能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2013年5月15日水曜日

Perfume:アフロのっちの研究その2


画像が削除されました


ケバイです(笑)。

髪だけ合成したらすごく上手くいったので、それだったらメイクもやってしまおうと思い立った。面白かったです。

のっちはやっぱり大人ね。すんごく艶のあるいい女じゃないの…。オンナオンナしてます。彼女みたいに背が高くて手足が長い人っていうのはアフロ頭がかっこよく馴染むんですよ。このまんまDISCO QUEENでいけると思うわ。

こういうおもいきりをVOGUEなんかでやって欲しかったわけですよ。変身、面白いじゃん。

イノセントなPerfumeファンの方々からは苦情がきそうだけど、私は好きよ。いい女大人のっちはかっこいいわ…。

かわいいのっちが好きな旦那Aに見せると無言で固まってました。

最近アフロのっちや徳川フロのぶの写真を載せていたんですが…


2013年5月14日火曜日

映画『ルノワール 陽だまりの裸婦/Renoir』:人は何のために生きるのか

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Renoir2012年)/仏/カラー
111分/監督:Gilles Bourdos
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絵のように綺麗な映画です。
 
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あらすじ
1915年、74歳になった印象派の画家ルノアール。年々悪化するリウマチの療養のため、現在は暖かい南仏に住む。何人ものメイド(何人かは引退した元裸婦モデル達)やその子供達と共に暮らし、南仏の美しい自然に囲まれて日々裸婦を描き続ける。そこへ若い赤毛のモデル、アンドレがやってきた。女優を夢見るアンドレがルノアールのためにポーズをとる生活にも慣れたころ、第一次世界大戦の戦場で負傷したルノアールの息子ジャンが帰郷する。ジャンは21歳。将来映画監督を夢見る。さてこの父と息子、モデルの生活に何が起こるのか…。
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 大変綺麗な映画です。出来る限り印象派の絵を実写で再現しようとして撮ったんでしょう。南仏の暖かい光がとても綺麗。緑の木々をバックに花の咲き乱れる草むらに布を広げ、寝転ぶ裸婦が二人。まーほんとに絵のように綺麗。
 
風景が綺麗。光が綺麗。女の子達の裸が綺麗。肌が綺麗。おっぱいが綺麗、光の透ける赤毛が綺麗、光が綺麗。ルノアールの家が綺麗。テーブルに広げたお皿、果物、食べ物が綺麗。布が綺麗。カーテンが綺麗。女性の普段着のドレスが綺麗…綺麗綺麗綺麗綺麗です…。
 
あまりにも絵が綺麗過ぎて、それだけでほぉーっとなって楽しめます。まあよくこんな絵を撮ってくれたもんだ。至福です。決して眠くならなかった…。
 
というのもこの映画、ぶっちゃけそれ以外はかなりぼーっとした映画なんです。抑揚が無い。事件が無い。キャラクターに踏み込むことも無い。男女の熱情を画面に写し込む訳でもない。まるで年老いたルノアール御本人のように、どこか全てを悟った老人の目線のように淡々とストーリーが進む。監督に力が無かったのか、それとも意図的なものなのか…分からないけれど、とにかく静かな映画。
 
たぶん退屈だと思う人が多いと思います。これは眠くなってもしょうがないと思う。
 
 
 ネタバレ注意
 
 与えられた設定はかなり大きなドラマを期待できるんです。年老いた有名な芸術家。リウマチで体中が痛む。彼はもう人生の先が長くない事を分かっている。それでも絵を描くことを止めようとはしない。まるで生命にしがみつくように若い女の裸を執拗に描き続けるのは、美を描くことだけが生きている証だからだ。美しさを留めたい。生きている間にこの世の美を描きたい…。
 
そこへ現れた若いモデル。ベルベットのような白い肌。ルノアールに「あの胸をもう一度見れるのなら腕を切り落としてもいい」と言わせるほどの美。
 
そしてそこへ帰ってきた21歳の息子。戦場から負傷して帰って来た彼が見るのは、南仏の光の中でまどろむ裸婦達。こんな状況でドラマが生まれないわけがないんです。
 
 
当然のことながら、息子ジャンとアンドレは恋に落ちるわけですがこれが一番の問題。この二人、化学反応というかケミストリーがゼロです。いつの間にか好きになったらしいし、いつのまにか親密になったらしいし、いつの間にか将来を語る仲になっている…。全てがあたりまえのように淡々としてます。まだまだ世の中が今では信じられないほどガチガチに古風だった1915年、21歳の男の子が父親のヌードモデルと恋仲になる…ためらいや恥じらい、とまどい、やっと結ばれた喜び、(嬉しい嬉しい嬉しいよ的な)情熱、狂乱、至福、そして見えてくる現実…等というような感情の起伏が全く描かれていない。
 
もっともっとドラマになったはず。年老いたルノアールさんが淡々としているのはいいんです。けど、20代前半の男女の話であの単調さはなかろう。全くリアルじゃない。どうしてなんですかね。あまりにもサラッとし過ぎているんで、意図的なのではないかとさえ思えてしまう。女性の裸も惜しげもなく沢山出てきますが、エロな感じは全くゼロです。
 
私は個人的には絵が綺麗なだけで楽しめたので、決して飽きることはなかったのですが、これだとストーリーの盛り上がりが無さ過ぎてダラダラとした印象は否めない。監督の意図がどのあたりにあったのかは興味深いところ。
 
 
ただし、最後にほんの少しだけフランス人の好む思想らしいものはチラッと見えました。それが救い。もしかしたらこの映画はこれを言いたいだけの映画だったのかもと思えるシーン。
 
傷を治したジャンが戦場に帰るといい始める。
 
恋人のアンドレはジャンを止める。「あなたはもう戦場にいかなくてもいいのよ。私を置いていくの?一緒に語った映画の夢は?どうして私のためにここにいてくれないの?」
 
老いた父ルノアールもジャンを止める。「ここの、この美しさに囲まれていて君はまだ戦場なんて地獄に行きたいのか?どうしてそんなものに命を賭けられるのか?」それにジャンは答える「国が戦っている時に、親父は毎日女の裸ばかり描いているなんて…。」ルノアール「人生は美しさが全て。これだけが生きる理由に値するものだ。」(意訳です)
 
ここでちょっとジーンとくるんですね。ジャンは真面目な青年。お国のために自分の命を犠牲にすることがなによりも大切だと信じてます。友人達が戦場で若い命を落としたのも見てきたわけです。自分だけが南仏で裸の女に囲まれて幸せでいるわけにはいかない…。そんな真面目な青年を、恋人と老いた父はそれぞれ全く別の理由からひき止めようとする。
 
アンドレはただただ女性らしく「あたしを置いてかないでよ~。戦争と私とどっちが大切なの?あたしにきまってるじゃないの…戦場に戻るなんて…馬鹿じゃないの…」大変自分勝手な意見。でもある意味正論。
 
老いた父は「人の人生は短い。自分のたった一度の人生なのに、天の与えてくれた美しさを受け止めて楽しむ事をせず、ただ人を殺しに行くなんてどういうつもりだ。戦争なんて君が行かなくてもいつか終わる…。そんなものに大切な命を懸けてどうするんだ…。」(意訳です)
 
ジーンときた。絵のように美しいながらも、話としては退屈な映画に、ここではっとさせられる。あ…この監督はこれが言いたかったんだろうか…。フランスは芸術の国。生きる意味をいつも考えているような国。ぼんやりとではあるけれど、たぶんこれがこの映画の意図。悪くないです。いやとても好き。
 
そんなわけで一見絵を再現しただけのような、ぼーっとした映画ですが、決して嫌いではない映画。見てよかったです。とにかく美しい。
 
余談ですが、大量生産のプラスチックの日常品が発明される前の時代の人の暮らしというのは、本当に美しいなと思う。
 
 
追記:ところで、アメリカではこの美しい平和な映画がR指定。18歳未満禁止の指定なんですが、何がいけないんですかね…おかしいよね。おっぱいがいけないんでしょ。いいじゃないか…女の裸。これエロなんて全然無いのに。おっぱいの何がいけないんですかね。この国、暴力シーンにはかなりゆるいのに、どういうわけかおっぱいは異常に厳しく取締まるんだな。間違ってると思います。



2013年5月13日月曜日

NHK大河ドラマ「八重の桜」第19回「慶喜の誤算」


2回見ました。
 
最後のナレーション「戦が始まろうとしていた…。」角場で降り始めた雪を見上げる八重ちゃん(綾瀬はるか)は静かに銃を構える。…痺れる演出。ドキドキです。
 
 
このドラマは本当に面白いです。
 
私はこの時代の歴史が苦手で殆ど知識がないのだけれど、このドラマでは毎回勉強させてもらってます。私のような無知なものには、この時代の歴史は大変難しい。理屈だけでは説明の出来ない感情を交えた政治上の取引は、本で読んでも分かりづらいからです。
 
新しい世界を切り開こうとする意志。古いものを壊しながら突き進もうとする強い熱情は、史実を連ねた文章だけでは分かりづらい。しかしその時代に生きた人物達の気持ちを理解しなければ、右に左にめまぐるしく変わり続けるこの時代の政治の状況は非常に難解。
 
例えば今回、御所の警護に入った薩摩の軍。既に薩摩と長州が連合で政治を回し始めている今の状況。3年前に蛤御門で御所を守った会津は今回は門の外。こんな事実だけでも素人には大変分かり辛い。この時代というのは、誰かの突然の死、ほんの少しの勘違い、ちょっとした行き違いなどで、政治的な状況がガラッと変わってしまう…。
 
いつもこの時代のドラマでは、いつのまにか状況が分からなくなって、とりあえず話を追ってなんとなくドラマを見る状態になってしまうのが常なのですが、今回はがっつり食いついて見てます。無茶苦茶面白いです。ただでさえ複雑な政治状況を、個々の人物達のリアルな感情を織り込んで人間のドラマに仕上げている脚本は本当にすごいと思う。人物達の気持ちが理解できるからこそ史実に納得が出来る。だから分かりやすい。
 
史実そのものが複雑な状況なので、一場面の尺を長くとることも許されないような内容なんです。だからドラマとしてはどんどん高速で進んでいるのも事実。慶喜公の焦りの表現など、顔のワンショットだけで終わらせたりしてる。だけどドラマとして全体の流れ=当時の危ない空気が感じられるんです。その上、京だけでなく会津の八重ちゃん達の様子も織り込みながら状況の変化を語っていく上手さはほんとにすごいと思う。
 
とんでもない時代の大きな流れに、この時代に生きた人々が飲み込まれる様子を、まさに目撃しているような気持ちになります。このドラマは本当に面白い。
 
 
そんなわけで今回は、慶喜公=幕府がどんどん力を失っていく話がメイン。大政奉還を受け入れた後の慶喜公はどうなった…。
 
薩摩が3000の兵を率いて京の御所のすぐそばに陣取ったため、それを懸念した慶喜公(小泉孝太郎)は朝議を欠席。容保公(綾野剛)も共に欠席。その間、長州藩の毛利親子が復権。翌朝から薩摩軍は御所に入って警護をすることになる。
 
岩倉具視(小堺一機)も復活。王政復古の大号令にて、摂政関白と幕府を廃絶。政は総裁、議定、参与にて行うことが決定。これからは天皇中心の政治で行くことを宣言されてしまう。
 
御所では初の会議。慶喜公と容保公はまた欠席。土佐藩の山内容堂公がそのことで岩倉さんを咎めると「慶喜はあやしい。あいつは官位を辞し領地を朝廷に返上するべし」。怒った容堂公が「政権を我が物にするのか」と問うと岩倉さん「これも帝のお考え…」。結局容堂公も薩摩の西郷どん(吉川晃司)の「邪魔するものは刺し殺せばよか…」で黙らされてしまう。うわー怖い…。
 
結局、慶喜公は官位一等を下げ、領地の半分200万石を召し上げられてしまう。うわーこれはまるでいじめやないか…慶喜くん…。
 
そんな状況でも慶喜公は表情も変えずに「まだまだ手はある…」と嘯いていらっしゃいます。だいじょうぶなのか…このお方。兵を率いて大阪城へ行くらしい。容保公も一緒に…あー心配。
 
 
今回岩倉さんが言った台詞「王政復古や。2500年も遡ればたかが300年の徳川など一息に吹き飛ぶわ…全部壊してイチから日本を作り直す…。」←こわい…。
 
薩摩はあいかわらず戦争イケイケムード。御所の警護に入ったらもうこっちの勝ちという感じでしょうか。ちょうどこの頃土佐の坂本龍馬が暗殺されたそう。
 
一方会津藩は、大政奉還のショックから立ち直る間もなく、薩摩の戦争イケイケムードを感じ取って「いざとなったら会津から全軍上洛出来るように準備せよ」とのこと。出陣です。会津藩全体が暴動寸前まで怒り狂ってます。そりゃそうだ…。国許の会津では頼母さん(西田敏行)が「さっさと京を引き上げて会津に帰ってくればいい」と神保さん(津嘉山正種)に告げるものの、神保さん「都ではその正論が通らん…」
 
覚馬君(西島秀俊)の目はますます見えなくなってきてるようですが、肝っ玉の据わった小田時栄さん(谷村美月)という若い娘がお世話をすることになったらしい。覚馬君に優しい林さん(風間杜夫)。新撰組は幕府が無くなってから自己の存在理由を自問して苦しんでます。今まで何のために流した血なのか…これからどうなるのか。
 
会津での八重ちゃん達の耳にも京の状況が伝わってきました。状況が分からないために皆不安です。幕府がなくなったら会津はどうなるんだ…? 京では何かが起こっているに違いない。会津に何が起こるっつんだ。何もさわぐこたぁねぇ…。そんな中、八重ちゃんは一人黙々と銃の練習をする。
 
さて来週も一秒たりとも目が離せませんね…。ドキドキです。ほんとに心配。
 
ところで余談だけれど、すっかり小泉慶喜公のファンになっちまいました。ツルッとした頭とチョンマゲがステキ…綺麗なお顔…どうしよう…公式ページでは新しくインタビューが出てますよ。公式の画像を保存しようとしたら出来ないぞ…なんでや…?
 


 

2013年5月12日日曜日

Perfume:アフロのっちの研究その1

 
  
画像が削除されました
 

以前からPerfumeののっちさんにはアフロ頭が似合うはずだ、ウィグをつけて欲しいなどと勝手に言っていたのですが、なかなか実現しそうもないので、自分でやってみることにした。

早速フリーソフトで画像をいじってみたのですがなんというか…、アフロのっちと言うよりも、どういうわけかブライアン・メイの娘という風になってしまいました。この元写真のSpending All My Timeののっちさんは大変美しすぎて、思ったほど可愛くならなかったです。

アフロのっちの研究はこれからもぼちぼちやっていこうと思う。

最近アフロのっちや徳川フロのぶの写真を載せていたんですが…


2013年5月9日木曜日

Benny Benassi ft. Kelis - Spaceship (2010)



EDXさんつながりで…。
 
 
 
Benny Benassi feat. Kelis, apl.de.ap, & Jean-Baptiste - Spaceship (2010)

Album :  Electroman
Released: Jun 7, 2011
℗ 2011 Ultra Records, Inc.


こんなものが見つかった。ベタなSFのビデオです。これまたベタなEDMやないか
 
2010年の曲。イタリア人のDJBenny Benassiさんの曲。知りませんでしたね。この人もイタリア人。いろんな有名どころのリミックスなんかやってて、アメリカでも結構売れてる人らしいです。

歌の女性はKelisさん。いい声。ラップの人はBlack Eyed Peasapl.de.apと、Jean-Baptiste。全然知らない人々…。

イギリスのダンスチャートで18位までいったそう。

いや実はEDXさんのリミックスで見つけた曲。イタリア人繋がりかな。わたしはEDXさんのリミックスの方が好き。この人のリズムはとにかく気持ちいい。

Benny Benassi Feat. Kelis - Spaceship (EDX Remix)

こちらの方が好き
 
 
 
 

2013年5月8日水曜日

Perfume:イギリスの一般メディアにどう対処するのか



先日、ロンドンの箱換え(800人から2000人)の様子を見て、もしかしたらロンドンの一般メディアもPerfumeに興味を示すんじゃないか…と書いた。もしロンドンの(Perfumeをよく知らない)一般メディアが取材に来たらどう対処すればいいのか…。今日はそれについて対策を考えたい。長いです。

(ところで私のPerfume論というのは、どちらかと言えばPerfumeをだしにして「(私の知る)西洋というものの謎解きをしよう」という意図なので、そのような前提で読んでいただきたい。西洋に打って出るにはまず敵を知るべし。その予備知識のようなものです。もちろん私の個人的な意見。おっとそれから海外暮らしなので最新のPerfumeのインタビューなどは読んでおりませんので、とんちんかんなことを言っているかも…。)


それではまず、今までのPerfumeのインタビューでの印象を…(すごくイジワルです。でも実際にこう聞こえる)。

「○○国に来れてほんとに嬉しいです。とても感謝してます。外国なのにPerfumeファンが沢山いて、Perfumeのことをこんなに知っていてくださってびっくりしてます。うれしいです❤。うふふふふふふ…。」「○○国に来るのは今回○回目なんですけど、こんなことやあんなことがあってすっごくびっくりしました。あひゃひゃひゃひゃ…。ほんとに○○がすごいです。そうそうそうだよねー❤。○○が面白いです。そうそうそうだねー。あひゃひゃひゃ…うふふふふ…あはははは…。」「えー今回演出も曲もすごいんですけど、もう私達もびっくりで…どうなってるんだって感じでほんとにかっこいいです。スタッフさん達がすごいんです。こんなにすごいスタッフの方々に囲まれてお仕事ができてうれしいです。」「今回○○国に来れてほんとにほんとにほんっとに嬉しいです❤。ありがとう。これからもヨロシクオネガイシマス❤。うふふふふ」

↑さてこれが、イギリスの一般メディアでどう受け止められるか。
 …10点満点中1点です(笑)。

これはしょうがないんです。これがありのまんまの今のPerfumeの姿。Perfumeに罪はない。何故ってPerfumeはあくまでも「日本のアイドル」だからです。「日本のアイドル」ならこれでいい。可愛くて、イノセントで、幼くて、自己主張をせず、謙虚で、無邪気で、純粋で…「日本のアイドル」としてはこれで一切間違っていない。それから、そんな「日本のアイドル」を、そのまんま受け止めてくれるアジアのファン(メディア)に対してもこのあり方は決して間違ってません。

ところが、これが西洋では致命傷になる可能性があるんです。

もしインタビューに来るメディアが「日本の文化専門のオタク・サブカル媒体」であるなら、たぶんこのままでも大丈夫。そのような「特殊な層向けのメディア」ならPerfumeのことを理解して(それなりに魅力的な存在として)受け入れてくれてるだろうからです。ところがもし一般のメディアがPerfumeを(記事を書くに値する)何らかのアーティストグループだと捉えたら、このままでは大変問題。

というのも、上記のような可愛いアイドル風の受け答えでは、プロのアーティストとしての主体性が一切見えてこないからです。これは大変に困りもの。下手をすれば幼稚で馬鹿とさえ思われかねない。


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イギリスという国は知性至上主義の国です。何かに興味を持つと、何から何まで重箱の隅をつつきまわすように調べ上げ、比較検討してあげ足を取り、あらゆる理屈を捏ねて、どんなに不可解なことでもなんとか辻褄を合わせ、納得できればほっとして満足、安心するような国です。超頭でっかちなの。知的創造物だけならともかく、芸術にもそれを求めるのが英国のやり方。理屈ばっかり捏ねてる間に(芸術に不可欠な)情熱勢いをすっかりなくしてしまっても、そのことに気付けないような国です。芸術も理屈で作る国なの(そのため英国産のものはひとひねり面白いものが多いのも事実)。だからアーティストにもそれなりの理屈を求めるんですね。

そんな国は「だいたい」とか「なんとなく」など曖昧なことを嫌います。アーティストの口から「よく分かんない…」なんてとんでもない。馬鹿だと思われておしまいです。たいへん厳しい。イギリスのメディアが基本的に超キッツイのは世界的にも有名。特に音楽関係の評論家なんて「何の権利があってそこまでこき下ろすんだ?」というようないじわるな輩も多い。ほんとうにひどいです。

(そんな現地のメディアが)日本からはるばるやってきてくれた可愛いアイドルに、英国国内のアーティストを見るような厳しい目を向けることはまさかないだろうとは思いますが、あちらの一般メディアというものは基本的にそういうものだというのは知っておいたほうがいいと思う。
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なので対策は…
1.       一切のインタビューを避ける。
2.       今までどおり「あひゃひゃひゃ…」の「日本のアイドル調」をそのまま見せる
3.       なんとか予習をしてPerfumeの立ち位置、存在理由を答えられるようにしておくこと
 
1は、インタビューを受けることに大きな宣伝効果があることも事実なので、避けてしまうのは大変もったいない。だからもし取材が来たら出来れば受けたほうがいい。
 
2のように「日本のアイドル調」をそのまま見せるのも一つのやり方。意志のない操り人形のような日本のアイドルは、アチラにとっては非常に不可解な存在。しかしだからこそ「アジアのキワモノ」の面白味でいける可能性も。あまり尊敬はされないと思うけど。
 
3はあちらに合わせた答え。とにかく真面目にPerfumeの立ち位置、あり方を言葉で説明できるようにしておく方法Perfumeで何がやりたいのかも答えられればもっといい。

…なので、3番の答えの一例を書きます。ここからは個人的な意見ですが、私の思うPerfumeのあり方を書いておきたい。西洋のメディア用の考え方です。


★★★
 
Perfumeのあり方は「(制作側に立つ)アーティスト」でなくてもいい。Perfumeの定義は今までどおり。Perfumeは一流のパフォーマンスアーティストとして存在するけれど、自ら制作やクリエイティブの側にいるアーティストになる必要は全くない。以前「Perfumeはクリエイター達のMUSE(注1)であるべきだ」と書いたのですが、実際にPerfumeというのは、今までも変わることなくそのような状態で存在してきたわけなのだから、それを言葉ににしても構わないと思う。

作曲もしない、歌詞も書かない、ステージセットもアルバムジャケットも、衣装も、ダンスの振り付けも、コンセプトも、一切やらない。ただただカメレオンのように、変幻自在に、自由に、クリエーター達の表現の駒となって一流の表現者になればいいんです。表現者というのもアーティストであることに変わりはない。彼女達が存在し踊ればPerfumeというアート」になるんです。Perfumeは今までもそれでずっとやってきたし、そのあり方こそがPerfumeの限りない可能性を産んできたわけですから。

「パフォーマンスアーティスト」は西洋にも存在するし、それなら理屈っぽいイギリスの記者も納得してくれるだろうと思う。今のPerfumeが、西洋に向けて大人の顔を持つにはこれしかないと思う。大切なのはPerfumePerfumeとして存在するための理由=「Perfumeとは何ぞや?」を説明できるようにしておくことです。


要は、上記のようなPerfumeのあり方が海外のメディアにとって分かりやすいということ。極東からきたアジア人の女の子3人でも「経験を積んだパフォーマンスアーティスト」としてならそれなりの尊敬も得られるかもしれません。

そもそも英国は「スパイスガールズ」を生み出した国なので、アイドルの観念は理解されると思う。ただ西洋では、アジア人にはどうしても「アジア=未知のもの=妙なもの」のタグがついてしまうこと。それに日本のアイドルのあり方が独特で西洋には理解されづらいものである事を考えると、このような説明の仕方は、アチラに理解されるための歩みよりの一つ。

西洋に「日本のアイドル」を定義して説明することのほうがずーっと難しいです。「お歌を歌って踊って、いつもニコニコして、皆に好かれて、皆を喜ばせて、そしてCDやグッズやCMタイアップの商品を買ってもらう存在…?」 アチラの理屈っぽいメディアなら「じゃあなんで皆に好かれたいんだ?」と食いついてくるかもしれません。めんどうです。大人に搾取される可哀想な乙女達だと思われるかもしれません。


奇しくも数週間前、きゃりーぱみゅぱみゅさんがロサンゼルスでの会見で「私は(クリエイティブサイドにいる)アーティストなのでアーティストとして○○○したい。」と自分の立ち位置を明確にしていたのですが、彼女は海外のメディアにとって非常に分かりやすい存在。そもそもご本人がコンセプトありきだし、「COOL JAPAN」なども採り入れて海外に対して自己のプレゼンの仕方も非常に上手い。だけどPerfumeは別のタイプ。

繰り返しますが、Perfumeは「経験を積んだプロのパフォーマンスアーティスト=表現者」として堂々と存在すればいい。凝ったステージセットにダンス。歌わないポップスターという独自の表現方法を選んだことで成功した数々のライブ。良質のポップソングと、そのMusic Videoなど、プロのクリエイター達と作り上げるPerfume独自の芸術表現。3人がPerfumeという芸術の要であると堂々と宣言すればいい。そしてその上で「日本をもっと知って欲しい」とか「日本と海外を結ぶ親善大使になりたい」とか…実際の目標につなげていけばいい。

★★★
 
↑以上、私の勝手に考えたPerfumeのあり方の一例ですが…。


ともかく伝える内容をはっきりと、感情を抑えて淡々と言葉をつなぐこと。ウェットな感情や感傷は西洋には通じないと思ったほうがいいです。叩き上げ十何年の美談も同調してくれないでしょう。極東アジアのアイドルの過去には興味が無いからです。彼らがまず知りたいのは現在のPerfumePerfumeがアーティストとして今何を考えているのか、何をやりたいのか…です。

ご本人達がPerfumeというものをどのように捉えているのかは大変興味深いところ。今後の活動を考えても、アーティストとしてご本人達や制作チームの方々が、一度こういうものをしっかりと考えておくことは必要だろうと思う。

いやーそれにしても楽しみですな…。ステージでヨーロッパの観客を魅了するのは間違いないでしょう。チケットも売り切れ必至。たいしたもんだ。もう既にアチラの興奮が伝わってくるようです。がんばれよぉ~Perfumeちゃん …。


(注1
MUSE(ミューズ)とは
1. any of the nine sister goddesses in Greek mythology presiding over song and poetry and the arts and sciences
2. a source of inspiration; especially: a guiding genius
ギリシャ神話の芸術の女神達。彼女らが芸術家にインスピレーションを与えるといわれるところから、同じようにデザイナーや作曲家などの創作意欲を刺激する女性をミューズと呼ぶ。