以前から私はここに書いている「トランプさんは高齢だから私はあまり心配していない。しかし彼の後ろにいる極右の白人至上主義者は恐ろしい。彼らが力を持たないことを祈る」。
今日ニュースを見ていて気になったことがあった。かなり驚いた。恐ろしくなった。そのことを記録する。今日はアイロンがけをするつもりだったのに今日もまた文を書く。年寄りは文が長い。
先ほどTVニュースを見ていたら出てきた話、内容は…
ネイティブアメリカンの暗号話者に関する記事が軍事ウェブサイトから削除
内容を詳しく確認するためにネット記事を検索。いくつかの記事が出てきた。その中の一つはガーディアン/The Guardian誌のもの。
https://www.theguardian.com/us-news/2025/mar/18/native-american-code-talkers-dei-military
「世界大戦で米国のメッセージ送信に協力したアメリカ先住民に関するページが国防総省の「DEI」粛清で削除」されたというもの。
内容を読むと、どうやら削除されたのはアメリカ先住民の方だけではない。米国の国防総省の公式ページからDEI(diversity, equity and inclusion/多様性、公平性、包括性)に関する記事を全て削除する動きが進んでいるという。
この「アメリカ先住民に関するページ」と書かれているのは、1945年に硫黄島で星条旗を掲げた海兵隊員の一人、アイラ・ヘイズ/Ira Hayes氏を讃えるページだそうだ。
この記事は、本日の日本のYahooのニュースにも
「硫黄島星条旗の写真を削除 米国防総省、DEI認定か」
のタイトルで先ほどから出ているようだ。
このアイラ・ヘイズ氏、そしてアメリカ先住民の方々の世界大戦中のストーリーというのは…
(解読が非常に難しいことから)アメリカ先住民の言語が大戦中の米軍の通信に使用されたというもの。第1次世界大戦ではChoctaw/チョクトー語、第二次世界大戦ではNavajo/ナバホ語が使用された。共に対ドイツ、そして対日本の戦争での通信に使われたのだという。特にナバホ語は世界で最も学ぶのが難しい言語とされている。
ここ数週間、国防総省は「DEI」とみなしたウェブページを静かに削除し続けている。その対象になっているのは、白人以外のマイノリティーや女性で勲章を授与された軍人の方々。
その動きの元は、トランプ大統領の大統領令
「連邦政府内のすべての DEI 取り組みを禁止する」
というもの。
これらの歴史データの削除は、私達が知らない間に国防省内で静かに行われている。
私が最も驚いたのは、同じく第二次世界大戦中の
第442連隊戦闘団/442nd Regimental Combat Teamを讃えるページ
このページも3月の始めに一度は削除されていたという。
第442 部隊とは、
第 100 歩兵大隊と合わせて、その規模と勤務期間の点で史上最も多くの勲章を受章した戦闘部隊。第二次世界大戦の部隊は主に日系アメリカ人二世で構成されていた。
…多くの日系人が家を追われ家財を没収されて強制収容所に入れられていた戦時中、勇敢な日系二世の若者達が志願して米国軍人となり、ヨーロッパ戦線で多くの犠牲者を出しながらも米国のため、日系人の誇りを胸に戦った。彼らは今も偉大な英雄達として讃えられている。
(日本が敵国であったことから)米国で日系人の人権が奪われていた戦時中、「自分達日系人も米国の国民である」との強い意志の元、命をかけて戦った勇敢な若者達。この442連隊に向け、戦後トルーマン大統領は「諸君は敵だけではなく、偏見とも戦い、そして勝ったのだ/You fought not only the enemy, you fought prejudice, and you won.」と讃えたそうだ。
彼らの中で一番有名なお方がハワイの上院議員だった故ダニエル・イノウエ氏。彼はこの第442連隊の英雄。右腕を失いながらも生還し、後に日系人初の上下両院議員に選ばれたお方。今ホノルル空港が「ダニエル・K・イノウエ国際空港」と名前を変えて彼を讃えている。(このお方のWikipediaの日本語ページを読むと私は泣く)
この第442 部隊の記事の削除の事を知り、あまりのことに普段は驚かない私も怒りとショックで内臓が縮むような気がした。
酷い。あまりにも酷い。これがトランプ氏の言うところの効率化だろうか、DEIを取り除くことによる公平さなのだろうか?あまりにも酷い。悔しくて泣いた。
その後、この第 442 部隊のページの撤去は、部隊のメンバーの親族や日系アメリカ人市民同盟、また(ハワイ州民主党)エド・ケース下院議員と、(大叔父が第442部隊の退役軍人だった)カリフォルニア州のマーク・タカノ氏を含む多くの人々からの大きな抗議を引き起こし、その結果3月15日に再度掲載されることになったという。
このことについて、国防総省の陸軍報道官は
「第 442 連隊戦闘チームは陸軍の歴史の中で名誉ある地位を占めており、我々は「ゴー・フォー・ブローク」旅団で活躍した勇敢な兵士たちに焦点を当てた記事を再掲載できることを嬉しく思います」としゃあしゃあと述べたと言う。謝れよ。
同じような動き…ページの削除の後に抗議を受けて再公開する動きは、ベトナム戦争での黒人名誉勲章受章者、チャールズ・カルビン・ロジャース少将/Maj Gen Charles Calvin Rogersのページ、それからMLBの選手で野球殿堂入りを果たし、公民権運動の先駆者でもあったジャッキー・ロビンソン/Jackie Robinson氏の陸軍での任務に関する記事も同様の扱いを受けていた。
白人でない人々の記事がことごとく削除の対象になっている。
今回削除が行われた(ローゼンタール氏による)「硫黄島旗掲揚」の写真はピューリッツァー賞を受賞し、バージニア州アーリントンにある海兵隊戦争記念碑の像のモデルにもなった。
その写真を、今の国防省は「DEIに関する情報を全て削除する」お題の元に、アメリカ先住民の名前があるからという理由で公式のページから削除した。(おそらく元に戻されると私は思う → 再掲載されたそうです)
今トランプ政権でのこれらの動きは「DEI purge」と呼ばれている。「purge」とは「浄化する」「取り除く」「追放する」「消去する」の意味。IT分野では不要なデータやファイルを削除する際に使われる。
今回の削除は自動的に行われたものだとの証言もある。おそらくはDEIのタグのついている全てのページに対し機械処理をしたものと思われる。しかし国のために命を捧げた人々のデータを削除するのはあまりにも酷い。本当に酷い。
今回削除が行われた(ローゼンタール氏による)「硫黄島旗掲揚」の写真はピューリッツァー賞を受賞し、バージニア州アーリントンにある海兵隊戦争記念碑の像のモデルにもなった。
その写真を、今の国防省は「DEIに関する情報を全て削除する」お題の元に、アメリカ先住民の名前があるからという理由で公式のページから削除した。(おそらく元に戻されると私は思う → 再掲載されたそうです)
今トランプ政権でのこれらの動きは「DEI purge」と呼ばれている。「purge」とは「浄化する」「取り除く」「追放する」「消去する」の意味。IT分野では不要なデータやファイルを削除する際に使われる。
今回の削除は自動的に行われたものだとの証言もある。おそらくはDEIのタグのついている全てのページに対し機械処理をしたものと思われる。しかし国のために命を捧げた人々のデータを削除するのはあまりにも酷い。本当に酷い。
そしてこの悪行は…もう一度言う…
国民が気付かぬ間に静かに行われているのだ。
その数は千件、何千件にも及ぶという。(国民の抗議活動により)再掲載されることになった記事は有名人やよく知られた事柄。しかし比較的目立たない内容の項目は削除されたままなのではないか。
PBSによるもう一つの記事へのリンク
https://www.pbs.org/newshour/politics/pentagon-restores-some-webpages-honoring-minority-service-members-but-defends-dei-purge
恐ろしい時代になっているのではないかと心配している。
先日トランプ氏は司法省/Department of Justiceでのスピーチを行った際、政敵への攻撃的、復讐を思わせる言葉を使った。また戦時中でもないのに1798年制定の(度々合憲性、正当性が論議されている)「敵性外国人法/The Alien Enemies Act ㊟」を発動し(現在国による侵略行為がないことからその正当性に曖昧さがありながらも)不法移民を国外追放。そして裁判もせずにエルサルバドルの刑務所に監禁。また外国生まれの大学生や教員を拘束し国外追放しようとした。一方、今年1月には(2021年1月6日の)米国連邦議会襲撃の暴徒=犯罪人のほぼ全員に恩赦を与えて解放した。経済政策では無謀にも世界中のありとあらゆる国々の輸入品に対し関税をかけると言い続け、さらなるインフレと経済の停滞を引き起こすことはほぼ間違いないだろう。外交に関しては(日本、EUを含む)同盟国、NATOとの関係を危ぶむ声もある。
また(米国に愛国心などみじんも無いだろう南アフリカ出身の)マスク氏は政府効率化省/DOGE(Department of Government Efficiency)を率い、効率化と言いながらこの確定申告/Tax Returnの忙しい時期に恐ろしいほどの数の職員を解雇し、またティーンのハッカー達を使って国と国民のデータを切り裂いている。
㊟「敵性外国人法/The Alien Enemies Act」
戦時中に敵国の出身者や市民を裁判所での手続きを経ることなく拘束したり国外退去にしたりする。この法律が過去に適用されたのは3回のみ。第2次世界大戦中には日本系、ドイツ系、イタリア系の市民と合法移民を拘束するために使われた。
トランプ氏に投票した人々、今でもトランプ氏を信じる人々は、今この国で起こっているこれらのことを見て何も思わないのだろうか?なにもおかしいと思わないのか?
そして今はまだトランプ氏が大統領になってから2カ月しか経っていない。 これから4年間どうなるのか予測もできない。
私もこの国では移民で有色人種のアジア人で外国人なのである。もしこの国に排他的な白人至上主義者の独裁者が生まれて最高裁、司法省でさえまともに機能しなくなったとしたら…。ここにこのような記事を書くだけで敵とみなされ国外追放になるのではないか。
これからのことを考えながらこの国がどうなるのか様子を見ている。