HIROMI EXPERIENCE 2日目。
朝、目を覚ます。そうだ今日も行くぜっ!
昨日の興奮冷めやらず。昨日の復習と今日の予習。あの気持ちいい曲は『Indulgence』。途中のソロは『I've
got Rhythm』。
昼間は一日ライブに向けて心と頭の準備。
一日中そわそわと落ち着かない。
今日は早めに会場に到着。今夜夜9時の回はこの地の最終公演。並ぶ列がどんどん長くなる。今日は人が多いぞ。…このショーは完売だったそうだ。
会場はミッチリと詰まっている。始まる前から観客の熱を感じる。会場のアナウンスの後にライブ開始。
今日は心の準備が出来ているので曲がちゃんと聴ける。昨日は最初から音の多さに圧倒されてボーゼンとしていたけれど今日は音楽を聴く。
ああ…最初の一音からかっこいい。本当にいい。気持ちいい。
そうなの。以前チック・コリアさんのライブでは「曲が難しすぎてわからない」と書いたんですけど、ひろみさんの音楽はノレる。超絶技巧でありながらリズムとメロディはしっかりしているからノリやすい。無茶苦茶かっこいい。踊りたくなる。
私の好きな音楽はノレるか、踊れるか…が大きなポイントなんだけれど、ひろみさんの曲はノレる。頭をふり背骨をぐねぐね動かし立ち上がれるものなら踊りたい。だって演奏しているひろみさんがガンガンに踊っているんだもの。参加したい。ぐねぐねタコ踊りがしたい。気持ちいい音。
今日はベースの音も聴こえる。細かい音。
天才という言葉は近年色んな才能のある人に使われるようになって、あまり珍しい言葉ではなくなってしまったんだろうけれど(私もよく使う)、ひろみさんは天才という言葉以上。天才などという言葉では言い表せない。おそらく特別な場所にいるお方なんだろうと思う。
このお方を見ていると、彼女は生まれる前、空にいた時に神様から「キミには音楽の特別な力をあげるから地上に降りていって皆を楽しませておいでね。」と言われたんだろうと本気で思う。…彼女は神様に選ばれて、そんな特殊な使命を帯びて生まれてきたのではないかと。
それなのに、ひろみさんご本人はそんな重大な使命のことなんてすっかり忘れていて、ピアノを弾く事がただただ楽しくて楽しくて楽しくてたまらない。ピアノを弾き始めたら喜びが止まらない。全てを忘れて音と一緒にひたすら遊ぶ。踊る。ピアノを弾いている間「ヒャーッアヒャ~ウッヒャ~ッヒャ~…」と全身で叫んでいるように見える。音を出すことが嬉しくてたまらない。きっとピアノを弾く間は神様と繋がってるんだろうと思う。もちろん使命も全うしている。このお方は神様の子供。こんな人は他に見た事が無い。この時代にこんなお方を見られることが幸せ。
今日のひろみさんは最初からよくお話しになる。早い曲2曲。綺麗な「Labyrinth」、気持ちのいい「Indulgence」。そしてソロの美しい「Green Tea Farm」では静岡出身であること、「緑茶は身体ににいいのよ」とお話になる。この曲の最後には(たぶん)「ウサギ追いし…」のふるさとのメロディ。
ショーは進む。即興が多いので同じ曲でも昨日とは違う音を聴いている。即興は贅沢。
そしてまた元気のいい曲。そして大きなドラムソロ。サイモン・フィリップスさんのドラムが大きい。本当にパワーパワーパワーのロックドラム。そもそもこのお方は過去にハードロックやプログレのバンドで多く叩いていらしたらしい。(後で調べたら)彼は1992年からジェフ・ポーカロ氏の後を受け継いでTOTOのドラマーを長年勤めていらしたそうだ。なんと…。 私TOTOは1992年の東京と2004年のロンドンで2回見ている。1992年の「ジェフさん追悼武道館ライブ」はとにかく長かった…3時間やったと思う。TOTOでこのお方を2回も見ていたのね。びっくりだ。
箱の音響と座った位置のせいなのか、とにかく彼のドラムの音が大きい。
ダダダダダダダカダカダカダカダカダカラカラダカラダカラダカラダカラダカラダカダカダカダカダカダカダカラダカラダカラダカラ…
延々と続く大きな音…そこにひろみさんのピアノが被さって…。
このひろみさんのトリオ・プロジェクトは、フィリップさんが最初からメンバーらしいんだけれど、なぜ彼のようなロック系の重いドラマーがメンバーになったのかが不思議。ひろみさんのピアノは激しいけれどリズムは重くない。それぞれ異質のノリですよね。いっしょになると化学反応。ライブではゴリゴリの音の戦いのように聴こえる。両者のガチなバトルの場面がいくつもあった。おそらくそれが狙いなんだろう。たぶん私の中では、ライブのフィリップさんの音は異質な印象の方が大きかったけれど、彼のドラムは絶対に忘れないと思う。本当に大きな音だった。
(ひろみさんは、2011年から数年間(先日見た)現Journeyのドラマー、スティーヴ・スミスさんともショーをやっていたらしい。これはなんという偶然。スティーブさんはつい先日ファンになったばかり。それは見てみたかった。音の化学反応は全く違うはず)
一旦終わってアンコールの最後はまた踊れる曲。ああ踊りたい。元気がいい。楽しい。彼女を見ているのが楽しい。神様の子供がステージの上にいる…。
2回見て満足しました。
素晴らしかった。
こんなにすごい方々を見れる幸運。ひろみさんを実際に拝見できたなんて信じられないような幸運。本当にありがたいです。
この地は遠いところなのに、
やってきて下さって本当にありがとうございます。
感謝してます。きっと忘れない。
HIROMI: The Trio Project
・HIROMI— piano
・Simon Phillips — drums
・Hadrien Feraud — double bass
●Setlist Mar. 18 2017
1. MOVE
2. Desire
3. Labyrinth
4.
Indulgence
5. Green Tea
Farm
6. In a
Trance (Drum Solo)
7. All’s
Well
(たぶん)
あ…そうだ。このブログでは昔「日本人はスーパースターになれるのか」などというお題で駄文を書いたんですけど、ひろみさんはそういうものはとっくに越えてます。ジャズの分野では既に本物の世界的なスーパースターだろうと思います。彼女は国籍や人種なんてレベルを超えている。共演する方々も超大物ばかり…彼らと同じレベルにいるからでしょう。ひろみさんはこれからもどんどん大きくなって…世界的に伝説と呼ばれる音楽家になっていくのだろうと思います。彼女は神様の子供だから。