能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

能登半島地震 ─ 寄付・支援情報

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2024年3月3日日曜日

米ドラマ FX『将軍/Shōgun』(2024) Pilot第1話 Anjin :これから楽しみです







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『Shōgun』(2024) TV Mini Series
/米/Hulu, FX/カラー/55–70 minutes
Creators:  Rachel Kondo, Justin Marks
Based on Shōgun by James Clavell
No. of episodes: 10話
Release: February 27, 2024 – April 23, 2024
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米国 FXにて。初回の放送は2月27日。パイロット/第1話を週末に録画で視聴。


まずまず。まだ人物達の紹介で終わった第1話で良いか悪いかの判断はできない。ただハリウッドがお金をかけて1600年頃の時代劇を撮ってくれるのであればそれだけで興味津々。第1話はまずまず面白かった。十分興味は持った。これから楽しみ。


『将軍』はオリジナルの1980年のドラマを高校の頃に見た。内容はよく覚えていない。覚えているのはリチャード・チェンバレンが素敵ねとか島田陽子さんが綺麗ねとかそのような程度。ガイジンさんが日本の女優さんと日本のドラマをやってるのね♪ ぐらいの印象。当時私は日本史に全く興味がなく内容もさっぱり理解していなかった。同作の吉井虎永は三船敏郎さん。

ドラマを見た後でジェームス・クラヴェルの原作も読んだ。ソフトカバーの単行本でざらっとした質感の白い紙に赤と黒のかっこいいデザインのカバー。1冊5 cmぐらいの分厚い本が「上・中・下」の3冊だった。もちろん原作の内容もさっぱり覚えていない。苦労して読んだのに。

それでも記憶に残る作品だ。旦那Aもドラマを覚えているという。原作は読んでいないらしい。今は旦那Aも日本の戦国時代の知識は多少ある。二人でワクワクしながら録画で視聴開始。



早速ストーリーのセッティングは軽く理解した。

簡単に言えば…
(ベースになる歴史は…)秀吉が死去して5大老が末期の豊臣政権の政務を行っていた頃。徳川家康が諸大名と私的婚姻を計画している話が他の大老達にバレて追い詰められる場面が出てくる。なぜか5大老をまとめているのが石田三成のキャラ。そのような状況の1600年、オランダ船に乗ったイギリス人・ウィリアム・アダムスが日本に漂着した


Wikipediaに登場人物がまとめてあったのでメモ。
英語のページに載っていた順で       ● 五大老
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真田広之:吉井虎永 (徳川家康 (1543–1616)) 
● コスモ・ジャーヴィス
 :ジョン・ブラックソーン (William Adams三浦按針 (1564–1620))
● アンナ・サワイ:戸田鞠子 キリシタン( 細川ガラシャ (1563–1600))
● 浅野忠信:樫木藪重 ( 本多正信 (1538–1616))
● 平岳大:石堂和成 ( 石田三成 (1559–1600)) 
● トミー・バストウ
 :マーティン・アルビト司祭 (João Rodrigues Tçuzu (1561–1634))
● 二階堂ふみ:落葉の方 (淀殿 (1569–1615))

● 金井浩人:樫木央海 (本多正純 (1566–1637))
● 穂志もえか:宇佐美藤 -- 戸田広松の孫娘
● 阿部進之介:戸田文太郎 (細川忠興 (1563–1646))
● 西岡徳馬:戸田"Iron Fist"広松 ( 細川藤孝 (1534–1610))
● 螢雪次朗:太閤 ( 豊臣秀吉 (1537–1598))
● 竹嶋康成:村次
● 倉悠貴:吉井長門 ( 松平忠吉 (1580-1607))
● 向里祐香: -- 遊女
● 洞口依子:桐の方 ( 阿茶局 (1555-1637))
● 亜湖:Daiyoin/大夫人・伊与 ( 高台院 (1549–1624))
● トシ・トダ:杉山如水 (前田利家 (1539-1599)) 
● ヒロ・カナガワ:五十嵐
● Junichi Tajiri as Uejiro
● Néstor Carbonell as バスコ・ロドリゲス
● Nobuya Shimamoto as Nebara Jozen
● 祁答院雄貴:竹丸
● 藤本真伍:志津の方
● Haruno Niiyama as Natsu No Kata
● Joaquim de Almeida as Father Domingo
● Paulino Nunes as Father Paul Dell'Aqua
● ヒロモト・イダ as 木山右近定長 キリシタン (小西行長 (1555-1600)) 
● タケシ・クロカワ as 大野晴信 キリシタン (大谷吉継(1558-1600)) 
● Yuko Miyamoto as Gin
● Yoshi Amao as Sera

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これは関ケ原の前の状況ですね。わかりやすく石田三成(石堂和成)を家康(吉井虎永)の「敵」にして五大老(石堂和成 ・吉井虎永・杉山如水・木山右近定長・大野晴信)のトップに据える。そして家康がそれに抵抗している状況。この様子ならこのまま「関ケ原の戦い」がハリウッド方式で再現されるのだろう。これは楽しみ。

㊟史実の五大老:徳川家康・前田利家(後に前田利長)・毛利輝元・宇喜多秀家・小早川隆景(後に上杉景勝)



★ネタバレ注意


パイロット/第1話は主人公の航海士・ジョン・ブラックソーン(ウィリアム・アダムス)の乗ったオランダの商船が日本に漂着するところから始まる。実際にアダムスの漂着したのは豊後(大分県)だったそうだが、このドラマではAnjiroに漂着。そこで浅野忠信の演じる樫木藪重(本多正信)の家臣に捉えられる。

樫木はオランダ船の積み荷を抑えジョン達を酷く扱うが、大阪にいる吉井虎永(徳川家康)からの命でジョンを大阪に送るように命じられる。


興味深いのは当時の欧州の新旧キリスト教の事情が描かれていること。当時1600年頃は欧州のキリスト教徒がカソリックとプロテスタントに別れて争っていた時期(このしばらく後の1618年に新教と旧教による30年戦争が欧州で勃発する)。 そのためカソリック教徒のポルトガル人がプロテスタントの英国人ジョンを嫌う。最初に出てきた司祭はジョンを「海賊だからと処刑しろ」と樫木に進言。それは実行されなかったが、大阪への渡航中(元々はポルトガル船に雇われた)スペイン人の航海士ロドリゲスもプロテスタントのジョンを敵として認識している。かなり辛辣にプロテスタントの英国人ジョンを嫌うカソリック教徒のポルトガル人とスペイン人の描写が面白いと思った。


さてなぜ樫木の元に漂着したオランダ船のことを虎永は知っていたのか?実は樫木の元に送り込まれた虎永の家臣がそのことを伝書鳩で虎永に伝えていた。つまり虎永は樫木を信頼しておらず、樫木の領地にスパイを送っていたことになる。

それにしても設定では本多正信の樫木藪重(浅野忠信)がなぜあれほど異常な人物に描かれているのかが不明。樫木が本田正信なら彼は最後まで家康の側にいるはずなのに。


とりあえず話は面白そうだと興味を持った。これからも見る。見どころは日本の時代劇をハリウッドの巨額な投資でどのように料理してくれるかということ。日本のテレビではできないことをどれくらいやってくれるのか。それが一番の楽しみ。この第1話も荒れた海の上の船の描写は映画のようだった。CGによる俯瞰もいい眺め。


画面の色合いはは全体に青みがかっていて暗くあまり綺麗ではないが、この色合いは…欧州の中世を描いたドラマや映画でもこのような色合いが多いので「中世色」というものか。慣れるしかない。

西洋の時代ドラマ/映画でも、中世を描く作品はことさら暴力描写と性描写が多い。基本的に「中世は野蛮だから」の考え方で、製作はそれを「リアルだ」と言い訳にして大衆に受けるようにショッキングなシーンを描くのだろうと思う。このドラマもいくつかの残酷なシーンや不必要な裸のシーンは我慢しなければならないのだろう。


そんなわけで私が個人的に気になるのは、ハリウッドがどのように日本のなんちゃって歴史ドラマをつくるだろうかということ。このドラマは真田広之さんがプロデューサをなさっていて内容にも目を光らせてくださっていると聞いているけれど、原作が英国人による1975年に書かれた小説ということもあって、やはりハリウッド製作なら飲まなきゃいけない妙なシーンやプロットもあるのではないかと思った。面白がるだけのために、リスペクトに欠けた極端なエキゾティズムが日本人には鼻につく可能性もあるだろう。

それで第1話の妙なシーンを少し
・ジョンが連行されるシーンは第二次大戦時の捕虜収容所か?
・キリスト教信者の頭が突然斬られて吹っ飛ぶ。不必要なグロ。
・樫木藪重の異常性 意味もなく船員がリアルに釜茹でになるグロシーンは不快で不要(原作にあるらしい)
・遊女が若者を組み敷く様子を樫木が楽しそうに見る(無駄なハダカ)
・樫木は一応は大名なのに、南蛮人に挑戦されたからといって(別の南蛮人を)危険を冒してまで自ら助けに行くはずも無し(アフォォ笑)
・樫木が溺れながら意味なく刀を抜く。意味なく自刃?
・皆がすぐにほいほい刀を抜く、抜きがち 無意味
・早速おきまりのハラキリ…しかしそのグロ・シーンは見せなかったのでヨシ


私が大昔にハリウッド製『ラストサムライ』をありがたがったのは、監督と製作全体に日本へのリスペクトを感じたから。あの映画は(たとえなんちゃって時代劇であったとしても)明治維新後に失われゆく武将達の文化を、リスペクトをもってかっこよく描いてくれたから。

もしハリウッドが『将軍』の題材を使って「これが残酷でショッキングで異様なアジアの未開の野蛮な蛮族のなんちゃって中世(近世)・ファンタジー時代劇ですよ」と撮ったとしたら私は醒めてしまう。さてどうなるか?期待しましょう。




2024年3月1日金曜日

NHK 夜ドラ『作りたい女と食べたい女』シーズン2・第30話/最終回



ほのぼのとシーズン2の最終話が終わってしまった。いいドラマ。穏やかなドラマ。とうとう野本さん(比嘉愛未)と春日さん(西野恵未)が一歩前進した。そして南雲さん(藤吉夏鈴)がハローワークで前に一歩踏み出している様子も嬉しかったし、同じハーローワークで春日さんの同僚の女性も次の職を見つけようとしていた様子も見れてよかった。野本さんと春日さんはとうとう引っ越して同居を始めたし、皆さん前に進んでますね。めでたしめでたし。

彼女達のこの先も描かれるのかな。いつかまた次が見たいな。

このドラマは登場人物が女性ばかりなのですね。野本さんの同僚の男性が一人いるだけで、他は全て女性ばかり。それに全く違和感がないのは、女性達がお互いを思いやって助け合う姿がとても心地よいからだろうと思う。それだけでも和み。穏やかな癒し系の心地よいドラマ。素敵なドラマ。


さてこのシーズン2では、野本さんと春日さんがレズビアンだと自認して、そのつもりでゆっくりと前に進むプロセスが描かれた。なんとかうまくいきそうですが私は彼女達の関係がしばらく不思議だった。

彼女達のやりとりが「お堅い」のですよ。会話の言葉遣いも敬語でフォーマル。ほとんど触れ合うこともない。それがすごく不思議だった。「レズビアン」の言葉は出てくるものの、二人とも手も握らない。それなら女同士の「親友/BFF (Best Friend Forever)」と何が違うのだろうと思った。だからもしかしたら野本さんと春日さんは30代半ばまでずっとアセクシュアルで生きてきて、(新しく知る)女性同士の穏やかな友情が心地よい人達なのかなとも思った。ハグをしなくてもいい関係。お互いにただ「あなたが好き」なだけの関係なのかも。(矢子さん(ともさかりえ)がそうだと言ってましたね)

そうしたら最終回でキスしたので、ああやっぱりそうなのかと思った。じゃあよかったですね。どんどん仲良くすればいい笑。 

…しかしいきなり言葉で確認してからチューにいったのでびっくりしたわ。もっとカジュアルでもいいのにね笑 自然に肩を寄せあったり、腕を組んだり、頭と頭を近づけたり引き寄せたり、頬に触ってニヤニヤするとか…もっと自然な流れの触れ合い方があると思うぞ笑。


「レズビアン」や「ゲイ」の人々とはたまたま好きな人が同性だっただけで、二人がお互いを好きならその気持ちはヘテロの恋人同士と同じだろうと思う。好きな二人だから一緒にいたいだけ。「同性愛」などと言葉で言うからそればかりを想像しがちだけれど、人と人の関係は性欲とSEXが全てではない。

だから野本さんと春日さんの大変礼儀正しい(距離のある)やり取りを見ていて、この二人はお互いに触らなくてもいいのかな~と思っていた。でもこれからはもっと腕を組んだり、肩に手を置いたり、お互いに好きだからこそ自然に相手の温もりが感じられるようになればもっと嬉しいと思う。まぁそれを見せるドラマでもないのだろうとは思うけれど。

今回少し歩み寄れてよかったですね。ほっとした。もっと楽しくなるね。よかったよかった。

コロッケがおいしそうだった。作りたくなった。


2024年2月29日木曜日

映画『アキラとあきら/Akira and Akira』(2022):うまいキャスティング、ポジティブなメッセージ






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『アキラとあきら(2022)/日/カラー
/128 m/監督:三木孝浩』
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しばらく前にTVJapanで放送されたものを録画していた。前情報なしで鑑賞。


主人公は二人。二人とも産業中央銀行の銀行員で同期。

山崎瑛/アキラ(竹内涼真):零細工場の経営者の息子、
 幼い頃に父親の経営する工場が倒産。東大を卒業。
 努力して銀行員になった。熱い男。

階堂彬/あきら(横浜流星):大企業「東海郵船」の御曹司
 恵まれた環境で育ち東大を卒業。
 冷静。家を継ぐことに反発して銀行員になった。


最初にアキラの父親の倒産の場面を見て「これは半沢直樹か?」と思った。すぐに調べたら原作者は池井戸潤さん。やはり『半沢直樹』の原作者だった。そして主人公二人も銀行員。

違う環境で育った(同じ名前の)二人は同期でライバル。この二人がどのように絡み合っていくのか?が話の軸。


最後は綺麗にまとまって気持ちよく終了。銀行のことはよくは知らないが、内容もわかりやすく不自然なところもなかった。それほどびっくりするような驚きや笑いはなかったけれど、ストーリーは自然に流れて違和感がなかった。最後は絵に描いたように綺麗にまとまった。人の人生に起こる様々な出来事を前向きに捉えるポジティブなメッセージを感じた。

何よりもこの映画は「売る」ために作られた映画だろうと思った。原作者は大ヒット作『半沢直樹』の池井戸潤さん。そして主人公のお二人が大変ハンサムな俳優さん達。彼らを見るためにだけでも若い観客が多く集まったのではないか。


このドラマで一番いいと思ったのはその配役。特にメインのお二人のキャスティングが素晴らしいと思った。

大企業の御曹司・階堂彬/あきらを演じる横浜流星さん。
綺麗なお顔の青年ですが(いい意味で)表情に憂いがある。あきらは大企業の御曹司なのに叔父達や弟の暴走で苦悩。父親からのプレッシャーからも逃れたかったのだろう。その苦悩が(ただ綺麗なだけではない)憂いを帯びた彼の表情にも見て取れる。表情に少し影がある。育ちのいいお坊ちゃんなのに悩みがありそうなその表情がキャラクターにマッチしていると思った。途中でイライラして怒鳴り散らしたり、机のものを床に払い落したりしていたけれど、彼の憂いのある表情でその行動も納得できた。うまいキャスティング。憂いのある表情というのはセクシーなのですよね。流星というお名前もまたミステリアス。月の光が似合いそうな青年。文系の女性に人気なのだろう。

そして苦労人の山崎瑛/アキラを演じる竹内涼真さん。
このお方は見るからに真っ直ぐな好青年。お名前が涼真さんだそうですがまさに涼やか。お日様を沢山浴びて育ったような明るい印象。このアキラは苦労をして育ったにはずなのに、どうしてそんなに真っ直ぐな目をしていられるのだろうと思うほど。決して打ち負かされないスーパー・ヒーロー系にも思える。黒目がちの人懐っこそうな目はまるで子犬のよう。人が大好きでフレンドリーなゴールデン・レトリーバーが思い浮かぶ。一ミリの曇りもない好青年ぶりがお見事。アキラが銀行員になったきっかけが満島真之介さん演じる銀行員(すごくいい人)にインスパイアされた…というのも納得。そうそう満島真之介さんも「いい人」の印象ですもんね。竹内さんの太陽を沢山浴びて育ったような「陽」の魅力は体育会系の魅力なのだろう。彼は声の響きも心地よい。

そのように、俳優さん達それぞれの佇まいや印象で選ばれたのであろう配役が素晴らしかった。お二人を見ているだけでそれぞれのキャラクターに納得できる。特に竹内涼真さんの誠実な好青年ぶりがすごいと思った。適役。


昔は明るい好青年だった江口洋介さんが、凍り付くほど冷たい上司・不動をなさっているのも感慨深い。落ち着いていて父親のような融資部長・羽根の奥田瑛二さんもいい。アキラが子供の頃に憧れた誠実な銀行員・工藤(満島真之介)、悲しむアキラを慰めた(父の)工場の従業員・保原(塚地武雅)などなど、全体に配役がすごくいい。


苦労をしても諦めず真面目に努力を続けた山崎瑛/アキラくんのような「まっすぐな人」「いい人」のストーリーというのは、今の時代にはとても必要だと思う。若い人がこの映画を見て、彼のように誠実に、真っ直ぐに生きたいと思えればいい。

諦めず努力をする人が成功する映画
「まっとうな人」がヒーローになる映画
「誠実な人」がヒーローになる映画
「困っている人を見捨てない人」がヒーローになる映画
「思いやりのある人」がヒーローになる映画

そのような「いい話」の映画が今の時代は必要だと思う。情報が溢れすぎて世の中が混沌としているように思える現代、若い人達は皆「正しい生き方」の基準がもっと知りたいのではないかな。

いい話です。いい映画。


2024年2月28日水曜日

TV Japanが3月いっぱいで終わってしまうぞ 😭



このところTVジャパンでは「放送終了」の告知をしている。

「2024年3月31日でテレビジャパンの放送を終了することにしました」だそうだ。ひぃ~かなし~。そうかそうかそうか~終わっちゃうのか。TVジャパンさんには日々感謝しております。時代が変わるのね。ぅわぁぁぁぁん…シクシク


そしてまた告知によると…「2024年3月20日からはテレビジャパンに代わる新しい動画配信サービス「Jme(ジェイミー)」がスタート」だそうだ。月額25ドルで試聴できるらしい。このJmeのライブ配信サービスは3つあって、

① 24時間ライブ: NHKワールド・プレミアム
 --- NHKの番組、ライブのニュースなど
② 24 hour Live: NHK World Japan
 --- 英語放送
③ Jmeセレクト(4月1日スタート予定)
 --- 今までのTV Japanに近い放送。民法の番組など

そして
④オンデマンド 
 ではセレクションの中から映画や番組をいつでも試聴可能
 --- これはNetflixみたいなもの?


なるほど。見ようと思えば色々と見れそうですね。ただ個々の番組は、オンデマンドに取り上げられなければライブ放送のみなのかな?…ということはテレビの視聴の習慣も変わりますね。


私は今までTVジャパンの番組は、全てHDに番組を録画して見ていた。なので番組の放送時間にテレビの前に座ることはほとんどなかった。録画したものをお昼時や晩御飯の後の夜の時間にまとめて見る習慣だったので、もしこれからライブ放送しか見れなくなるのであれば…見ることができない番組も結構あると思う。

日本のテレビは、ドラマばかりではなく30分程度で軽く見れるUtility系の番組や、歴史もの、ドキュメンタリーや音楽番組が面白い。

ちょっとここに私がドラマ以外で予約録画して見ていたもののリスト

Utility系
・あさイチ
・趣味どきっ!
・趣味の園芸

歴史もの
・歴史探偵
・先人たちの底力 知恵泉

ドキュメンタリー
・ファミリーヒストリー
・72時間
・NHKスペシャル
・ダーウィンが来た!
・プロフェッショナル(過去)  

音楽
・Songs
・NHK MUSIC

楽しみ
・NHKアカデミア
・ホンマでっか!?TV
・マツコの知らない世界
・ねほりんぱほりん
・今夜も生でさだまさし
・Core KyoTo 
・美の壺(過去)

そして番組表を見て単発で面白そうな番組も録画して見ていた。


日本の番組は、Utility系の番組やドキュメンタリーが面白い。とりあえず全て録画して面白そうなものだけピックアップして視聴する。「あさイチ」を見ながらアイロンをかけるし、「趣味の園芸」は癒し、「趣味どきっ!」には時々宝石のように素晴らしい内容のものがあったりする(人の本棚や台所を見せてくれるもの、茶道のレッスンもいい)。歴史ものやドキュメンタリーは学べるし、音楽は楽しい娯楽、そしてお楽しみ系は和み。

日本のUtility系の「ライフスタイル・マガジン」的な番組には特に癒される。実は大変貴重だと思っている。人々の住まいを訪ねたり、お掃除の方法、園芸などなど…このようなタイプのテレビ番組は米国ではあまり見かけない。英国では以前はガーデニングのテレビ番組があったが、今の米国ではサブスクの配信サービスの番組の中から見つけるしかない。それに西洋ではどのテーマも競争形式のリアリティ・ショーになることが多い。西洋には日本のようにただ「癒し」「学び」「心豊かになるため」などの穏やかなテーマの番組はあまりないと思う。


ドラマはオンデマンドにあがると思うのであまり心配していない。大河は見続けたいので3月20日を過ぎたらに「Jme」に登録しようと思う。

TV放送が終わって配信に変わったら、しばらく落ち着くまで試行錯誤することになりそうだ。

それにしてもわざわざテレビのことをブロクに書くなんて…私はずいぶんテレビ婆だ。どれだけ好きなんだよという。だって日本のテレビは面白いんですよ。アメリカのテレビなんて騒がしくてうるさいばっかりだ悶。


あ、それからもうひとつ。アメリカのテレビについて。

現在、うちの入っているケーブル会社で、今までエンゼルスの試合を見ていたBally Sports Westが映らなくなっている。どうやらローカルのケーブル会社がBally Sports Westの入ったチャンネル・パッケージの契約料金の値上がりのため交渉中らしいのだけれど、今のところシーズンが始まるまでに映るようになるかどうかわからない。😭

そして同じケーブル会社では、大谷さんのいるドジャースのテレビも映らない。ハワイは野球が好きな人が多いので、シーズンが始まるまでにどこかのチームは映るようになると思うが、さてどうなるか????? 


全然関係ないけれど…、エンゼルスのJared Walsh (ジャレッド・ウォルシュ)選手が、テキサス・レンジャーズとマイナーリーグ契約を交わしたそうだ。うわぁぁぁエンゼルスの昔の仲間がみんないなくなったよね。残ってるのトラウト君だけ?アデル君もいるネ。

それから長い間フリーエージェントで決まらなかったCody Bellinger(コディ・ベリンジャー)君がシカゴ・カブスと再契約だそうだ。そうかそうか。


2024年2月27日火曜日

NHK BSプレミアム・プレミアムドラマ『仮想儀礼』全10話



TV Japanにて。NHK BSプレミアム4Kの「プレミアムドラマ」枠で放送されたテレビドラマ。オリジナルの放送は2023年12月3日から2月11日 まで。


面白かった…深い、interesting…興味深いと言うべきか。これほど予想に反する展開になっていくとは思っていなかった。軽い気持ちで見始めたら(時々疑問を感じながらも)どんどん引き込まれて抜け出せなくなったのはまるで私も新興宗教に入ったような気がするほどだった。珍しいタイプのドラマだと思う。



★ネタバレ注意


最初はコメディだと思った。だって設定からおかしい。そんなのがうまくいくわけないじゃん…と笑いながら見ていたと思う。

主人公は元・エリート公務員・鈴木正彦(青柳翔)。そしていいかげんな男・元・ゲーム会社社員・矢口誠(大東駿介)。この二人が職を失って収入がなくなったことから、とりあえず金儲けのために新興宗教を立ち上げる。もちろんうそ。全部うそ宗教。なんちゃって宗教。最初はそんな「なんちゃって」に溢れた面白い系のコメディだとばかり思っていた。

ところが大変深刻な話だった。いや私にはかなりホラー系。最後まで「これってどうなの?リアルなのか?マジか?」首を傾げながら見続けた。否定しているわけではない。すっかり引き込まれているのに信じたくないような話…とでも言おうか。考えさせられる話だった。


主人公の二人が新しく起こした新興宗教の教団名は「聖泉真法会(せいせんしんぽうかい)」。教祖様・鈴木正彦 は元々は大変真面目で常識的な人物で、その穏やかな語り口のせいなのだろう、教団を立ち上げてから次第に人々(特におばちゃん達=石野真子・峯村リエ)を信者にしていく。確かに正彦が真面目な好青年のうえ、お顔もちょっといい男なのもリアルなのだろうと思った。おばちゃん達が訪問販売に来たハンサムな若者にちょっと嬉しくなるのと同じようなものだろうか。そんな風にほのぼの和気あいあいと、このなんちゃって教団が信者を増やしていくのも楽しく見ていた。

雰囲気が変わったのは、高校生・竹内由宇太(齋藤潤)が事件を起こした時。殺人…これはもう後戻りできない内容。「どうするんだこれ」と驚いた。もうコメディではないだろう。ところが由宇太の事件の後も、 鈴木正彦と矢口誠は何事もなかったように教団を運営し続ける。由宇太の話も出てこなくなったままストーリーは進む。その辺りに違和感を感じながら見た。

殺人事件が出てきたらもうおしまいじゃないのか?

…そこでドラマがおしまいにならならなかったのは、その時点ですでに主人公達ももう後戻りが出来なかったからなのだろう。いやしかし…もうやめた方がいいよと毎回思いながら見続けた。気分もよくないのでもう見るのをやめようかな…と何度も思った。殺人をスルーしてまで続ける話じゃないだろうと思った。


ところがドラマにはますますハマっていく。私もドラマから抜けられなくなる。次はどうなるのだろうと思って次も見る。そして話も深みにはまっていく。全部見終わって今思い返せば、おそらくドラマとしてもうまいのだろうと思う。まさか、そりゃないだろうと思いながらも次が見たくなる。やめられなくなる。

結局その後も話は進んでますます深みに嵌っていき、また犠牲者、最後は急カーブをするように話がかなり深刻に…仲間割れして信者の暴走、また犠牲者が出る。もう見ていられないほどの苦しさ。しかしだからこそ最後まで見届けたいとすっかり話に飲み込まれた。

最終…正彦と暴走した信者達は罪を償うことになる。


しかしなぜ彼らは途中で止められなかったのだろう。高校生・由宇太の事件の時に止めておくべきだったのに…。 しかし正彦も誠も真面目な人達だったからこそ、その時点ですでに教団を信じてくれている信者たちに「これは全部嘘だ」と真実を告げる勇気はなかったのかもしれぬ。信者たちをがっかりさせたくなかったのだろう。そして愚かにも「なんとかなる」と自らを過信していたのかもしれない。まるで(信者たちを騙している側の)正彦と誠も、自分達の起こした新興宗教に絡めとられて抜け出せなくなったかのように。それが怖い。

人の弱さを描いた話なのかもしれぬ。救いを求めた信者達だけではない。嘘をつき続けた正彦と誠も、間違いだとはわかっていても教団を解散して終わらせることができなかった。それも人の弱さ。なんとも言葉にするのも難しいほどの深いテーマだと思う。終わった後も色々と考えさせらる。


俳優さん達が皆素晴らしい。特に主人公のお二人、青柳翔さんと大東駿介さんがすごかった。最初はコメディかと思ったドラマが、同じ俳優さん達によって最後に「怖い」話に変わっていく様子がすごいと思った。

最後にカウンセラーを目指す元信者・徳岡雅子(松井玲奈)に希望が見えた。如月秋瞑(美波)はこれからどうするのだろう。そしてあれだけのことを経験しながら元の教団に戻った島森麻子(河井青葉)には何とも言えない気持ちになる。さて伊藤真実(川島鈴遥)の最後はどういうことだろう???わからなかったぞ。

彼らにとって宗教はなぜ必要なのだろう?


2024年2月26日月曜日

Steve Aoki, Paris Hilton – Lighter (2023)



音がいい



Paris Hilton and Steve Aoki – Lighter (2023)
Lighter – Single
Steve Aoki, Paris Hilton
Released: October 20, 2023
℗ 2023 11:11 Media



去年の秋ごろアメリカのダンスチャートに入っていたのをメモしていた。パリス・ヒルトンさんとスティーブ・アオキさんの超セレブのコラボ。インタビューを読んだら、このお二人はもう20年以上も友人同士なのに今までコラボしていなかった。それで今回のコラボになったらしいです。

この曲は最初に聴いた時に、2021年のTiëstoさんとAva Maxさんの曲「The Motto」にメロディが似ていると思ったのだけれど質感が違う。こちらもすごくいい。もっと機械で処理した声でそれがミステリアスな雰囲気でまたいい。これは音の気持ちよさだけでも記録しておきたい。

このMVは、1980年初期のMaxellのカセット・テープのCMにインスパイアされたとのこと。あ~日立マクセル。このイメージは覚えている。今調べたら米国の1983年のTV CMだったそうだ(Youtubeでも出てくる)。旦那Aに聞いてみたら「もちろん覚えてるよ。これCM名作集に必ず入るくらい有名なやつだよ」と言う。

日本人の私はなぜこのイメージを知っているのだろう?…たぶん当時アメリカのファッション雑誌を買って見ていたのでそれで見たのだろう。これも80年代なのか…。


Landed on my feet
うまく着地する、無事に窮地を脱する 
不安な立場を切り抜けてうまくいく、難を逃れる 
転ばなかった…の意味だそうだ


Lighter
Paris Hilton and Steve Aoki
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あなたがいない方が 心軽やか
あなたがいない方が 楽になる
ほんの少しお酒を飲んだら あなたが
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
(I feel lighter without you)


知らなかったわ 私の無意識の心
心にこんなに勇気が出せるなんて あの夜のこと
あなたのことを 考えもしなかったの
あなたはそこには存在しなかった 私が目を閉じたら

Yeah, いつも誠実に聞こえてた
どこからともなく あなたは現れて謝ってくる
でも私にははっきりと見えた 新しい光の中
私 あなたの元にはもう帰らない


あなたがいない方が 心軽やか
あなたがいない方が 楽になる
ほんの少しお酒を飲んだら あなたは
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
I feel lighter without you

I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
ほんの少しお酒を飲んだら あなたは
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
I feel lighter without you


やっと 生きている気がする 私はきっと大丈夫
信じられない 以前は私あんなに気にしていたなんて
あなたは私に必要な人じゃない
私 うまく切り抜けたの 
私の名前を呼んでもいいけど 私はもうそこにはいないから

Yeah, いつも誠実に聞こえてた
どこからともなく あなたは現れて謝ってくる
でも私にははっきりと見えたの 新しい光の中
私 あなたの元にはもう帰らない


I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
ほんの少しお酒を飲んだら あなたは
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
I feel lighter without you

I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
I feel lighter without you (I feel light, I feel light)
ほんの少しお酒を飲んだら あなたは
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
I feel lighter without you


ほんの少しお酒を飲んだら あなたは
ほら 消えていく
私はしばらく降りてこない
あなたがいない方が 身も心も軽く感じる
I feel lighter without you


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Written By Steve Aoki, Paris Hilton, Emily Warren, Scott Harris, Philip Leigh & Jonah Shy


2024年2月25日日曜日

映画『バービー/Barbie』(2023):肩の力を抜こうぜ







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『Barbie (2023)/米・英/カラー
/1h 54m/監督:Greta Gerwig/脚本:Greta Gerwig, Noah Baumbach』
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話題作ということでしばらく前にテレビで放送されたものをまたまた旦那Aが録画していた。昨日鑑賞。

いや~難しい映画だったわ。難解。マジ。何が言いたいのか全然わからなかった。面白くなかった。監督のテイストと合わないのだろうと思う。監督はグレタ・ガーウィグさん。彼女の映画(世間で大絶賛された)『レディ・バード』も全然ダメだった。合わないのだろう。

メッセージ性がありそうだけれどかなりケオスで混乱する。結果映画を見終わっても「何が言いたかったのだろう?」と首を傾げた。私は大抵の映画は「…まぁこのようなものだろう」と自分なりに納得するのだけれど、この映画にはただただ混乱するばかり。

たぶん私の年齢が年寄り過ぎるのだろうと思う。それから私はジェンダー不平等問題にあまり感心がないのだろうとも思った。まず子供がいないし、育てていないし、今の若い女の子達の苦悩もメディアなどから受ける印象から勝手に想像するのみ。どのような世代であれ(男女の違いなく)それぞれの世代の悩みや苦悩というものがあるのは理解しているつもりだけれど、一体この映画の監督やクリエイター達は、何を(ジェンダーでしょう)そのように大層な問題として大騒ぎしているのだろうと思った。

というわけで時代に取り残された年寄りがトンチンカンな感想を書く。辛口なのでごめんね。ちなみにこれは1回見ただけの印象。無理にメッセージを探そうとして混乱した。2回目に見ればもう少し楽しめるかも。


個人的な話だが私はあまり…そのジェンダー不平等問題で苦労をしてこなかった。美大を出てデザイン事務所に勤務して20代を過ごした。美大の学生だった頃もデザイナーとなってからも男女で扱いが違うなどということはなかったし、世の中はバブル期で仕事が溢れて超がつくほど忙しかったので、女だろうと男だろうと終電を逃して朝の2時3時4時5時まで仕事をしてタクシーや始発で家に帰る生活をしていた。結果が出れば給料は男の同僚と変わらないし、特に男女の扱いの差で苦しんだ記憶はない(ブラックな勤務時間はかなり辛かったけれど)。

その後は仕事を辞めて(辞めざる負えなかった)海外でなんちゃって学生。そして母にならずに専業。…結局私は(男女差が今も存在する)古い体質の大企業で男性社員と競って給料や昇進に悩んだ経験がないからその辛さがわからないのかもしれぬ。2023年に公開された女性向けの映画で、これほどまでに「女が女がおんなおんなおんなおんなオンナにもっとフェアな世の中になれ!!!!」と言っているメッセージに私は少なからず驚いた。

今でも女性は社会の中で虐げられているのか?


★ネタバレ注意


この監督からの一番のメッセージは…女性がいかに「不幸」なのかということなのだろうか?私は劇中のお母さん・グロリアのあの「オンナの叫び」のすごさにとても驚いた。気になったのでネット所を探したら出てきた。訳をする

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「オンナであることは無理なのよ!あなた(バービー)はそんなに綺麗で賢いのにそれでも十分だと思ってないなんて…辛くなるわ。私達女はいつも並外れてなきゃいけないのに、とにかくいつも間違ってるのよね。痩せてなきゃいけないのに、痩せ過ぎちゃいけない。そして「痩せたい」と言うことも許されない。「健康でありたい」と言わなければならないけど、同時に痩せてなきゃいけないの。お金を持ってなきゃいけないけれど、お金を欲しがってはいけない…だって下品だから。(チームの)ボスにならなければいけないけれど、意地悪しちゃいけない。人をリードしなければいけないけど、他人のアイデアを潰しちゃいけない。母親になることを喜ぶべきなのに、子供のことを喋り続けてはいけない。キャリアウーマンになるべきなのに、常に人への心配りを忘れてはいけない。男のダメな行動に答えなきゃいけない(それ狂ってる)のに、それを言えば文句が多いと非難される。男のために美しい女性であるべきだけれど、男を魅了するほど綺麗なのはダメで、またシスターフッドが大切だから他の女性が辛い思いをしないように綺麗にし過ぎるのもだめ。でもいつも特別で感謝の気持ちを持つべきなの。でもそのシステム自体が不正に操作されていることを忘れずに。だからそれをわかった上で感謝すること。年を取ってはいけない、失礼でもいけない、人に自慢してもいけない、自分勝手もいけない、決して転ぶな、間違えるな、怖がるな、常識から外れるな。もうすっごく大変!!!矛盾が多過ぎて誰もあなたにメダルをくれたり感謝してくれることもない。その上にあなたは間違っているだけじゃなく、それは全部あなたのせいだと言われる。(その方が皆に好かれるからって)私自身も他の女性達も皆混乱して苦しんでるのを見るのにうんざりしてる。そしてその全てが女性を表す(あなた)人形も同じだなんて…もう私にはわからないわ。
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うわ~大変やな。確かに。正しい。…しかし世の中の全てをこれほどまでネガティブに見る必要もないと思うぞ。自分で選んで大変な生き方をしているようにも聞こえてしまう。必要以上に自分を追い詰めていないか? もっとイージーでいいんじゃないの?もっといいかげんに生きたほうがいい。こんな生き方は辛いと思う。

これはグレタ・ガーウィグさんだか男性脚本家だか…女性は女に生まれただけでとんでもなく大変で辛くてフェアじゃなくてものすごくものすごく苦しい苦しい苦しいのよぉ~~~!!!!と言いたいのだろうか。

唸りますね。もうちょっと皆ダラダラしたほうがいい。人生をあまり難しく考えない方がいいと思う。日常の小さなイラつくことをいちいち全部重箱の隅をつついて最後の1ミリまで見逃さず、これもだめ、あれもダメ、苦しい、辛い、ああ私は不幸不幸不幸だ…と言ったからって、あまり状況が変わるとは思えない。

それからもうひとつ気になった台詞。車の中でのバービーと親子の会話。バービーが「私、女性が好きなの。女性を助けたいのよ」と言えば、娘のサシャ(10歳くらい?)が母とバービーに言う

「Everyone hates women. Men hate women and women hate women. It's the one thing we can agree on. 皆女が嫌いでしょ。男は女が嫌いだし、女も女が嫌い。これだけは皆同じ意見だよね」

ぉおおおおぅ…女は女が嫌い?ぇぇえ…ぅ~時々思いますけどね…でもずいぶん世の中を斜めから見ていないか?女性同士だからこそわかり合えることも沢山ありますよねぇ。

…なんかね、こういうのも含めて、この映画全体に流れる「女として生まれた苦悩」があまりにも大き過ぎて気になって、なんだか私には…この映画、総天然色ピンク大爆発のカラフルな映画なのにどうもメッセージが暗い。そうか。女は辛いか。確かに皆に愛される完璧な女になろうとすると人生は苦しいものなのか。そうか。


…あ、わかった。私は間違いなくあの変てこバービー(ケイト・マッキノン)なんだ。たぶんいつもはみ出してきたんだわ。たぶん中学ぐらいからそうだった。だから「完璧な女」になるつもりなんて早い時期に諦めたのだろうと思う。だから完璧になろうとする女性達の辛さがわかりづらいのかも。いや…途中まではそれなりに頑張っていたと思うが。

はみ出して何が悪い。アダムスファミリー好きだし。


なんかさ、先日のアリアナちゃんの歌の歌詞じゃないけど、皆他人の意見なんか気にしなきゃいいと思う。上の母・グロリアさんの言葉も、全部他人からの自分への批評や批判に苦しんでいるわけですもんね。「完璧になろうと努力しているのに全部非難される」と言っている。


それから、ケン(ライアン・ゴズリング)の家父長的な価値観がどうのこうの言う場面も、今の時代にそれほど大きな問題には私には見えない(そう見ようと思わなければ)。まぁ米国とは、スーパ・ーボウルなどで国中が巨大なマッチョ男に騒ぐ国なので私にはわからないのだろうとも思うが…アメリカの女性はスーパー・マッチョの巨人好きなのですよね。もしこの映画が言うように「米国に家父長的な価値観が今も強く残っていて、そのために多くの女性が苦しんでいる」のが現実なら、それはマッチョで自分勝手で傲慢な男を「男らしい」と好む女性の側の問題でもある。

しかしだからと言って、そのような男達と戦って、追い出すのがいいのかどうかは疑問だ。皆アマゾネスにはなりたくないと思うぞ。私はなりたくない。

男女も同性同士も皆仲良くしたいですね。


…というわけでなんだか難しい映画でした。女性は今の方が生きづらいのかもしれぬ。どうなのだろう。


マーゴット・ロビーさんは本当に人形のように美しい。しかしバービーとしては結構年が上。今33歳なのでギリギリOK。演技も上手い女優さん。ユーモアのセンスもありそうでいい。
ライアン・ゴスリングさん。彼はミスキャスト。ジジイ過ぎで不自然。今43歳だもの。もうおじさんだから生々しいむんむんの男臭さがとても邪魔。子供が喜ぶ人形に見えない。バービーもケンも20代の俳優を使った方がいいのにと思った。もちろん彼のせいじゃない。大物俳優を使わなければならなかったキャスティングのせい。

白人が演じるバービーとケンを見ていて、今のアジアのポップスターの方がずっとリアルに人形っぽいなとも思った。もう白人には憧れない~(個人的意見)


1970年代初頭、子供の頃に明るいブロンドの髪のいずみちゃんを持っていた。りかちゃんのように横向きの目ではなく、当時の少女漫画のようなキラキラした目をしていた。それから70年代半ばにドーン/Dawnちゃんという小ぶりの人形をもらった。アメリカのデザインだったらしく固いまつ毛の束がバシバシに付いていた。青い目にブルーのアイシャドウ、お顔がいかにも洋風でメリハリのある身体をしていた。赤みがかった金髪はロングで艶々。眉で切りそろえた前髪が可愛かった。ピンクのホルターネックのワンピースを着ていた。今ネットで「Dawn doll」と画像検索したら写真が出てきた。いずみちゃんとドーンちゃんの二つの人形にラメ入りのリボンやハンカチでゴージャスなドレスを作って友人と遊んでいた。懐かしいね。 あ~後からいづみちゃんの髪を切った気がする笑。