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『The King and I(2018年)/UK/カラー
/160分/監督:Gary Halvorson』
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いやー…一言
ケンさんすごいわ。
ケンさんすごいわ。
やっぱりね、彼はカリスマがすごい。
私が日本人だからなのか、ラストサムライの勝元が好きだったからなのか。理由はいろいろとあるのだろうけれど…とにかくケンさんの王様が楽しい。ケンワタナビがステージで観客を前に英語で芝居をし歌い踊っているのだ。すごいですよね。ちょっととんでもなくすごいと思うんですけど。
だって外国語って毎日喋っても難しいのですよ。私もしょうがなく英語を25年間も毎日喋っていますが、やっぱりダメ…かなりあやしい。結局ネイティブのようには喋れない。ほんとに。無理。外国語って…子供の頃から(少なくとも18歳ぐらいから)喋る環境に居ないと難しいと思う。
ケンワタナベさんは40歳を過ぎて『ラストサムライ』をなさって、それから度々ハリウッド映画にも出演なさってますが、(撮り直しのできる映画と違って)ブロードウェーで3時間ものステージに立ち、観客の前で、英語で演技して歌って踊るのって…
本当に大変なことだろう。
すごいと思う。尋常じゃない大変さ。本当にすごいです。プロ。
そしてこの王様がなんだか可愛いんですよね。短気で怖い独裁者なのにユーモラスで子供みたい。何をやってもカワイイ。不思議。狙っているのだろうか。それともケンさんのチャームなのか?
『王様と私』と言えば、昔テレビで、ユル・ブリンナーとか、ジョディ・フォスターとチョウ・ユンファの映画とか見たけれど、あまり内容を覚えていない。最近ではこの地のアマチュア劇団でミュージカルを見たけれど、これも細かいところは覚えていない(楽しかったけど)。
この王様ってこんなに可愛かったっけ?
それがいいんですよね。子供みたいな大きな王様。おそらく西洋人が見たアジアの独裁者は、どこかイノセント…という設定なんだろうなぁ。西洋人の上から目線を感じないわけではないのだけれど。それでもこの子供みたいな王様が、どこか可愛らしくて魅力的なのは重要なことなのだろう。そんなキャラクターに、ケンワタナベさんは最高にハマってました。
ケンさんの英語は訛りがあるのだけれど(意図的なのか)それもいい。なぜならこの王様は英語が喋れる人ではないんですよね。あくまでも異文化の…それでも男性として魅力的なカリスマに溢れた王様。英国人の先生もちょっとふらっとしそう。だからいいんですよねぇ。ケンさんぴったり最高。キャスティングの魔法。
エトセトラエトセトラエトセトラ…もかわいい。有名な「Shall We Dance」をアンナさんとクルクル回って踊って、その後で「もう1回?」とちょっと照れて聞くのもカワイイ。
ケンさんは身体の大きな方で、ステージに登場する度にああ…王様が来た…と思う。それは彼のカリスマなんですよね。ケンさんはそこに居るだけで大きい。声もいい。やっぱりとんでもないカリスマのあるお方なのね。いやーすごいものだわ。
そしてケンさんはハリウッドスターなので、舞台に立てば「ああ…あのケンさんよ」とか、そういう魅力もありますよね。いいなぁ。そんなわけで、ニューヨークとロンドンのステージの評判をネットで探して見てみたら大絶賛。すごいですねぇ。
アンナのケリー・オハラさんは綺麗な声の方。ケリーさんはこのアンナでトニー賞を受賞なさったらしいです。
このミュージカルの評判はメディアでも聞いていたので、見てみたいなと思ってました。見れて良かったです。このステージが見れた人は(特に日本人は)楽しかったろうなぁ。羨ましいです。