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『Flow (2024)/Latvia・Belgium・France/カラー・アニメーション
/1h 25m/監督:Gints Zilbalodis』
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久しぶりに映画館に映画を見に行った。そういえば去年2024年は結局一度も映画館にいかなかった。前回映画館に行ったのは『ゴジラ-1.0』で2023年の年末だ。
見ようと思ったのはもちろん黒猫が出てくるから。ラトビア製のアニメーション。言葉がなくて動物は動物の鳴き声を出す。トレイラーで見たら画面がとても綺麗だし、私は動物が好きだし、黒猫が主人公なら見に行こうと思い立った。
面白かったです。綺麗。なかなか映像はダイナミックで動きもすごいし、世界観もいい。セッティングや地理が不思議で、これはいったい何処の話だろう…とか、人間はどうしたのだろう…?とか、柴犬もずいぶんインターナショナルになったものだ…とか、様々な疑問を抱きながらも十分に楽しめた。
それにしてもあの設定はどうなっているのだろうね。不思議。言葉が全く出てこないので何の説明もなし。水が増える様子はまず自然界ではありえないレベルだと思うし、最後に急に水が引く意味もわからない。土地も…ワオキツネザルならマダガスカルか。ヘビクイワシならアフリカか? カピバラは南米だろう…それともこれはただおとぎ話として見ればいいのか。
そういえばジブリの『ポニョ』を思い出した。それ以外にもクジラのような魚のような巨大生物は…あれはジブリ風の怪物にも見える。山の様子や水の様子も…何度もジブリを思った。
アニメーションはそれほど精密ではないのかとも思った。少し粗い。日本のアニメならもう少し細かいところを詰めそうな気もする。しかし猫の動きはうまい。この監督さんは猫を飼っているのだろう。とてもかわいい。猫の声もかわいい。
内容は不思議だが、とにかくスクリーンの中の世界の展開を楽しめばいいと思う。特にメッセージがあるようにも思えないし(不思議な場面はいくつかあるが)、ただ不思議でダイナミックな世界感を楽しめばいいと思う。ストーリー的になにか驚かされるわけでもなかった。ただ黒猫と仲間の冒険を眺める映画。
擬人化の場面が少しあるのは少し疑問かな。動物たちは言葉を喋らないから頭の中身も動物かと思ったのだが、明らかに「船」や「物のコレクション」などの「人間的な知識」があって行動している場面もあるので、中途半端な擬人化にも見えた。特に気になるわけではないけれど。
そんなわけでただ不思議な世界の映像を楽しんだ映画。よかったです。ネット上では映画を見た人々が様々な解釈に思いを巡らせているようで、それを読むのも面白い。
ただ最後に言っておきたいことがある。この映画は
乗り物酔いします
ほぼ1時間半の長さ。映画館の前の席に座ってがっつり画面の近くで見た。最初は全く大丈夫だったのに、画面の動きの激しさを見ているうち、気付かない間に少しずつ酔ったらしく、最後の15分ほどは見ているのが辛い…はやく席を立ちたいと思うほど乗り物酔いをして気持ち悪くなった。映画でこうなることはめったになかったので驚いた。映画館を出た後も暫く気持ち悪かったので酔い止めの薬を飲んだ。
そんなわけでスクリーンに近い席で見る時は、酔いやすい人は注意です。最初から酔い止めの薬を飲んだ方がいいかも。
しかし思った。もしかしたらこの「酔い」は、私の年齢によるものではないかと。年を取ってこういうものも上手く処理できなくなってきたのではないかとも思った。もう画面の動きの激しいアクション映画は見れないのではないかと少し心配になった。ますます映画館から足が遠のく。