能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

この度の能登半島地震で 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復興をお祈りいたします。 ★NHK による様々な支援情報 能登半島地震 義援金・支援金の受け付け始まる 窓口まとめ 【随時更新】 https://www.nhk.or.jp/shutoken/ne...

2021年9月15日水曜日

NHK BSプレミアム『ライオンのおやつ』全8話・感想



TV Japanにて視聴。日本での放送は2021年6月27日から8月15日まで。全8回。
1回目を見逃してしまって2回めから視聴を開始。


余命を宣告された29才の雫(土村芳)は、美しい島のホスピス「ライオンの家」で最後の日々を過ごすことを決める。温かいスタッフと、そして共に暮らすゲストの人々…雫は「ライオンの家」の皆と家族のように暮らす。やがて旅立つ日を迎える。


見逃した1話の中では余命を宣告された雫の葛藤が描かれたようなのだが、2話目からの彼女は既に「ライオンの家」の住人。日々の時間は穏やかに流れていった。

「ライオンの家」の毎週日曜日の午後3時はおやつの時間。ゲストはそれぞれ好きなおやつを書いた紙を箱に入れてリクエスト。その中から抽選で選ばれたおやつを皆で食べる。


ホスピスを切り盛りするマダム(鈴木京香)は言う

   おやつは心の栄養。人生のご褒美です
   おやつがあることで人生が豊かになります



第2話 雫が最初に見送るホスピスの友人・タケオ。台湾での子供時代に家族で食べた豆花の思い出を語り、「もうすぐ家族に会える」と旅立っていく。

第3話は幼い女の子モモちゃん。弱っていくモモちゃんが雫に言う
「天国に知ってる人いないんだよね。向こうで会ったら仲良くして欲しいの
雫「いいよ」
モモ「ほんと?」
雫「こちらこそよろしくね」
モモ「ありがとう」
…そして旅立ったモモちゃんは肉体から解放されて自由になる。

この場面を見ていいドラマだと引き込まれた。このドラマは死をただ辛く悲しいだけのものだとは扱っていない。死は天国への旅立ちの時。


マドンナがホスピスを開いた理由

  一人でも多くの人に幸せに旅立って欲しい。

何故「ライオンの家」なのか?

  ライオンは百獣の王。
  敵に襲われる心配はありません。
  安心して食べたり寝たりすればいいんです。



第4話は作詞家の先生。荒れていた先生はライオンの家で少しずつ心を開く

  人の幸せは、周りの人をどれだけ笑顔にできるか

最後まで前向きに生きようとした粟鳥洲友彦。彼も皆に囲まれ旅立っていく。

一人二人と旅立つゲスト達。
その度にマドンナは旅立つ者達へ、「よい旅を」と声をかける。

  魂の新たなステージに行くのだと思う。そうあって欲しいと


雫の意識が薄れる頃、雫は「ママ」と宙に話しかける。幻覚か夢か…彼女は幼い頃に亡くした母親に会っている。お母さんが訪ねてきてくれた…母は雫に言う

よく頑張って、最後までちゃんと生ききった。えらいよ

そして雫は旅立っていく。


マドンナ
生きることは、誰かの光になること。そうやってお互いを照らし合っているんだと思います」


これほど「旅立つこと=死」を真正面から扱ったドラマはあまりないかもしれない。旅立つ人を家族や友人で見送る作品はいくつか見たように思うが、主人公本人が旅立つ話はあまり見た事がない。


死は誰にも平等に訪れる旅立ちのプロセス。その時はいつかやってくる。その最後の時間が、愛と思いやりに包まれて穏やかなものであればいい。このホスピスのゲスト達ように身も心も安心して、周りの人々に全てを受け入れてもらえて、穏やかに送り出してもらえるのであれば幸せだ。

そして旅立つ者が温かく送り出された先には…「向こう側の世界」があるのかもしれない。もしその場所が存在しているのなら、残された者達もそれほど悲しまなくていいのかもしれない。旅立った者達は決して存在が消えるわけではない。向こう側に旅立っただけ。いつかまた会えるかもしれない。

そのような「死の捉え方」がこのドラマには散りばめられていた。  


長い年月を過ごし、家族や友人達の旅立ちを幾度か見送った経験を持てば、そんな想像が本当であればいいなと思うようになる。人は(命のあるもの全ては)亡くなっても完全に消えるわけではない。きっとどこかに存在している。そして残された者達は、愛する人々が今存在する場所で幸せであってくれればいいと願う。

こういう話は、一般にスピリチュアリズムと言われているのだけれど、私もいつからか信じるようになった。旅立ってしまった大切な人達が今もどこかで幸せに暮らしているならいい。こちらから会うことは出来なくても、彼らはきっとどこかで見守ってくれている。残された者達はその想像に癒される。


旅立つ前の最後の日々が、優しさに包まれたものであればいい。いい話です。


土村芳さんの繊細な演技。ホスピスのスタッフとゲストの方々も皆素晴らしかった。優しい時間がゆっくりと流れた。

鈴木京香さんのマドンナが姿も声も全てが愛に満ちていて…なんと素晴らしい。彼女はホスピスのお母さんのような存在なのだけれど…慈悲深い女神様のようだ。

お行儀のいい白いわんわんが本当に可愛かった。お利口なわんわん。



ふたつ気になった事がある。

雫のお父さん。あまりにも娘に疎外されて可哀想だった。お父さんにとって雫は、一人で育てた大切な大切な娘。たとえ再婚して子供が生まれても、雫が(もう一人の娘とともに)最愛の娘であることは変わらない。お父さんは雫に会いたかったと思う。もっと一緒に過ごしたかったと思う。

それから雫が恋をして…自分からキスをした田陽地さん。彼女がキスをした時…もっと雫ちゃんに優しいリアクションを返してあげてほしかった。女の子が勇気を出してキスをしているのだから、男の子はそんな戸惑った顔をしないで。もっと笑顔で優しく雫ちゃんの肩を抱きよせてあげて。二人の友情として。雫ちゃんへの思いやりとして…もっと肩や頭に触ってハグして雫ちゃんを安心させてあげてほしかった。難しいのかなぁ…友情と愛情のハグ…。