能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2012年11月5日月曜日

Grace Jones - Slave to the Rhythm (1985)



女神様だと思う。



Grace Jones - Slave to the Rhythm (1985)
画面内のWatch on Youtubeをクリックしてください
Album:  Slave to the Rhythm
Released: Oct 28, 1985
℗ 1987 The Island Def Jam Music Group
 
 
私が美大生の頃の80年代に海外のファッション界隈で有名だった(文字通り)スーパーモデル。輸入雑誌やNYのアート界隈の記事、当時有名だったファッションイラストレーターの作品でよく見かけた。
 
とにかく怖いくらいの迫力の彫刻のような人。信じられない体形。女性とも男性ともわからないような、ただただ超人的に美しい姿。動く彫刻。そういえばクリストファー・ウォーケンさんと一緒に007にも出てました。かっこよかった。彼女はすべてを超越してますね。

さてジャマイカ生まれのジョーンズさんは、どちらかと言えばアメリカでは有名でも、日本にはあまり情報も入ってこないようなファッション関係のカルト的な人だったと思う。アルバムも出していて何曲かは覚えてるけど…この曲も聴いたのかな…よく覚えていない。しかしこの曲はカッコイイ。バックバンドが最高。Bass がいい。実は踊るのはこういうリズムが一番気持ちがいい。
 
プロデューサーはトレバー・ホーンだそうだ。ちょうど彼のプロデュースした別の曲を出そうと思っていたのでちょうどいい。ジョーンズさんの声も神々しくてかっこいい。



Slave to the Rhythm (live) - Grace Jones.

 (Night of the Proms 2010 - Belgium/Netherlands)


さてこれは2010年のライブ。とにかくこの人がいかに驚異的かが分かるビデオ。1曲まるまるフラフープをやって最後まで堂々と生で歌いきるこのお方はこの時62歳。すげー(笑)今年英国女王のダイアモンド・ジュビリー・コンサートにも出演されたのが動画サイトにあがっているが、この時もフラフープをやってる。今年64歳だそうだ。近年のライブの映像もあがっていて今も現役。世の中には超人と呼べるお方がいる。すごいです。


2012年11月4日日曜日

映画『クラウド アトラス/Cloud Atlas』:大作です・一言では言えない

 
 
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『Cloud Atlas(2012年)/独, 米, 香港, シンガポール/カラー
/172分/監督;Tom Tykwer, Andy Wachowski, Lana Wachowski』
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2回見ました。
 
前情報無しの1回目はとにかく「???」な状態で大変混乱する。172分の大作で時間を追うごとに次第に形は見えてくるのだけど、とにかく最初は訳がわからない。ちょっと眠りそうになった。見終わって「なんだかすごい話…」「なんとなくこんな話かな…」とぼんやりと解ったような解らないような…解っているつもりの内容が正しいのかどうかもあやあふやな状態で(私の英語の聞き取りの問題も大きい)、これはいかん…ともう一度見に行くことにした。旦那Aも一緒に2回目。
 
なんと…いい映画ですよこれ。本当によくまあこんな映画を作ったもんだと思う。分かりづらくしているのは構成のせい。一見繫がりの無いバラバラの時代のバラバラの話が細切れにバラバラにくっつけられて交互に出てくるので大変混乱する。だけど2回目に見るとぜんぶ辻褄があうからすごいです。
 
素晴らしいです。ほんとにほんとにスケールの大きな大きな話で、まずそれだけで感動する。手塚治虫さんの『火の鳥』や、アーサーCクラークさんあたりのSFを思い出した。たぶんSF小説に詳しい人なら同じような話がもっと見つかるのかも。ほんとに大きい話。
 
 
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ネタバレ注意(謎解き的な解説です。基本の話を理解すればそれ程複雑ではないです。ただ話の謎解きに0から挑戦してみたい方はこれ以降を読まないで下さい。混乱させられるのも娯楽だと思います)
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簡単に話の内容をまとめると…。
出てくる時代は6つ。
 1. 1849年の南太平洋、アメリカ人の弁護士と奴隷。
 2. 1936年の英国、作曲家と筆記者/アシスタント(作曲家)。
 3. 1973年のカリフォルニア、ジャーナリスト。
 4. 2012年の英国、編集者でのちの作家。
 6. 2144年の韓国ネオ・ソウル。
 7. その数百年後、世界大戦後のハワイ島~宇宙。
 

もっとネタバレ注意(ここからはもっと踏み込んで内容を書いているので完全にネタバレです)
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それぞれの時代は一つの例外(ゲイの恋人)を除いて直接の関係は無い。だがそれぞれの時代に生きる人物は、同じ人物の生まれ変わりらしい。その生まれ変わりを解りやすくするため、違う時代の別の人物を同じ俳優が演じている。例えば、19世紀の夫婦は22世紀の韓国で恋人同士になる。また70年代の惹かれあった男女は遠い未来で夫婦になる…といった具合。
 
それにそれぞれの時代の人物達の行動や記録も間接的に繋がっていく19世紀の人物の書いた本を30年代の作曲家が読み、その作曲家の曲を70年代の人物が聴く。2012年の人物の書いた本はいずれ映画になり、その映画を22世紀の女性が見る。その22世紀の女性がその数百年後に神様(偶像崇拝の対象)となる。そんなふうに時代は間接的に繋がっていく。
 
ここではネタバレをして映画の構成を全部解説してしまったが、これさえわかれば基本はそれ程複雑な話ではない。複雑なのは構成。前述したようにバラバラの時代が細切れにされて、それが交互に出てくるので非常に混乱する。
 
 
 
驚くべきは、6時代それぞれの話がかなり高レベルで仕上げられていること。全部編集し直して一時代分ずつまとめて見てもかなりいいんじゃないか。19世紀はいかにも時代劇風だし、2144年のネオ・ソウルは近未来バリバリのSF映画。それぞれが丁寧にお金をかけて作られているので、かなりの見ごたえ。おおまかに時間を計算すれば、ほぼ3時間180分÷6時代として1時代平均30分程の話になる。6本のショートフィルムを見るようなものだ。よくもまーこれほど詰め込んだものです。
 
2回目は話に集中して見れるので、映像の質の高さも俳優さん達のレベルの高さも、全てを良質のエンターテイメントとして楽しめた。実は1回目に、意味もなくバラバラに細分されてツギハギしただけに見えた編集が、2回目に見ると実は全て巧妙に考えられた編集だったというのにも驚いた。違う時代の場面に切り替わるタイミングが絶妙。ほんとうによく考えられている。これだけ手を広げてほんとによくまとめたものだと思う。非常に面白かった。やっぱりトム・ハンクスは凄い役者さんです。
 
 
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特筆したいのは近未来韓国ネオ・ソウルの話。たぶん一番の目玉。非常にショッキングだからこそ、全体の話の中で大きな意味を持つ。ところで今までのこういう「近未来+アジア」の設定では、日本が舞台になることが多かったと思うのだけど、今回は韓国が舞台。おそらく今までに「近未来+TOKYO」の設定がありすぎたため(映画、日本のSF漫画、アニメなど多数)マンネリ化を避けるためではないかと思う。それにしてもまたアジアがこういう近未来の設定に使われたというのも興味深い。
 
同じアジア人としてもこの話は他の時代より気になる。なぜ2144年の話がアジアの話なのか。それはあの話が非常にショッキングで悲しいものだからではないかと思う。ああいう話を映像化するのに、顔の知れた西洋人の女優を使うと、欧米の観客にはかなり不快なものになる可能性があること。それに普段から女性の強い西洋ではリアルな感じがしないからではないか。西洋にまだぼんやりと存在する「穏やかでイノセントなアジア人の女性」のステレオタイプは記号として使える。それが理由だろうと思う。準主役とも言えるこのアジア人女性に抜擢されたのは韓国の女優ペ・ドゥナさん。
 
一般的に西洋ウケするアジアの美女と言うよりも、子供っぽい女優さんだなと思った。どちらかと言えば可愛いタイプ。子供のようにイノセント。言葉にもアクセントがあってたどたどしい感じだ(…と思っていたが旦那Aによると殆どアクセントの無い自然な英語だそうだ)。最初はこのキャラクター設定の意味が解らなかった。しかし話が進むにつれて彼女のイノセントさが非常に重要なのだということが解ってくる。子供のように純粋なキャラだからこそショック倍増。本当に悲しい。彼女のような若い女優さんを選んだのも演出上そういう効果を狙ったものなんだろうと思う。(成人女性なのに)あの華奢で幼い感じは西洋の女優さん達には出せないだろうと思う。難しいキャラクターを、英語が母国語ではないこの女優さんは本当によく演じていらっしゃる。彼女の顔が暫く頭から離れない。
 
 
ところで旦那A20世紀初頭の作曲家の話が好きだそうだ。若い筆記者/アシスタントの台詞が非常に上品で美しいらしい。音楽も美しい。
 
 
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素晴らしい映画です。面白かった。見ごたえ十分。細切れで謎解きのような構成も面白い。それにしても大きな話。生まれ変わりの話だが、仏教の輪廻転生やカルマの法則のように、前にやった悪いことが後で自分に返ってきたり、前にいいことをしたから後は幸せ…というような話ではない。ただ淡々と、人間は何度も生まれ変わってそれぞれの時代を作っていく。そうやって長い長い時代を人類は紡いでいく…という内容。
 
そんな大きな話を、3時間でまとめるというのも無理難題だったろうが成功している。原作があるそうだが、おそらくこの手の話の重厚さを本の印象のまま映画化するのは無理だろうと思う。映画という時間の限られた表現方法で、よくこれほどの話を紡げたものだと驚いてしまう。
 
たまにはお金を大量に使った大掛かりな映画もいい。日常の生活の中での普通の人の心理劇もいいけど、たまにはこんな映画らしい映画というのも嬉しい。「うわ~っすごいなー」と思えることは素晴らしい娯楽。だから決して大作映画を切り捨てようとは思わない。近年大掛かりな映画というと、アクションとこけおどしばかりで中身の無いものが多いように思うが、この映画にはそれなりの思想やメッセージがある。これだけの娯楽大作でありながら真摯に話のテーマを貫ぬこうとした姿勢は素晴らしいと思う。
 
 
…ところで、またアジアの女性がああいう風に扱われたとか、アジアの都市だからって俳優全員を単純に特殊メークで小さい目にしてアジア人にするというのも強引だとか、多少違和感のある場面もあるけれど…この映画全体の完成度を考えれば、まあこういうことに文句を言ってもあまり意味は無いだろうと思う。
 
…一般の様々な感想を読んでみると、かなり激しく好き嫌いが分かれる模様。もちろんこんな映画を子供に見せてはいけない。トラウマになる。この映画を嫌う気持ちもよく理解できる。物議をかもしやすい映画であることは間違いないのだろう。
 
 
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クレジットでドイツ人の名前を多く見かけたのだがドイツの制作なんですね。原作は2004年の英国の作家の作品。丁寧に丁寧に作られた見ごたえのある映画。俳優さん達も素晴らしい謎が多いのもまたいい。映画の魔法ももちろんあります。音楽も素晴らしい。大変満足。拍手喝采。
 
 
こういう映画がお好きなら2回見るのをお勧めしたい。2回目は本当によく解るから。
 
 
 
 

NHK ドラマ10『シングルマザーズ』第1回、第2回


録画していた第1回と第2回を一気に視聴。

沢口さんがすごい。見ていて苦しくなるほど。あの追い詰められた表情は演技とは思えない。彼女が他人の優しさに触れて、目に涙がたまってくる表情を見て思わずもらい泣きした。表情の変化がすごい。脚本も巧みなんだろうと思う。子役もすごく上手い。なんとかしてあげたくなる。この二人を心から100%応援したい。

田中哲司さんの旦那さんが怖い。この俳優さんは今までテレビで3回お見かけしたが、すごく気になる。ほんとに気になる。1回目は「龍馬伝」の眉無しの徳川将軍慶喜(写真に全然似ていない)。2回目は保険殺人のドラマ。優しい人だったと思う。3回目はこれ。怖いです。どうしてなのか判らないけど、この俳優さんにはとても興味が湧いてしまう。コメディもいけると思う。何でもいけそうだ…なんとなく勘。すごく気になる俳優さん。

シングルマザー友の酒井若菜さんに北斗晶さん、優しいカレー屋の田島令子さんもいい。周りの女性達に沢口さんが励まされながら話が進むんだろうな。特に北斗さんがいい。ああいうハートの大きな女性に憧れる。

それから高橋淳子さん。彼女の暖かさが素晴らしい。ほんとに素晴らしい。沢口さんに気持ちを入れてドラマを見てしまうので、高橋さんの暖かい大きな笑顔を見てこっちも泣きそうになる。その時の沢口さんの表情がほんとにすごい。

新しい状況にとまどって苦しんでいる沢口さんが、強く生きる周りの女性達に助けられ励まされながら進むストーリはそれだけで心を動かされる。

それにしても最後の旦那は怖かった。

 

2012年11月1日木曜日

The Power Station – Communication (1985)

 
 
ロックですけど。
 
 
 
The Power Station – Communication (1985)爆音注意

Album:  The Power Station
Released: Mar 1985
℗ 2014 Parlophone Records Ltd, a Warner Music Group Company
 

 
Duranつながりでこれも…。これは臨時のバンドです(と思ったら96年にセカンドアルバムも出していた)。前述のDuran Duranのジョン・テイラーさん(Bass)、アンディ・テイラーさん(ギター)、それになんと70年代DISCOの勇CHICのトニー・トンプソンさん(Drums)、そこに白人ソウルシンガーのロバート・パーマーさん(渋い)をボーカルに迎えて出来たスーパーグループ(ほんとに当時そう呼ばれてました)パワー・ステーション。おまけにCHICのベースのバーナード・エドワーズさんがバンドをプロデュースという夢のようなお話。なんだかよく判らないけど並んだ名前だけで凄そうなバンド。
 
実は売れに売れていたDuran Duranの、ちと軟派気味な音があまり好きではなかったのだけど、そのベースとギターがもっと激しい音楽をやるというんで早速飛びついた。それにCHICのリズム隊が全面バックアップ。これで悪いわけがない!
 
出来上がった音はまぁー重いです。ドッカンドッカンいう音。アルバム全部爆音。うるさいです。特にドラムが大きいんだけどDuran Duranの二人もこれでもかと言わんばかりに鬼のように弾きまくってます。たぶんDuran Duranでやれなかったことを全部やってる。音は全然CHICっぽくなくてずーっと重かった。それにロバートさんの粘りのある渋いボーカルもすごく大人。今聴くとどうもこの音のでかさだけで有難がってたような気もする。

ドラムが若干遅れ気味…わざとタメのある叩き方をしているように聴こえる。このタメのせいで音がファンキーで重厚。汗を飛ばしながら叩いたドラムの音という感じ。これがかっこいい。思わずエアドラムをしてしまう。今の一切タメの無い打ち込みドラムとはまた違った趣。昔はこんなリズムで踊ってたんですね。

元歌の3倍くらいやかましいT-REXのカバー「Get It On」や、オリジナルの「Some Like It Hot」もよく売れました。当時結構な人気で、伝説のライブエイドにも出たんだけど、ボーカルのロバートさんが他の人(マイケル・デ・バレス)になっててびっくりした。
 
もう1曲。これも爆音。この曲はアイズレー・ブラザーズの「Harvest for the World」のカバー。細かく小節ごとに歌う人が違うっぽい。元気いっぱい。
 
 
The Power Station - Harvest For The World (1985)(爆音注意

2012年10月31日水曜日

Kajagoogoo - Turn Your Back on Me (1984)



リマールがいなくなった…。



Kajagoogoo - Turn Your Back on Me (1984)

Album:  Islands
Released:  Dec 31, 1983
℗ 2004 Parlophone Records Ltd, a Warner Music Group Company

またまたカジャグーグー。さて、最初のシングル「君はTOO SHY」が大ヒットして、彼らがすっかりアイドルバンドとして認知された後、バンドは他の方向を探し始める。どうやらボーカルのリマールさんがアイドルバンドでいきたかったのに対し、ほかのメンバーはもっと硬派なテクニック重視のバンドになりたかった模様。結局軟派なリマールさんは首になってしまった。(…と思っていたんだけど、どうやら金銭問題だったらしいと 日本のWikiには書いてある。)

そこで出されたのが、2ndアルバム「Islands」。この曲はそのアルバムからのシングル。ボーカルはBass のニックさん。最初に聞いたときは、あまりにゴリゴリのファンク/フュージョンバンド風でびっくりした。

もともとリマールさんは後から入ったメンバーで、他のメンバーはもっと通受けのする硬派な音楽をやりたかったらしい。それなのに「君はTOO SHY」でアイドルバンドとして売れてしまった皮肉。

当時の私は彼らを特にアイドルとして好きではなかったので、この変化はむしろ喜んだ。それにタンポポ頭の大男ニックさんのほうがいい男。Bassが上手い。「Islands」はなかなかいいアルバム。ずいぶんファンキーな音。女子中高生よりも男の子に受けそうな気もする。

ところがそれが問題だった。あまりに上手すぎて硬派になったせいで、若い女の子のファンが離れてしまった。もともと優しいルックスのリマールさんは欧米の女子小中高生にウケていたらしいのだ。アイドルバンドの2ndアルバムを期待していた女の子達には、このアルバムの音はウケなかったらしい。結局このアルバムは英国のチャートでも35位にどとまり、その後このバンドのこともいつの間にか聞かなくなってしまった。

なかなか音楽が売れる理由と言うのも難しい。私もこの曲が出た当時は2ndアルバムのほうがいいと思っていたけど、あらためて聞き直してみるとポップソングとしては1stアルバムの方がいいのかも。結局リマールさんの声に艶があってアルバム全体としても良質のポップスに聞こえてしまう。おそらく1stアルバムの「君はTOO SHY」や「ハングオンナウ」のほうが曲として記憶に残る。音楽は上手いだけではダメなんでしょう。

ところでこのバンドは結局1986年に解散したんだけど、2008年辺りからオリジナルメンバー5人で再結成をしたらしい。そりゃ目出度い。オフィシャルのサイトにいくと皆びっくりするほどおっさんだぞ。でも見たいな。