能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2022年6月3日金曜日

米ドラマHBO 『Winning time: the rise of the Lakers dynasty』(2022) 全10話:最後に近づくにつれてドラマの凄さがわかり始める



Winning Time | Opening Credits


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『Winning time: the rise of the Lakers dynasty』 (2022)
TV Series/米/カラー
/約59分・全10話/
制作:Max Borenstein、Jim Hecht』
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まず一言。ここのところワタクシの文は長い。長すぎる。おそらく老化のせいだろう。このドラマの感想文を書いた後で思った。適当に文をカットして少しまとめればいいのだが、それはめんどくさい。それも老化だ。だからそのまま載せる。



スポーツ観戦にそれほど興味のない人間には、スポーツ関連のドラマや映画はハードルが高い。スポーツと言っても色々だが、そもそもそのお題のスポーツや時代背景のことを知らなければ、どうやって興味を持てばいい?

というわけで私がこのドラマを見た理由はもちろん旦那A。
去年から大谷翔平さんで初めてアメリカの野球に興味を持ち…、
そこで旦那Aが勝手に録画して見ることになった映画…

映画『マネーボール/Moneyball』(2011): 安く効果的にチームを構築する

…これが結構面白かった…と言ったら旦那Aがどうやら「妻はスポーツモノもいける」と思ったらしく…今度は勝手に70年代後期から80年代初期のアメリカのバスケットボールのドラマを録画していた。

というわけで見始めたHBOのドラマ『Winning time: the rise of the Lakers dynasty』。初回の放送は3月6日。最終話は5月8日。全10話。


よく出来た再現ドラマ70年代後期から80年代初期の時代の雰囲気もリアル。人物達の服装も髪型もよく再現。映像まで多少色あせたように黄色味がかっている。私にとってあの時代は…中学や高校生の頃、雑誌やテレビや映画で見ていたアメリカのイメージのそのまんま。そのイメージが旦那Aにとっては実際のティーンの頃の思い出だ。アメリカ人中年の青春時代の再現。だから彼には懐かしいだろうし初回から面白がっていた。

私にとっての1979年1980年頃のあの時代はディスコでありチャーリーズ・エンジェルであり、チープ・トリックにキッス、エイリアンにスター・ウォーズ、ドナ・サマーにシックにスーパーマン、ザナドゥにレオタード。ブルック・シールズにクリスティ・マクニコル、ジョディ・フォスターにテイタム・オニール、マッケンロー × ビョルン・ボルグ(←スウェーデン人だが彼はセットで出てくる)そしてジミー・コナーズの怒り顔だ。そんなアメリカの文化を遠く日本から見てドキドキしていた。懐かしい時代ですよ。



さてドラマ。私は最初は予想通り苦戦。プロ・バスケットボールのチーム「ロサンゼルス・レイカーズ」の成功物語なのだが、私には全く知識がない。何度も旦那Aに説明を求める。


主人公(の一人)ジェリー・バス/Jerry Buss (John C. Reilly)。彼は不動産業で成功したビジネスマン。彼がNBA (The National Basketball Association) のチーム、ロサンゼルス・レイカーズを買い取ってオーナーになったところからストーリーはスタート。大まかな筋は、彼がレイカーズのオーナーになり、チーム内の様々な事柄を揺さぶって再構築…新しいコーチを雇い選手と契約をしトレーニングをし…そこからチームが勝ち始める。その時にチームと契約をしたのが有名なマジック・ジョンソン/Earvin "Magic" Johnson Jr.。このシーズン1の最後は1980 NBA Championship優勝。そしてジョンソンは新人ながらファイナルMVPを受賞。

実際には、このマジック・ジョンソンが在籍した時代はレイカーズの黄金時代。ジョンソンとカリーム・アブドゥル=ジャバー/Kareem Abdul-Jabbarのコンビが誕生。1979年から1991年の時代はレイカーズの「ショータイム/Showtime」と呼ばれた。


おそらくドラマのシリーズは、これからいくつかのシーズンを使ってこのレイカーズの黄金時代を描くものなのだろう。シーズン2もすでに決定しているらしい。



このシーズン1はその初期、1979年から1980年まで。ジェリー・バス氏がレイカーズを買収してから「ショータイム」が実際に始まるまでの準備期間の話。だから結構退屈な場面もある。

将来有望な学生プレイヤー、マジック・ジョンソンと契約し、有能なコーチJack McKinney氏、Paul Westhead氏、Pat Riley氏を雇いながらチームを構築。新しく契約した若者・ジョンソンがどのようにチームに馴染んでいってチームが出来上がっていくのか。またオーナー、ジェリー・バスのアイデアで「バスケットボールの試合はスポーツイベントとという概念を排除し、エンターテインメントの見世物として捉え」イベントを活性化させていく様子などなど。かなり詳しくレイカーズの成功の舞台裏を見せてくれる。


回を重ねるにつれて少しずつ面白くなる。私に前知識がなかったので最初はなかなか話に入り込めなかったが、レイカーズの「あの時代」に馴染みがあるのであれば、最初からかなり面白いのだろうと思う。

私は最初はこのドラマをマジック・ジョンソンの伝記ドラマだろうと思って見始めたのだけれど、彼の話というよりもレイカーズのチームの話なので混乱した。

全10話を見てやっとこのドラマの意図が理解できた。レイカーズの黄金時代の話なのですね…そういえばタイトルも『Winning time: the rise of the Lakers dynasty』だった。おっとそのまんまじゃないか。

マジック・ジョンソン氏以外、なんの知識もなかったけれど全部見たら面白かった。よく出来た入魂/力技の作品だというのもよくわかる。製作のものすごい情熱とエネルギーを感じる。


まずあの時代の再現が素晴らしい。現代の役者さん達を使っているのにあの時代そのまんま。すごいと思う。なんとなく洗練されていなくて男性も女性もむさ苦しい。英語のscruffyな感じもそのまんま。あの時代は髪型もスタイルも野暮ったかったのだなと思う。みんなタバコを吸う。皆髪形がすごく変。その野暮ったさもリアルに再現。もちろん人物達だけではなく部屋のインテリアなどのセットも風景もそれらしく古い。

脚本の時代再現もリアルなのだろうと思う。あの時代は男性が今よりずっと野蛮(日本もそうでした)。特にプロ・スポーツの世界だからというのもあるけれど、それにしても言葉づかいが荒い。特にコーチの一人Jerry West氏が(脚色なのだけれど)とにかく言葉が汚くて驚く笑。F言葉があまりにも多過ぎて何を言っているのかわからないほど笑(御本人はあれほど口の悪い人ではなかったらしい)。 皆すぐに怒りを爆発させるし、大声を出すし、とにかく荒々しい現場。マッチョな時代。そのあたりの再現もうまい。男性がマッチョなら当然女性との生々しいエロいシーンも多い。ベビー・ブーマーが若者だったあの時代は様々な事がワイルドだった…あの時代のアメリカのそのような話は日本にも色々と聞こえてきていた。

そして脚本がリアルなら役者さん達も巧み。Jerry Buss を演じるJohn C. Reillyや母親のSally Fieldが上手いのは当然。それ以外の人々も全てうまい。それがすごい。たぶんこのドラマで有名な俳優はJohn C. ReillyAdrien BrodySally Fieldぐらいではないかと思う。それ以外はほぼ無名か助演の多い中堅どころ。それなのに全員が1980年頃の人物を自然に演じているのは皆演技が上手いからなのだろう。

特にバスケットの選手達に驚く。元々の選手達に似た俳優を連れてきて…それぞれが役者として上手い。全員上手い。すごいです。そして皆かっこいい。 マジック・ジョンソンのQuincy Isaiahが似ている。Kareem Abdul-Jabbar選手を演じたSolomon Hughesは役者なのに身長が211センチ。そんな高身長の役者さんがいることにも驚く。Norm Nixon選手を演じるのは御本人の息子さん。Larry Bird選手を演じるSean Patrick Smallもそっくり。彼らはおそらくほぼ無名。それなのに役者としてうまい。みんな上手い。ハリウッドの役者の人材のプールがどこまで大きいのか…と驚いた。キャスティングだけでもものすごいドラマだと思う。もちろん俳優を活かすのはうまい脚本。まず脚本が上手いのだろう。



最後のエピソード10は1話ほぼ全てを使って1980 NBA Championshipのゲームを見せる。これが盛り上がる。それにそれまでの皆の苦労を9話分見てきているので大変興奮する。カメラワークも編集も巧み。実際のゲームを見ているよう。うまい。最後は盛り上がって終了。

面白かった。アメリカのプロの力技。ものすごいドラマ。

スポーツに興味の無い人は最初は苦戦するかもしれないが、レイカーズの情報をある程度仕入れて見ればもっと楽しめると思う。9話かけてだんだん馴染んできて10話目は最高に盛り上がった。

またシーズン2も必ず見る。



2022年6月2日木曜日

Zoey Jones - US TWO (2021)



お洒落


Zoey Jones - US TWO (2022)
Us Two – Single
Joey Jones
Released: October 1, 2021
℗ 2021 Love Struck Records

 (Sebb Junior Remix) 
Us Two (Sebb Junior Remix) – Single
Joey Jones & Sebb Junior
Released: March 11, 2022
℗ 2021 Love Struck Records



いいですねぇ。肩の力が抜けていて気持ちいい。夏に向けてのリリースかと思ったら去年の秋の曲。夏の恋の思い出。いかにも欧州のお洒落な音。

今リミックスがUK Upfront Club Chartに入ってます。Sebb Juniorのリミックスのリリースは3月。これが今チャートに入っているのですね。

2、3週間前からチャートに入っていたと思うのだけれど、2、3回聴いただけで頭の中でず~っと流れてる。穏やかな曲なのに頭に残るお洒落音楽。元曲もリミックスもどちらもいい。元曲の忙しいベースとコーラスがいい。かっこいい。

そういえば今週末の英国はエリザベス女王のプラチナ・ジュビリーのお祝いですね。おめでとうございます。


★Zoey Jones
英国ロンドンのSinger、 Songwriter、DJ、Producer。2002年に英国のリアリティ・ショー『Pop Idol』に出演。そこからポップスターの階段を上っている。ジャンルはlounge、 chill out 、deep house。お洒落系ですね。アルバムも沢山出しているみたい。とびDJとしてもライブで世界中を回っているらしい。

★Sebb Junior
フランス人のDJ、Producer。スペイン在住。ToolroomやHed Kandiなど様々なレーベルから曲をリリース。


US TWO

Zoey Jones "
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夏の日を胸に
あなたを夢見る
思い出はここに駆け巡る
私達が一緒だった時…

私の横にあなたがいて
シャルドネを共に飲み交わし
青い波を見つめていた

Ba da da
Ba da da
Ba da da
Ba da da

入り江まで歩く
手をとりあって
何も言うことはない
二人ともわかっているから
あなたの冗談に笑い 微笑んで
なんて素敵な時間
ほんの短い時間だった

Ba da da
Ba da da
Ba da da
Ba da

Ba da da
Ba da da
Ba da da
Ba da

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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第20回「帰ってきた義経」5月22日放送



「帰ってきた義経」の意味 泣


★あらすじ
文治3年 1187年 源義経(菅田将暉)が平泉に戻ってきた。藤原秀衡(田中泯)が温かく迎えるが程なく死去。源頼朝(大泉洋)は北条義時(小栗旬)を奥州へ送り、後を継いだ藤原国衡(平山祐介)泰衡(山本浩司)兄弟を争わせ、義経を討たせるよう命じる。計画は成功。義経は泰衡に討たれる。

藤原秀衡


まず奥州で何があったのかWikipediaから
文治3年(1187年)
2月10日 藤原秀衡義経を受け入れる
10月29日 秀衡 死去 
側室腹の長男・国衡と正室腹の次男・泰衡の仲は険悪。後継者は正室の生んだ次男・泰衡。秀衡の命により、長男・国衡には父の正室の藤原基成の娘を娶らせる…兄弟が争わぬよう国衡と泰衡を義理の父子関係とした。
秀衡の遺言は「義経を主君として給仕し、三人一味の結束をもって、頼朝の攻撃に備えよ」
文治4年(1188年)
2月と10月頃 頼朝は朝廷に宣旨を出させて泰衡基成義経追討を要請
文治5年(1189年)
2月15日、泰衡が末弟の頼衡を殺害
2月、3月、4月、頼朝 奥州追討の宣旨を朝廷に要請
(ドラマで義時が平泉に出向いたのは閏4月頃)
閏4月30日、泰衡 従兵数百騎で義経の起居していた衣川館を襲撃。義経と妻子、彼の主従を自害へと追いやる(衣川の戦い)。館を平泉の兵に囲まれた義経は、一切戦うことをせず持仏堂に篭り、まず正妻の郷御前と4歳の女子を殺害した後、自害して果てた。享年31
6月13日、泰衡 義経の首を酒に浸して鎌倉へ送り恭順の意を示した。


京から逃げた義経が奥州に入り、藤原泰衡に討たれるまでの話。

奥州の藤原氏と義経を警戒した頼朝が、朝廷に働きかけて泰衡と基成に義経追討を要請したり、奥州追討の宣旨を要請したりと藤原氏にプレシャーをかけ続け、その圧に負けた泰衡が義経を討ったのが記録にある本当の話らしいです。


とうとう義経が死んでしまったわ泣。もう少し最後の場面を描いて欲しかった。弁慶の立往生も。古典的見せ場が見たかったと思った。


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今回は多少無理があると思った設定があったので書いておこう。文句ではない。脚色を面白がってます。ドラマはすごく面白いです。

★義時はどっちの人?
このドラマはフィクションの設定で、義時が奥州に使者として出向く話。義時はフォレスト・ガンプの様に様々な事柄に関わってます。

しかしだからこそ不自然でもあったりする。

義時はストーリー上、今でも「いい人」扱いなのだろうか? 頼朝に「九郎を生かして連れて帰るな」と言われる。それで頼朝に言われるまま自らのアイデアで藤原泰衡に義経を討たせるように仕向ける。結局義経を殺したのは義時のようなもの。粛々と冷静に計画を実行している。

この回の頃の義時はほぼ26歳。頼朝に仕えて結構な時間が経ってる。以前の上総広常や義高、それに静御前の子供などなど…もうそろそろ義時も頼朝のやり方に慣れただろう。もう「義経を殺せ」と言われても驚かないのでは。義経に関してはいずれこうなることもわかっていただろうし。しかし義時、この回も頼朝の言葉を聞いてショックを受けたような顔をする。まだ慣れないのかな。

今回義時は、義経に静御前の事を話して意図的に義経を苦しませ怒らせ、その義経の怒りを泰衡に報告し、泰衡に義経を討つよう進言している。義時は結構な悪人ですよね。義経を助けようなんて微塵も思っていない。

それなのに、義経とは最後まで友人のように親しく話をしているのもまた変。う~む。そろそろ義時は自覚のある悪い奴になった方が自然かも。粛々と仕事をする義時は頼朝の道具。(主人にとっての)善児のあり方とそれほど変わらなくなってきているのかも。

★義時は善児と兄・宗時のことを知っているのか?
知らないのだろう。

★義時は奥州出張が怖くなかったのか?
義時は奥州に出向いて討たれると思わなかったのか?もうすでに藤原氏は頼朝を警戒していただろうし、あちらには義経がいる。義経が「義時の首を鎌倉に送り返せ」と言いかねない。


★義時と善児は何故捕らえられない?
義時が泰衡に義経を討つ事を進言している場面。泰衡の弟の頼衡(川並 淳一)が義時を疑い始め刀を抜いた場面で、いきなり善児が頼衡を刺してしまう。藤原氏の館内で(敵対する)鎌倉からの使者が、泰衡の弟を彼の目の前で殺害する。あれは本来なら義時も善児もその場で討ち取られるか捕らえられるだろう。家人達がやってこないのも変。 藤原氏はあの場で義時を斬って、義経を総大将とし、鎌倉と全力で戦をした方がチャンスがあったかも。


★義経はなぜ義時を殺さない?
義時と義経の最後の場面。ドラマとして義経の言葉を聞くための場面なのだろうけれど、あの場面では義経が義時を斬るほうが自然。なぜ逃がす?義経はもう全て諦めていてどうでもよかったのかな。 

★そして頼朝の涙?
あの頼朝は義経の首を抱えては泣かないだろう。彼の弟への愛情は全く無いと思う。それよりも義経の首など見たくないのでは。あの時代は恨みだの呪いだの…そういうものを信じていた時代だろうから、頼朝は義経の恨みもが恐ろしいのではないか。自分が殺した弟のことは早く忘れたいと思う。もう1回言う、頼朝の義経への愛情はゼロだったと思う。頼朝びびりだし。
 
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義経
素晴らしかったです。奥州に帰って来て父親のような秀衡に初めて平家を滅ぼしたことを褒められて泣く。やっぱり彼は誰かに心から褒めて欲しかったのですね。頼朝のことを「兄にとって私はそこまで邪魔なのか。そう思うと、どうでもよくなった」。彼は最後まで頼朝との兄弟の絆を信じたかったのだろう。 菅田将暉さんは上手い俳優さん。この義経のことは忘れない。

弁慶
「弁慶の立往生」は木の板を着ていたからなのか。なるほど。アイデアに納得。最後の義経とのやりとり「武蔵坊世話になった」「やめてください」がよかった涙。

弁慶

松尾芭蕉
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
奥州藤原氏のことだったのか。
杜甫『春望』 
「國破れて 山河在り 城春にして 草木深し」

里さん
本音をぶつける女。いい。胸に迫ります。こんなところに来たくなかったとか、畑仕事もしたくなかったとか言ってましたがリアル。そりゃ里さんは辛かっただろう。自分勝手な義経のような男に嫁いだばかりに…。彼女が静御前のことを「いい気味だ」と言うのもわかる。やっぱり義経のことが好きだった。好きだから義経も静御前も憎い。 あのような状況で義経に文句を言ったのは自分も「これで最後」だとわかったからだろう。 前回の京での堀川夜討を、里さんが手配したと義経に告げて義経に刺される…あのフィクションの設定はここに繋がった。 ちなみに里さん(郷御前)の父・河越重頼(母は比企尼の次女)は、義経との関わりから頼朝に誅殺されたらしい。里さんは鎌倉にも帰る場所はなかったのだろう。

静御前
彼女も気が強くていい。強い女はいい。ただ可哀想な女ではなく意地を通した女だからいい。比企の道(堀内敬子)に蔑まれて反発し、自ら静御前だと名乗ったけれど、嘘をついてプライドを飲み込むには彼女はまだ若かったのかな。 静御前のその後は不明なのだそう。様々な伝承が各地に残っているらしい。

大姫
セミの抜け殻で義高のことを思い出す。細やかな表現。うまい脚本。彼女を後鳥羽天皇に入内させようと頼朝が考えている。政子と大姫が静御前を憐れんだことも記録に残っているらしい。

八重
子供の数が増え孤児院が大きくなっている。



2022年5月27日金曜日

Clear Six & Emiah — Over You (2022)



また飲んで踊って男を忘れる歌



Clear Six, Emiah — Over You (2022)
Over You – Single
Clear Six & Emiah
Released: March 11, 2022
℗ 2022 Electronic Nature


現在UK Upfront Club Chartに入ってます。良曲。キャッチー。

それにしても英国の失恋の歌というのは「あなたなんかもう忘れるわ。街に出かけてクラブで飲んで踊って他の人を見つけるわ」的な歌詞が多いですね笑。英国式の女の美学だろうな。英国の女性はメソメソすることを嫌いますね。女は強くあるべし。


★Clear Six
本名John Goodierさん。英国のDJ/Producer。情報が出てこないのですがまだお若いのかな。大物アーティストのサポートなどでよくライブをやっているらしい。

★Emiah
スコットランドのお方かな。Pop/R&B/Dance vocalist 、songwriter。90年代の R&Bを聴いて育ち影響を受けているそう。

Over You

Clear Six & Emiah
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深く探してる
治癒のため
目を閉じて 祈ってる
今夜私は
自由にワイルドになる
あなたが存在しなかったみたいに

あなたの秘密や嘘はもうお終い
私を何度も孤独にした
今私はグラスを空に向かって持ち上げる
数えられなくなるまで何度も
二度と降りてこない

今夜こそ あなたを忘れる
新しい誰かと親密に踊って
今夜私はあなたを乗り越える
もう自分を止めない
私はあなたにケリをつけるわ

La di da di la di da di da da
La di da da
あなたにケリをつける
La di da di la di da di da da
La di da da
私はあなたを乗り越える


もう私は怖がらない
私の恐れは全て燃え尽きた
この牢獄から逃げたすわ
あなたには私を見つけられない
私はどこかに外出して
リズムに我を忘れてる

あなたの秘密や嘘はもうお終い
私を何度も孤独にした
今私はグラスを空に向かって持ち上げる
数えられなくなるまで何度も
二度と降りてこない

今夜こそ あなたを忘れる
新しい誰かと親密に踊って
今夜こそ私はあなたを乗り越える
もう自分を止めることはない
私はあなたにケリをつける

La di da di la di da di da da
La di da da
あなたを乗り越える
La di da di la di da di da da
La di da da
あなたを乗り越えて

Babyあなたにケリをつける

Yeah
今夜 あなたを乗り越える

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映画『ラスト・レター/Last Letter』(2020):鏡史郎は大丈夫なのか






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『ラスト・レター(2020年)/日/カラー
/120分/監督:岩井俊二』
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随分前にTV Japanでの放送を録画したもの。そのままになっていた。

全く情報を調べずに見始めた。いい雰囲気。綺麗です。
ストーリーはファンタジーかな。思慕。すれ違い。悲劇。邂逅…。
雰囲気がとても美しく上品で、最後はいい話としてエンディング…のタイプの映画だと思うのだけれどストーリーの結末は甘い。そこがファンタジーだと思った。



★ネタバレ注意

一番気になったのは、乙坂鏡史郎(福山雅治/神木隆之介)は本当に大丈夫なのか?…ということ。

彼は44歳。彼は高校の初恋の相手・遠野未咲(広瀬すず)が忘れられずに想い続けて20年も過ごした人。大学時代に一度は未咲と付き合ったのだから、片思いの淡い記憶だけではない…未咲との関係、未咲の人となりにも彼自身の想いにもかなり実感があったはず。大好きだった彼女…その彼女を他の男・阿藤(豊川悦司)に奪われた。未咲は自分で選択して鏡史郎から離れたのだろうか。

色々とあって未咲は苦労した。なぜ阿藤みたいなダメ男と結婚したのか。その未咲の間違った選択が彼女を不幸にした。

鏡史郎は未咲のことを想い続けた。彼女のことを小説にまで書いた。


未咲と別れてから20年ほど過ぎた後に出席した同窓会で、鏡史郎は三咲の妹・岸辺野裕里(松たか子)と会い、未咲のその後を知ることになる。

鏡史郎は今まで未咲がどうなったのかを全く知ることなく、未咲への想いと思い出を温めて20年間も過ごしてきた。鏡史郎はそんな一途過ぎる男。そんな重い男が、自分の人生を賭けて想い続けてきた女性の不幸を初めて知る。

鏡史郎が同窓会から未咲の全てを知るまでどれくらいの時間が過ぎたのだろう。数ヶ月のことだろうか。20年間、たった一人の女性を思い続けてきた男がたった数週間や数ヶ月で、そのなによりも大切だった女性の不幸な人生を知る…。かなりキツイと思う。

鏡史郎は後悔すると思う。

鏡史郎は思いつめるタイプなのだろう。20年間も一人の女性を想い続けたのなら、もしかしたら彼はまた20年間、後悔し続けるのではないか?

もし未咲が病気で亡くなったのならまだしも、未咲は大変苦しんで亡くなったわけで。おまけに鏡史郎は未咲の不幸の元・阿藤にも会ってしまう。そして阿藤が悔い改めるどころかとんでもなく酷い男のまま。あんな男グーで殴ればいいのに。

未咲の苦しみを知り、彼女の苦しみが長かったことを知り、彼女がその苦しみから立ち直ることなく亡くなったことを知り、その上阿藤が下衆のまま全く反省もしていないことを知る。辛いですよ。鏡史郎は立ち直れないほど後悔すると思う。

「自分はなぜ彼女を救えなかったのか…?」

そして畳み掛けるように未咲の妹・岸辺野裕里(松たか子)には「あなたが(姉と)結婚してくれてたら」、娘の鮎美(広瀬すず)には「早く会いに来て欲しかった」と言われる。ダメージが大きすぎる。何度も何度も殴られるようだ。かなりキツイぞ。

鏡史郎の大きな後悔は、未咲が実は長い間鏡史郎の小説や手紙を宝物として彼との思い出を温めていた…だけでOKになるものではないと思う。そんなに簡単じゃない。

最後は鏡史郎が、裕里や娘の颯香(森七菜)そして鮎美と和んで、それでなんとなくOKになってしまう。本当にそれでいいのか?この鏡史郎は本当に大丈夫なのだろうかと思いながら映画を見終わった。


ホルゾイがいいね。ホルゾイの成犬を買えるところなんてあるのか?
裕里の義母の英語の先生の波止場正三(小室等)が上品なオジサマで素敵。
裕里の父・幸吉が鈴木慶一さんでニヤニヤする。
いい俳優さん達。特に颯香の森七菜さんが自然な演技で上手いと思った。



2022年5月25日水曜日

Ashley Kutcher - Fake Bitches (2021)



リアルな女同士の…



 Ashley Kutcher - Fake Bitches (2021)
Album: One Eighty
Released: November19, 2021
℗ 2021 Darkroom/Interscope Records

Lyric




少し前にアメリカのチャートで見たと思う。

歌詞が面白いです。アシュレーさんは今年23歳かな?お若い。

彼女が音楽の仕事で初めてロサンゼルスに来た時、出会った女性達…ポップスターの卵、芽の出なかった先輩達、業界で出会う様々な人々…そんな女性達ことを歌っているのだろうと思います。

彼女達は若いアシュレーさんに意見したりアドバイスをしながら結構キツイ嫌味を言う。「がんばってね~」などと言いながら「やめたほうがいいかもね」とか…コワイお姉さん達がいたのかもしれません。競争の激しい世界だし。

そんな女性達を「フェイクなビッチ達=軽薄で意地悪な女達」と呼ぶ。アシュレーさんが若くて真面目で才能もあるからなのだろう…そんなフェイク・ビッチ達はアシュレーさんが側にいると不安になるらしい。結構リアル。その様子が目に浮かぶ。それを包み隠さず歌にする笑。生々しいね笑。巧みだな。

ちょっと前に取り上げたTate McRaeさんの「she's all i wanna be」UPSAHLさんの IDFWFEELINGSも歌詞がいいと思ったのですけど、今の若い女の子の本音が見える歌詞というのはとても面白い。


★Ashley Kutcher
アシュレーさんは米国メリーランド州ボルチモア出身のシンガー・ソングライター。去年22歳とあるので今年23歳。1999年の生まれかな? 彼女は2年前まで看護師になるために学校に通っていて、時々趣味で歌を歌いTikTokでも自作の曲を披露していたのだそう。それがビリー・アイリッシュを発掘したDarkroomレーベルの目に留まり、彼女が学校を卒業すると同時にレーベルと契約をしたのだそうです。すごいね。


訳:主語がアシュレーさんだったりフェイクビッチ達だったりころころ変わりますね。「」の中がフェイクビッチ達の言う言葉とした。コーラス中に出てくる「Go get it, get with it」の歌詞は、フェイクビッチ達が彼女に「がんばってね~」と皮肉として言っているのか、それとも彼女自身が自分を奮い立たせるために「がんばれ自分」と言っているのかわかりづらい。私はビッチ達が言っていると思ったし、旦那Aは自分に言っていると言う。どちらだろう?

Fake Bitches

Ashley Kutcher
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(ah-ah, la-ah)
(ah-ah, la-ah)

初めてロサンゼルスにやってきた
「あなた東の女の子にしては綺麗ね」
私に「ラッキーだわね」と言って 私を戸惑わせようとする (ah-ah, la-ah)
彼女達は言う「あなた まだ22歳じゃないの
何とかしなきゃね、でももう少し成長しなくちゃ…」
わかってる 私がいくつか証明しなきゃいけないってこと (ah-ah, la-ah)

そんなに私の事がわかるのなら
私が今何を考えてるのか言ってみてよ
彼女達は死ぬほど不安なのに
だって私がいる時、
彼女達は…

投げキッスをして 「幸運を祈るわ」
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
「がんばるのよ やってみなきゃね」
歯の隙間から喋ってる だから本音じゃないってわかる
つまらない会話をもう一回
ああいやだ, baby, もう耐えられない
投げキッスをして 「幸運を祈るわ」
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達


彼女達は言う 私が「悲しい歌ばかり書く」って 
「もっと急ぐべき それとも普通の仕事に戻るべきね」
「身を固めなさいよ だってbaby, 見込みなさそう」 (ah-ah, la-ah)
彼女達は言う 「あの娘 大丈夫だって思ってるのかも…
一度は上手くやったのね 他に何か当てがあればいいわね…」
成功した夢追い人に 今まで会った事がないのかな (ah-ah, la-ah)

そんなに私の事がわかるのなら
私が今何を考えてるのか言ってみてよ
彼女達は死ぬほど不安なのに
だって私がいる時、
彼女達は…

投げキッスをして 「幸運を祈ってる」
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
「がんばるのよ やってみなきゃ」
歯の隙間から喋ってる だから彼女達の本音じゃないってわかる
つまらない会話をもう一回
ああいやだ, baby, もう耐えられない
投げキッスをして 「幸運を祈ってる」
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達


彼女達は楽しいことをすればいい (Oh-oh)
彼女達は言いたいことを言えばいい (ah-ah-ah, ah-ah)
私は…

投げキッスをして 彼女達の幸運を祈ろう
数名の本当の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
がんばるのよ やってみなきゃ
歯の隙間から喋ってる だから本音じゃないってわかる
つまらない会話をもう一回
ああいやだ, baby, もう耐えられない
投げキッスをして 幸運を祈ってる
数名の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
数名の友人と 沢山のフェイクなビッチ達
数名の友人と 沢山のフェイクなビッチ達

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Songwriters: Ian Zachary Franzino / Andrew James Haas / Elsa Curran / Ashley Dawn Kutcher
Fake Bitches lyrics © Music Of Big Family, Theonmon Songs, Bing Fazio Music, Chick And Hog Publishing, Hipgnosis Beats




2022年5月24日火曜日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第19回「果たせぬ凱旋」5月15日放送



義経が周りに振り回される…辛いね


★あらすじ
義経失踪まで


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1185年 夏 京に戻ってきた源義経(菅田将暉)。
義経の叔父・源行家(杉本哲太)が義経に鎌倉を攻めるよう誘う。
義経は乗らない「兄とは戦いたくない」

義経の不運① トラブルメーカー叔父
鎌倉
前回、義経を鎌倉に入れなかった源頼朝(大泉洋)。
今回は義経をねぎらいたい…会いたいと言う「詫びてくれれば」
義経を伊予守にして検非違使を辞めさせて鎌倉に呼び寄せよう。

しかし後白河法皇(西田敏行)は義経を検非違使のまま伊予守に命じる(8月16日)

義経の不運② 京の天狗

義経が検非違使を辞めていないと聞いて頼朝が怒る
それなら父・義朝の供養をしようと阿野全成(新納慎也)がアイデアを出す。
父の供養のために義経を呼び寄せよう。


北条義時(小栗旬)が京へ。父の供養の話に義経が喜ぶ。
しかし叔父・行家が義経の鎌倉行きを止める「殺されるぞ(10月13日頃)。
後白河法皇も義経を止める。

その頃 義経の京での人気は落ちていた。
義経をめぐり(三浦透子)と(石橋静河)が争っている。

義経の不運③ 強気な女二人

里が嫉妬から僧兵・土佐坊昌俊(村上和成)を雇い、義経と静御前を襲わせる(堀川夜討 10月17日)
行家は、それが鎌倉からの刺客だと言い、また義経に挙兵を促す。

文治元年 1185年
10月18日 後白河法皇が義経に頼朝討伐の宣旨を下す。

鎌倉
10月22日 その情報が鎌倉に届く 
頼朝激怒。

義経の不運④ 人間不信の兄ちゃん

(10月24日 父・義朝の菩提寺・勝長寿院落成供養)
10月29日 頼朝軍が義経+行家討伐に鎌倉を出発。


京の義経には兵が集まらない。
行家が去る(行家はその後鎌倉軍に殺害される 翌年の5月)
義経、静御前との別れ。里は義経に同行。
義経 京を離れ落ち延びる、失踪(11月3日)。

たすけて 義経

頼朝を恐れた法皇は、今度は頼朝追討の宣旨を取り消し、
頼朝に義経追討の宣旨を下す(11月11日)。

鎌倉
頼朝軍、鎌倉に引き返す(11月8日)。


北条時政(坂東彌十郎)+義時が京都守護として千騎の兵を率いて上洛(11月24日)…行家と義経を捕らえるため西国諸国を鎌倉が治めること…「守護・地頭の設置」を法皇に認めさせる(文治の勅許)(11月28日)←鎌倉が法皇に圧力をかけた。(時政の京での在任期間は4ヶ月間)


夜、時政と義時の京の宿所に義経が現れ、別れを告げる。

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問題は雪ダルマのように

流れを書きましたけど、なんだか義経は周りに振り回されていますね。周りの皆が義経にああしろこうしろと指示を出し、アドバイスをし、頼み、宣旨を出し、行動を止めさせ、一方で鎌倉の頼朝はいちいち義経に腹を立てる。そしてどんどんこじれていく。

なんだかな…もどかしいね。この兄弟の関係のこじれって、前回、義経が平宗盛親子を鎌倉に連れて帰った時に、頼朝が義経を鎌倉に入れなかったことがいけなかったのですよね。あれがすごくもどかしかった。二人があの時点で会って話をしていれば、頼朝の義経に対する不安もこれほど大きくならなかったのでは。頼朝はなぜ義経に会わなかったのだろう。

頼朝は表では義経に怒るのに、プライベートではメソメソ泣く。なんだそれ。そんなに義経が可愛いならなぜあの時鎌倉に入れて会わなかったんだよ…と文句も言いたくなる。頼朝はよくわからん人。

というわけで、それでもう決裂かと思ったら、また今回「義経に会いたい、労いたい」と言う。ええええええ?まだ義経に未練があるの? 

なんかね…頼朝が小さい男なんですよ。あれだけ大勢の御家人達に囲まれてるのに、なぜ義経を怖がるのだろう? 義経が後白河法皇と仲良くしてるから怖くなったのですよね。頼朝は義経を信じることができない。今回も結局義経の行動を誤解し、びびって全軍率いて京に攻め入ることにした。

問題はトラブルメーカーの叔父・行家と天狗の後白河法皇。

特に法皇。困ったなぁこのジジイ。 しかしやっぱり武家は法皇のパワーには逆らえないのですかね。義経もぐずぐずせずにとっとと鎌倉に単身でこっそり帰ればいいのにね。だめ?

なんだか拗れて拗れて拗れきってるからよくわからん。なぜそんなに後白河の顔色を伺わなければならないのか?法皇の具合が悪かろうがそんなの知るもんかって思いますよねぇ。しかし中世の天皇家のパワーは絶対なのだろうな…。

それから、(フィクションだけれど)奥さんも土佐坊昌俊を連れてきて…などと余計なことをする。(行家の言葉で)義経はそれを鎌倉からの刺客…頼朝の指示だと信じてしまう。
里さんと静さんの揉め事も、義経が自分で蒔いた種だとはいえ拗れてます。

…義経を襲った土佐坊昌俊が、妻の里が手配したことになっていることは明らかにフィクション。『吾妻鏡』では、土佐坊昌俊が鎌倉から送られたという話らしいのだけれど証拠はないらしい。

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愛を求める義経

さて義経。せっかく平家を倒したのに、その後にこれだけの災難がふりかかる。なぜ?

戦では天才…勝つためのアイデアが湧いて、勝つために無茶をすることも躊躇しない。勇敢。大胆。そして実戦で勝ち続ける。まるでゲームのように戦を楽しむ人。

波に乗っている時は人の意見も耳に入らない。ルールも常識も無視。目標しか見えていないから周りが見えない。だから周りの賛同を得られない、嫌われる。しかし戦場ではそれが彼独自の「正しいやり方」。そうと決めたら決して曲げない。そして勝つ。そこが天才型。

目標を達成して燃え尽きる。心が落ち着いてから見回すと周りに誰もいない。皆がそっぽを向いている。誰も寄ってこない。皆が自分を避けている嫌っている恐れている。不安になる。

そんな時に彼の心の隙につけこんで利用してくる者がいる。不安だから寄って来る者を簡単に信じて踊らされる。そして問題が大きくなる。

「私の何がいけなかった?」


こういう天才型の人、いますよ。結構リアル。だからかわいそうになる。


義経は純粋過ぎる。子供のよう。この義経は戦以外ではあまり能力もなく、意志も強くないのかも。彼は周りの人の言葉に簡単に惑わされる。人に振り回される、人を疑わないということは…実は己の中に強い信念が無いということかもしれない。 


こんな義経は…懐の大きな主人が抱えて可愛がって面倒を見る。そしてまた戦になったら褒めて活躍の場を与える…褒めてうまくあやして側に置いておけば、義経は主人にとっても強力な駒になったはず。

それなのに…兄の頼朝は人を信じられない男。

義経が藤原秀衡に可愛がられたのは、秀衡の懐が大きかったからなのだろう。義経に必要だったのは父親のように全てを受け止めて愛情を与えてくれる人。義経は愛情を求めていた。頼朝にも後白河法皇にもそれを求めたが、彼らはただ義経を利用しただけ。

そして政子には母親の愛を夢見た「九郎は御台所の膝の温かさ、生涯忘れない」 悲しいね涙

今回の最後、北条時政が父親のように義経に話をしている。
自信をつけるには何が要るか。経験でござるよ。まだまだこれからじゃ
こういう人が義経の上にいてくれたなら…。

そして義経は去っていく。

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★範頼はまだ宝剣を捜しているらしい
★静御前は妊娠中