能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2012年9月20日木曜日

脚本について考える:『平清盛』と『薄桜記』


 
NHK大河ドラマ『平清盛』が相変わらず苦戦しているそうだ。たまたまなのだがNHK BSでの時代劇『薄桜記』にすっかりはまっている。面白いのだ。何が違うのだろうと脚本について考えてみることにした。

 
まず一番に思うのは『平清盛』に比べて『薄桜記』の人物達が圧倒的に魅力的であること。たった10回しか見ていないのに人物達が人として理解できる。堅物で真面目、律儀で友情に厚く男らしい丹下典膳。その典膳を一途に慕う健気な千春。言葉は荒くても非常に知的、昭和の頑固親父風吉良の殿様、熱い堀部安兵衛。控えめに典膳を慕うお三。計算高いがいざと言う時には力になってくれそうな白竿屋…etc. 話の本筋とは関係の無い小さな場面の積み重ねで、人物の描写に深みが出るということは『薄桜記』第9回の感想にも書いた。

一方『平清盛』。回数を重ねて既に36回も見ているのに、主役の清盛はもちろん、○盛○盛の家族、時子さんさえどういう人物なのか未だ正直よく分からない。俳優さん達は皆大変よく頑張っていると思う。それなのに未だそれぞれの人物像がはっきりと見えてこない。理解が出来ないから魅力的に見えない。当然話は進んでいる。だけど人となりの見えない人物達が、歴史上のぶつ切りにされた時の中で個々の場面だけを表面的に泳いで話が進んでいくような印象。このことは以前、同番組の感想にも書いた。

 
この二つのドラマを見て考えたのは、『平清盛』は『薄桜記』に比べて人物描写のための細かい場面の積み重ねが足りないんじゃないかということ。要は、事件の積み重ねはあっても、人物を知るための場面の積み重ねが少ないのではないか。もっと酷い事を言うのなら、この大河ドラマは脚本で人物を構築する事をせず、俳優の方々の魅力(顔がいいとか、可愛いとか、背が高いとか)と演技だけに頼って人物を作ろうとしていないか…。そうだとしたら、ドラマ作りとしてはとんでもないぞ…。

 


そんな事を考えていてあらためて思ったのは、もしかしたら近年のドラマや映画の脚本は漫画っぽくなってきているのではないかということ。一般的に漫画は限られたページ数で話を進めるため、一見無駄に見えるような場面は好まれない。話が間延びしないように事件に事件を重ねて話を紡ぐものが多いのではないかと思う。結果、そのような表現の方法では、話は劇的に回っていっても、細やかな人物像を構築することは難しいのではないか。もしそうだとしたら大変なことだ。

私達が普段から実生活で出会う人々を知っていくのは、その個人のふとした仕草だったり、色んな場面での細やかな表情、普段は見せない意外な一面だったりする。人を表現するのはそれぐらい繊細なものなのだろう。だからこそ人物の人となりを表現するための場面は、むしろ本筋とは関係ないもののほうがよかったりする。近年の脚本にはそのような一見無駄な場面が少なくなってきているのではないか。

古典的に丁寧な人物描写をする『薄桜記』の人物達を理解できて、漫画の筋のように事件を箇条書きで追い続ける『平清盛』の人物達につかみどころが無いと感じるのもそのような理由によるものではないか…。

 

私は古いタイプの人間なのだろうと思うが、映画やドラマは人物に惹かれて話に引き込まれる。人物描写が十分に出来ていなければ話にも興味が持てない。『平清盛』の問題は脚本のスタイル。近年余りにも世間に広がりつくしてしまった漫画スタイルの脚本のせいではないのか。もしかしたら若い世代の脚本家の方々は『薄桜記』のような丁寧な人物描写が出来なくなってきているのではないか。

おそらく漫画のように事件を重ねるスタイルの脚本は、単発のドラマや映画には向いている。しかし50回も回を重ねるような連続ドラマではかなり辛い。登場人物に惹かれ、自分の家族のように応援したくなってこそ毎週連続で見続けようと思うからだ。まず人に惹かれてこその連続ドラマ。『薄桜記』を見ているとづくづくそう思う。

日本では漫画は限りなくポピュラーな大衆文化だ。誰でも読む。絵と台詞で構築された漫画は、一見ドラマや映画の脚本と同じだと思われることも多いのだろう。しかし実は全く違うものかもしれないのだ。個人的な極論だろうと思うが、『平清盛』と『薄桜記』の二つのドラマを見ていてちょっとそんなことを考えた。
 
 
 
 
 

そうだ…今日は…

 
そうだ…今日はのち様の誕生日。
Happy Birthdayのっち様。
あなたの大人のち声と、大きなのち目と、ステキなのちももと、大きな会場のライブでののち度胸、おおらかなのち笑顔が好きです。あなたの24歳がますます幸せな1年でありますよう。
ちょっとファンブログっぽい…。
 
 
 

2012年9月19日水曜日

NHK BS時代劇『薄桜記』第10回 遠い春



今週のありがたいお言葉:肝胆相照らす仲/くわばらくわばら/合点承知之助…

今回は、Xデーに向かって話がぐんぐん進みます。何時なのか、どうなのか…もう討ち入りがあるのは決まっているかのようです。もちろん視聴者には分かっているけど、劇中の人物達も全員ドキドキで身構えてます。

そこで困るのが、典膳と安兵衛。お互いに斬り合いはしたくない。なんとか避けたい。しかし江戸の男というもの、どちらも一度関わった事をやめるわけにもいかない。安兵衛が典膳に聞く「何のために?」確かにそのとおり…。江戸の時代、刀を持ってはいても実際には滅多に抜かないような時代なのに、なんとも大変なことに巻き込まれたものです。典膳さんはそもそもお旗本…。

吉良の元殿様は覚悟をなさったらしい。遺言状も書かれたそうだ。みっともない真似をして逃げ回るより潔く…とおっしゃるのですが、それは哀しい。殿、あきらめないでくださいよ。

ところで今年の大河『平清盛』で上品な藤原教長をなさっていた矢島健一さんは、このドラマで吉良家家老小林平八郎をなさっているのだけど、今回はビシビシ強い口調で部下をまとめていてちょっとステキだった。

浅野の側も密かに準備を整えてます。安兵衛もたまたま婿養子になったばかりでこんな事が起こるなんてなんと運の悪い。しかし本人は乗り気らしい。彼も何のために?ついこの間まで浪人だったじゃないの…。誉れ高きことは何よりも大切。昔とはそういう時代…。ともかく討ち入りは決まっている。そんななかで情に厚い安兵衛は必死になって典膳を止めようとする。

皆守るべきものを守ろうとしている。お家だったり名誉だったり自分の責任だったり。現代から見れば非常に理不尽であったりすることも、理屈ではない。そのような時代。そんな空気感が感じられる。脚本に書かれた会話の内容だけで緊張感が伝わる。

ところで出る人出る人が皆びしっと背筋を伸ばして、動作もぴしっとして時代劇言葉を話すせいか、みんなイイ男…男性の着物姿はいいですね。

千春さんはほんとに綺麗。着物姿がとても綺麗です。

来週はいよいよ最終回。早いな…。このドラマが終わるのはすごく寂しい。
 

2012年9月18日火曜日

映画『素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー/Robot and Frank』:人は機械を信じられるのか

 
 
------------------------------------------------------------------------------------------------
Robot and Frank2012年)/米/カラー
89分/監督; Jake Schreier
------------------------------------------------------------------------------------------------



ちょっと物忘れの激しくなった一人暮らしのおじいさん。そこに、別の街に住む息子がロボットを連れてやってくる。老人の世話をするためのコンパニオンロボットらしい。そうこの映画、お年寄りとコンパニオンロボットのお話。高齢化の進む日本でも近い将来介護ロボットなどというものが考えられているのだろうか。非常にリアルな近未来設定かな?ちょっと面白そうだ。予告編の映像で大まかな内容は分かっていたのだが、とりあえずテーマに興味を持って見に行った。


ロボットと人間は永遠にSFのテーマだ。中学生の頃、星新一さんのショートショートを貪るように読んだ。面白かった。特に生死や善悪の判断が出来ない一見イノセントなロボット(機械)のちょっと怖い話が大好きだった。

そんな影響もあってだろうか、私は機械に自分の身体の面倒を見てもらうのは真っ平御免である。私は医療や介護などでは機械を信頼できない。ロボットなんかに介護を頼んだら何かのエラーでとんでもない目にあうのではないかと怖いのである。機械には人の痛みが分からないのだ。マッサージチェアにさえ脚をぎゅーっと挟まれると恐怖を感じる。大変怖い。

一方、ロボットには妙な親しみもある。少なくともSFファンタジーの世界では、ロボットの一途にコマンドに従う様子が、無垢でイノセントなものとして非常に魅力的に描かれていたりもする。そのあたりをうまく料理したアメリカのアニメーション映画『アイアン・ジャイアント(1999年)』には大泣きした。現実にも単純にコマンドに従うロボット=アイボやアシモ君を一途で可愛い(ちょっと可哀相)とも思ったりもする。

老人と介護ロボット。そんな心理劇としても、情緒的、詩的な話としても、哲学の話としても、近未来のリアリズムとしても非常に興味深いテーマ。いくらでもいい話が料理できそうだ。すごくいい話が書けそう。ところがそんな素晴らしいテーマを、この映画は単なるハリウッド娯楽映画に料理してしまった。何のひねりも無い普通の映画。可もなく不可もなく。ロボットは可愛いですけど…。

 
ネタバレ注意

まず第一の問題は、このおじいさんを泥棒などという普通はあり得ない設定にしてしまったこと。物忘れのひどい主人公のお年寄りが、若い頃は凄腕の泥棒だったという設定が話の中心になっているのだが、これでリアルな「老人と介護ロボット」のテーマが台無し。コメディ仕立てなので、老人が泥棒だから悪いと言っているわけではないのだが、まずこのような奇をてらった設定にするだけで、話にリアルさも深みもなくなってしまう。こんなにリアルな近未来をテーマにした大変興味深い設定でありながら、妙な設定を持ってこなければ映画も作れない近年のハリウッドは幼稚。

まずはそこ。その問題が余りにも大きいので、他の小さな問題はどうでもいい。ともかくいろいろと詰めが甘くて、辻褄が合わない話もいくつかあったりして、ちょっと興ざめになってしまった。映画が悪いというよりも、過剰な期待をした私が悪いのだろうと思う。しかし最後に家族全員が美しい環境でにこにこ微笑んでそれで終わりなんてかなりひどい(笑)。観客を馬鹿にしとるのか…。おじいさんが可哀相だ…。


とにかく、素晴らしいテーマだけに非常に残念。こういうテーマの映画は、哲学的なフランス人か、頭でっかちのイギリス人、物にも魂を見ようとする日本人に撮って欲しい。想像できるリアルな近未来は、設定をリアルにすればするほど面白いし考えさせられる。

あ、そういえば、キューブリック&スピルバーグの「A.I (2001年)」などという映画もありましたね。

こういうテーマはもっともっと出てきてもいいと思う。ロボットが人間と戦うような本格SFではなく、近い未来の介護ロボットなどのリアルなテーマ。人間は機械を信じることができるのか。コマンドに従っているだけの可愛いデザインのロボットに本気で感情移入ができるのか。信頼できるのか。感謝出来るのか。友人と呼べるのか。それとも人間は機械に対して、永遠に消えない恐怖感、不信感、不安を持ち続けるのか。もともとあらかじめインプットされたそれらしい言葉だけで、そもそも感情を持たない機械と、人間は(一方通行の)擬似的な信頼関係を「本物」だと信じることが出来るようになるのか…。

またこういうテーマのリアルな映画が見たい。

 
 

2012年9月15日土曜日

Perfume「Love The World」Review - 感想


3回聴きました。以下感想。


すんなり聴ける。そもそも調子のいいダンス曲は好きなので気に入るのは予想していたけど、中田さん編集で知ってる曲を別の順番で聴くのもいいですね。

 
Edgeの⊿-MIXは嬉しい。すごくいい。

Love The World はやっぱりいい曲。いつも思ってたんだけどPerfumeの曲に時々出てくるエフェクトをかけて後ろでむにゃむにゃ言っている低い声は中田さんかな…。

・チョチョチョチョチョチョチョチョ…(笑)バックのリズムがドカドカ言ってます。誰かが力任せに太鼓を叩いてるような音。音の詰め込みがすごい。イッちゃってます…すげーお祭りあははははは…。中田さんは凝り始めると止まらなくなるんだな。ノンストップ大盛り上がり大会。笑いが止まらん。好き。

Seventh Heavenはやっぱり名曲。踊れるし。

Baby Cruising Love Perfumeの好きな曲中トップ5に入る。

Fake Itに結構はまる。最初聞いたときはあんまりだったんだけどな。「ねえ」のシングルを買ってなかったんでじっくり聴いたことがなかったけど(動画サイトでちょこっと聴いただけ)結構いい。新発見。中田さんに捨て曲なし!

Glitterはシングルバージョンを持ってなかったんで嬉しい。コレクターですから。

My Colorは違う曲。中田さんはたぶん同じ曲で100通り違うリミックスがサラッと出来る人だと思うので文句なし。何をやっても上手い!ガンガン踊れます。


さて踊り好きの人間としては以下の曲が入ってなかったのが残念。
Twinkle Snow Powdery SnowZero GravityThe Best ThingSpeed of Sound…ま、Perfumeを代表する曲達ではないな…結構踊れるんだけどな。今のPerfumeには合わないのか…。The Best Thingは今でも十分いけると思う。ダンスもかっこいいし。

それから、Computer CityPuppy Loveが入っていないということは、アイドルPerfumeを卒業したということかな。そうですね、ベスト盤的でありながらもちょっと硬派寄りなダンスアルバムということかな…。

ともかくPerfumeの重要曲をほぼ全部入れて、踊れて、海外の新規ファンにもアピール出来る素晴らしいアルバムだと思います。

 



 

 

2012年9月13日木曜日

Perfume:「LOVE THE WORLD」海外iTunes 2日目



LOVE THE WORLD」今、聴いている。イイですこれ…


二日前のエントリーPerfume:『LOVE THEWORLD』はiTunesで海外配信だそうだ で、この「LOVE THE WORLD」が海外のiTunesストアでJPN」と2曲のシングルと別括りになっていると書いたのだけど、ちょっと気になったので914日(日本時間)今日、もう一度iTunesを覗いてみた。
アメリカとカナダでは「Love The World 」が他の3枚と一緒の括りに直されてます。よかったよかった。アメリカでの人気は「Fake it 」が「Spending…」と「Spring…」に続いて3位に上がってます。やっぱり過去に公式の音源が発売されてなかったのが大きいのでしょう。4番目は「チョコ」。
 

イギリスはまだ別括りになってます。フランスもそう。ヨーロッパはみんなそう。これは問題。この別括りの何が問題なのか…。

今現在、PerfumeiTunesに参入してから日が浅いため、まだ数をあまり売っていない。その為、海外のiTunes内で「Perfume 」と検索しても自動的にあのPerfumeは出てこない。別の人の曲のタイトルが出てきたりする。だからPerfumeにたどり着こうと思うと「Perfume」プラス「作品名」を入れないと出てこない。なので私はいつも「Perfume JPN」で検索する。一旦Perfumeに辿りついたらPerfumeの括りの下に「Spending…」や「Spring…」が出てくるわけです。

そんなわけで、この新規のアルバム「Love The World 」が「JPN」や他のシングルと別括りになっていると、このアルバムにたどり着くためには「Perfume Love The World」とか「Perfume+このアルバムの曲名」をタイプして検索しないと出てこない。「JPN」や「Spending…を気に入った新規のファンがこのアルバムを見逃してしまうかもしれないわけです。これは大問題…。そういうわけでPerfumeの全ての作品はPerfumeで一括りにしたほうがいい。早く直したほうがいいと思う。

 



追記:うぎゃー!それになんでアジアのCDの発売は1015日なの?ライブの開始のたった11日前じゃないか…なんでまた直前に出すのよー…と私が一人で騒いでもしょうがない…あ、そうか、韓国とシンガポールは発売から1ヵ月後なんだ…ふ~ん…。


 

Perfume:「LOVE THE WORLD」初回盤ポリリズム



LOVE THE WORLD」初回盤、届きました!
 
さっき届いたばかり。とりあえずDVDを見て見ることにした。前情報は「FAKE IT」以外全く知らず。内容は、
1. FAKE IT  - VIDEO CLIP
2. FAKE IT - VIDEO CLIP MAKING
3. ポリリズム  - HISTORICAL LIVE ACT VERSION –
 
あれ、なんだこれ…ポリリズム・ヒストリカル・アクト・バージョン…?なんでしょう?さっそく見てみる。
ああぁ…これ…きます…(涙)…こんなのが入ってたんだ…知らなかった。ちょっと涙物じゃないですか…はぁ…長い道のりだったんだねぇ…すばらしい…うんうん。
まだDVDを見ただけでCDも聞いてないんだけど、もうこれだけでこのコンピ初回盤の価値があるな。すごく泣ける。うわーん…(涙)これは反則だよぉ。
 
私は2年ほど前にTVで彼女達の事を見てファンになったので、決して古参のファンではないけれどこれはきます。古参のファンの方々には超涙物じゃないかな…。
ほとんどの映像は過去に、有志の方々が動画サイトにあげてくださったのを見たことがあるんだけど、今回初めてそういうのが公式でビデオになったんですよね。公式に記録に残ったということ。これはすごい。一瞬ではあってもかなり昔の映像がはいってる。ショッピングモールとかレコード屋さんとか、いったいどこなんだろうっていうのもある。長い歴史です。ほんとによくがんばった。
Perfumeはいつも元気いっぱい。ずーっと歌って踊ってきたポリリズムは名曲中の名曲。始まりの歌詞「とても大事な きみの想いは 無駄にならない 世界は回る…」を聞くだけで泣ける。
Perfumeが今日この地位にあって、今も元気いっぱいなのを心から祝福したいです。