2026年6月24日水曜日

DHT Musical★『ファニー・ガール/Funny Girl』





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Funny Girl
Music by Jule Styne
Lyrics by Bob Merrill
Book by Isobel Lennart
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少し前にホノルルのコミュニティー・シアター Diamond Head Theater(DHT)でミュージカル『ファニー・ガール/Funny Girl』を見てきた。忘れないうちに書いておかなければ。

これも有名な作品ですが、私が知っていたのは1968年のバーブラ・ストライザンドの映画のみ。しかしこの映画は元々は1964年のブロードウェイのミュージカルがオリジナル。その主演もバーブラ・ストライザンド。映画はミュージカルの成功の後に作られたのですね。今回初めて知った。

残念ながら私はこの映画も見ていない。それでまたまたYouTubeで軽く下調べ。1曲だけ知っていた…「パレードに雨を降らせないで/Don't Rain On My Parade」。この1曲以外は全く知らない。


余談だけれどこの曲は…なんと英国のニューウェーブのバンドJAPANの1978年のデビュー・アルバム『果てしなき反抗/Adolescent Sex』に入っていた。あのデビッド・シルビアンがこの曲を歌っていた!その後この歌がミュージカルの曲だということもどこかで知ったと思うのだけれど、最初にアルバムで聴いた時は、JAPANの他の曲と趣が違い元気な曲調なので違和感があった。あの陰鬱なアルバムでなぜこの曲のカバーをしたのだろう?


さてこの作品は、まだほぼ新人だったバーブラ・ストライザンドが主役に抜擢され大スターになった作品だと言われている。NYブロードウェイの1964年の初演から1967年の最終公演まで、この作品は計1,348回演じられ、1964年のトニー賞に8部門でノミネートされた。またバーブラ・ストライザンドは1966年に英国ウェスト・エンドでの公演でも主演をつとめた。その後は別のキャストで米国内でのツアーやオーストラリアでも公演され大ヒット作品となった。その後同作品の映画バージョンが1968年に制作された。


ストーリーは…
第二次世界大戦前後のニューヨーク・ダウンタウン。10代の元気のいい女の子ファニーは舞台女優を目指し初めてヴォードヴィルの職を得る。美人でもなく歌もダンスもそれなりのファニーは元気とポジティブなことだけは誰にも負けない。持ち前のユーモアで舞台の人気者になり成功した。そしてハンサムな詐欺師と出会い恋に落ちる…。


元々のストーリーは実在のコメディアンヌでブロードウェイ・スターのファニー・ブライスの半自伝的な話。しかしブロードウェイでの舞台の成功はバーブラ・ストライザンドの魅力に負うところが多いだろうと思われる。ストライザンドさんはファニー・ブライスと同じくユダヤ系アメリカ人でニューヨークの下町の生まれ。言葉のアクセントも身体から溢れるエネルギーも…感性やユーモアのセンスもイメージにぴったり、ファニーには最高のはまり役で舞台も大成功。彼女は大スターになった。

実際にYouTubeで昔のストライザンドさんの映像を見て思った。若い頃の彼女はとにかく見ているだけでおかしい。滑稽というのか独特の面白さと可愛らしさ…彼女にはコメディエンヌとしての天性の才能があったのだろうと思う。そしてそのユーモアに溢れるお人柄に、

もちろんあの 偉大な歌のうまさ

このファニーの役には

コメディエンヌとしての才能とセンス
歌のうまさ
そして…
カリスマ
演技力

…が必要。とても難しい役…実際にこの作品は再現不可能なレベルの難しい作品だと思う。バーブラ・ストライザンドは奇跡的に完璧に役にフィットしていた。舞台は生ものなので、元の歌や脚本が、彼女が演じることでどんどん魅力的になっていったのだろうと思う。

歌が上手い女優は多い。コメディのできる女優もいる。しかし両方が天才的に上手い人はなかなかいない。…それがこのミュージカル作品の難しさなのだろうと思った。YouTubeで後の時代の再演の(他の女優の)映像も見たけれど、歌が上手ければ役者の佇まいシリアス過ぎたり、コメディエンヌで可愛いければ歌が十分ではない…などなどバーブラ・ストライザンドと比べるのはとても難しいと感じた。


長々と書いてきたけれど、今回のDHTはコニュニティー・シアターの舞台という感じがしたのです。演者にとって非常に難しい作品だと感じた。コメディはセンスが必要。楽曲はあまりキャッチーではないのにも関わらず歌うのが難しい曲も多い。…役者さん達にとって非常に多くを要求される作品だと感じた。そのため目を剥いて圧倒されるほどではなかった。もちろん十分に楽しめたのだけれど。


ここのところのDHTの演目は『ウエスト・サイド物語/West Side Story』や『カム フロム アウェイ/Come from Away』『スポンジボブ・ミュージカル/The SpongeBob Musical』 など、かなりレベルの高いもの(傑作レベルも)があったので、それらに比べると通常に戻ったという感じだろうか(ヒット&ミスはコミュニティ・シアターの醍醐味)。

それでも十分楽しかったです。なによりも最後のファニーの熱唱が素晴らしく、公演が終わった後は会場全体でスタンディング・オベーション!役者さん達が「ワーオ」と驚いているのが見えた笑。演じる人も観客も皆幸せ。よかった😍


このホノルルのDHT/ダイヤモンドヘッド・シアターは(観客に年配の方々が多いためか)クラシックな有名ミュージカルの公演がとても多いのです。手持ちの過去のパンフットを見直して、DHTで私が見たクラシックな作品のみを、オリジナルの初演の年と共に書きぬいてみた

White Christmas (2000舞台初演…1954年映画オリジナル)
Guys and Dolls(初1950)
The Sound of Music(初1959)
Sunset Boulevard(1993初演…1950年映画オリジナル)
The King and I(初1951)
Singin' in the Rain(1983初演…1952年映画オリジナル)
Cabaret(初1966)
Show Boat(初1927)
South Pacific(初1949)
42nd Street(1980初演…1933年映画オリジナル)
Kiss Me, Kate(初1948)
West Side Story(初1957)

…1970年以前の古典的な演目が多いです(もちろんモダンな演目もたくさんある)。しかしこのようなクラシックな演目は私にとってはミュージカル鑑賞の「学習」でもあるのです。クラシックな演目は派手なステージセットを使わない芝居と歌のみで勝負の作品も多い。コミュニティー・シアターならではのステージ芸術の基本を見せてもらっていると思う。

毎回ステージを見て様々なことを考える。
DHTにはとても感謝してます。