天が与えた声。
Mariah Carey – Vanishing (1990) 2分ぐらいからがすごい
Album: Mariah Carey
Released: Jun 12, 1990
℗ 1990 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT
先日アリアナ・グランデちゃんがマライアさんの「Emotions」を歌って上手いと書いたんだけど、今回はご本家のマライアさんの曲。
この曲はファーストアルバム『Mariah Carey』から。リリースは彼女が21歳の時。レコーディングはおそらく20歳の頃。自ら作詞作曲にもパートナーと共にかかわっている。
21歳。とにかく信じられないです。上手いだけの次元を超えている。魂から出てくる声。声だけで心をぐっと鷲掴みにされる。苦しくなるくらい。なんなんだろうこれは。
彼女のお母さんが元々オペラ歌手でボイストレーナーだったらしい。天賦の才能とそれを伸ばすための環境をお母さんが与えてくれたんでしょう。そして20歳で開いた大輪の花。
↓これは当時のライブ。マライアさんが若いです。細いですね。歌と衣装で大人っぽく見えるけれどまだ20歳の女の子。綺麗です。
Vanishing (live at tatoo club 1990) 吼えてます
ファースト・アルバムは色んな曲があってまるで声の見本市。まとまりから言えば多少粗い。だけどだからこそ面白い。女の子が天から与えられた特別な才能で自由に遊んでいるような印象。まだ完成していない荒削りの宝石のような魅力。声の質感も様々。このアルバムは何度聴いても全く飽きないです。彼女の声が素晴らしくて飽きない。まさに声の魔法。
翌年1991年にはセカンドアルバム『Emotions』を発表。このアルバムもいい。いろんな声を聴かせてくれる。前述のシングル「Emotions」はもちろんこのアルバムから。
その後、3枚目から私は彼女のアルバムを全く聴いていない。理由は彼女があまりにも売れてしまったこと。そして楽曲もなんとなく大衆的になった気がしたこと。彼女のクリスマスの曲が東京中に溢れる頃には全く興味がなくなった。
レコーディングが違うせいなのか理由はよくわからないけれど、3枚目で確かに印象が変わった。声が安定したかわりに繊細さがなくなった。魅力的だった粗さもなくなった。ただ上手い人になったと思った。声の魔法が消えた。その変化の理由は今もよくわからない。
ともかく1枚目と2枚目は奇跡。天才とはこういう人のことをいう。