この大河、初回で「本格歴史大河の雰囲気。これは楽しみだ」と書いたのだけれど、もしかしたらイロモノ大河かもしれないと思い始めた。イヤそれが悪いわけではなくて、そういうものだと思わなくてはいけないのかなと…。
武家の御曹司、清盛。今日の回で19歳(頃?)。元服もずっと前に済ませて、位もあって御所にも出入りしているのに、まだ薄汚い格好でガウガウ言っている。御所に上がったらもっとまともな装束を着てないといけないのではないか(詳しくないのでよくわからないが)。当時の19歳なら責任もある立派な大人なのに、台詞も振る舞いもまだ13歳ぐらいのノリ。脚本家と演出家のアイデアなのだろうが、松山さんもちょっと演技に力が入り過ぎていないだろうか…。などと思ったが今週の女性とのやりとりを見ていてこれは「平成っ子、平安に行く青春話」なのだと思いついた(それでもちょっとヘンだと思うが)。うわー。
歴史の場面に現代人のキャラクターを持ってくる設定は結構ある。映画「タイタニック」は、あの時代に突如出現したアメリカの現代っ子(デカプリオ)の話だったし、アメリカ人の作った「硫黄島からの手紙」でも日本の兵士が平成の男の子(二宮さん)のしゃべり方。娘コッポラの「マリー・アントワネット」もそうだし、去年の大河「江」もそうだし、この大河もそうなんだろうな。そうだとしたら、リアルを求めてもしょうがないのかもしれない。だから得子が鳥羽上皇を昼間から押し倒しっちゃったりするのか。うーん。
…が、そうだと思って見れば結構面白いのかも。この時代には興味があって映像化を楽しんでいるし、まいいか…。
さて、今週の目玉は二人の女性の登場なのですが、
まず明子(加藤あいさん)。初めて見たけれど、この女優さんはいいですね。まず顔が大人顔。繊細な感情の表現も出来るし、いい感じです。
そして時子(深田恭子さん)。この女優さんは何度か見たことがあるけれど、非常に可愛らしくて29歳に見えない。そう、子供顔なんですね。それにあの可愛い声。だから今の彼女の年齢でも高校生から20代前半なら最高に可愛い。今の時子ならいい。…が、この大河、もし初回の冒頭であったように、平家滅亡まで描くのだとしたら、深田さん、あのルックスとあの声でだいじょうぶか…。
この時子、「清盛亡き後は、宗盛や建礼門院徳子の母である時子が平家の家長たる存在となり、一門の精神的支柱として重きをなした(Wikipedia)」そうで、亡くなる時点で59歳。壇ノ浦で孫を抱いて海に沈むわけで…ほんとうにだいじょうぶなのか…。
最近の大河で気になるのは、主役の若い女優さんたちが全然歳をとらないこと。髪も真っ黒。皺ひとつ無いつるっとした顔。「功名が辻=ちよ」が亡くなった時60歳。去年の「江」は家康が亡くなった時点で43歳。どちらも主役の女優さんたちがほぼ彼女達の実年齢にしか見えなかったので最近の大河はそういうものなのかと思ったのだけれど…。
平成やんちゃ現代っ子清盛に深キョン時子…、本格重厚時代劇は無いかもしれません…。ちょっと悲しい。
追記:
平盛国になった元鱸丸の上川隆也さん、「功名が辻=一豊」と、「龍馬伝=中岡慎太郎」と今回で3回目に見るのだけれど、この俳優さんは毎回役のオーラが全然違うのでびっくりする。まるで別人。すごく上手い俳優さんなんだろうなと思う。
それから璋子たまこさま(檀れい)この空気っぷりは毎回たまらない。笑