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『Pose』 (2021) TV Series-Season 3/米/カラー
/約60分・全7話/
製作:Steven Canals, Brad Falchuk, Ryan Murphy』
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見終わった。終わってしまいました。あ~これで終わりか。名残惜しいな。このドラマは本当によかった。なんと言ったらいいのか…こちらの期待もあったし、それに答えてくれた部分もあれば、そうでなかった部分もある…全体にドラマシリーズとして完璧かと言えば、たぶんそうではない(エピソード毎のペースにばらつきがあり、内容もトーンも凸凹していてスムースな流れのドラマだとは言いがたい)。
しかしよかった。魅了された。なぜだ?
私…きっとこのドラマのキャラクター達が大好きになったからなのですよね。彼/彼女達が好きになった。理由は色々。トランスの女性達がただただかっこいいこと。しなやかなゲイの男の子達もかっこいい。見ているだけでも嬉しい。そしてもちろんキャラクター達それぞれのストーリー…人物を描く脚本がきっと上手いのですよね。いろんなタイプがいてそれぞれが魅力的。皆の事をもっともっと知りたくなる。彼/彼女達がどうなるのか見守りたくなる。そして彼らの温かい「ハウス=新しい家族」のあり方もいい。だから…もうこれで終わり? すごく寂しい。
日本でのこのドラマは、米国より遅れてNetflix/ネットフリックスでリリースされると聞いている。だからファイナル・シーズンのネタバレを書くことはやめようと思う。誰がどうなってこうなる…などという話はやめよう。その代わり全体の感想を書く。
最終回は2時間でした(2エピソード分を一度に放送したらしい)。さっき見終わった。最終回は様々な事柄がてんこ盛りで…内容が多すぎるから多少無理をしながらも…なんとか綺麗にまとめた感じ。ちょっと疲れた。
それにしてもファイナル・シーズンの最終回を見てあらためて思ったのは、このドラマ…最初は1シーズンで完結の予定だったのではないかということ。シーズン1はそれだけで本当に綺麗によくまとまっていた。あれが元々このドラマの完成形だったのかも。そう考えれば、シーズン2とシーズン3が、様々な事柄を必要にせまられてとってつけたような印象だったのも納得できる。
というのも…シーズン1は人物達の心を掘り下げ、キャラクター達に寄り添ったパーソナルな物語だった印象。その後シーズン2とシーズン3は、政治や主張、LGBTQの人々の主張、抗議活動、社会活動の歴史、HIVに関する医療関連の事実などなど…無知な視聴者にとって教育的な内容がかなり多いと思ったから。私もなるほどと考えさせられたし学ぶことも多かったのだけれど、…しかしこれはどうだろう…制作者達は最初からこういうドラマにするつもりだったのだろうか?
私はシーズン1を見て、このドラマはトランス・ジェンダーの女性達の日常、彼女達の複雑なアイデンティティと繊細な心を描く話だと思ったのですよ。だから3シーズン全体を見た後では…ちょっと印象が違った。
しかしながら、シーズン1のエンディングでその後の彼/彼女達がどうなるのか、はっきりとした結論を出さずに終わったのに比べ、シーズン2では社会を描き、シーズン3では時代の移り変わりを描いたことから、全シーズンで(時代の流れに沿った)キャラクター達の生活の変化と将来への希望が描けたのはよかったと思う。うまくまとまりましたね。
ではこのドラマで描きたかったのは何だったのか?
ちょっとリストアップしてみよう。
●トランス・ジェンダーの女性達
●80年代後期から90年代のニューヨークのボールルーム・カルチャー
●LGBTQの人々の日常と恋
●LGBTQの人々と(彼らが生まれ育った)家族との難しい関係
●LGBTQの人々がHOUSEに集い家族として助け合って暮らす
●LGBTQのコミュニティーに広がるHIVの恐怖
●AIDS Coalition to Unleash Power (ACT UP)/エイズ解放連合の活動
●トランス・ジェンダーの女性達に迫る暴力
●LGBTQの権利の主張、差別に対しての抗議活動
●HIVのケアで起こる人種差別問題への抗議活動
この中でシーズン1のテーマは上から6項目まで
またこのドラマのシーズンごとの構成は、
●人物達のパーソナルな話でシーズン1をスタートし、
●シーズン2ではHIVの脅威と、「LGBTQの人々 VS 社会」を大きなテーマにし、
●そして最後のシーズン3では社会的なお題を散りばめながらも、キャラクター達それぞれのストーリーを完結。
そしてこのドラマ全体の大きなテーマは、世の中から受け入れられなかったLGBTQの人々が共に助け合って「家族」をつくり助け合いながら生きていく話。
…彼らのコミュニティーの中の誰かが、リーダー/Mother・Father/お母さん・お父さんになってHOUSE/ハウスを作り、皆がその元に集まって共に暮らす。(まだまだ差別や偏見の多い世の中では)彼/彼女達が個人個人で生きることは難しい。だからそんな社会的に弱い者達が「家族」として共に暮らし助け合う。彼らにとっての新しい「家族」というセーフティネットを作る。
結果…自分の属する「家族」のサポートがあるから何があっても帰ってこれる場所ができる。失敗をしても「ハウス/家」に帰って来てまた出直せる。やり直してまた生きていける。「家族」のメンバーが弱い者を手助けし、皆がいつか独立できるようにサポートする。そんな「家族」の元で、メンバーは学校に行き、仕事を探し、結婚し、誰かが亡くなればまた「家族」として送り出す。そんな「家族」の物語。
彼らは常にお互いをサポートして励まし合って生きていく…彼らのストーリーに私達視聴者が魅了されるのは実はそういうところなのかもしれないとも思った。
現代の都会の若者達を考えてみる。例えば日本…地方の若者が18歳で東京に出て来て学校を卒業し就職して生活している。彼らの多くは一人暮らし。日々必死に頑張っているけれど、もし仕事で行き詰ったら、失敗したら、上司と上手くいかなかったら、もしリストラされたら、もし将来ずっと一人だったら、結婚しなかったら、離婚したら、そして一人暮らしで病気になったら…。彼らのセーフティネットはどこにあるのだろう?
このLGBTQの人々をテーマにしたドラマ『POSE』を見ていて…いかに彼らの「家族」のあり方が羨ましく思えたことか…。彼らはいつも助け合っている。シェア・ハウスの友人達というよりも、ずっと親密で誠実で思いやりに溢れた「新しい家族」。
●シーズン2ではHIVの脅威と、「LGBTQの人々 VS 社会」を大きなテーマにし、
●そして最後のシーズン3では社会的なお題を散りばめながらも、キャラクター達それぞれのストーリーを完結。
そしてこのドラマ全体の大きなテーマは、世の中から受け入れられなかったLGBTQの人々が共に助け合って「家族」をつくり助け合いながら生きていく話。
…彼らのコミュニティーの中の誰かが、リーダー/Mother・Father/お母さん・お父さんになってHOUSE/ハウスを作り、皆がその元に集まって共に暮らす。(まだまだ差別や偏見の多い世の中では)彼/彼女達が個人個人で生きることは難しい。だからそんな社会的に弱い者達が「家族」として共に暮らし助け合う。彼らにとっての新しい「家族」というセーフティネットを作る。
結果…自分の属する「家族」のサポートがあるから何があっても帰ってこれる場所ができる。失敗をしても「ハウス/家」に帰って来てまた出直せる。やり直してまた生きていける。「家族」のメンバーが弱い者を手助けし、皆がいつか独立できるようにサポートする。そんな「家族」の元で、メンバーは学校に行き、仕事を探し、結婚し、誰かが亡くなればまた「家族」として送り出す。そんな「家族」の物語。
彼らは常にお互いをサポートして励まし合って生きていく…彼らのストーリーに私達視聴者が魅了されるのは実はそういうところなのかもしれないとも思った。
現代の都会の若者達を考えてみる。例えば日本…地方の若者が18歳で東京に出て来て学校を卒業し就職して生活している。彼らの多くは一人暮らし。日々必死に頑張っているけれど、もし仕事で行き詰ったら、失敗したら、上司と上手くいかなかったら、もしリストラされたら、もし将来ずっと一人だったら、結婚しなかったら、離婚したら、そして一人暮らしで病気になったら…。彼らのセーフティネットはどこにあるのだろう?
このLGBTQの人々をテーマにしたドラマ『POSE』を見ていて…いかに彼らの「家族」のあり方が羨ましく思えたことか…。彼らはいつも助け合っている。シェア・ハウスの友人達というよりも、ずっと親密で誠実で思いやりに溢れた「新しい家族」。
彼/彼女達は共に寄り添って自分達のためのセーフティネットを作った。
もしかしたらこのドラマの「新しい家族」のあり方は、LGBTQのコミュニティーだけに限らず、現代社会の誰にとってももっと必要なものなのかもしれない。核家族化が進み、若者は地方を離れ都会に出てきて一人暮らし。人と人の繋がりは薄れ、隣に誰が住んでいるかもわからない孤独な都会の生活。
もしかしたらこのドラマの「新しい家族」のあり方は、LGBTQのコミュニティーだけに限らず、現代社会の誰にとってももっと必要なものなのかもしれない。核家族化が進み、若者は地方を離れ都会に出てきて一人暮らし。人と人の繋がりは薄れ、隣に誰が住んでいるかもわからない孤独な都会の生活。
…実は(私以外の)視聴者も皆、このドラマで描かれたLGBTQの人々の「家族」のあり方がとても羨ましいのではないか? だから私達はこの「家族」のドラマにこんなに魅了されてしまうのではないか?
ああ…それにしても終わってしまったな。ビリー・ポーターさん最高。最後のボールでのシーンも最高。ブランカは(胸は平らでも)しなやかな女性の身体なのに、ビリーさんはがっつり筋肉質のオトコなのね。それにもびっくりした笑。かなりスタイルがいい。そして最後の鏡の前のシーンは大女優の風情。素晴らしい。このドラマが終わってしまって、もうビリーさんのプレイ・テルが見れなくなるのはちょっと哀しい。
MJロドリゲスさんのブランカはもう女性にしか見えない。このシーズンの彼女は本当に美しかった。皆も本当に綺麗だった。エレクトラのエレガンス。ルルの女の子っぽさ。そしてエンジェルのセクシーないい女っぷり。みんな本当に綺麗。
話の最後は1998年。HBOチャンネルで『Sex and the City』のシリーズが始まった年。ブランカ、エレクトラ、ルルにエンジェルがランチを食べながらそのドラマの話をしている。彼女達が『Sex and the City』のパロディ風に4人並んで歩くのも楽しい。
そんな彼女達が並んで歩く様子を見て「ああ…トランスの女性達には敵わないな」と正直思ってしまった。手足の長いアンドロジナスなかっこよさは…(女として生まれた)女には真似できない。あのかっこよさには敵わない。本当に素敵。エレクトラの背の高さ…エレガントさにぽーっと見とれる。ほんと。私がドラァグ・クイーンが異常に好きなのは…つまりそういうことなのだろう。彼女達のアンドロジナスなかっこよさに憧れるのだろう。天を突くような大柄な女性達。なんとかっこいい美しい人々だろうと。
そして男の子達。すぐ泣くパピちゃん…下がり眉で泣く顔がかわいい。ダンスの上手いリッキー君もかわいい。そう、このドラマのゲイの男の子達は皆かわいい。ちょっと女の子っぽくて。プレイ・テルのビリーさんもかわいい。
ともかく…最後のエピソード7を2時間もかけて見終わって感無量。
それにしても内容が…辻褄が合っているのかわからなくなった話もあった。…ブランカはシーズン1でHIVだと宣告されているのに、どうして恋人ができるのか? シーズン2でプレイ・テルとリッキーがが仲良くなったのも、あれはHIVの問題はなかったんだっけ?ちょっとわからなくなってる…ので、ネットフリックスでもう1回全シーズンを見ようかなと思う。2回目に見たらまた違うものが見えてくるかもしれない。うん…見直そう。もう一回見直そう。そうしよう。
というわけで『POSE』見終わりました。終了しました。感無量です。このドラマの俳優/女優さん達にはこれからも活躍して欲しい。皆様おつかれさまでした。
いつか番外編をつくってほしい。