もうちょっと、カワイイ以外の事も書いておこう。
漫画やアニメ…(もうここでは全部書かないけれど)等、様々な日本の若者文化がじわじわと広がっていくのも面白い。ファッションはともかく、昔は漫画もアニメもゲームもオタク文化と言われて、私たちの世代には抵抗のあるものだったのだけれど、そんなことがCOOLなのかUNCOOLなのかの境界線もほぼ無くなりつつある。世界から見ると特にそう。創造性がそんな境界線を蹴散らしてしまったかのようなのだ。
その中で一番すごいのが、日本の進みすぎた若者文化。サイバー空間同人文化・サイバー二次創作文化とでも言おうか。動画サイトなどで見れる、普通の若い人達のサイバー空間での遊びが、信じられないほど、怖いくらい面白い。初音ミクもPerfumeも共にサイバー同人文化のスターだ。
まず初音ミク。もともと単なるボーカロイド機能付きの作曲ソフトだったのに、(誰かが作った)楽曲が数万曲も集まり、たった一つのパッケージのイラストから、様々な遊びの動画が作られ、3Dアニメーションソフトが作られ、サイバースぺース上のみで踊る女の子が、CDをリリースし、いつしか生バンドを率いて海外でもコンサートをやるという。こんなSF小説も真っ青の芸当が出来るのは、まちがいなく日本人だけ。それにああいうバーチャルアイドルに本気に恋して、ライブで大騒ぎ出来るのも日本人だけ。自由すぎる。まさに近未来世界の中に生きていると言っていい。(LAでのライブの成功は日本のファンがYoutubeでお手本を見せてくれたから。頭の固い外国人にはああいうバーチャルなものに自らノリノリになるのは無理です)日本人のその辺のセンスは他に類を見ない。
最近、Perfumeのグローバルサイトでのポリゴンダンスが、さっそく3人のかわいい初音ミクに描き換えられてる動画を見て心臓がドキドキした。すごいですよ。Perfume関連でも一番驚くのが、実は同人的な二次創作ものの動画で、もう想像を絶する量のリミックスやMASHUP、踊ってみた、踊らせてみた、弾いてみた、つなげてみた、いじってみた、神々の遊び、ミク関連…、日本人すごいです。ほんとに。こういうものを(人知れず)誰かが短期間でさらさらっと作って、それを普通のこととして大衆が当たり前のように喜んで見ていることが、どれほど高度な、どれほどハイレベルなことなのか日本の若い方々は自覚した方がいいと思う。もっともっと自信をもっていい(海外でも多少の同人的遊びは存在するが、日本人のほうが桁外れに高度。せいぜいニャンキャットぐらいか(?笑))。そんな日本のサイバー同人文化、かっこよすぎる。
20年くらい前にはこういうコンピュータ関連ものを「電脳」と言っていたのだ。当時の日本では「アメリカで“インターネット”というものが始まって“ネットサーフィン”なんてものをやってるらしい。カリフォルニアの若い人達がやってるんだって。」などとApple・Macintosh IIcx、IIciあたりを苦労して触りながらアメリカに憧れていたのだ。それから20年、日本がこんなに「電脳空間」で面白い国になろうと誰が予想しただろう。これは昔からの日本の同人文化のおかげに違いない。たまたまサイバー空間がそういうものに合っていたんだろうと思う。こんなに大勢の日本の若い人達が、昔のように何でもビジネスに結びつけるのではなく(すぐ金儲けにするのではなく)、ただただ楽しいからと、他に真似の出来ないくらい高度な遊びを優雅にやっているのを見るとほんとうに涙が出るほど感動してしまうのだ。日本の若い方々には、これからもこの調子で創造力豊かにいつまでも独走していってほしい。創造力は全てを凌駕するのだ。もうすでに世界一です。
話が長くなったが、とにかく東京=日本は面白いことになってきている。前述のNHKの番組「東京カワイイTV」も、私の世代から見れば「いったいぜんたいアノNHKが何をやっているんだ」とびっくりするのだ。昔はNHKというだけで、チャンネルを回す(笑)くらい古臭いものの代名詞だったのに…。ちょっと前の同番組なんて、全身ラバーフェティッシュの(ちょっと前なら超アンダーグラウンドの危な系の)デザイナーが、明るいトーンで紹介されていて…?? 日本どうなってるんだ?(アートに関して非常に進歩的な)英国BBCを超えたかもしれん。それとも、やっぱりNHKにとりあげられるくらいなのだから、実はもう5年ぐらい前に終わっちゃってることなのか…。ああ解らない。それにしても面白すぎる日本。これからもますます元気でいてほしい。誇りに思います(嬉涙)。