能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2022年3月2日水曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第6回「悪い知らせ」2月13日放送



★あらすじ
1180年 頼朝軍が「石橋山の戦い」平家方に大敗。頼朝達は数日間山中に隠れた後、真鶴岬から船で安房国へ脱出(8月28日)。安房国へ上陸。頼朝は安西景益の館で落ち延びて来た武者たちと再起を図る。


面白い。情報がたくさん。濃い。ドラマを見てそのあとネットで史実を調べて学んでます。調べるとは言ってもWikipediaなどをさらっと読むだけなのですけど、このドラマはかなり細かく歴史を再現しているみたいですごいなと思う。今年は簡単に似顔絵だけ描くつもりだったのだけれど、結局ストーリー+史実が面白いから筋を長々と書いてしまう。


1180年.頼朝軍平家方に大敗。敗走。頼朝(大泉洋)は石橋山山中に安達盛長(野添義弘)土肥実平(阿南健治)らと共に身を潜める。大庭景親(國村隼)の家臣が頼朝を探す。梶原景時(中村獅童)が洞窟に隠れる頼朝を見つけるが意図的に見逃す。

その頃、北条時政(坂東彌十郎)と義時(小栗旬)は、甲斐の武田信義(八嶋智人)に援軍を頼みに行く。信義は「北条が武田の家人になるなら助ける…後白河法皇の院宣を出せ」。

時政は帰途で心変わり。伊豆山権現を目指す。

頼朝は箱根権現を目指す。

時政義時が、頼朝を船で救いに来ていた三浦義村(山本耕史)らに岩浦の浜で合流。義時頼朝を捜しに行った後、浜に残った時政義村伊東の兵に襲われて船を出す。

頼朝を連れてきた義時は船に間に合わず。

頼朝義時は(8月28日)真鶴へ移動。真鶴岬から安房国(現在の千葉県南部)へ。皆で安西景益 (猪野学)の館へ到着。

宗時(片岡愛之助)の姿が見えない。

三浦義澄(佐藤B作)と和田義盛(横田栄司)も安西の館へ到着。義澄は大雨で参戦できなかった「石橋山の戦い」の帰途に、畠山重忠(中川大志)と遭遇。戦が始まり「由比ヶ浜の戦い+小坪合戦」、そのまま「衣笠城合戦」へ。三浦氏は本拠地の衣笠城を攻め落とされ、義澄の父三浦義明が城に残り討死。

武者達がいきり立つ。もう後には戻れない。

北条の館に戻っていた仁田忠常(高岸宏行)が観音像を持ち帰る。宗時の死を悟る。義時の言葉を思い出す。

やる気を亡くした頼朝に、義時がもう戦はやめられないと説き伏せる。頼朝が心を決め、武者たちに対峙する。和田義盛のやる気。

房総に勢力を持つ千葉常胤(岡本信人)と上総広常(佐藤浩市)に援軍要請の書状を送る。交渉役には和田義盛北条義時


いろんな情報がありますね。このあたりは昔歴史秘話ヒストリアで見た。
石橋山山中に隠れる頼朝達。土肥さんが頼朝に自害の作法を教えようとする。
甲斐で武田との交渉からの帰途に敵に襲われる時政義時時政がびっくりするほど強い強い。藪の中から矢を放つ武者に刀を投げて刺し、また目の前の武者に切りかかって倒す。倒した兵の水筒から水を飲む。…時政さんは合理的。自分の家にプラスになることしかやらない。この時代は忠誠心が美徳になるず~っと前なのですね。合理的なリアリスト…なるほど。
同じように三浦義村も合理的+リアリスト。
頼朝はやっぱりヘタレのぼんぼん。すぐに弱音を吐く笑。
八重(新垣結衣)が伊豆権現に北条の女達を訪ねてくる。八重は「頼朝が夢枕に立ったから生きている」と伝える。ライバル心むき出しの政子(小池栄子)。八重はそこで千鶴丸の死を知る。
安房国の安西の館に集まった武者たちの中に佐々木爺がいる。お元気だったのね。ニコニコしてる。



2022年2月28日月曜日

日本テレビ 水曜ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』第7話



今見た。もう…そりゃーもー大興奮。今回も2回ほど大きな声が出た。

あの大牙君(志尊淳)。ほぉー…びっくりしたわ。あれはきっと…数日前の夜に(前回)高梨雛子ちゃん(高畑充希)が泣いてるのを見て思わずハグしちゃったから、それで自分の中にスイッチが入ったのだろうね。彼はこの回はもう雛子ちゃん1点を見つめてる。それで飲み屋で同僚のおじさん達に「わかりやすくアプローチした方がいい」「ぶつかっていけ」と言われて、ぎこちなくも雛子ちゃんにぶつかって行ってます。

しかし結構強引。いきなり休日にアポなしで家に押しかけていく。そして雛子ちゃんもすっぴんで部屋もリアルに雑然としてるのに彼を部屋に入れる。すごいね。ケーキを買ってきてくれちゃうし。ゲームを一緒にしちゃうし。なんかもうわきあいあいと馴染んでますね。楽しいな。「俺といると楽しいくないっすか」だって。全く気付かない雛子ちゃん鈍感すぎ笑。そしていきなり料理を始める大牙。おい~。

そして雛子ちゃんの後ろから両手を回し…ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~笑…ひゅぅぅぅぅぅぅぅぅ~バンザイをして拍手パチパチパチパチパチ。いいね。いい。あははははははははははは。雛子ちゃんかわいい。いいっすね。見てるこちらが照れるわ笑。そんなに近づいたらドキドキするよねぇ。なに~この男の子結構強引。なんだか変だけど。雛子ちゃん鈍感すぎ笑笑。 …え?その後ご飯を一緒に食べる場面がなかったよ。


この回は働くママの話…真面目な社会問題も扱っているのですよ。どうやって仕事と家庭を両立させるのか。かなり切実な場面があった。いいドラマです。


しかしワタクシはキャラクターのトキメキにトキメク。最後いきなりのチューはどうよっ。夜の会社で二人きり。また見つめて「俺といると楽しい?」雛子ちゃんは鈍感ニコニコ。そして大牙君がいきなり手を伸ばし、テーブルの向こうからぬぉ~っと上半身を乗り出して雛子ちゃんの頭を引き寄せてチュ~っと。ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ笑…満面の笑顔でまたバンザイ拍手パチパチパチパチパチ大騒ぎ。よしっ。いいぞ。結構長いチュー。雛子ちゃんまんざらでもないのか?だって嫌な人がチューしてきたら一瞬で避けるでしょ。チューが継続してた。どうなの???OKなの?翌日ぽーっとしてましたね。

さて残り3回だそうですがまとまるのかな。野上フーズホールディングスの野上さん(笠松将)と付き合い始めた柚さん(片山友希)は彼に利用されているのですよね。辛いな。 最後は疑惑発覚か?もしかして大牙君が関わってるの?どういうこと?ドキドキ。最後の雛子ちゃんのアップが可愛かった。

ヤッパドラマはね、人物達がときめいてくれた方が楽しい。

後のチューの場面よりこっちの方がドキドキした


Blaise feat. Azello - The Way Love Is (2021)



いい曲


Blaise feat. Azello - The Way Love Is (2021)
The Way Love Is – Single
Blaise and Azello
Released: November, 2021
℗ 2021 Jising



英ダンス・チャートに入っていた。こういう方々が欧州の若い才能なのだろうと思う。アレンジが気持ちいい。

ダンス曲の歌詞はリズムを作り出すのが目的だろうから意味の無いものも多いのですが、この曲は、愛とはこんなものだろうか…と疑問を感じてる様子。どうやら恋人が自分のやり方を通して譲歩しないのでしょうか。最初は女の子が「愛とはこういうものだ」と納得している歌かと思ったのですが、もしかしたら彼女は愛に疑問を感じているのかも。


★Blaise
Michael-Blaise O’Brienさん。英国ロンドン在住のDJ/Producer。Ministry Of SoundのDJとして活躍。世界をツアーして回る。あまり情報がないのですけどお若い方かな?

★Azello
ロンドンのDJ/Producer Duo。これもあまり情報がない。



The Way Love Is

Blaise feat. Azello
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それが愛
それが愛 oh yeah
それが愛
それが愛

あなたは私に時間とスペースをくれる
あなたは私に あなたと一緒にいない日数を数えさせた
寂しさはなくなった
それが 私は何が欲しいのか
     私は誰なのかを教えてくれる

二つの魂が手を取り合うとき
真実は告げる 心は理解していると 
あなたと一緒にいるとき あなたは私のプランを変える
あなたは何が欲しいのかを知らせてくる yeah

それが愛
それが愛?
それが愛
それが愛、愛とはそんなもの?


それが愛
それが愛 oh yeah
それが愛
愛とはそんなもの
(X 4)


喧嘩や痛みでさえも それをする価値があるのは誰?
誰が妥協しているのだろう? 私の生活がクレイジーになった時に
なぜなら犠牲を払うのは どちらも同じでしょ
それが 私は何を欲しているのか
     私がどんな人間なのかを教えてくれる

二つの魂が手を取り合うとき
真実は告げている 心は理解していると 
一緒にいるとき あなたは私に強いる
あなたは欲求を伝えてくる yeah

それが愛
それが愛なの?
それが愛
それが愛、愛とはそんなもの?


それが愛
それも愛 oh yeah
それが愛
愛とはそんなもの
(X 2)

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2022年2月27日日曜日

今年最初の蘭の花



そういえば今日、今年最初の蘭の花が開いた。午後に気がついて写真を撮った。
去年は沢山花をつけたので今年はあまり咲かないだろうと思っていたら、二鉢の株が花芽を伸ばした。白い花はやっぱり去年よりも少し小さい。今年も猫が花の下で眠る。






SHINee – Juliette (2009)



K-POPアイドル



SHINee – Juliette (2009)
Dance Ver.
Romeo – EP
SHINee
Released: May 18, 2009
℗ 2009 SM Entertainment
▼Japanese Ver. 2011 なんとキラキラ美しい




前回2月17日の音楽エントリーに、アメリカのアイドルWhy Don't Weを取り上げて男性アイドル/ボーイ・バンドについて少し書いた

「アイドルソングを舐めてはいけない。本当に心から気持ちのいい曲を可愛い男の子達に歌わせて売る。そのために様々な人々が関わっている。インダストリーですけれど…いい曲」

それであらためて思った…男性アイドルなら今はK-POPが最高なんだろうと。


今までK-POPには興味がなくてほとんど知らなかったのですけど、去年の夏にSHINeeのバック・カタログにはまった。な~んと本当にすごいグループ。全ての曲がいい。歌もうまい。ダンスもうまい。ルックスもいい。とにかくすごいな…と驚いたのです。数曲聴き続けて夏が終わるまでにはすっかりSHINeeファンになってしまった。これがK-POPなんだ。すごいな。

だってこの曲のリリースは2009年の13年前。それなのにもう全てが揃っている。なんと高度な。なんとキャッチーな。なんと華やかな。

それに個々のメンバーの能力がすごいだけじゃない。曲が素晴らしい。作曲とアレンジは、デンマーク人のRemee Sigvardt Jackmanさん、Mich Hedin Hansenさん、Joe Belmaatiさん、英国人のJay Seanさん。曲は欧州のダンス・ミュージックなのですね。作詞はSHINeeメンバーのJonghyunさんとMinhoさん。


このブログではここ3年ほど英国の若者向けダンスミュージック界隈を追っていて、いくつか欧米の男性アイドルも取り上げたのですけど、それらと比べても、今は音楽的にもアイドルは欧米よりK-POPの方が上。以前NCT 127の曲をとりあげた時にも書いた…「K-POPは世界中から才能のある作曲家を連れてきて曲を書かせている。もしかしたらK-POP界隈に世界中から才能が集まってきてるのではないか」と。韓国はそういう高品質なアイドル産業の仕組みを作り上げている。だから今BTSをはじめK-POPが世界中で売れているのだろう。本当にすごいことです。

みんなかっこいいね。もうすっかりSHINeeファンになった。まだ全曲聴いていないのだけれどこれからもっと聴きたい。このビデオの頃はみんな高校生ぐらい?一番若いテミンちゃんは16歳ぐらいかな。みんなキラキラ。このビデオを見ると自然に笑顔になる。ありがとう。




NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第5回「兄との約束」2月6日放送


本格大河


本格大河ですこれ。お見事お見事お見事…素晴らしい。びっくりしました。

前回の4話で、人物達が面白いから似顔絵を描こうと思ったと書いたのですが、今回冒頭の戦闘シーンには驚きました。すごいわ。もうバリバリにリアルで怖い戦闘場面。生々しい。いや~びっくりした。

というのもワタクシ、三谷さん脚本の2016年の大河『真田丸』の最終回/第50話・大坂夏の陣の感想で「今の人は喧嘩の仕方を知らんのだね」と文句を言っていたのですよ。演出がダメダメじゃ…あんな物静かでゆるい戦争の描写があるものかと怒ったの。

だからびっくりです。NHKさん三谷さんすごいです今回。真田丸の時は文句を言ってごめんなさい。2022年にこ~んな素晴らしい戦闘場面が見れるなんて…感動しました。大きな拍手。


怖い。すごい迫力。冒頭の宗時の「かかれ~」の後の戦闘場面のスピード感。あぁこの戦闘って…源氏はまだ24人とか…でしたっけ?そして場面が変わって…上がった火の手を北条の館から見る頼朝「もう後には引けぬ…」。後ろから近づいた政子が不安そうに頼朝の手をそっと握る。そしてまた戦闘場面へ。鎧を着た人が刀を持って戦う音も生々しい。そして堤信遠(吉見一豊)を北条のパパ義時が討ち取ったシーンでは息を飲んだ。なんか…刀の切れが痛そうだ。グロはいかんよグロは。でもギリギリOK。本当に驚きました。怖い。

あのいつもニコニコ・ハッピーなパパ時政も、元気なポジティブ宗時も、土肥さんもガンガン人を斬ってる。すごいな~やっぱり武者なんだ…この方々、戦闘民なのね。そしてへっぴり腰の義時。彼はまだ戦に慣れてないらしい。怖がって震えているのもリアル。ドキドキした所でオープニングの曲。最初っからやるなぁ…気合が入ってます。

というわけで源平合戦の開始です。


私この辺りの詳しい出来事を知らないのですけど、このドラマはすごく情報が細かい。だからすごく面白い。丁寧に状況の解説。そして男達をしっかり描く。そして史実の間に盛り込まれる細かな情報。例えば少し前に回で、頼朝が「鯵を好まぬ」=魚の小骨がイヤ=頼朝はお坊ちゃん。今回の冒頭で政子が頼朝の手を握る様子も細やかな心理描写。

もしかして本格大河?。ですよね。この感想文は放送より遅れているので今の時点ではもう7話まで見ているのですけど面白いです。三谷さんだからコメディかと思ったら、いやそんなことはないと思います。重厚大河。俳優のオジサマ方が本当にかっこいい。男のドラマ。本格歴史時代劇。



★あらすじ
・1180年8月17日深夜(午前3時)源頼朝(大泉洋)の軍挙兵。北条時政(坂東彌十郎)、宗時(片岡愛之助)義時(小栗旬)らが、山木 兼隆(木原 勝利)堤信遠(吉見一豊)を討ち取る「山木館襲撃」。戦闘場面では土肥さん(阿南健治)が強いぞ。
頼朝は坂東での政を開始。土地の分配を始めたら平家方が激怒。

・相模の大庭景親(國村隼)、梶原景時(中村獅童)、山内首藤経俊(山口馬木也)らが3000の兵を率いて出陣。怖い。大庭さん怒ってますね。平家軍は強そう。


・8月20日頼朝軍が出陣。それまでに集まった兵は300。ずいぶん増えた。
・北条家の女性達は伊豆山権現へ避難。


・頼朝の背後からは伊豆の伊東祐親(浅野和之)=義時達の祖父が頼朝を追う。
頼朝の陣は石橋山の山中。大庭景親の陣は石橋山のふもと
・三浦からは三浦真澄(佐藤B作)義村(山本 耕史)の援軍1000が迫るが大雨のため酒匂川を渡れない。
・頼朝軍と大庭軍が戦闘開始「石橋山の戦い」←300と3000では勝てるわけがない。
頼朝軍敗退。山中に隠れる。
宗時が頼朝の観音像を取りに北条館を目指す。
・宗時が義時に語る

「俺はな、平家とか源氏とかそんなことどうでもいいんだ。俺はこの坂東を俺たちだけのものにしたい。坂東武者の世をつくる。そのてっぺんに北条が立つ。そのためには源氏の力がいるんだ。頼朝の力が。どうしてもな」
↑これこれ。これが義時の野心の元になる。なるほど~

宗時討ち取られる。←びっくりしました。怖い場面。



2022年2月22日火曜日

米ドラマHBO 『The Gilded Age』(2022) ~Episode 4:己の中のスノビズムを刺激される





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『The Gilded Age』 (2022)
TV Series/米/カラー
/約50分・全9話/
制作:Julian Fellowes』
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今アメリカで放送されているHBOの歴史ドラマ 『The Gilded Age』。初回の放送は2022年1月24日。全9話。現在第5話まで放送されている。

製作・脚本は、英国 ITV のヒット作 『ダウントン・アビー/Downton Abbey』 のジュリアン・フェロウズ/Julian Fellowes氏。彼が今回はアメリカ・ニューヨーク市の1880年代の物語を手がける。

現在視聴中。毎週月曜日に放送されるのだが、週末に録画を視聴するので今うちでは4話まで見ている。



時代は1880年代。ニューヨーク・マンハッタンの一等地。その地には、家族の歴史を200年以上遡れるオランダ系の旧家、戦争の英雄を生み出した英国系の名家など、(アメリカでの)旧い家柄を誇る人々が裕福な暮らしを送っている。彼らは数世代続く世襲制の財産「Old Money」を持つ人々。彼らは自らの社交サークル/ハイ・ソサエティーの枠の中で、富と名誉をベースに貴族のように振舞う。

アメリカでは南北戦争(1861年~1865年)の後、急速に経済が発展した。時代の波に乗って新しく成功し「New Money」を持つ大富豪が、その閉じた堅苦しい「Old Money」のソサエティーに金の力で切り込んでくる。

ペンシルバニア州で育った箱入り娘・マリアン・ブルック/Marian Brook が両親を亡くし、父方の(オランダ系旧家に嫁いだ)未亡人の叔母・アグネス・ヴァン・ライン/Agnes van Rhijn を訪ねてニューヨークにやってくるところから話は始まる。最初はマリアンが主人公かと思わされるが、実際の話のメインは1880年代のニューヨークのハイ・ソサエティーの様子を描く事だろう。

第4話まで見た印象は、旧家と新興成金の戦い。それが面白い。ドロドロしてます。(あまりにも偏見がなさ過ぎて現代っ子がそのまま19世紀に迷い込んできたような)マリアンはあくまでもサイド・ストーリー。話の中心ではない。

見所は、新興の成金・鉄道王/railroad tycoon のジョージ・ラッセル/George Russell が、いかに旧家+名家ばかりで排他的なニューヨークのビジネス界に切り込むのか、そして彼の妻 Bertha Russell がいかに排他的で堅苦しいアッパーな女性達の奥様社交サークルに切り込んでいくのか。

1880年代のニューヨークを様々な角度から描く力作。今のところ私にはニューヨークの歴史の学びにもなっていて面白いです。第4話まで見た感想は「面白い」とだけ書いておこう。その印象がこれから変わることもないだろうと思う。基本的に描いているのはゴシップ系の人間ドラマだけれど、レベルは高い。面白いです。これからも期待。


★ネタバレ注意

最初は狭い世界の中の人々の下世話などんぐりの背比べ話かなと思いながら、このドラマが面白いのかどうか探っていたのだけれど、第3話で成金の鉄道王ラッセルが、意地悪な旧家+名家の排他的カタブツたちを札束で殴り始めた辺りからドラマとして面白くなってきた。旧家+名家か?それとも鉄道王成金か?…どちらにも肩入れすることはない。しかしどちらの心も理解できる。どちらも結構下衆なのですよ。だから面白い。さてこれからどうなるか。


ところでこのドラマの最初の数話を見ていてとても違和感を感じたことがある。それは、このドラマの名家+旧家の方々が…ニューヨークだかニューアムステルダムだか知らないが…ずいぶん偉そうに振舞っていること。

というのも彼らもルーツをたどれば、元々はたった250年~200年ほど前に、ヨーロッパの堅苦しい封建制下での階級社会や宗教弾圧から逃げ出してアメリカ大陸に渡った無一文の人々。貴族なんてとんでもない ㊟1彼らのほとんどは欧州の貴族とは血縁的な繋がりがない。そんな人々がアメリカで何らかの形で成功し大富豪になった。

もしそんな彼らが新しく自由な社会を作ったのならそれは素晴らしいこと。しかし現実には、そのような(数世代続く)アメリカの成り上がり者達は、また(自分達が逃げ出してきたはずの)旧世界ヨーロッパの階級社会と全く同じサークルを作り、偏見に満ちた狭い世界で格付けをし合っている。なんだか…おかしいよね。1880年当時のアメリカ人って結局全員が成り上がり者 ㊟2 なのに(個人的な意見です)。

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追記 ㊟1, ㊟2:訂正、少し調べたら、私の無知でした。「Old Money」の人々とは、例えばアメリカがまだ英の植民地だった時代に、英国から事業主としてやってきた裕福な英国人で、独立戦争(1775~1783)以前に本国との取引で富を成した人々。その子孫が自らを「Old Money」と呼び、南北戦争(1861~1865)以降に財を成した「New Money」の新興成金と区別していたらしい。彼らは旧世界の貴族ではないかもしれないが無一文ではなかった。その「Old Money」の人々が初期のアメリカで政治家や社会のリーダーとして国を牽引したのだそう。 
アメリカの人々には大変失礼な嘘(私の思い込み)を書いて申し訳なかった。このアメリカの歴史は面白いので、もう少し調べようと思う。
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…なぜそのようなことを私が思ったのか。なぜなら(日本人をはじめ)旧世界の人間は誰でも皆過去との長い繋がりを持つわけで、それはアメリカ以外の旧世界ならどこでも同じ。(家系図を持ち出すまでもなく)旧世界の国の人間は、誰にでも国や土地に根ざした何百年~1000年を超えるルーツがあり、その文化や伝統、しきたり、社会のルールやしがらみを受け継いでいるのがあたりまえ。旧世界の人間は現在と過去に折り合いをつけながら生きている。

しかしそれがないのがアメリカ…彼らは皆なんらかの理由で旧世界を捨てた人々で、人の土地を奪って定住し、いつしか旧世界に反抗、独自の社会を発展させ富を成した人々。新しい世界をつくるはずだった人々。それなのにそんな希望に溢れた成り上がり者達が、また(新しい世界で)旧世界と全く同じ階級社会を作り上げ、自分達よりも少し後からやって来た新しい成り上がり者を排除するという皮肉。 このドラマを見ていてそんな馬鹿馬鹿しさを感じたし、もちろんだからこそ面白いとも思った。人間とはそもそもそういう生き物。


このドラマの脚本家は英国人のジュリアン・フェロウズ氏。もしかしたら彼もちょっとそんなことを考えているのではないかと思った場面が第4話で出て来た。オランダ系旧家に嫁いだ(マリアンの)叔母アグネス・ヴァン・ラインの家で働く英国人のバトラーが、通りの向かいの豪邸に住む新興成金のラッセル家にやってくる。そしてその家のテーブルセッティングを見て「うちは、こういう風には並べませんね」と違いを指摘する。正式な英国式とは違うとダメ出しをする。そうするとラッセル家のアメリカ人のバトラーはちょっと不安そうな顔をする。どんなに成金の大富豪がアメリカ人のバトラーを雇っても、近所の旧家の英国人のバトラーには敵わない。そんな格付けを必死に探っている人々。しかしそんな成金のラッセル家はフランス人のシェフを雇っていたりして…。

それを書いたのは英国人の脚本家。う~む…面白いね。こういうものも当時のアメリカでは結構リアルだったのかもしれませんよね。


2010年から英国 ITVで放送された『ダウントン・アビー/Downton Abbey』は、衣装やセットをものすごく凝っていたと聞いている。このドラマもその辺りのクオリティーを下げないようにしているだろうと期待できる。実際にセットや内装、衣装、家具…街の様子、諸々…ゴージャスです。

俳優さん達も素晴らしい。とにかく今楽しんで見てます。途中経過を記録しておく。


大まかなニューヨークの歴史
ヨーロッパ人の入植は、オランダ人が1614年にマンハッタンの南端に毛皮貿易のために建てた植民地が始まり。後にニューアムステルダムと呼ばれる。1664年イギリス人が街を征服、ニューヨークと名付けた。ニューヨークはイギリス帝国の支配の下で貿易港としての重要性を増す。独立戦争の間は大きな戦闘が繰り返され1783年の終戦までイギリス軍の占領が続いた。1790年にはアメリカ合衆国最大の都市へと成長。以降発展し続ける。1873年にセントラル・パークが開園。1898年にいくつかの郡を合わせて現在のニューヨーク市が形成される。(wikipediaより)

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余談ですがCNNやCBSの仕事で有名なジャーナリストのアンダーソン・クーパー氏の母親は、ヴァンダービルト/Vanderbilt 家の出身。彼の5世代前の祖父コーネリアス・ヴァンダービルト(1794年 - 1877年)は19世紀に海運業から始めて鉄道王となり、世界一の大富豪の一人…ヴァンダービルト家は歴史上7番目に裕福な一族となったらしい。その祖先はオランダのユトレヒト州の農民。1650年にオランダからアメリカのオランダ植民地 New Netherland に年季奉公人としてやってきた移民だったそう。このドラマで言うところのオランダ系の旧家か…と思ったらそうではないらしい。1880年の時点では、このコーネリアスが1830年代から彼一代で築いた富は成金の「New Money」とみなされたらしい。「Old Money」とは1880年以前に何世代も受け継がれてきた富を持つ一族=資産家だそうだ。(上に書いた追記を参照)