能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2016年1月14日木曜日

TBS 金曜ドラマ『コウノドリ』全10回・感想



忙しい時期には録画していたドラマもつい流し見してしまって、感想も書かずにそのままになってしまうことがあるのだけど、いいと思ったドラマは出来るだけ書き留めておきたい。これも録画していたものを昨日見終わった。日本では1016日から1218日の間放送。


このドラマは名作です。本当にすごいドラマ。

こんなにストレートにいい話も珍しいかもしれない。これほどいい作品は、感想を書くのにもうまく言葉が出てこない。最初から最後までポジティブなメッセージが全くぶれない。本当にいいドラマ。毎回感動。

脚本も素晴らしいです。以前NHKの大河ドラマ『八重の桜』を書かれた山本むつみさんだそうです。原作からの言葉なのか脚本家の方の創作なのか、言葉の一つ一つが心に染みます。脚本の中に書かれた言葉に何度も泣きました。

そして最後に流れるmiwaさんの歌もよかった。


産科医療のことを全く知らないので、これがリアルなのかどうかはわからないのだけれど、毎回すごい話なんですよね。「元気に無事に赤ちゃんが生まれてくることは奇跡の連続である…」

全編10話だけだったとは思えないほど沢山のストーリーがありました。出産をめぐる様々な状況も初めて知って驚きました。命を救おうと最善をつくすお医者さん方、そしてお母さんと赤ちゃんを、毎回応援し一緒に泣きました。

このドラマには大勢の小さな赤ちゃんが出演されてましたね。それも本当に驚きました。


ドラマ全編で心に残ったのは役者さん方の表情。全ての役者さんが本当にいい表情、皆柔らかな優しいお顔をなさっている。こんなにいい表情の役者さんばかりのドラマは初めてかもしれません。

不思議だなと思ったのは、このドラマでお母さん方を演じているのは、まだ子供のいない女優さんが多かったんじゃないかと思うんだけど、若い女優さんでも赤ちゃんと一緒にいると皆お母さんの表情になっているんですね。若い俳優さんもそう。皆本当に優しいお顔をされてる。

…若い両親が保育器に入っている赤ちゃんに指を差し出すと、赤ちゃんが小さな手で握り返す。それを見て「がんばれよ、父ちゃんがついてるぞ」と泣く若いパパ。ティーンで妊娠し、その日のうちにもらわれていく生んだばかりの赤ちゃんに頬を寄せて泣く女の子。

赤ちゃんと一緒に演技をしてひきだされたものなのか、役者さん達の涙が本当の涙に見えてしまう。皆さん全員そうなんですよ。不思議なくらい演技が自然で皆いい表情。

きっと赤ちゃんがもたらす魔法なんですね。(赤ちゃんとの共演で)役者さん達の赤ちゃん達に対する優しい思いが、自然に表情にも出ていたんだろうと思います。現場にいい空気が流れていたのが想像できます。魔法ですね。本当にすごいな…。

お医者さん方をされた役者さんたちも本当に素敵でした。苦しむお母さんに話しかける先生方の優しい声、赤ちゃんに「がんばれがんばれ」と呼びかける女医さん、頼りになる救急救命医師、お母さんを励ます助産師さんの力強い声。…あの先生方に会ってみたい。


大きな拍手。沢山の赤ちゃんと、全ての役者さんの方々…とくに鴻鳥先生の綾野剛さん、そして大勢のスタッフの方々に大きな拍手。心が温かくなりました。いいドラマをありがとうございます。

最後にドラマの最後の鴻鳥先生のお言葉を。これだけで泣ける。


  誰もが両親から
  大切ないのちのバトンを受け継いで生まれる

  僕らは毎日、奇跡のすぐそばで
  お母さんと赤ちゃんに寄り添う
  コウノトリでありたいと願っている

  誕生する全てのいのちに
  祝福がありますように
  君達が生まれてくるこの世界には
  たくさんの愛と笑顔が溢れているよ

  生まれてきてくれて
  ありがとう
 
 
 

2016年1月13日水曜日

David Bowie – Wedding Song (1993)



幸せなBowieさん。



David Bowie – Wedding Song (1993)
Album:  Black Tie White Noise
Released: April 5, 1993 
℗ 2004 Digital Remaster (P) 2004
The copyright in this sound recording
is owned by Jones/Tintoretto Entertainment Company LLC
under exclusive licence to Parlophone Records Ltd


他の曲をとりあげるつもりでアルバムを聴いていたら、今日はこっちの方がいいなと思った。Imanさんとご結婚なさったときの曲。幸せなBowieさん。声が優しい。


These are silver wings
These are golden eyes
These are floating clouds
Angel for life

Dreaming alone and I feel that someone
Listens to me
Angel for life

These are silver wings
These are golden eyes
These are floating clouds
Angel for life

Heaven is smiling down, heaven's girl in a wedding gown
I'm gonna be so good, just like a good boy should
I'm gonna change my ways
Angel for life

Of all the saints alive
Don't I feel like a saint alive
She's not mine for eternity
Though I'll never fly so high
I'm smiling

I believe in magic
Angel for life



David Bowie – Jump They Say (1993)
David Bowie – Wedding Song (1993)
David Bowie - Look Back In Anger (1979)
David Bowie – Stay (1976) ライブ盤話

David Bowie – Right (1974)
 
 
 
 

2016年1月12日火曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第1回「船出」 1月10日放送



サナダマル始まりました。さーどうだどうだ?

今年は大河頑張って欲しいですね。去年は文字を打つのも無駄だと思いましたもん。また毎週日曜日を楽しみにしたいものでございます。

事前の期待は…うー…50%ぐらい? だってワタクシ三谷さんの映画を面白いと思った事が無いんです悶。あまり見ていないというのもあるんだけど。いつも軽い寒い…いや面白さがわからない。それから細優男の堺さんが真田幸村はアリなのか?…いやそれ以上に大泉さんのお兄ちゃんの方が心配やろ…。

この大河はコメディになるのかしら…重厚なんて無理ですよねぇ…1話目を見る前から三谷さん印はやっぱり心配じゃないですか…。さぁ一回目はどうだったのよ?


★全体の印象

わかりやすい
これ大切。この1話目って全体が色んな意味でわかりやすい気がした。

・ストーリーはシンプル
歴史に無知な海亀にもわかりやすかったです。

武田の元気がない。織田が攻めてきた。家臣は武田勝頼リーダーからどんどん離れる。忠臣・真田-草刈-昌幸パパが勝頼を自分の城に招いたものの勝頼は断り甲斐国内の別の城に移ることにした。そこでまた家臣の裏切りにあう。勝頼には帰る城が無い。武田滅亡? 真田の息子兄弟と家族は、父の待つ岩櫃城へと急ぐ。

・画面が見やすい
昔のカメラに戻った?光の当て方が普通のドラマっぽく見える。顔に光が当たっているので顔の表情が見やすい気がする。これって気のせいか?

・地図がいい
ゲームみたいですね。非常にわかりやすい。

そんなわけで、全体の印象は軽いんだけど話がわかりやすい。わかりやすいから話に入りやすい。そんな感じがした。


軽いのは家族の場面がコメディ調だから。現代劇ですよね。わがままな高畑ママに、妙に元気がいい木村佳乃姉さん、堺さんの顔芸、草刈-昌幸パパもかっこいいけどちと軽い。しかしこの軽さもそれほど気にはならなかった。大泉さんは意外に無難で大人しい

おそらくリアルな歴史再現時代劇にはならないんだろうと思う。例えば過去に男の真面目大河を作ろうとした『風林火山』みたいなものにはならないのだろう。丁寧に歴史を再現しようとした『八重の桜』前半とも違う。それなりに真面目な歴史大河に見せようとした『軍師官兵衛』とも違う。

今回『真田丸』の第1話は、淡々としながら家族の場面はコミカル。話もどんどん進む。最初に花火を打ち上げるような派手な場面もない。無駄を省いてストーリーのみを再現した感じもある。

しかし重厚ではないとはいえそれが悪いわけでもない。見やすくて、分かりやすくて、くどくならず、ストーリーをさらさらっと進めていく。今年はそういう見せ方なのかも。

海亀は本当は重厚大河が見たいんですけど、まー重厚重厚って言って最初から重苦しくなるのも問題ですからね。早くから重厚過ぎて視聴者にそっぽを向かれないように、今回はあくまでもテレビドラマ的な軽さを意図してやっているんだろうと思います。


★心に残ったところ
堺さんの馬上の変顔。大泉さんがいつ声を裏返してオーバーアクションになるかハラハラする。勢力分布図の小さい武将達が可愛い。草刈-昌幸パパの熊の毛皮。家族の団欒の音楽が昭和のドラマっぽい。温水さんが強いぞ。今回のMVPは平-勝頼様(哀愁漂う殿が素敵。可哀想)。

平さんいいですね。勝頼がもうすぐ終わりなのは惜しい。このお方はNHKのスペイン語講座でニヤニヤ優しいお兄さんなのに、キリッとした殿様の姿は本当に素敵ね。

真田を取り囲む外敵の顔ぶれもいい。なかなか曲者揃いなのは俳優さん達の顔を見てもよくわかる。この外敵キャラそれぞれがとても楽しみ。大河ドラマは大抵敵側のキャラの方が面白い。


★強弱と寒暖
家族の団欒や兄弟のやりとりの軽さもいいと思います。一番重要なのはドラマ内でユルイ場面とキビシイ場面を両方入れてドラマに強弱をつけて欲しいこと。昔の名作と言われる大河も、実は堅苦しい重厚なドラマばかりではないんですよね。『黄金の日日』にはコメディのシーンがかなりありました。面白かった『秀吉』もそう…竹中さんが褌一枚で変顔ハダカ踊りをした直後に、渡-信長が激怒して周りを震え上がらせるみたいな場面がよくあった。長丁場のドラマには強弱と寒暖があったほうがいいと思う。例えば『軍師官兵衛』にはユーモアが少なすぎた。

今回の『真田丸』の1話目にはそれほどの強弱はなかったけれど、なんとなく昔の大河を思い出させる雰囲気もあったので期待できるかもしれない。あとは優男の堺さんが、いかに勇猛果敢な強い武将に成長していくのか(可能なのか)、大泉さんがあのまま真面目なお兄ちゃんでいてくれるのか…生暖かく見守りたい。

実は現在、密かに『真田太平記』のDVDを見直そうかと思案中。

今年の感想は『軍師官兵衛』の時のように筋を全部なぞることはせず(大変だったので)、またいちいちガミガミ怒ることもせず、軽い感想だけを綴ろうと思います。


2016年1月11日月曜日

David Bowie氏に関する個人的な思い出



自分のために記録しておく。

涙が出るわけでもない。今に至るまで彼のアルバムをずっと聴き続けていたわけでもない。最後に買ったアルバムは1993年の『Black Tie White Noise』。あのアルバムの後、彼がどんな活動をしていたのか、どんな音楽を書いていたのかも全く知らない。噂をどこかで聞くだけ。ロンドンにいた時もメディアで時々見かけただけ。もうファンではなかったのだろうと思う。

それでもブログにわざわざ彼の事を書かずにはいられないのは、若い頃の一時期にドップリとBowie氏三昧だったことがあるから。


1983年に彼のコンサートを見てからタガが外れた。いてもたってもいられなくなって初期のアルバムから新作まで全部買い揃え毎日毎日毎日彼の曲を聴き続けた。真面目に学校に行って凡人達と机を並べるのが馬鹿馬鹿しいと思った。ああなんて世の中はつまらないんだろう。もっと刺激が欲しい。もっと面白い事はどこにあるんだろう…。馬鹿な中二病を18歳でこじらせた。重症。

83年当時、アルバム『Let’s Dance』の大ヒットと、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』の話題でBowie氏は日本でも時の人だった。メディアには彼の情報が日々溢れていた。雑誌を買い漁りインタビューをくまなく読み、過去の語録を読み、レコードショップをめぐり、ブート屋をめぐり、洋書の写真集を買って溜息をつき、ラジオでのインタビューを聞いてドキドキする。

アルバム『Diamond Dogs』がジョージ・オーウェルの『1984年』に影響されたものだと聞けば本を読み、ジャック・ケルアックの『路上』に影響されたと言えばまた買って読み、『戦メリ』の原作がローレンス・ヴァン・デル・ポストの『The Seed and the Sower』だと聞けばまた読み、彼が三島由紀夫氏の本を褒めればまた何か読んで理解できずに頭をひねる…(どの本を読んだのか記憶はない)。

友人の持っていた76年のNYライブのブート盤をテープにコピーし、イタリア語の「Space Oddity」の入ったレア盤を買う。ライブ盤『David Live』の彼のかすれ声にドキドキし、『Hunky Dory』の中の歌を口ずさむ。友人とドイツ映画『クリスチーネ・F』を見に行く。「Station to Station」を真似て手をうねうねさせる。メイクを真似して遊ぶ。英語の勉強をする。彼の訛りを真似する。彼の記事からリンゼイ・ケンプ氏とケイト・ブッシュさんの繋がりを知る。名画座で『地球に落ちてきた男』をやるからと出かけていく。ライブ映画『ZIGGY STARDUST』のフィルム・コンサートを友人とどこかのホールに見に行ったこともあった。

もちろん全てのアルバムを、歌詞カードを顔にくっつけるように見ながら聴いて内容を理解しようと日々務めた。ほどんどわからなかった。もっともっと他にもあっただろうと思う。そんなことばかりをやって1年ほど過ごした。…それがそれまで比較的優等生だった私の人生で最初のささやかな反抗だった。大学の単位を取り返しのつかないほど落とした。


友人はBowie氏に恋をしていた。私は全くそういう興味を持たなかった。ルックスは綺麗だと憧れたがそれほど好きなわけではない。年も離れすぎている。私にとってのBowie氏は曖昧ながらも崇拝する人生の師匠だった。彼の作品、彼の話す言葉から世の「文化」を学ぼうとしていた。美大で先生が教えてくれる文化よりもずっと人生のためになると思った。実際にそうだった。

今思えばあの時期の私の馬鹿な振る舞いは、十代最後に遅れて発症した中二病的反抗期からくるものだった。Bowie氏はたまたまそのきっかけだったに過ぎない。実際に1年後にはマドンナが見せてくれる世界の方が面白くなっていた。次第にBowie氏以外の「文化」にも同じようにのめりこんでいった。そしていつの間にかBowie氏のことも忘れてしまった…。


今でも、あの十代最後に感じたそわそわと焦るような気持ちはよく覚えている。何か面白いことがないか、何か変なことがないか…とあの頃から今に至るまでずっと何かを探し求め続けている。面白いものを見つけることよりも、面白いものを探す過程のほうが楽しいことも後に知った。人生は「文化」を愛し、学び、楽しむためにある。そのことを知る最初のきっかけを作ってくれたのはBowie氏の83のコンサートだった。彼に出会ったから今の私がある。

David Bowie 1947-2016

こんな文字列を見る日が来るなんて想像したこともなかった。
David Bowieさん感謝しています。

ご冥福をお祈りいたします。



2016年1月10日日曜日

David Bowie氏死去のニュース



たった今手持ちのiPadに送られてきたBBCの速報で、David Bowie氏死去のニュースを知った。今から20分ほど前。日本時間の11日午後412分頃だったろうか。

すぐに旦那Aが知らせてくれた。TVをつけるとすぐにニュース。癌で18ヶ月間闘病なさっていたのだという。享年69

今言いようもなく動揺している。驚いている。病気だったなんて全く知らなかった。

18歳で初めて行った外タレのコンサートがDavid Bowie氏だった。83年のSerious Moonlight Tour。友人達と羽目をはずして馬鹿みたいにギャーギャー騒いだ。あの5日間のコンサートの後から人生観が変わってちょっとぐれた。学校にも行かなくなった。一時期熱狂的なファンだったのだと思うのだが、彼を人物として好きだったのかどうかはよくわからない。おそらく象徴的なアイコンだったのだろうと思う。それでも彼の音楽は常に素晴らしかった。ライブにも行けるものは何度も行った。ちょうどそんな事をふまえて、過去のアルバムレビューでも書こうかとここ一ヶ月ほど思っていたところ。

癌を患っていらしたなんて全く知らなかった。まだ心の整理がつかない。