昨日QueenのJubilee Cerebrationについて長々と書いたのだけど、2日遅れてバッキンガム宮殿前で行われた大掛かりなコンサートがアメリカABCでも放送された。残念ながら殆どを見逃してしまって気付いたときには既に最後のポール・マッカートニーが歌っていた。この人はいつまでも若い。後で好きな人だけYoutubeの映像を探そう。
この日、Queenの旦那様のフィリップ殿下は病院にいたらしく欠席。
ポール・マッカートニーが終わった後で、Queenとチャールズ皇太子、カミラ妃がステージに現れた。Queenが話すことはなかったけど、チャールズ皇太子が観客と彼女に向けて非常に温かでチャーミングなスピーチをした。
“Mummy, thanks for making us all so proud to be British.”(ママ、僕達みんなに英国人でいる事を誇らしく思わせてくれてありがとう)。うわーちょっと泣ける。
Queenもチャールズ皇太子の時々飛ばす軽い冗談に笑う。病院のフィリップ殿下に話が及ぶと唇をかみしめた。彼女の60年の治世を称え、上記の英国の誇りに話が及ぶと、ステージを囲んだ2万を超える観衆から歓声があがる。そこへ国家“God
Save The Queen”。宮殿を取り囲んだ見渡す限りの人人人が国を愛して国家を歌う。最後にQueenが国中に灯された4200に及ぶかがり火の最後の火を灯す。
その直後、宮殿の上に打ち上げられる大掛かりな花火。奏でられる音楽はホルストの“Jupitar(木星)”とエドガーの“Pomp and
Circumstance(威風堂々)第1番 Land of Hope
and Glory(希望と栄光の国)”。これで気持ちがうわーっとアガル。この2曲は英国では何かあるたびに流れる曲。私も馬鹿みたいにこの曲を聴くだけで気持ちがあがるようになった。マジで泣きそうになる。宮殿に投写された赤白青のライト。画面は宮殿の上空を飛ぶヘリコプターの映像に切り替わる。花火と宮殿がものすごく綺麗だ。
英国には、いや国家にはたまにこういうものが必要なんじゃないかとも思えてくる。こんなに幸せそうな英国の国民。国を愛して誇りに思う国民。今年はオリンピックもある。…だけど去年は警察も手が付けられないほどの暴動が起こった国でもあるのだ。去年ロンドンは炎上した。世界中のこととはいえ英国の景気も悪いと聞く。失業者の数も増えた。そもそも普段の英国人は悩みも多く常に斜に構えたような人も多い。国中に不満が充満しているかもしれないのだ。
だからこそそんな日々、国としてたまに国民に愛国心を呼び起こさせ、幸せな気持ちにさせるのは決して悪いことではないと思う。自分達を誇りに思うなんて、普段の英国人はそんなこと大声では決して言わない人達なのだ。こんな風にわざわざ機会を与えて国民をいい気持ちにさせることも国として必要なのではないかと思えてくる。
どこかいつも自信が無くて、自分に誇りを持つことも躊躇しがちな謙虚すぎる日本。自信たっぷりすぎて、自分の間違いに気付けないアメリカ。いつも反省ばかりして文句も多いけど、時々皆で誇りを取り戻すためにお祭りをする英国。もしかしたら、日本も国のあり方を考える時にきているのかもしれないと思う。