2012年6月5日火曜日

NHK大河ドラマ「平清盛」第22回「勝利の代償」


またよかったです。さすがに戦の前夜や真っ只中のようなドラマはなかったけれど、いろいろとベタとはいえ、すんなりと楽しめました。

さてこの大河、前も言ったけど、主人公の清盛君がどうもいけない。なんだか青い。いろんなことがすごく青い。それに無神経。子供時代からよく喚く単細胞の騒がしい人だったけれど、基本的に中年になっても同じ。まず、忠正叔父さんを捕えて匿って、それで彼が救えると信じているところなんかものすごく甘い。「余計な事をするな」と叔父さんを捕えた忠清を咎めた盛国のほうがずっと大人。その直後に清盛が「いやワシが命じたのだ…」で、がくっときた。その後、これからどうなるかもわからない叔父さんに「僕播磨守になったんだ。面白いでしょ。」などという無神経。最後に叔父さんの死刑を宣告されると「ぇえええ…?」顔。馬鹿じゃないの。人物の深みも何もあったものじゃない。叔父さんも「あいつは最初っから問題児だと思っていたけど…。」案の定という感じでしょうか。先週は弟くんも愚痴っていたし。こんなふうにこれからも、ちょっとあほな清盛君に周り中が振り回されていく話なんだろうか…。ま、そういう設定ならそれでいいですけど。

それに清盛と義朝のおふざけ友達シーンもいらない。あんな現代劇はいらない。清盛君は得意満面でこれから武士の世だなどとエラソーに騒いでいるけど、あなたは叔父さんとうだうだ言いながら斬りあっただけじゃないの。結局兎丸に蹴散らされるし。義朝君は、文字通り死闘をしてきたのよ。


他の人物は相変わらずいい。

今回の、負けた側の敗走の場面はリアルでした。頼長の場面はかなりきつい。首を射られて、父親に見捨てられ、ぼろぼろになった籠の中で涙を流しながら自害。あーつらい。でも、史実なんだそうだ。うわー苦しい…。たまたま見ていた旦那Aも口元を押さえて顔を青くしてました。たった1回だけなのに男色の印象が強くてイロモノかと思ったけれど、この人のことはもっと知りたかった。後で信西が在りし日の頼長を回想するシーンで特にそう思った。生きている間にああいうシーンでもっと頼長の人となりを知りたかった。父親との関係もそう。粛正と男色だけの印象なんだもの。今回で死んでしまったので、ますますそう思う。ほんとにいいキャラだったのに。最後は可哀想だった。

崇徳上皇も、輿から出て出家できずに泣く。やっぱり悲しい。「生まれてからずっと何一つ思い通りにならない…」は悲しすぎる。ネットでちょこっと調べたら、このお方は有名な怨霊になられたそうだが、ほんとうに可哀想だ。なんにも悪いことしてないのにね。

平家側。忠正叔父さん。入魂の演技。力入ってます。こういう人がもうすぐいなくなるのは、ドラマとして痛手。大人だもの。最初は理不尽な意地悪オヤジ、途中からお茶目、それから優しい叔父さん、最後は強いオヤジといろいろと性格が変わったけど、ここ3回は魅力的でした。来週は辛いな。

源氏側。為義パパ。もう最初っから弱々しいお方で、どうしてこんな人から漢義朝や怪物為朝が生まれたのかも疑問なくらいだが、今回義朝が殿上人になったと聞いて、ほんとうに嬉しそうな顔をした。この人がいなくなるのも悲しい。


後白河天皇。やっぱりいい。この人はたまらんね。オレ様、超ドS(エス)だと思う。歴史上のこのお方がどんな人なのか知らないけれど、まぁこの天皇は悪そうだ。やっぱり一度グレた人は怖いもの知らず。今回の戦勝も当たり前だ顔。本当は武士に感謝なんかしていない。そんな無情な彼の下で武士は泣く。たとえ負けてもこの人ならへとも思わないんだろう。すぐ傷ついて泣く崇徳上皇の繊細さとは対極。得子さんにちょっとやり込められると「だってオレ様生きてるじゃねーか。ドウヨ。はははは…。」うわー得子さん大丈夫か。あぶねー。こいつは何を言い出すかわからんぞ。もちろん逆賊のお兄さんには薄ら笑いをしながら流罪宣告。嬉しくてたまらないらしい。こんな人にかかったら皆明日の首の心配をしたほうがよさそうだ。

得子さんもあいかわらずまたきつい女。いいと思います。

信西。やっぱり黒い。しかしいろいろと思うところもあるのだろうインテリな黒さなので見ていて面白い。

義朝はいつもどおりCOOLです。捉えられた父親に会おうとしないところはいかにも。この人の一貫した性格描写だけは一切変わることが無い。見事です。今回はあまり出番が無かった。

由良御前。この人もいい。あまり義朝に愛されてないのかな。最初っから「役にたつ」とか言われていたし。しかし惚れた女の弱みか…。文句を言わず、しっかりと強く正しい正妻の役を責任を持ってこなしている。涙をためて義朝に食って掛かる彼女。普通なら時代的に考えても女が出しゃばってと興ざめなところだが、彼女ならいい。この女性は魅力的。がんばってね。応援してる。


さて来週は、もっとヘビーです。しかし、一族の棟梁がわざわざ罪人(それも親族)を処刑する必要も無いだろうと思うが、これはベタなドラマ仕立ての演出なんでしょう。さて来週泣けるのか…?