2012年6月28日木曜日

NHK ドラマ10『はつ恋』第5回-True Heart



これはすごいです。このドラマはほんとにいい。すっかりはまりました。なのでうだうだ書きます。


まず、はっきりと言おう。このドラマの設定、全くありえないです。昼メロも昼メロ(いや見たことはないけど)のとんでもない筋書き。前回も言ったけど、妊娠までした初恋の元カレが現在おフランスの世界的な名医で、20年後、既婚の元カノの命を救う。その元カレは元カノのことが今も好き。(おまけに今回)2人は無事に別れるのに、1年後に今度は元カレがわざわざ静岡の元カノの元へ患者として現われる…。こんな話あるわけ無いですよーいい加減にしてくださいよー…。

それなのに、こんなに惹きこまれてしまうのは、脚本の絶妙な台詞、それから役者さんたちの演技が信じれらないくらい素晴らしいからです。これはいいものを見せていただいてます…。彼らがあまりにもリアルで、人物それぞれの人となりが信じられるから、ついつい真剣に見てしまう。役者さんたちがこんなに上手いと、もうそれだけで話に説得力が出てきてしまう。すごいですね。



潤ちゃん(青木崇高さん)。この役者さんは上手い。こういう人います。超いい人。この誠実な男性は、穏やかに毎日毎日こつこつと丁寧に幸せを紡いでいく人。こういう旦那さんを持った奥さんは幸せです。こういう人が女性を一番幸せにするの。派手ではないけど誠実。自分から奥さんを好きになって結婚した。そんな小さなことにも感謝しているような人。子供がステキな作文を書くと、つい嬉しくて泣いてしまう人。どちらかといえば自分が地味なこともよく解ってるんでしょう。だからそんな日々の幸せにほんのちょっとの陰りが見えると、心配で心配でたまらなくなるんですね。不安でしょうがない。その不安な表情が本当にリアル。全部信じられる。こういう人います。私は潤ちゃんが好き。こういう旦那様を不幸にしちゃあいけません。大切にしましょう。



緑さん(木村佳乃さん)。彼女もそんな潤ちゃんのことが大好きなの。それは間違いない。心から幸せな奥さん。この女性はそんな日常の、ささやかでも確実な幸せの価値をしっかりと解ってる。彼女も家族がなによりも大切なんです。この夫婦はお互いが一緒にいられることの幸せを感謝できてる夫婦。だから見てるこちらも幸せ。

じゃあなぜあの日(前回のキスシーン)わざわざ三島先生に会いにいったのか。下心があったのか…。下心なんてないです。もう一回だけ会いたかったっていうのはあるのかもしれないけど、肉食的に何かを求めて会いに行くような人ではない。ただ、うーん…運命というのか…抗いきれない力(フォース)ですかね…、無意識に引き寄せられるように会いに行ってしまう。 今回もまたそんな風に会いに行った。抵抗できないの。これがまたリアル。大人の恋愛物の一番盛り上がるポイントは、こういう抗い難いフォースに必死で抵抗している時です。

ましてや相手はいわくつきの初恋の人。これは辛い。携帯に送られてきた「出会ってから君を想わなかった日は一日もない」っていう三島先生のメッセージを、とまどい迷いながらも消去してため息をつく。これは消せないな…私なら。でも彼女は消すの。この真面目な女性は、自分の日常の幸せを守ろうと必死で抵抗してます。そんな緑さんの潔癖さやとまどいが、痛々しいほどリアルなのも、木村さんのような清潔感のある女優さんが演じているからなんです。ほんとに素晴らしい配役。(なんだか…延々と書き続けそうだ…)

今回の最後のシーンで、部屋にいた三島先生に対面した時の表情なんてすごいです。一瞬で額に血管の筋がぱーっと広がってびっくりしてるの。恐怖に近い表情。ほんとに驚いてる。こっちまで心臓がとまりそうになる。こんな演技を見せられると話に入り込まずにはいられないです。



三島先生(伊原剛志さん)。この大人の恋愛を成立させているのも、まずこの俳優さんの魅力、これにつきるでしょう。全身から滲み出るような男臭さ。こんな大人の男のかっこよさは、20代や30代の今どきのか細いイケメン君達が50人束になってもかなわない。お医者さんなんて知的な職業で完全にコントロールされているのに野獣みたいな感じ。レストランのバルコニーの手すりに肘をついた後ろ姿の白いシャツの背中がまた大きい大きい。実年齢が50歳ぐらいだからなのかウエスト周りにもそれなりのボリュームがあるのがまたいい。こういう人を見ると綺麗に引き締まった若い人の体なんてつまんないなと思う。

そんな大人のオヤジなのに、三島先生は緑さんといる時、表情が男の子に見えるときがある。レストランで緑さんに謝ってる時も、バス停で困ったように思いつめた表情も小さな男の子みたい。あー切ないんだろうな…。前回緑さんが最後に会いに来たときも、もう切なくて切なくてたまらない表情をしていた。想いを理性でやっと抑えてるんでしょう。そんな表情を見てるとちょっと可哀想にもなる。

この三島先生というのは突然やってきて、いきなり緑さんの心を乱すというそれはそれはもう大変な厄介者なんです。迷惑千万。でも潔癖で真面目な緑さんでさえも、どうしても抗えないような圧倒的な魅力を放っているわけです。伊原さんの配役は最高。こんなむせかえるような大人の魅力でこられたら誰も抗えません。だからドラマ。



こういう俳優さん同士が役柄で非常によく合っているとき、英語ではケミストリー(化学反応)などと言いますが、この2人にも間違いなくあります。切ないです。俳優さん達の繊細な表情の積み重ねが、話にどんどん臨場感を持たせます。すごいです。このドラマは一場面一場面が丁寧に丁寧につくられているんだろうと思う。素晴らしいです。

風景も綺麗。静岡の茶畑がとても綺麗。緑さんの自宅を出ると外に広がる茶畑のシーンがすごくいい。海を臨むバス停のシーンも、イタリアまがいのバルコニーのシーンもとても綺麗だった。このドラマ、綺麗なシーンが多いです。音楽もいい。

来週もまちがいなく大問題。手を重ねて筆記具を持たせてたり…ああいうのはもう作ってる人がしっかり確信犯でしょう。どうかこのまま、先に進み過ぎることなく抵抗し続けて欲しい。潤ちゃんを悲しませたくないわ。タイトルが「Endless Kiss」なんてかなり心配…前進しちゃいけませんヨ…。