2016年1月31日日曜日

David Bowie – Right (1974)



踊れます。



David Bowie – Right (1974)
 
Album:  Young Americans
Released: Mar 07, 1975
℗ 2007 Parlophone Records Ltd,
a Warner Music Group Company



 またまたBowie先生。このお方はこんな曲もやってました。アルバムはYoung Americans1975年のリリース。散々キャラものをやった後、今度はアメリカでソウルに挑戦。ジャケット写真の色合いが70年代の米Playboy誌みたいですね。(^_^)

このアルバムはタイトル曲の「Young Americans」や「Fame」が有名なので、他の曲は目立たなかったりするのですが、実はアルバムとして全体がいい感じなんですよ。

Bowieさんの作品は、ハンキー・ドリーとか、ジギー~ダイアモンドの犬のキャラもの、ベルリン三部作の方が有名で、このアルバムを彼の代表作にあげる人は少ないんじゃないかと思う。なんだか地味な印象。しかし私はこのアルバムが単体で結構好き。Bowieさんの作品かどうかはあまり関係なく好き。

白人のやる偽ソウル? それがいいんですよ。ディープにならないのがいい。

Bowieさんは元々黒人音楽が大好きで憧れていたらしいです。アメリカで大好きなソウル・ミュージックと薬にドップリ漬かって出したアルバムがこれ。これがなかなかいい。『Diamond Dogs』からずいぶん変わりました。Bowieさんは器用ですね。


最初に10代でアルバムを聴いた時には、キャッチーな「Young Americans」や「Fame」だけがいいと思っていたけれど、その後20代後半あたりに、これがアルバム全体を通していかに気持ちのいい作品かと気付いた。

あまり集中せずアルバムを通してのんびり聴いていると「おおいいねぇ」と思う。Bowieさんのアルバムは曲に好き嫌いがある事が多いんだけど、このアルバムは全体を通して気持ちよく聴ける。バンドの音がいいからです(あ…「Across the Universe」はいらないかも)。


この曲は同じ横ノリのリズムが延々と続きます。殆どBowieさんが30%ぐらいで、後はファンキーなバックバンドとコーラスの女性達が70%かな…という印象。(追記:1:08あたりからの複雑なコーラスはバックシンガー達の即行ではなく、ほとんどBowieさんが指示を出してます。コーラスで参加したLuther Vandross さんと共同でまとめ上げたものらしい)サックスはデビッド・サンボーン氏だそう。

このアルバムは、ミュージシャン達がスタジオに全員入って(ほぼ)ライブ録りをしたんだそうです。プロデューサーによると85%はライブ録りらしい。この曲はいかにもそうですね。曲として主張はしないけれどまったり踊れる曲。最初はのんびりしてますが後半にかけて盛り上がっていくのがとてもいい。最後3:30あたりからが特にいい。


Bowieさんの曲で個人的にうだうだ書けるのはこのくらい。『Young Americans』以前のアルバムはそれぞれのキャラ色が強くて、楽曲も周辺の色んなものを含めての曲という印象が強く、曲単体の魅力だけでアルバムから1曲ずつ選ぶのはとても難しい。

Hunky Dory』は好き。あのアルバムは曲がいい。Bowieさんがいい曲を書くことはあのアルバムでよくわかる。その後の様々なキャラ付けギミックも、彼に作曲の力があったからこそ成功したというのがわかります。キャラ付けやスタイルだけで売れた人ではないんですよね。歌がいいから成功した人。


ところで私はまだ『Blackstar』が聴けない。たぶん暫く聴かない。ずっと聴かないかもしれない。もう少し元気がいい頃のBowieさんを聴いていようと思います。

今頃になってじわじわと悲しい。



David Bowie – Jump They Say (1993)
David Bowie – Wedding Song (1993)
David Bowie - Look Back In Anger (1979)
David Bowie – Stay (1976) ライブ盤話

David Bowie – Right (1974)


2016年1月28日木曜日

David Bowie – Stay (1976) ライブ盤話



マニアックな話を。



David Bowie – Stay (1976)
Live Nassau Coliseum '76


Album:  Station To Station (Deluxe Edition)
Released: 1976 ℗ 2010 The copyright in this sound recording
 is owned by Jones/Tintoretto Entertainment Company LLC
under exclusive licence to Parlophone Records Ltd




さていつまでBowieさんネタで引っ張るか…。世の中色々と忙しいんで、もうBowieさん関連のニュースも薄くなってきたように思うけれど、もう少し引っ張ろう。海亀は一時期彼の薄いファンだっただけなので、たぶんBowieさんのアルバムレビューは書けません。それほど詳しくはない。世の中、コアなBowie先生のファンはごまんといらっしゃる…。じゃあ好きな曲のことを書こう。

さて「STAY」です。アルバムは『Station to Station』。リリースは1976年。キャラは「Thin white duke」だそうで、ルックスもスタイリッシュな時期に入るんですが、まーそんなことはどうでもいい。

このアルバムが出た頃は、Bowieさんがアメリカで薬に溺れていた状態から「そろそろヨーロッパに帰ろうかな」と思っていた時期だそうです。アルバムの曲はたった6曲。その中で一番いい曲。傑作です。

元曲もいいんですけど、この曲はライブが一番。それも元々ブート盤で出回っていたLive Nassau Coliseum ‘76 。これは色々と思い出があるのでそのことを書く。


最初にこのライブ盤に出会ったのは1983年。友人がこのブートのLPレコード盤を持っていた。2枚組み。音はたぶんモノラル。このライブがそれ以前に聴いたどの公式ライブアルバムよりも良くて本当によく聴いた。

その後15年後ぐらいに、これと全く同じブートのCDを新宿で発見。イタリア製。セットリストはLP盤と同じ。これも残念ながらモノラルでした。しかしCDの現物が手に入ったので大喜び。このCDと前述のレコードは12曲収録。特にPanic In Detroit」のドラムソロは絶品。

さてその後2010年。このライブが公式にリリースされることになる。アルバム『Station to Station』のデラックス・エディションとして、元アルバムのリマスター盤にこのライブのフルセットがおまけでついてくることになった。もちろんステレオ。なんとライブの音源は15です。うひゃあ~これは買わねばならぬ。

2010年に出たときには全く知らなかったので、2014年にこのことを知った時にはCDは売り切れていて、アマゾンのマーケットプレイスで買うしかなかった。それでも手に入れましたよ。このライブは最高のセットリスト。Bowie先生絶好調。


難点が一つ。この公式で出たライブはPanic In Detroit」のドラムソロがカットされてました!うわあああなんでや一番盛り上がるところなのに…。レコード会社の奴等は解かっとらんなー…まったく。

…と思っていたら、ドラムソロのの入った
Panic In Detroit [Unedited Alternate Mix]  13:08
というものがあることを今発見。なんとPanic In Detroit のフルVer.iTunesで売られていますぜ。

iTunesではCDと同じセットの最後に、このPanic In Detroit のフルVer.が売られてます。個別に売らずにAlbum Onlyということなので、このドラムソロが欲しければ、iTunesでアルバムの全曲買えということらしい。チクショー!金儲けしやがって…。まあいいや。たった今知った情報なのでこれから買うかどうしようか考えよう。


それはともかく、もし最高のBowieさんのライブを聴きたいならこのLive Nassau Coliseum ‘76です。私的にはこれ以上のものはありえない。セットが最高。音は決して美しくはないです。綺麗に音がわかれていなくて全体にベタっとしている。それぞれの楽器が大きな音でぎゅうぎゅうに詰まってます。曲の間の観客の歓声も大きい。

でも実際のライブってそんな感じですよね。なんだかやたら音が大きくてうるさくて騒がしい。洗練されていなくて暴力的にうるさい。でもその場の興奮はよく伝わってくると思います。普段は自意識過剰気味なのがちょっと気になるBowie先生も、このライブはノリノリ絶好調。楽しそうです。ミュージシャン達もキレそうになりながらギャンギャンに弾きまくってます。このバンド最高・最強です。

同じ「STAY」を、別のライブアルバムSTAGE (1978)のものと今聴き比べてみたら、ベースの音が大きくてアレンジが違いますね。Youtubeに出ている1990年(エイドリアン・ブリューがうるさい)の「STAY」や、それ以降のものは別物、論外。私は76年のこの「STAY」が一番いいと思う。Bowieさんも29歳で若いしバックのファンクバンドが最高。バンドとしてもこの頃が旬でしょう。

Bowieさん絶好調・最高のライブアルバムとしてお勧めです。


メンバーは------------
David Bowie - Vocal
Carlos Alomar - Guitar
Stacy Heydon - Guitar
George Murray - Bass
Tony Kaye - Keyboard
Dennis Davis - Drums
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セットリスト
Live Nassau Coliseum ‘76 Uniondale, NY
ISOLAR TOUR
1 Station to Station
2 Suffragette City
3 Fame
4 Word On a Wing
5 Stay
6 I'm Waiting for the Man
7 Queen Bitch
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1 Life On Mars?  
2 Five Years
3 Panic In Detroit
4 Changes
5 TVC 15
6 Diamond Dogs
7 Rebel Rebel  
8 The Jean Genie  
9 Panic In Detroit [Unedited Alternate Mix] 13:08  ←これフルiTunes
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2016年1月25日月曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」第3回「策略」 1月24日放送



さてサナダマール3回目どう?

面白くなってきた。ドラマとして面白い。これはいけます。この回で「この大河は昔のドラマみたいに落ち着いて見られるな」と思いました。ドラマに流れる基本の思想が今回で見えた。これなら大丈夫。

だって今までね、ここ近年脚本なのか演出なのか…ドラマに流れる思想があまりにもモダンすぎて、浅すぎて、いや思想が存在しなかったりして、全く落ち着いて見ていられない大河が多かったんですよ。

思想があったのは『八重の桜』の前半。あのドラマは鶴ヶ城が落ちるまでは、話に一定の思想がありました。だからあのドラマの前半は落ち着いて見れた。

じゃあ思想思想って何?「ドラマで何を見せたいのか、通す筋があるのか」ということ。基本の思想の筋が通ってさえいれば、ストーリー上の多少の脱線は許される。コメディやお遊びもOK.いい大河とはそういうものだと思います。


今回一番強調されていたのは「長男を立てる…ヒエラルキーを守る」ということ。要は「家」を守る為に家族の中の上下がはっきりしている。秩序が乱れないように順番を守る。ボスは誰かをはっきりさせるということ。それが今回の主題。

実際にはこういう「長男第一」なルールって、本当は江戸時代に出来た思想だろうと思うんですけど、これ昭和の価値観でもあるんですよ。だから私の世代には非常に落ち着ける話。今回(草刈)昌幸パパの弟の叔父さんと信繁の会話や(大泉)お兄ちゃんの話に、そのテーマが繰り返し出てきました。今日のタイトルは「策略」なんだけど、裏タイトルは「長男」です。

その台詞を抜粋。
(草刈)昌幸パパの叔父・矢沢頼綱「一族の棟梁であるそなたに従うのみ。」
軍議が始まっても弟の(堺)信繁は「私は呼ばれていない。次男坊とはそういうものだ。」
信尹叔父さんと信繁の会話 
信尹「兄上が覚悟を持って決めたこと。わしはあの人の手足となり、あの人の思いをかなえるだけじゃ。」
信繁「叔父上はいつも父上の影におられます。叔父上は私の鑑(かがみ)とするお方です。私も兄上にとってそんな弟でありたいと思います。」
そして信長に会う昌幸パパが、家に残る長男信幸へ
「お前は嫡男だ。お前を残すのはもしものため、わしらに何かあった時はお前が真田を率いていくのじゃ。あとは託したぞ源三郎」
棟梁、長男、嫡男、次男坊…こういう家族内の序列を表す言葉が何度も出てくる。

こういう言葉で、真田が真田の家を守る為にどういう思想をもっているのか…というのがはっきりと見えますね。これから1年後、このドラマの最後は信幸が残って信繁が死ぬわけなんだけど、この回の「長男を立てる」が後で活きてくるんだろうと思います。きっと私は泣くと思う。


要は「家を守る」という思想。「家」さえ守れば時代を生き残っていける。この思想は戦国の世にもあったし、江戸時代、明治、大正、昭和と続いてきた思想なんですよ。武家とはそういうものだった。これが日本の歴史の中で初めて壊れ始めたのが…40年ぐらい前なんだろうと思う。今は本当に壊れてしまって影も形もない。だから2016年にこういう事柄が大河ドラマで描かれるのは本当に嬉しい。このドラマに昔の大河ドラマの匂いがするのはそのあたりなんだろうと思います。大河ドラマはこういうことの筋さえ通っていればいい。

そうなのよ。なにがなんでも「家」を存続させる。長男を立てる。嫡男優先。男子優先。目上の人を敬う。上司の命令は絶対。結婚は個人の感情よりも家と家の繋がりが重視される。女は政治の駒。女は男子を生んでこそ…こういう昔のルールが大河ドラマに描かれるとほっとする。


というわけで今日は(大泉)お兄ちゃんが主役でした。よかったです。もうお兄ちゃん応援しますよ。真正直で実直。融通が利かない。機転も利かないのかなぁ…真面目すぎて人として面白い人ではないですよね。ものすごく不器用。だけどいい人で誠実なのね。それに比べて弟は利巧で柔軟で要領がいい。こういう兄弟は今でもよくいるでしょう?

信幸といえばつい渡瀬恒彦さんと比べてしまうんだけど、この(大泉)お兄ちゃんはこれでいい。不器用で真面目なお兄ちゃんが成長して、後に立派な真田の棟梁になっていくのを見たら私は泣くと思う。がんばれよぉ。

 
この兄弟の描き方を見ても、家康のキョドり具合を見ても、このドラマは普通の人達を描こうとしてますよね。みんな普通の人。最初からスターじゃない。今現在の家康なんて小物じゃないですか。紋切り型のキャラ設定ではなく、それなりにリアルな普通の人達なんですよ。だからキャラに感情移入しやすいし人のドラマとして面白い。

それからもう一つ。このドラマは全体の雰囲気は一見軽いんだけれど、時代の厳しさもちゃんと描かれてます。
(草笛)お婆ちゃんの小山田茂誠に対しての言葉「(彼は)死んでますね。生きていたとしても小山田一族は裏切り者。ここへ戻ってこられるわけはありません」。
(草刈)昌幸「人は皆おのれの欲のために動くのじゃ」
逃げてきた姉の夫・小山田茂誠を見た信幸は彼をその場で斬ろうとする。
村の民は戦で自分達の森が荒れれば、隣村に盗みに来る。
高遠城では敵の自害の後も生々しい。
こういう場面でピリッとスパイスを利かせてくれれば、何も毎回刀を振り回して血糊まみれにならなくてもいいんですよ。言葉だけでも戦国って厳しいなと思える。

その他気になったこと
長澤まさみさんはあちゃ~これはいかん。現代語のはねっかえり?たぶんまだ134歳ぐらいの設定だからなんですかね。でも女優さんは大人だから正直うざいですね。(黒木華)梅ちゃんのほうが可愛い…力持ち。さて斬られなかった佐助の血はどうして出たのだ?(木村)お姉ちゃんの現代語もちとうざいの。信幸の病弱な奥さんは小松殿じゃないのね…誰? 信長は綺麗好きだそうだ…納得。家康さんは本多忠勝さんがケムたいの?

次回も楽しみですね。