能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2012年2月6日月曜日

NHK大河ドラマ「秀吉」-1


去年の終わり頃、ネットで1996年の大河ドラマ「秀吉」のDVDが発売になるとの情報を入手。待ってましたっ! 早速、ネットで予約。完全版第壱集が、発売日から二日後に届いた。やったっ!

この大河、長い間待っていた。96年当時、イギリスから年末に里帰りした折、たまたまこの大河の総集編を見ることが出来た。ビデオにも撮ってその後何度か見た。この信長に惚れた。

その後ラストサムライを見て、時代劇マイブームが始まり、いろいろとNHK大河の総集編のDVDを買ったりし始めた。この「秀吉」のことも思い出した。録画していたビデオを取り出して見たが画像が荒れていたので、どうせDVDが出ているだろうと廃棄した。ネットで調べてみるとこの「秀吉」、DVD化されていない。えっ、なんでっ?

記憶の中にある、怖い信長。その姿を捜し求めて、映画の「影武者」、大河の「黄金の日日」「国盗り物語」「おんな太閤記」、大昔の「太閤記(1965年)の本能寺」にも手を出した。…が、渡信長の怖さを超えるものは無かった。

定期的に、ネットを探る。やっぱりその月もDVDは出ていない。そんなふうに時は10年近くも過ぎた。長かった。


さて、さっそく見始めた。やっぱり面白い。大昔に総集編を見ただけなのだが全編心から楽しんでいる。戦国時代の大河は近年「功名が辻」「天地人」「江」などテレビで見たが、比べてみてずいぶん違うのだなと思う。男臭いドラマだ。ずいぶん荒っぽい。たかが16年前。だが、たった16年で世間の求めるものはこんなにも違うものだろうかと驚く。そういう時代の変化を見る意味でもこのドラマは面白い。これは良い買い物をした。

2012年2月5日日曜日

マドンナのスーパーボウル(2012)ハーフタイムショー!


見ました、マドンナのスーパーボウル、ハーフタイムショー。たった今、終わったばかり。

すごいなー。派手派手。これが出来る限りのことをやった、たぶん世界で一番お金のかかった12分のステージショー。すごいなー。これから、Youtube などでいくらでも見れると思うので、内容はあまり書きませんが、とにかく派手です。

とにかくとにかく派手派手ですごすぎる。LMFAOParty Rock Anthemで1分ぐらい出てきたり(笑)、そのほかにも(私は知らないのだけど)出てきたソウルシンガーや女性ラッパーはたぶん有名な人たちなんでしょうけど、それぞれの出演時間は30秒に満たない。なんとぜいたくすぎる使い方。

マドンナも50代半ば。もう、かつてのようなダンスのキレは無いし、おそらくほとんど口パクだと思うけれど、あの女王さまぶりは今でも健在で、ほんとにすごいもんだなと思う。これが、アメリカのショービジネスの力かと改めて驚き。

実は、一ヶ月ほど前にマドンナ本人がニュースショーの独占インタビューに出て、このスーパーボウルのハーフタイムショーのことを語っていました。「緊張するし、心配もするわよ。8分でステージを組んで12分の最高のショーをやり、また7分でかたずけるの。どうすりゃいいのよ。出来るかしら。」などと笑っていたけれど、大成功でしたね。

マドンナ健在。大昔のファンとしてはちょっとうれしい。

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スーパーボウル(Super Bowl)とは

アメリカのプロフットボールの王座決定戦。
前半戦と後半戦の間に行われるハーフタイムショーには1993年のマイケル・ジャクソン以来、毎回有名歌手等によるミニコンサートが開催される。
スーパーボウル中継は、毎年非常に多くの視聴者を集めるキラーコンテンツであり、視聴率は1991年以降21年連続で40%を超えている。2011年の第45回大会では、米国内の視聴者数が約11100万人と米国のテレビ史上最多を記録した

このため、テレビ中継に流されるコマーシャル枠の価格は世界で最も高価で、大手企業の大金を惜しみなくつぎ込んだコマーシャルが見られることでも知られている。アップルコンピュータが1984年のスーパーボウルでマッキントッシュの発売告知のコマーシャル「1984」を放映したことにより、一躍名を知られるようになったことが契機とされている。2011年現在、CM枠の価格は30秒枠で平均290万ドル(ほぼ2億円)といわれる(←今年はもっと高いらしい)。(Wikipedia)

少女時代がLate Show with David Letterman に!



少女時代がアメリカのテレビに出るということは、何日か前にネットで知っていたのだけれど…。なんと、デビッド・レターマンの番組だとは知らなかった…!!!あーびっくりした!

これはすごい。ほんとにすごいぞ。

どこかのケーブルかと思ったら、バリバリの3大ネットワークCBSじゃないですか。それもレターマンなんて、日本で言えば、誰だろう……出てこない…。とにかく「アメリカで30年に渡り司会(トークショー・ホスト)として自身の番組を持ち続けている全米屈指のトップ・コメディアンの1人(Wikipedia)…とにかく夜の1011時台になったらみんな見てるトークショー。
その人気は、バラエティ・リポート誌の発表によると視聴者数は410万人。「アメリカで最も好きなTV司会者」ランキングでは2位に入っており(Wikipedia)、例えば、前回の大統領選挙前にオバマ候補とマッケイン候補が出たと言ったらその大きさが分かってもらえるだろうか。とにかくすごい番組なのだ。
こんなのに出ちゃうなんて…。これは参りました。

さっきYoutube で映像を見たら、ビル・マーレイがトークのゲストで、彼女達は最後の歌のコーナーだけだったらしいけれど、このレターマンおじさんがまぁ嬉しそうなこと嬉しそうなこと…。

やっぱりとても華やか。綺麗。アメリカでは脚が長くて背が高いとほぼ無条件に「いいおんな」枠なのだろうけど、カメラが長身のスヨンさんを何度も大写しにしていて納得。

またまたネットで調べると、この番組の音楽プロデューサーが「少女時代は非常に興味深く、また特徴のあるグループと考えたので、出演交渉を決めた。」そうなので、なんと、あちらからお声がかかったんでしょうか。これはすごいな。

彼女達、本気でいけるのだろうか。

Perfumeの方が好きだけど、この少女時代のアメリカでのがんばりは心から応援したいと思う。同じアジア人として白人と黒人とラテン系しかいない業界にどーんと風穴を開けてほしい。ほんとに。



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Perfume を海外へ-9 海外進出の難しさ


2012年1月30日月曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第4回「殿上の闇討ち」


毎週感想を書くつもりはないのだけれど、やっぱり今週も面白かった。中井貴一パパはかっこいい。ほんとにいい。今日は見せ場があった。『王家の犬になるつもりはない』そうだ。清盛君もとても嬉しそう。
よかったね

この中井貴一パパ、昔「ふぞろいの林檎たち」で若いのかトシなのか微妙な大学生を演じていらしたのだけれど今ほんとにかっこいい。あれから30年近くたった。彼が出てくると画面がピシっと引き締まる。声がいい。所作が美しい。清盛との親子関係も素晴らしい。やんちゃ坊主な息子を、言葉少なくも暖かく見つめる懐の大きな親父の姿がとてもいい。これからも、もっとビシビシ清盛を叱り飛ばしてほしい。

画面も相変わらすゴージャスでとてもいい。贅沢な画面だ。NHKさんの公式のサイトを見たら、今年は製作の方々、とても気合が入ってるらしい。「坂の上の雲」も終わったので予算が多く使えるんだろうか。ますます楽しみだ。

それにしても、男のドラマはやっぱり面白い。日本の歴史、ほとんどは男が作ってきた歴史だ(世界中そうだけど)。そのせいだと思うが、やっぱり男主役の歴史ドラマの方が断然面白いと思う。儒教などで世の中がそうだったのだからしょうがない。これは女性がどうがんばってもどうにもならないことだ。これからも質の高い歴史ドラマをやるのなら、きちんと男らしい男を演じられる若い俳優さんを育てていくしかないと思う。

NHKさんこの調子で迷わずがんばってください。オネガイ。もっともっと平安の時代にタイムスリップしたい。この調子ならDVDも購入するワ。

2012年1月29日日曜日

いまさらの『ラストサムライ』論 - 4


この映画の監督エド・ズウィックは過去に黒澤明に傾倒し、日本の歴史を学び、その中でとりわけ西郷隆盛に感銘を受けたと言っている。ドラマの脚本、監督、プロデュース等を手がけた後、映画監督として活躍するようになるのだが、その頃から、この西郷隆盛と西南戦争を題材にした作品を作りたいとずっと企画を暖めてきたのだという。
 
要は、このラストサムライ、監督本人自ら過去に日本史を学び、そこから武士道の哲学も学び、それに感銘してくれたからこそできた映画なのだ。一般の西洋人が日本人や日本の歴史に興味を持つことはほとんどない。トムクルーズが単なる話し手として登場するのも、ズウィック本人が、アメリカをはじめとする世界の観客に、彼の大好きな日本の侍文化を紹介したかったからなのだ。ズウィックがたまたま日本史好きで、たまたま優秀な映画監督だったから140億円もかけてこんな大作を、ありえないくらいの愛情をこめて作ってくれたわけで、このような偶然はなかなかあるものではない。いやむしろ奇跡だと言ってもいい。もうこんな映画は二度と作られないだろうと思う。そんな稀有な偶然の結果から生まれたこの映画に私はまず感謝したいと思う。

西洋でもおおむね高く評価されている。封切からもう10年近くたっているのに、IMDB(映画データベースサイト)では、10点評価で7.7点。なかなかの高得点だ。同じジャンルの歴史大河でグラディエーターが8.4点、ラストエンペラーが7.8点、キングダムオブヘブンが7.1点などを見ても、このジャンルのものとして大変高く評価されているのが分かる。トムクルーズの人気に負うところも多いだろうが、何よりも魅力的な悲劇のラストサムライ達への賞賛が高得点の理由だろうと思う。

イギリスでの評判もよく、映画館の客席は何度行ってもよく埋まっていた。とくにマイノリティと言われるアジア人や黒人、中近東人をよく見かけた。しばらくたってから郊外でタクシーに乗ったら、運転手さんが、ラストサムライに感銘して日本史の本を読んでいると話してくれたこともあった。いい思い出だ。封切られた週には、イギリスで一番の新聞 Times誌の日曜版にも長文のレビューが載っていた。ただ評価は中ぐらいだったのだが、批評家が「19世紀の日本を現在のアフガニスタン、明治政府を彼の地の新政府、勝元の一族をタリバン、トムクルーズを当時タリバンに入隊して捕まったアメリカ出身の白人の男性」だと例えたときには、さすがに頭を抱えてしまった。

ともかく話は長くなったが、この映画のおかげでで私の娯楽の幅もずいぶん広がった。それまで、時代劇など見向きもしなかったのに、この映画の後から、憑かれたように時代劇を捜し求め、日本史の資料、小説なども読み漁った。2005年から2年間一時帰国をしたときにも出来る限り歴史物を見るようにした。そして日本では歴史物は映画よりもやっぱり大河ドラマが一番かなとも思うようになった。過去の大河ドラマのDVDまで買って見たりした。まだまだ見ていないものも多い。これからも楽しみは無限にある。それにしてもイギリスに10年住んでまさかこんなに日本史ファン時代劇ファンになるとは思わなかった。人生は分からないものである。■


いまさらの『ラストサムライ』論 - 1
いまさらの『ラストサムライ』論 - 2
いまさらの『ラストサムライ』論 - 3
いまさらの『ラストサムライ』論 - 4



2012年1月26日木曜日

いまさらの『ラストサムライ』論 - 3


この映画の日本人「ラストサムライ」勝元とその一族は、大変に誇りたかく威厳に満ちた姿で描かれている。勝元達が(西洋が近代化で失った)清廉さ、誠実さ、高潔さ、気高さなどの古き良き時代の大変美しい象徴のような存在で描かれているのに対して、近代化西洋化を推し進める大村、バグリー大佐は悪として描かれている。その中間にトムクルーズ。元々悪のサイドから雇われてやってきて勝元(善)サイドの捕虜になり、村で暮らすうちに、そのサムライ一族の美しい生き方に魅了されていく。最後は勝元の側で戦争に参加し、奇跡的に生き残り、最後の生き証人として「ラストサムライ達」の哲学を天皇(日本人)に伝えるという役回りだ。トムクルーズは結局伝達者でしかない。この映画の英雄は、勝元率いるラストサムライ達であることは言うまでも無い。

端的に言って、これほど日本人の自尊心をくすぐる話もないだろう。勝元のサイドはただただ完全なる善として描かれ一切のよどみが存在しない。現代の日本人は近代化の結果こうなったわけで事実上は大村側なのだが、映画を見ている間はみんな勝元率いるラストサムライ達の側に立つ。私ももちろん勝元側に入れ込んで映画を見た。いろいろと妙な映画であることは間違いないが、これまでの映画史上、これほど日本人が外国人に真正面から褒められたこともないだろうと思う。私も多くの日本人もそれにころっと参ってしまった。いい気持ちだもの。

個人的な意見だが、こういう映画は日本人にはまず作れないだろうと思う。それは国内の内戦をこれほど明確な善悪で分けることは不可能であること、それにどう間違っても封建制度がユートピアで近代化は悪などという設定は、現代の日本人には考えられないからだ。美しい武士道とは言っても、それを支えていたのは窮屈は身分制度だったことを私達は常識レベルで知っている。それに近代化を進める大村を悪に仕立てることは間接的に明治時代以降の日本を否定することになりかねない。この映画の監督が外国人であるからこそそんな現実をばっさりと切り捨て、悲劇的な滅びゆく英雄として絶対的な善のラストサムライを作り上げることができたのだ。そんなことは私達日本人にはできないだろう。だからこの映画はエンターテイメントとして非常に面白いのだ。


いまさらの『ラストサムライ』論 - 1
いまさらの『ラストサムライ』論 - 2
いまさらの『ラストサムライ』論 - 3
いまさらの『ラストサムライ』論 - 4



2012年1月25日水曜日

いまさらの『ラストサムライ』論 - 2


日本人から見たこの映画の評価はおおまかに2つに分かれる。(ここで使う「外人」はそのまま多少の侮蔑的排他的な意味を含んだものです)
 
1.       外人なのに、こんなにすごい、すばらしい時代劇映画を作った。
2.       やっぱり外人だから、こんなに変な時代劇映画を作った。

いずれにしても、おかしいくらいに日本人のプライドを大変刺激される映画だということだ。それに実はこの両方の意見、ともにこの映画に対する評価として正論だったりもする。
~∞~
まず第一にこの映画、時代設定はともかく、見かけ上は戦国時代。これが言葉を無くすほどかっこいい。最初の森での戦いで、青い霧に包まれた木立の中、法螺貝が鳴り響き、そこからスローモーションで馬上の武士の兜の影が浮かび上がるとそれはそれは怖い。あの時点で観客はトムクルーズに感情移入しているので、霧の向こうに浮かび上がるのは得体の知れない魔物の群集だ。そのあと一気に速度が速くなって、周り中を馬上の侍達に取り囲まれおろおろしている間に、バタバタっとすべてが終わってしまう。最後まで緊張の頂点のままトムクルーズは捉えられる。そこへ、ケンワタナベがのしのしと出てくる。ものすごい迫力だ。

これが、ハリウッド流アクション映画のスピード感か。こんな見せかたをされると、いやがおうにも感情をゆさぶられてしまう。映画としてほんとに上手いなと思う。アクション場面の見せ場がものすごく華やか。それと対比するような静かな山村の場面は、厳かで細やかで大変美しい。善と悪の分かりやすいストーリー。そうやって、2時間、中だるみすることなく一気に見せてくれる。


「外人なのに、こんなにすごい時代劇映画を作った。こんなにかっこいいなんて。こんな見せかたができるなんて…」
凄腕の監督が140億円もかけて最高のスタッフで見せてくれたハリウッド流の映画の作り方。俳優達は日本人。材料は日本人が何十年と誇りをかけてやってきた時代劇。こんなに違うのか…。これが、私を含めた多くの日本人を仰天させた本当の理由だろうと思う。
 
~∞~
低評価の「やっぱり外人だから、こんなに変な侍映画を作った」という意見も至極まっとうなものだ。日本史に詳しくない私でさえ「それはないだろう」という、時代考証もめちゃくちゃな場面があったりする。少しでも歴史に詳しい人達からみればおかしな場面はいくらでもあるのだろう。
ただ、この映画は過去の時代を舞台としたファンタジーで、それがたまたま日本であっただけで歴史劇ではない。所詮アメリカ人が作った日本を素材にした娯楽映画だ。素材が近代日本史であったために、また映像自体にも妙なリアリティがあるために史実だと勘違いをしてしまいそうだが、日本側に専属の時代考証スタッフ、製作スタッフを求めていないことから見ても、この映画を史実として作ろうとしていたとは考えられない。むしろリサーチのみによって(架空とはいえ)ここまで昔の日本を作り上げられるハリウッドの製作陣の底力にはさすがとしか言いようが無い。これはハリウッドが出来る限りの努力をしてそれらしく作り上げた似非の歴史リアリズムだ。だからそんな映画を、日本人が重箱の隅をつつくように史実と違うなどと非難するのも妙な話だ。
 
~∞~
結果的にこの映画は、いろんな意味で日本の時代劇作りを変えたと思う。まず日本の時代劇の製作者にとってはいい刺激になっただろうと思う。もとより140億円も制作費にかけるようなハリウッド流をそのまま真似することは出来ないが、それでもカメラワークや演出など学べるところはたくさんあったはずだ。まず負けん気の強い製作者なら「時代劇は日本人のもの。外人などに負けてはいられない」と一念発起してもおかしくはない。いやそうであってほしいと思う。そんな結果のひとつが最近の「風林火山」「龍馬伝」、今年の「平清盛」などの、リアルさを追及した一連の大河ドラマだろうと思う。その影響力は私達が思う以上に大きかったのではないだろうか。


いまさらの『ラストサムライ』論 - 1
いまさらの『ラストサムライ』論 - 2
いまさらの『ラストサムライ』論 - 3
いまさらの『ラストサムライ』論 - 4