進んだようにも見えた。


アメリカの選手は自分のために野球をやる。


決勝戦の最後に大谷さんがピッチャーで出てきた時、アメリカのバッター達がざわめいたように見えた。スーパー・スターの大谷翔平…が投げることになったとたんに、アメリカのバッター達が勇むように感じた。彼らはなぜ「強い敵」が出てきてやる気を出すのか?

…その理由は、もし彼らが(あの)大谷翔平から打って点をとれば、打った自分がヒーローになれるから。彼らの様子を見ていて、アメリカのスター選手たちはなによりもまず「自分がヒーローになる」のが目的の人達なのだろうと思った。自分が輝けばチームも輝くし、結果的にチームの結束も強まる…それが彼らの戦い方=アメリカMLBの強いチームの戦い方なのだろうと思った。 そういえばそのような雰囲気は以前からワールド・シリーズに出るチームを見ていても感じていた。 

彼らは好敵手が現れればやる気を出す。難しい局面になるともっとやる気を出す。また自分のチームの他の誰かが脚光を浴びれば「じゃあ俺も負けるものか」と仲間に対してさえライバル心を燃やしてやる気を出す。皆自分が一番のスターになることだけをモチベーションに戦っているようにも見える。

「自分が輝けばチームも輝く」…それがアメリカのチーム・スポーツの戦い方なのかもしれぬ。彼らは「チームのために」などとは思わないのかも。自分が一番。まずは自分を輝かせる。

…それはもしかしたらアメリカ流の人の生き方、生きるための技でもあるのかもしれない。アメリカでは何事も人は勝ってなんぼ。勝つ人物だから他人にも尊敬される。勝つ人物だからこそヒーローになれる。

その結果…そうやってアメリカはどのような分野でもスーパースターを生み出してきた。普段から個人同士が競争をしてどんどん全体のレベルを上げていく。競争で勝った勝者がヒーローになるシステムだからこそ、アメリカのスーパー・スターは桁違いの巨人になっていく。

WBCのアメリカの野球を、そんなことを考えながら見ていた。アメリカのスポーツの世界はかなり厳しい世界なのだろうと想像する。


しかしそれに比べて日本のチームは「チーム全員で上っていこう」…そのような雰囲気。普段は違うチームで戦う日本の選手達が、わきあいあいと家族のように馴染んでいるのが微笑ましい。彼らは皆で一緒に勝利の階段を上っていった。

私が日本のチームを見ていて楽しくなったのはきっとそんなところなのだろうと思う。侍ジャパンはメンバー全員で目標に向かって一丸となることの楽しさを思い出させてくれた。(私個人はあまりチームワーク向きの人間ではなかったのだけれど)



この先もアメリカのチームは個人の力の集合体として戦うのだろう。今回のWBCに負けたことで(負けず嫌いのアメリカは)ますますやる気を出したと思う。次回は間違いなくうまいピッチャー陣がチームに加わるだろう。バッターも最強レベルが並ぶだろう。アメリカは今度はプライドをかけて勝ちにくるはず。

メンバー同士のエゴがぶつかる化学反応で勝ち進むアメリカと、国を背負う中南米のチーム、そして家族的チームワークで皆で一緒に勝とうとする日本のチーム。それぞれのキャラクターが面白いと思った。今後もどうなっていくのかゆるく見守っていこうと思う。


余談…(この地ハワイはアメリカ本土と違って雰囲気が違うのでいいのだけれど)…私は勝つことが全ての人は苦手だわ。そんな生き方も苦手。そんな人生は苦しいもんね。負けてOKで生きてる。