能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2025年3月6日木曜日

伊ピエモンテ州/Piemonte北イタリアのモスカートダスティ/Tintero Elvio, Sorì Gramella, Moscato d'Asti d'Asti 2022と軽食と洋梨のタルト



ワインで訪ねる旅シリーズ。
今回はちょっと北イタリアに寄り道します。

先日Netflixの独ドラマ『皇妃エリザベート/Die Kaiserin/The Empress』を見ていたら北イタリアのピエモンテ地方/Piemonte/Piedmontが話に出てきて…そういえばピエモンテのワインを買ってたよねぇと思い出し、じゃあそれ飲もうか。これアルコール分5.5%だしお気楽に開けよう開けよう…と思い付きで開けることにした。そうだ、たまたまだけどタルトも買ってあった。丁度いい。


というわけで開けました
Tintero Elvio, Sorì Gramella, Moscato d'Asti, D.O.C.G. 2022


このワインを買った理由はワインの評価サイトVIVINOでの点数が高かったから。なんと平均4.3点!それはすごい。それにこのワインは20ドル以下。ハワイは17ドルぐらいだったと思うが本土なら14ドル。いいですねぇ。アルコール分も5.5%だから軽い(私にはちょうどよい)。近所のスーパーで見つけたので買っておいた。

ラタトゥイユにハムに簡単パスタ
ペアタルト、ペアリングとしてはこういうのがいいのかな。お菓子にワインは合わせなくてもいいと個人的には思うけれど。


さてお味は…
あ~~~~おいしい。これはこういうタイプの軽くて甘いワイン…プロセッコもイタリア産だった。イタリアにはかる~い白ワインを作る伝統があるのか。

まぁ~~~~美味しいですねぇ。ありがとうございます。感謝。フルーティ…これはなんだろう。もうただただ美味しい。ジュースみたい。でもジュースにはないほんの少しのアルコールがまたのどに気持ちいい。ほんの少しのエレガントな優しい泡。これは優しいエレガントな飲み物。甘いです。でも甘すぎない。後味はちょっと口に残ると思う。

香りはネットの情報によると…桃、オレンジの花、ハチミツ、夏の花、苺、アプリコット、リンゴ、草、ライチ、ジャスミン、薔薇の花、南国のフルーツ、…なんだかもう色々と皆さん言ってますね。面白い。


こういうアルコール度の低いワインは、お酒にあまり強くない者にはちょうどいい。度数が5%ぐらいならビールと同じぐらい。私はビールよりこちらがいい。だって美味しいもの。何の文句もなし。これはいい。気に入ったわ。

しかしこれはほぼお酒じゃないですね。私のようなお酒に弱い者がグラスに3杯もいける。あまり酔っぱらわない不思議。たぶんビールのほうが酔う。なぜでしょう。

ワインを普通に飲める人(アルコールに強い人)が、食事をしながら何杯飲んでも酔わずに「美味しいね」と楽しめる(羨ましい~)感覚は、私がこのようなアルコール5%のワインを飲むのと同じ感覚なのだろう。14%ぐらいのワインを数杯飲んでも酔わずに「美味しいね」と楽しめるのは私には出来ないのですよ。でも5%ならほぼ大丈夫だ。

ハワイは常に暖かくて冬でも夏みたいなものなので、結局このような軽いワインが一番合うのかもしれません。モスカートダスティにプロセッコ。気に入ったわ。モスカートダスティの方がプロセッコよりも甘いかな。たぶん。


モスカートダスティといえば、少し前にもこれを開けていた。小さいボトル。


これもすごく美味しかった。さらっと考えずに飲んだのでレビューはしていないのだけれど、そのうちきちんと飲んでここに感想を書こうと思う。


それではワインの情報

Tintero Elvio, Sorì Gramella, Moscato d'Asti, D.O.C.G.

生産者

1900年にフランス人 ピエール・ティンテロ/Pierre Tinteroが仕事を求めてイタリアのピエモンテにやってきた。そこで未亡人の女領主ロジーナ・コルテーゼ/Rosina Cortese の元で働くようになる。ピエールは土地の皆にも親しみを持って受け入れられ、また未亡人と恋に落ちて2年後に彼女と結婚する。二人はロジーナの持つブドウ畑から採れるブドウで最初のDolcettoワインを1914年に生産。その年は戦争の始まった年でもあった。そのビンテージは後に地下室の壁の中から発見される。壁に埋め込まれて略奪を逃れたものであった。

ピエールとロジーナの2人の息子達ジョバンニとカルロがワインの生産を引継ぎ、彼らは更に周りの土地を購入して農地を広げた。彼らが最初に生産したワインの中でのモスカートの生産は少量だった。しかし第二次世界大戦の後、企業が(Cinzano、Martini )ワインの生産を始めると、兄弟はそれらとは違うブドウを栽培するようになる。1980年の頃にカルロの息子エルビオ(Tintero Elvioの社名)がスパークリング・ワインを手がけるようになる。家族の持つ土地はそれらのブドウの栽培に適したものだった。現在エルビオは次の世代…息子のマルコと嫁のシンチアに事業を譲ったが今でも彼らをサポートし続けている。

マンゴ/Mangoの町はモスカートの産地の中心地。ティンテロ家の葡萄畑、30ヘクタールのうち20ヘクタールでモスカートが栽培されている。彼らの最大の区画はソリ・グラメラ/Sorì Gramellaのブドウ畑。傾斜が20% を超える南向きの土地のため、ブドウが1日のうちの長時間日光を浴びることができる。そのブドウからできるワインは心地よい発泡性とほのかな甘さが特徴。

こういう話は本当に面白いです。なんだかロマンチック。ワインひとつひとつに歴史あり。

Google Earthで会社の住所を見てみたら、この会社も田舎の農園。土地が南に向かった急な斜面で日当たりがいいのがよくわかる。これもクラフト・ワインなのかな。こういう小さな町からワインがやってきてると思うとなんだか楽しい。


産地

Italy / Northern Italy / Piemonte ピエモンテ州

アルプスの麓に位置しフランスとスイスに国境を接するピエモンテは、イタリアを代表する銘醸地。原産地呼称制度であるDOPの銘柄数はイタリア全20州の中で第1位。Nebbiolo, Barbera, Dolcetto, Barolo, Barbaresco, Cortese, Dolcetto d'alba, and Erbaluceなどのワインが造られる。土着品種のブドウ Nebbioloから造られるバローロやバルバレルコは有名な高級ワイン。

バローロと言えば有名な赤ワインでしたね。同じエリアで軽いモスカートダスティも造られるのは面白い。

このピエモンテはローマ時代からブドウの産地として有名。最初にピエモンテのワインが記録されたのは14世紀。19世紀のイタリア独立戦争の頃は、ピエモンテのワインメーカー達は歴史の立役者であった。革命者のジュゼッペ・ガリバルディもピエモンテのワイン生産者。彼らはフランス・ボルドーのワイン・メーカーとも繋がりながら土地のワインの改善に努めていた。

19世紀のイタリア統一運動の時代、オーストリア帝国に対しての抵抗運動の初期はこのピエモンテから始まった。オーストリア支配のロンバルディア州のエミリアが、ピエモンテからのワインに2倍の関税をかけたため、ピエモンテのワインメーカーは困窮。1846年には(ピエモンテとサヴォイを治める)サルディニア王カルロ・アルベルトがオーストリアの圧制を激しく非難。その後1848年3月23日に王カルロ・アルベルトがオーストリアに宣戦布告、第一次イタリア独立戦争が始まっている。


葡萄

🍇モスカート・ビアンコ
Moscato Bianco/Muscat Blanc à Petits Grains

イタリア全土で栽培されている香り高いブドウ。特にピエモンテ州が産地として有名。このブドウから作られるワインはフレッシュで飲みやすく、甘いスパークリングワインや、熟成させたデザート・ワインなどに使われる。白いモスカートで作られるワインは香り高く軽くエレガント。フレッシュでその香りはフローラル…白い薔薇を思い起こさせ、白桃、パイナップル、ハチミツ、アプリコットなど香りも持ち、セージやタイムのヒントが感じられる。このブドウからは辛口、甘口、スティル、スパークリング、様々なワインが生産されている。


D.O.C.G./Denominazione di Origine Controllata e Garantitaは、イタリアワインの格付けのひとつで、最上位の等級


組み合わせ

ペアリングに向いているのはイタリアの菓子パネトーネ。デザートのパンナコッタもよし。また食前酒としてもよく、チーズやコールドカット(ハムなど)とも合う。エビ・カニ、貝類などにも合う。

そういえば英国式のアフタヌーン・ティーを食べに行くと、オプションでシャンパンが頼めたりするのだけれど、アフタヌーン・ティーならサンドイッチにケーキが多いので、このワインも合いますね。


そういえば…近年のモスカート・ワインのマーケティングでは、軽いワインを「日曜日のモーニング・ワイン」となどと言って売ったりするらしい。そのことが少し前に見つけた英国人のワイン・ブログ『SEDIMENT』から出た本『I Bought It, So I'll Drink It 』に書いてあった。去年の旦那Aからのクリスマスプレゼントはこの本でございました笑。面白い本。よく笑える。いかにも英国人の書いた本。好き。英国のローカル情報が多いので英国ライフを知る人には面白いと思う。
 


ワインメモ
🍷Tintero Elvio, Sorì Gramella, Moscato d'Asti, D.O.C.G. 2022
Vivino.com Score: 4.3 (平均)
Winery:Tintero Elvio
Grapes:Moscato Bianco
Region:Italy / Northern Italy / Piemonte / Moscato d'Asti
Wine style:Italian Moscato d'Asti
Alcohol content:5.5%
Wine description:
Everything you could want in a Moscato, from micro-terroir perfectly suited to the Moscato grape.  Simply delicious!  Who could resist such a heavenly ambrosia, with its scent of kaleidoscopic spring wildflowers, fragrant citrus blossoms, and succulently ripe grapes?