テレビ東京系のドラマ24『テレビ東京ドラマ24』。ここではTV Japanにて。日本での放送は2023年10月7日(6日深夜)から12月23日(22日深夜)まで。この10話は2023年12月9日放送。
毎週楽しみに見てます。この話も主なテーマはLGBTQだと思うけれど、このドラマの主人公のお二人の関係は、少し前にここで感想を書いた『作りたい女と食べたい女』シーズン2のお二人に比べるとずっと落ち着いている。
『作りたい女と食べたい女』が女同士の初めての恋…告白したりドキドキしたり…がストーリーの中心にあったのに比べて、この『きのう何食べた? 』は、主人公のゲイのカップル…筧史朗さん(西島秀俊)と矢吹賢二さん(内野聖陽)がもう同居して長いのだろう…二人の関係が熟年夫婦のように落ち着いていて何の心配もなく見れるのがいい。二人の関係がとても微笑ましい癒しのドラマ。
お二人の周りの人々は…皆二人がゲイのカップルであることを理解しているらしく、二人がゲイであることに悩んだり苦しんだりする様子はほとんどない。まるで仲のいい夫婦のように二人は周りに受け入れられて幸せに暮らしている。。
ところがこの第10話では、(おそらく今まで避けてきた)家族との問題に触れていた。シロさんがケンジさんの母と姉二人に初めて会う話。緊張の食事会は鰻フルコース。それぞれが初対面でとても緊張している。
その食事会で、ケンジさんの母・峰子(鷲尾真知子)が二人の関係に理解を示していることが語られた。平和的に「他人だけれど身内」、何かあった時にシロさんを身内として認識したいとのこと。
いい話。若い世代のケンジさんの姉二人が弟の恋人を受け入れるのは理解できる。しかしケンジさんの母親が二人の関係を理解するのには時間がかかったのだろうと思う。それでも息子がもう長い間シロさんと共に暮らしていることを考えたら(相手のシロさんが)いつまでも「一度も会ったことがない他人」というのも不自然だと思ったのだろう。そのことをお母さんはよくお考えになったのだろうと思う。
無理をせず、喧嘩別れになることもなく、母親は息子の生き方を静かに受け入れた。多分時間がかかったのではないかと思うが、それでも母は息子の幸せを願うからこそ息子の生き方を受け入れることにした。すごくいい話。またちょっと感動した。
このドラマは本当にいい。お互いに信頼し合った二人が、おうちで「おいしいね」と笑顔で一緒にご飯を食べる様子は、人と人の関係の基本の幸せなかたちだと思います。このドラマを見ていると毎回そのことを感じる。
西島秀俊さんも内野聖陽さんも「ほんとに好きなのかな?笑」と思うぐらい自然なのがすごいと思う。お二人とも本当に楽しそう。演技以上にお二人が一緒にいることを楽しんでる様子が伝わってくる。ご飯もおいしいんだろうね。いいな。
シロさんがちょっと昔の男っぽいのね。ケンジさんに「お前」「おい」とか言っている。そしてケンジさんがくねくねしてかわいい。本当にかわいい。LGBTQとか難しいお題が無くても、このドラマはただただ二人の会話が微笑ましくていい。幸せのドラマ。癒し。