アジア人のショービジネス界での現状 -1 ---------------
3-●アジア人の各界の成功者達
まず、なぜアジア人の欧米での人気商売が難しいのかの話を始める前に、人気商売以外のプロとしてアメリカで成功しているアジア人の名前を挙げてみたい。アジア人という枠づけで国籍の区別はしていない。職種は書かずに名前だけを並べてみた。
イチロー、ジェレミー・リン、ヤオ・ミン、マイケル・チャン、ミシェル・クワン、クリスティー・ヤマグチ、ミシェル・ウィー、小澤征爾、ヨーヨー・マ、五嶋みどり、上原ひろみ、アナスイ、ベラ・ワン、三宅一生、小野洋子、エイミ・タン、コニー・チャン。イギリスに限れば、カズオイシグロ、吉田都、内田光子…。
まだまだたくさんいると思う。こういう人たちは名も顔も知られている有名人レベルだ。それぞれの分野でそれぞれにファンや信奉者がいて尊敬されている。彼等以外にも、表舞台には出てこないビジネスの成功者、科学者、学者、ジャーナリスト、宇宙飛行士、軍人、政治家、社会の要人等それぞれの専門分野でのアジア人の成功者というのは無数にいる。
日本で基礎を学び、後に世界に飛び立って成功した日本人も数多い。最近は特にクラシック音楽での活躍が顕著だろう。若い世代の音楽家達がどんどん世界に出てきている。スポーツなら野球が一番だろうか。これらは共に日本人が長い間親しんできた趣味とスポーツの分野。長年にわたって1世代目2世代目と学び積み重ねてきたことが、ここに来て3世代目で花開いたということなのだろう。
アジア系アメリカ人の成功は、特にアジア系の移民が教育の重要さをしっかりと認識していることによる結果だと言われる。社会での成功を人生の目標に子供の教育に力をいれているアジア人家庭が多いことはよく知られている。このアメリカ社会、様々な分野で、アジア人にも成功の道は開いているのだ。
ところが芸能界、それも個人の人気商売としてのショービジネス業界で、アジア人の成功者というのは、驚くほど少ない。ここでいう成功者とは、前述のような有名人(セレブリティ)、名実ともにスターの意味で、雑誌の表紙を飾ったり、パパラッチに追いかけられたりするようなクラスの人たちの事だ。それでは、現在と過去のアジア人スター達にはどんな人たちがいるのか見ていこう。